コラム

CRMとERPの違いは?どちらを導入すべきかが分かる

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TMS編集部

「CRMとERPは具体的に何が違うのか」
「それぞれの特徴やメリットが知りたい」
「導入する場合は、どちらを選ぶべき?」

企業の経営者やマーケティング・販促部門の担当者の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

CRMとERPは、ともに社内の情報を扱う基幹システムですが、扱う情報やシステムの目的に違いがあります。

そのため、社内の業務課題などに応じて使い分けることが重要です。

本記事では、CRMとERPの違いについて、機能面やメリット・デメリットという観点から解説します。

また、どちらを導入すべきかの判断基準や連携することで得られる効果についても合わせてご紹介しますので、導入を検討されている方はぜひご覧ください。

1.CRMとは

CRMとは、顧客関係管理とも呼ばれる概念です。

顧客との良好な関係性を維持することを目的とする施策のことで、そのような理念・施策を可能にするツールやシステムのことをCRMという場合もあります。

以下では、CRMの基本概念や基本機能、ツール・システムの導入に関するメリット・デメリットについて順に解説します。

(1)CRMの基本概念

CRMは、顧客との良好な関係性を維持し、顧客満足度を高めた上で自社商品・サービスのリピート購入などを促進することを目的としています。

市場動向や消費者ニーズの多様化などを背景として、商品・サービスの販売を拡大していくことが難しい昨今の動向を踏まえた新しいマーケティングや営業戦略の必要性が高まっています。

また、新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持する場合と比べると、5倍のコストがかかるとも言われています。

そのため、既存顧客との関係性を良好なまま維持・継続していくことで、顧客のさらなる商品・サービスの購入・利用を促進することが、安定的かつ継続的な収益をもたらすものとして注目を集めています。

このように、顧客目線でマーケティングや営業の戦略・プロセスを策定し、管理を行うところがCRMの特徴です。

そのため、そのような目的を果たすために、CRMツールやシステムには様々な機能があります。

具体的には、以下でご説明します。

(2)CRMの基本機能

CRMツールやシステムには、以下のような機能があります。

CRMツール・システムの主な機能

  • 顧客情報管理機能
  • 商談管理機能
  • 問い合わせ管理機能
  • マーケティング機能

いずれの機能も顧客情報を収集・管理することが目的となっています。

例えば、顧客情報管理機能では、顧客の性別や年齢層、連絡先などの顧客属性に関する情報だけでなく、過去の商品・サービス購入履歴なども閲覧することが可能です。

また、商談管理機能では、過去および現在の商談の進捗状況や提案内容、顧客のリアクションなどの情報が集積されているため、顧客の行動や反応についての情報も把握できます。

このような機能を用いることで、顧客のニーズや行動履歴などのデータをもとにして、効果的な営業活動やマーケティング戦略の立案に活かすことができます。

(3)CRM導入のメリット

CRMツールやシステムを導入することで、以下のようなメリットがあります。

CRMツール・システムを導入することによるメリット

  1. 生産性の向上が期待できる
  2. 営業業務の効率化とチーム連携が容易になる
  3. 顧客満足度の向上による収益の向上が見込める

具体的に見ていきましょう。

#1:生産性の向上が期待できる

顧客の属性や購入履歴などの情報が一元管理できるところにCRMツール・システムの特徴があります。

そのため、システムに接続するだけで、どの部署からも同じ情報にアクセスすることができ、必要な情報やデータをすぐに収集することが可能です。

目的に応じて必要な情報・データを収集して、最適なマーケティング戦略や営業活動の策定を行うことができ、生産性の向上が期待できます。

#2:営業業務の効率化とチーム連携が容易になる

顧客情報や商談の進捗状況・提案内容などの顧客とのコミュニケーション履歴も一元管理されているため、営業業務の効率化やチーム連携が容易になることもメリットの1つです。

