重複コンテンツがSEOに与える影響とは?検出方法と改善ステップを解説


「重複コンテンツの具体的な定義や種類を知りたい」
「重複コンテンツがSEOに与える影響は?」
「自社サイトの重複コンテンツを減らす方法を知りたい」
企業の経営者やマーケティング部門の担当者、Webサイトの運営者の中には、このような疑問やお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
重複コンテンツとは、同じまたは非常に似通った内容のページが複数存在する状態を指し、検索エンジンの評価に悪影響を与えることがあります。
しかし、その具体的な定義やどのようなケースが該当するのか、またどのように対処すればよいかを理解している方は意外と少ないのが現状です。
本記事では、重複コンテンツの基本的な定義から、SEOに与える影響、さらに自社サイトの重複コンテンツを検出・改善するための具体的なステップまで、わかりやすく解説します。
この記事を読むことで、検索順位の低下リスクを減らし、サイトの評価を高めるための実践的な知識が身につくでしょう。
最後までご覧いただき、ぜひ自社サイトのSEO対策に役立ててください。
1.重複コンテンツとは?
重複コンテンツとは、タイトルや本文のテキストなど、ページを構成する情報が他のページとほぼ同じ、または完全に一致しているコンテンツを指します。
重複は大きく分けて、
- 自サイト内の異なるページ間で起こるパターン
- 自社サイトと他社サイト間で発生するパターン
の2種類があります。
特に後者は「コピーコンテンツ」とも呼ばれ、Googleなどの検索エンジンからペナルティを受け、検索結果に表示されなくなる可能性があるため注意が必要です。
ここでは、重複コンテンツがどのようなケースで発生し、検索エンジンがどのような基準でそれを判断しているのかを解説します。
- 重複コンテンツが発生するケース
- 重複コンテンツと見なされる基準
順に見ていきましょう。
(1)重複コンテンツが発生するケース
重複コンテンツは、Webサイトを適切に管理していても、システムの仕様や運用上の工夫不足によって自然に発生してしまうことがあります。
ここでは、企業サイトやECサイト、ブログ運営などでよく見られる代表的な5つのケースをご紹介します。
- URLの表記揺れ
- 動的URLによる重複
- モバイル版とPC版で異なるURLを使用
- コンテンツの再利用
- コンテンツの無断転載・盗用
#1:URLの表記揺れ
同じページに対して、以下のように複数のURLが存在する状態です。
- https://example.com
- https://www.example.com
- http://example.com/index.html
例えば、SSL(https)への移行後に旧URL(http)も残っている場合、内容が同じでも異なるURLとしてGoogleが認識するため、重複が発生します。
#2:動的URLによる重複
CMSやECシステムで生成された動的URLが原因で、同一ページが複数のURLで存在するケースです。
- https://example.com/products?id=1234
- https://example.com/products/1234/details
このように、URL構造が違っても内容が同じ場合、これも重複とみなされます。
#3:モバイル版とPC版で異なるURLを使用
モバイル向けに「 m.example.com」、PC向けに「 www.example.com 」など異なるURLを用いると、同じコンテンツが別のURLに存在することになります。
現在はレスポンシブデザインが推奨されていますが、古い構成のサイトでは今もこの形が残っている場合があります。
#4:コンテンツの再利用
同じ記事を自社サイトと他メディア(プレスリリースサイト、寄稿媒体など)に掲載するケースです。
たとえ自社がオリジナルであっても、検索エンジンはどちらか一方しか評価しないことがあります。
#5:コンテンツの無断転載・盗用
自社のオリジナル記事が他サイトにコピーされて掲載されているケースです。
この場合、盗用されたにもかかわらず、他サイトがオリジナルと判断される可能性もあり、厄介です。
(2)重複コンテンツと見なされる基準
Googleは明確に重複コンテンツの基準を公開していませんが、以下のようなケースは重複と見なされることが多いです。
- 同一または非常に類似したコンテンツが複数のURLで存在する
- 特定のキーワードに対して、複数の類似ページが上位に現れる
#1:同一または非常に類似したコンテンツが複数のURLで存在する
同一または非常に類似したコンテンツが複数のURLで存在していると、重複コンテンツと見なされる可能性があります。
例えば、「https://example.com/blog/post1 」と「 https://example.com/post?id=1 」の両方で、同じ記事が表示されると、検索エンジンは「どちらが正規ページか判断できない」状態になります。
#2:特定のキーワードに対して、複数の類似ページが競合している
同じキーワードを狙ったページが自社サイト内に複数存在する場合、検索エンジンはそれらのページの違いを正確に理解できず、評価が分散されてしまうことがあります。
例えば、「クラウドサービス 導入事例」というキーワードに対して、導入事例ページ・製品ページ・ブログ記事がそれぞれ似た内容で構成されていると、Googleはどのページを検索結果に表示すべきか迷い、結果としてどのページも上位に表示されにくくなるのです。
このような現象は「キーワードカニバリゼーション(キーワードの食い合い)」とも呼ばれ、企業サイトでもよく見られる問題です。
特に記事数が多く、過去の更新履歴が整理されていないサイトでは発生しやすく、SEO評価を損なう要因になります。
2.重複コンテンツがSEOに与える影響
重複コンテンツは、Googleをはじめとする検索エンジンにとってユーザー体験を損なうリスクがあると判断される要因の1つです。
そのため、意図的でない場合でもSEOに悪影響を与える可能性があります。
以下に主な3つの影響を解説します。
- 検索順位が下がる・インデックスされない
- 正規ページが判断されず評価が分散する
- Googleから「低品質サイト」とみなされる
(1)検索順位が下がる・インデックスされない
Googleは、検索結果に同じような内容のページが複数表示されることを避ける傾向があります。
そのため、重複と判断されたコンテンツは、検索結果に表示されなかったり、インデックス自体が行われなかったりする可能性があります。
例えば、同一商品に対して複数の類似した紹介ページがある場合、Googleはそのうちの1つだけをインデックス対象とし、その他は検索結果に表示しません。
結果として、せっかく作成したページが集客に結びつかないという事態になりかねません。
(2)正規ページが判断されず評価が分散する
正規ページとは、本来検索エンジンに評価されるべき「代表的な1ページ」を意味します。
例えば、同じテーマに関する複数のページが存在する場合でも、その中で最も重要な1ページに評価を集中させたい、というのがSEOの基本的な考え方です。
しかし、重複コンテンツがあると、検索エンジンは「どのページを評価すべきか」を正しく判断できません。
本来評価されるべきページの順位が上がらず、SEO効果が分散されてしまうことになります。
具体的には、似たような製品紹介ページが複数あると、それぞれに被リンクや内部リンクが分散し、どのページも中途半端な評価しか受けられなくなってしまうのです。
(3)Googleから「低品質サイト」とみなされる
重複コンテンツが多数存在するサイトは、Googleから「オリジナリティやユーザーにとっての価値が乏しいサイト」と判断される可能性があります。
特に自社サイト全体でテンプレート的なコンテンツが量産されていたり、外部からコピーされた文章が多く存在していたりする場合、Googleのアルゴリズムはサイト全体の品質に疑いを持ち、新しく公開したコンテンツがインデックスされにくくなる・上位に表示されないといった事態が発生します。
3.重複コンテンツの検出方法
重複コンテンツの有無を確認するには、Google Search Console(GSC)を活用するのが効果的です。
GSCはGoogleが提供する無料の公式ツールで、サイトのインデックス状況や検索パフォーマンス、エラーなどを確認できます。
GSCで確認手順は以下の通りです。
- GSCにログインし、該当のプロパティを選択
- 左メニューの「ページ」をクリック
- 「重複」や「クロール済み – インデックス未登録」などのステータスをチェック
重複コンテンツがある場合は「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」というようなインデックスに関する警告が表示されます。
クリックすると重複しているページのURLを確認できるため、該当ページが本当に重複しているのか精査し、canonicalタグの設定やリダイレクトの実施など、正規化の対応を行うことで評価の分散を防ぐことが可能です。
重複コンテンツの改善ステップについては、次章で解説しますので、あわせてご覧ください。
4.重複コンテンツの改善ステップ
重複コンテンツが発生していた場合は、放置せずに早急に対策を講じることが重要です。
ここでは、効果的な3つの改善ステップをご紹介します。
- canonicalタグで正規ページを明示する
- noindexタグでインデックス除外設定