営業活動の可視化にもつながるため、特定の営業担当者しか対応できないといった営業活動の属人化を防止し、営業チーム全体で顧客フォローを行うことも可能になります。

そのため、営業担当者が不在の場合であっても、チームとして迅速な顧客対応を行うことができ、顧客満足度や顧客対応の質向上も目指すことができます。

#3:顧客満足度の向上による収益の向上が見込める

CRMツールやシステムの機能を活用することで、顧客へ適切なアプローチや対応を行うことができるようになり、顧客満足度が向上することも大きなメリットです。

例えば、商品・サービスの提案段階と受注直後とでは、顧客が期待する情報やフォローの内容は異なります。

CRMツールやシステムに集積された顧客情報を分析することで、それぞれの段階の顧客ニーズを把握することができるため、顧客属性や状態に応じて最適なアプローチが可能です。

適切な時期に適切なアプローチを行うことで、顧客満足度が向上し、さらなる商品・サービスの購入やリピートにつながりやすくなります。

(4)CRM導入のデメリット

CRMツールやシステムを導入することで、上記のようなメリットが期待できる一方で、以下のようなデメリットがあることも押さえておきましょう。

CRMツール・システムを導入することによるデメリット

  1. 導入・運用のコストがかかる
  2. 効果が現れるまで時間がかかる

順にご説明します。

#1:導入・運用のコストがかかる

CRMツールやシステムを導入する場合には、初期費用や月額利用料などのランニングコストがかかってくることに注意が必要です。

CRMツール・システムには、ソフトウェアを購入してPCにインストールするオンプレミス型とベンダーが提供するサーバーにアクセスして利用するクラウド型の2つがあります。

オンプレミス型では、製品を購入する必要があるため、初期費用の相場は50~200万円です。

また、クラウド型は初期費用としては無料~10万円程度の場合が多く、初期費用のコストは抑えられますが、月額利用料や保守運用費用が別途かかります。

また、必要な機能を追加すると利用料が高額になる場合もあるため、料金プランについてもあらかじめ確認し、複数社のサービスを比較しながら導入を進めていくことが重要です。

なお、CRMツールやシステムを自社で開発することによって、初期費用を抑えることも可能です。

CRMツール・システムを自社開発する際の手順や注意点については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

2024.05.30

CRMを自社で開発することはできる?開発手順や注意点を解説

#2:効果が現れるまで時間がかかる

導入してから効果が出てくるまでに時間がかかってしまうこともデメリットとして挙げられます。

CRMツールやシステムの機能を活用するためには、顧客情報の収集・管理が欠かせません。

また、運用にあたっては社内で担当者を選任することに加えて、運用のルールなどを策定・周知を行う必要もあります。

そのため、社内での運用定着や顧客情報の収集のために数か月単位の時間を費やす可能性があることは認識しておきましょう。

もっとも、継続して運用を行うことで、社内での運用ルールなども定着し、集積される顧客情報の質も向上し、効果的な施策の策定・実行を行うことが可能になります。

そのため、CRMツールやシステムを導入する場合には、中長期的な視点で効果を計測して運用を継続していくことが何よりも大切です。

2.ERPとは

ERPは、企業資源計画あるいは統合基幹業務システムと呼ばれる概念です。

企業の経営に必要なヒトやモノ、カネといった資源を管理し、経営戦略に基づいて適切に配分することを目的とするものです。

また、そのような目的のもとに運用されるツールやシステムを統合基幹業務システムと言います。

以下では、ERPの基本概念や機能、ツール・システムを導入するメリット・デメリットについて解説します。

(1)ERPの基本概念

ERPは、企業の経営に関する資源の把握および適切な分配を行うことを目的としています。

企業の経営に関する資源は、通常は以下のように管理されます。

企業の資源 管理部署・部門
ヒト(従業員情報) 人事部門
モノ(製品の在庫) 生産管理部門、販売管理部門
カネ(資金や財産) 経理部門、財務部門

上記のように別々の部署・部門で別々の方法で管理が行われるため、業務に関する情報やデータを収集・分析するのに手間や時間がかかり、経営判断の合理化や迅速化が課題として挙げられます。

ERPツールやシステムでは、これらの情報を一元管理することで、社内に散在していた情報・データを統合し、企業内の経営資源を俯瞰的にとらえて効率的な配分を行うことを可能にします。

このように、ERPは企業の経営資源に関する情報、CRMは顧客情報という、扱う情報に違いがありますが、業務に必要な情報・データを収集して管理するという点においては共通していると言えるでしょう。

(2)ERPの基本機能

ERPツールやシステムには、以下のような機能があります。

ERPツール・システムの主な機能

  • 販売管理機能
  • 生産管理機能
  • 在庫管理機能
  • 人事管理機能
  • 財務・会計機能

これらの機能を活用することで、経営資源の最適化を図ることができます。

例えば、販売管理機能では、自社商品・サービスの受注状況や在庫の管理、出荷情報の登録や請求書の発行などの一連の業務に対応することが可能です。

また、財務・会計機能を活用することで、商品・サービスの販売実績や在庫状況、生産進捗などの情報をもとに自社の経営状況をグラフで可視化することもできます。

人事や財務・経理、生産・販売の各部門が有する情報を一元管理することで、情報をリアルタイムに把握・分析することができるため、全体を見渡した上で必要な資源を必要な部門に再分配することが可能となります。

(3)ERP導入のメリット

ERPツールやシステムを導入することで、上記の機能を活用して、以下のようなメリットを得ることができます。

ERPツール・システムを導入することによるメリット

  1. 迅速な経営判断を行うことができる
  2. 企業全体の業務効率化が期待できる

具体的に見ていきましょう。

#1:迅速な経営判断を行うことができる

ERPツール・システムでは、企業の経営資源に関する情報を一元管理でき、リアルタイムで閲覧・活用することができます。

そのため、経営に関する重要な情報や数値をシステム上で一覧化しておくことで、迅速な経営判断を行うことが可能です。

例えば、製品の需要増加や在庫不足が生じれば、生産計画の改定などの対応を早期に行うことで、供給の安定や収益の増加にもつながります。

このように迅速な経営判断を行うことで、企業の競争力強化という効果もあり、ERPツールやシステムは経営効率を改善するための重要な手段と位置づけることができるでしょう。

#2:企業全体の業務効率化が期待できる

様々な部署や部門にまたがる情報を一元管理でき、リアルタイムで反映されるため、部署や部門の垣根を越えてスムーズな情報共有が可能となります。

例えば、製品の受注に関しては、在庫の現状から生産計画の進捗、納品や請求の管理など、様々な部署や部門を経由して情報を把握する必要があります。

ERPツールやシステムを導入すれば、これらの情報が一元管理されることになり、またどの部署・部門からもリアルタイムで情報の変動を把握できることから、情報共有や業務の効率化を行うことが可能です。