- コンテンツの統合・リライトを行う
(1)canonicalタグで正規ページを明示する
<link rel=”canonical”>タグを使うことで、重複コンテンツを改善することができます。
canonicalタグとは、WebページのHTML内に設定することで検索エンジンに「このページが正規です」と伝えるためのHTMLタグです。
内容がほぼ同じ複数のページがあっても、canonicalタグを正規ページに向けることで評価を1つに集約でき、検索順位の分散を防ぐことができます。
例えば、以下のようなURLがすべて同じ内容のページを表示している場合でも
- https://example.com/page
- https://www.example.com/page
- https://example.com/page?ref=abc
それぞれのHTML内に
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page”>
と記述することで、Googleなどの検索エンジンは「このURLが正規のページである」と認識し、重複として扱わず、評価をそのURLに集約することができます。
もっとも、canonicalタグはページの<head>内に記述する必要があるため、CMSを使っている場合はテンプレート設定などを確認しましょう。
また、存在しないページや間違ったURLを指定してしまうと、正しい評価が行われず、SEOに逆効果となる場合があるため、canonicalの指定先は間違えないよう注意しましょう。
canonicalタグについては下記の記事で解説しているため、併せてご覧ください。
(2)noindexタグでインデックス除外設定
「noindexタグ」を使用することで、重複コンテンツを防ぐことができます。
noindexタグとは、HTMLの<head>内に記述することで、検索エンジンに「このページは検索結果に表示しないでください」と伝えるタグです。
内容が似ているコンテンツの片方にnoindexタグを使うことで、Googleや他の検索エンジンはそのページをクロールしても、インデックスを行わなくなります。
noindexタグが効果的なページは以下のようなものです。
- 内容が重複しやすいタグ一覧ページやカテゴリ一覧ページ
- 検索機能や絞り込み条件などで生成されるパラメータ付きURL
- 印刷専用ページ、ログインページなど、検索結果に表示する必要がないページ
- 過去のキャンペーンページなど、今後更新の予定がなく、情報として古いページ
上記のようなページを検索エンジンにインデックスさせないことで、重複コンテンツと判断されるリスクを回避することができます。
ページごとの役割を明確にし、必要なページだけが検索結果に表示されるようコントロールすることで、サイト全体の評価を高めることが可能です。
noindexタグについては以下の記事でも解説していますので、ご参照ください。
(3)コンテンツの統合・リライトを行う
重複コンテンツが発生している場合は、内容が似ているページを統合したり、文章をリライト(書き直し)することで、検索エンジンからの評価を集約することができます。
上述したように、自社サイト内に似たような内容のページが複数あると、それぞれのページにアクセスや被リンクが分散してしまい、結果としてどのページも十分な評価を得ることができません。
コンテンツが重複している場合、1つの包括的なページに統合することで、情報が整理され検索エンジンに評価されやすくなります。
なお、コンテンツの統合を行う際は、物との記事の内容を再構成し、古いページには301リダイレクトを設定しておくことで、検索エンジンの評価を引き継ぐことが可能です。
コンテンツの統合やリライトは手間がかかる施策である一方で、検索上位に表示されやすくする効果的な方法です。
コンテンツの整理ができていない企業ほど、優先的に取り組む価値があります。
5.コンテンツの重複を避けるには
重複コンテンツは1度発生してしまうと、SEO評価の低下や検索順位の不安定化につながります。
そのため、問題が発生する前に予防策を講じることが重要です。
ここでは、構造面と運用面の両面から、重複を避けるための基本的な考え方をご紹介します。
- 構造的に重複が起こりにくいサイト設計を心がける
- オリジナル性の高いコンテンツ作成の習慣をつける
(1)構造的に重複が起こりにくいサイト設計を心がける
重複コンテンツを未然に防ぐためには、構造的に重複が発生しにくいサイト設計を意識することが非常に重要です。
例えば、URL構造が複雑で、同じページに対して複数のURLパターンからアクセスできるような設計は、検索エンジンにとって別ページとして認識され、重複コンテンツと判断されるリスクを高めてしまいます。