また、これらの情報をリアルタイムで把握することで、予測に基づいて、生産から販売・納品に関する業務プロセス全体で無駄のない設計や計画が可能になります。

そのため、業務の効率化とコスト削減、顧客満足度の向上にもつながります。

(4)ERP導入のデメリット

一方、ERPツールやシステムを導入することで、以下のようなデメリットが考えられます。

ERPツール・システムを導入することによるデメリット

  1. 導入・運用のコストがかかる
  2. データの入力・移管の手間がかかる
  3. 社内環境の整備や社員教育が必須となる

導入の際には、これらのようなデメリットがあることも踏まえて、検討を進めていきましょう。

#1:導入・運用のコストがかかる

CRMと同様、ERPツール・システムを導入することで、初期費用や運用のコストがかかることは避けられません。

ERPツール・システムもオンプレミス型とクラウド型の提供形態の違いがあり、費用相場は変動しますが、数百万円~数千万円ほどの費用がかかります。

また、この費用の中には、導入期間に応じて算出される導入サポート費用や利用人数に応じてかかるトレーニング費用などのコストが含まれます。

そのため、導入を検討する際には、必ず複数社の料金プランや費用項目を比較検討した上で、自社に最適な製品・サービスを選ぶことが重要です。

#2:データの入力・移管の手間がかかる

ERPツールやシステムを導入する際には、導入前に部署や部門ごとに管理していた情報やデータの移管作業を行う必要があります。

経営資源の把握と適切な分配を行うためには、正確な情報をERPツール・システムに登録することが必須です。

登録された情報に誤りがあれば、経営判断のミスや納品・請求時のトラブルの原因となり、顧客の信用低下につながるリスクもあります。

そのため、ERPツールやシステムの導入にあたっては、データ移管作業だけでなく、正確なデータ入力のための手間やコストがかかります。

また、正確なデータ入力を行うために、入力のルールやデータ整理に関する運用方法などについても、必要に応じて策定する必要性があることを押さえておきましょう。

#3:社内環境の整備や社員教育が必須となる

ERPツールやシステムに集積される情報・データは、企業の経営に関する重要事項を含みます。

そのため、サイバー攻撃や情報漏洩といった様々なリスクが潜んでいることに注意が必要です。

機密情報やシステムを保護するためには、社内のセキュリティ対策を強化するなどの必要な対策を事前に行う必要があります。

また、情報の入力や管理を行う担当者に対しても、別途社内セキュリティや情報の取り扱いに関する研修・教育を実施することが大切です。

具体的には、安全性の低いWebサイトにアクセスしたり信頼性の低いアプリケーションをインストールしないなどの方針を周知・徹底することが考えられます。

そのほか、アクセスログの監視やファイルの暗号化なども有効な対策と言えるでしょう。

3.CRMとERPのどちらを導入すべきか

CRMとERPでは、情報の収集・管理という機能の点では共通していますが、その対象となる情報の種類やツール・システムが達成しようとする目的に違いがあります。

そのため、どのような目的があるのかによって、導入すべきツール・システムを選ぶことがおすすめです。

どちらを導入すべきかお悩みの際には、ぜひ参考にしてみてください。

(1)CRMを導入すべき場合

商品・サービスの売上の向上やリード(見込み顧客)の管理、LTVの向上といった営業活動の効率化を図りたい場合には、CRMツールやシステムを導入するのがおすすめです。

営業活動を通じて安定的・継続的な収益を見込むためには、顧客満足度の向上が欠かせません。

企業が提供する商品・サービスや提案内容に顧客が不満を抱いている場合には、商談が失注するリスクがあります。

CRMツールやシステムには、顧客との商談の内容や進捗を管理する機能があるため、顧客属性などに応じて情報を分析することで、商品・サービスや顧客が欲している情報などのニーズを抽出することができます。

このようにして、顧客との円滑なコミュニケーションを図ることで、顧客満足度を向上させ、失注のリスクを抑えて成約の可能性を高めることが可能です。

また、顧客ニーズの把握・分析によって、リード(見込み顧客)の育成やLTVの向上も行うことができます。

LTVとは、顧客生涯価値のことで、顧客が取引を開始してから終了するまでの間に企業にもたらす利益のことを指します。

顧客満足度の向上を図ることで、顧客が自社商品・サービスを継続して購入・利用することを促進でき、LTVの向上と収益の増加を期待することができます。

(2)ERPを導入すべき場合

ERPは、社内オペレーションの管理や分析、製品の在庫管理や経理処理といったバックオフィス業務の効率化を図りたい場合に導入するのがおすすめです。

ERPツールやシステムには、様々な経営資源に関する情報が一元管理されています。

その情報には、従業員の情報から製品の生産管理、在庫状況、経理・財務に関するものまで幅広く含まれています。

そのため、製品の生産から納品・請求などの必要な情報・データを収集・分析することで、業務フローの最適化や効率化を図ることが可能です。

また、企業の経営資源をどのように活用しているかの現状についても把握できるため、どこに余剰や無駄が生じているのかをリアルタイムで把握でき、資源の再分配などの必要な対策を講じることもできます。

このように、企業の経営資源に関する情報・データを管理・分類することで、企業全体の最適化を図ることができ、経営状態の正確な把握と迅速な経営判断の実施によって、企業の競争力を高めていくことが可能です。

4.CRMとERPを連携させる方法とメリット

CRMとERPのツール・システムは、相互に機能を連携させることが可能です。

そして、この2つのツール・システムを連携させることによって、いくつかのメリットがあります。

以下では、CRMとERPのツール・システムを連携させる主な方法と連携させることによって得られるメリットについて、順にご説明します。

(1)連携させる主な方法

2つのツール・システムを連携させる方法としては、以下の方法があります。

CRMとERPをツール連携させる主な方法

  1. API連携
  2. ファイル連携

それぞれの特徴などについて解説します。

#1:API連携

APIとは、アプリケーションやシステム、Webサービスなどのソフトウェアどうしをつなぐインターフェースのことを指します。

APIを利用して連携させることで、CRMとERPのツール・システムの間でデータを連携できるだけでなく、認証機能の共有などによってセキュリティ対策も可能です。

また、データの自動入力機能により、手作業でデータの追加や改修を行う必要がなくなり、業務の効率化や利便性の向上が期待できます。

もっとも、API自体に不具合や仕様変更などが生じると、自社内でそのAPIを利用して連携したサービスが利用できなくなるリスクもあります。

#2:ファイル連携

ファイル連携は、互換性の高いCSVファイルを利用してほかのソフトウェアやサービスにアップロードすることで、連携させる方法です。

データの送信と受信を別々に行うため、一方のシステムに不具合や障害が発生しても、もう一方のシステムへの悪影響を防ぐことができます。

また、システムの改変を行うことなく大量のデータを一括でやりとりできることも大きなメリットです。

もっとも、あらかじめCSVデータのダウンロードを行った上でアップロードを行う必要があり、API連携と比べると作業の手間がかかる点がデメリットと言えます。

サーバーが増えると処理速度が遅くなる可能性があるため、リアルタイムのシステム連携にも不向きであることも把握しておきましょう。

(2)CRMとERPの連携メリット

CRMとERPのツール・システムを連携させることで、以下のようなメリットがあります。

CRMとERPをツール連携させるメリット

  1. 営業・経営双方の観点から戦略の立案・策定ができる
  2. 全部署が顧客情報をリアルタイムで活用できる

順にご説明します。

#1:営業・経営双方の観点から戦略の立案・策定ができる

CRMは顧客情報を一元管理し、営業やマーケティングの部門の業務効率化を図ることができます。

これに対して、ERPは経営資源に関する情報を一元管理し、社内の業務フローや製品の生産から納品・請求までの流れを最適化・効率化することが可能です。

この2つのツール・システムを連携させることで、商品・サービスの企画立案から資材調達、生産から販売、納品から請求などのサプライチェーンごとの最適化が図られ、顧客の潜在的ニーズに基づいた商品・サービスの開発ができます。

そのため、CRMによる顧客分析とERPによる経営状況の可視化を通じて、顧客の潜在需要に基づいた経営戦略の策定を実現させることが可能です。

#2:全部署が顧客情報をリアルタイムで活用できる

CRMとERPのツールやシステムを分離した状態で利用している場合、ERPからは顧客関連の情報を閲覧することができず、生産部門や販売管理部門は顧客のリアルタイムの動向を把握することができません。

そのため、リード(見込み顧客)から受注しても、CRMの情報が更新されるだけで、ERPの情報は反映されず、生産部門や販売管理部門が適切に顧客対応を進められないリスクがあります。

この2つのツール・システムを連携することによって、顧客情報を社内のあらゆる部署・部門がERPを通じて閲覧・活用することができます。

そのため、顧客からの受注状況をリアルタイムで把握し、製品の生産や手配などのスムーズな対応が可能となります。

このように、社内の部署・部門を越えて顧客情報を共有・活用できることは、顧客向けの業務フローを効率化し、無駄な時間の削減と顧客対応の質向上によって、顧客満足度の向上が期待できます。

まとめ

本記事では、CRMとERPの機能やメリット・デメリット、どちらを導入すべきかなどのポイントについて解説しました。

CRMとERPのツール・システムは、情報を一元管理するという機能においては共通点が見られますが、どんな情報をどんな目的のもとで収集・管理するのかは異なります。

CRMツールやシステムは、顧客情報を一元管理することで、営業やマーケティングの業務効率化を図ることができます。

一方、ERPツールやシステムは企業の経営資源に関する情報を一元管理することで、社内の業務フローや経営判断の最適化や効率化を図ることができます。

また、この2つのツール・システムを相互に連携させることで、顧客情報を起点とした経営判断や顧客向け業務フローの最適化を図ることも可能です。

営業と経営という2つの軸で企業の業務の最適化や効率化を図ることは、顧客満足度を高め、企業の競争力を強化させる効果も期待できます。

これからツールやシステムを導入する場合には、本記事の内容も参考にした上で、連携ができるかどうかも選定の基準として検討を加えましょう。

この記事の投稿者
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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。