また、ECサイトやブログなどでよく見られるのが、「カテゴリ別」「タグ別」「並び替え条件別」などによって同一商品や記事が異なるURLで表示されるケースです。
CMSを使っている場合は特に注意が必要で、テンプレート構造やURLパラメータの扱いによっては、意図せず大量の重複ページが生成されてしまう可能性があります。
重複コンテンツを避けるためには、URLを正規化し、canonicalタグや301リダイレクトを適切に使って評価を1本化する仕組みをサイトの設計段階から整備することが大切です。
さらに、同じ内容を表示する必要がある場合は、JavaScriptやAjaxでコンテンツを切り替えるなど、URLを変えずに表示を変える設計も1つの手段となります。
(2)オリジナル性の高いコンテンツ作成の習慣をつける
Googleは公式ドキュメント内で、「他サイトとほとんど同じ、または全く同じコンテンツを持つページは、検索結果でのパフォーマンスが低下する可能性がある」と明言しています(出典:Google Search Central)。
検索で上位に表示されるには、自社の経験や事例をもとにした「オリジナルの情報」が重要です。
例えば、お客様からの声や自社で行った調査、現場でのノウハウなどは、他社にはない強みとなり、「経験」や「専門性」を伝える手段になります。
また、信頼できる情報源を引用したり、監修者を明記することで「権威性」「信頼性」も高まります。
他サイトのコピーではなく、自社独自の情報や経験をもとにした質の高い記事作成を習慣つけることで、重複コンテンツを避けることが可能です。
6.重複コンテンツに関するよくある質問
最後に、多くの方が疑問に思う重複コンテンツについてFAQ形式でご紹介します。
- 引用や転載はどの程度までならOK?
- AIで書いた記事は重複扱いになる?
- ECサイトで商品情報が似通っている場合はどうすれば?
(1)引用や転載はどの程度までならOK?
出典を明記し、必要最小限の範囲であれば引用は可能です。
ただし、ページ全体が他サイトの転載・引用ばかりでは、オリジナル性がなくなり、評価されにくくなります。
引用部分がメインコンテンツを超えると、Googleにとって「価値が低いページ」と判断される可能性があります。
(2)AIで書いた記事は重複扱いになる?
AIが生成したからといって自動的に重複と見なされることはありません。
Googleは、AIによるコンテンツも「読者の役に立つ、高品質な情報」であれば評価すると明言しています。(参照:Google 検索におけるAI生成コンテンツの取り扱い)
重要なのは「誰が書いたか」より「読者にとって有益かどうか」です。
ただし、同じプロンプトから似たような記事を複数生成した場合や、他サイトの内容をそのまま流用した場合は、重複や低品質と判断されるリスクがあります。
(3)ECサイトで商品情報が似通っている場合はどうすれば?
ECサイトでは、メーカー提供の説明文をそのまま掲載すると、他社サイトとの重複が発生しやすくなります。
そのため、以下のような対応が推奨されます。
- 自社の視点でリライト・レビューを加える
- 使用シーンやユーザーの声を追加する
- 商品比較・ランキングなどの独自コンテンツを組み込む
また、似た商品ページが複数ある場合は、canonicalタグの使用や、カテゴリページの設計見直しも有効です。
商品名・スペック・説明文などが他社と類似するのは避けられませんが、オリジナルの要素を加えることで差別化が可能です。
まとめ
重複コンテンツは、サイト運営者が意図せずとも発生することが多く、SEOに悪影響を及ぼす重要な課題の1つです。
特に正規ページが特定されないことで評価が分散し、検索順位の低下やインデックス除外といったリスクを招きます。
本記事では、重複コンテンツの定義や発生原因から、Google Search Consoleを用いた検出方法、canonicalタグやnoindexの活用などの具体的な改善策まで解説しました。
また、構造的に重複が起きにくい設計や、オリジナル性の高いコンテンツ制作の重要性もご紹介しました。
企業サイトの信頼性や集客力を高めるためにも、日常的にコンテンツの重複チェックを行い、正規ページの管理を徹底することが不可欠です。
ユーザーと検索エンジンの両方にとって有益なサイトを目指し、重複コンテンツへの対応を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
もしも自社サイトで重複コンテンツが発生していないか不安がある、または適切なSEO対策として重複コンテンツを解消したいとお考えでしたら、TMS Partners株式会社にご相談ください。
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