LINE公式アカウントのリッチメニューとは?表示方法や活用メリットを解説
「LINE公式アカウントのリッチメニューって何?」
「どのように設定すればいいの?」
「リッチメニューの活用方法について知りたい」
企業の経営者やマーケティング・営業担当者の中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
LINE公式アカウントは誰でも簡単に作ることができ、集客はもちろん、自社や店舗の認知度拡大に活用することができます。
リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面の下部に固定で表示されるメニュー画像を指します。
このリッチメニューを活用することで、ユーザーへの情報提供やアクションの誘導を簡単に行うことができるのです。
一見、難しそうに感じるリッチメニューの設定ですが、実は手順さえ覚えてしまえば、初心者でも簡単に表示することができます。
本記事では、リッチメニューの表示方法を分かりやすく解説していきます。
さらに、特に優れた成果を出している企業の事例やリッチメニューを活用するメリットもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
リッチメニューをうまく活用して、LINE公式アカウントを効果的に運用していきましょう。
1.LINE公式アカウントのリッチメニューとは?
LINE公式アカウントの機能「リッチメニュー」とは、トーク画面の下部に常時表示させることができるメニュー画像のことです。
1段1マス〜最大2段6マスまで表示させることができます。
さらに、各マスごとにURLやクーポン、ショップカードなどを設定することができるのが特徴です。
また、タイトル形式でメニュー名を表示させることもできます。
リッチメニューは、トーク画面の下部に固定されるため、メッセージに埋もれることがありません。
そのため、ユーザーの視認性が高く、クリック率の向上が見られます。
また、リッチメニューは、画像やテキスト、ボタンなどを組み合わせて自由にカスタマイズすることができます。
訴求したい情報を効率的に掲載でき、ユーザーのアクションを誘導しやすいことも特徴と言えるでしょう。
なお、リッチメニューは料金プランを問わず、無料で利用することができます。
もっとも、配信したメッセージや画像にリッチメニューが被ってしまい、せっかくの配信が見えづらくなってしまう場合もあり、活用する際には注意が必要です。
しかし、リッチメニューのサイズや表示を工夫することでメッセージ配信への影響を改善することができます。
これ以外にも、リッチメニューには通知がないことにも注意が必要です。
リッチメニューに設定したクーポンの期限が終了した場合やリッチメニュー自体を変更した場合であっても、ユーザーに通知が届くことがないため、ユーザーは気づかない場合があります。
そのため、ユーザーに気付いてほしい情報がある場合には、メッセージ配信を効果的に活用することが重要です。
2.LINE公式アカウントのリッチメニューを導入するメリット
リッチメニューはLINE公式アカウントの「顔」と言えます。
トーク画面の大きな部分を占める画像のため、ユーザー目線でも目立ちやすく、各種コンテンツへの興味関心の醸成や誘導が期待できます。
そのため、多くの企業のLINE公式アカウントがリッチメニューを活用しています。
リッチメニューを活用するメリットは、主に3つあります。
- 高いクリック率が期待できる
- 多種多様な表現ができる
- アクションにつながりやすい
順に解説していきます。
(1)高いクリック率が期待できる
リッチメニューは、トーク画面の大きな部分を占めます。
真っ先にユーザーの目に触れるため、高いクリック率が見込めます。
たとえば、WEBページや予約ページ、クーポンを遷移先に設定するなど、リッチメニューをうまく活用することで、ユーザーが自ら必要な情報を取得してくれるようになるでしょう。
LINEの調査によると、リッチメニューのクリック率はトークメッセージの約20倍にもなるという結果が出ています。
さらにクリック率を高めるには、導線を整備するだけでなく、魅力的なデザインやキャッチコピーでユーザーを惹きつける工夫をしてみるのもよいでしょう。
(2)多種多様な表現ができる
リッチメニューは画像やテキスト、ボタンなどをカスタマイズして自由に作成することができます。
そのため、単なる機能的なメニューにとどまらず、キャンペーンやイベント、セールの告知、商品やサービスの紹介など、さまざまな用途に合わせて活用することができます。
さらに、リッチメニューのデザインも自由に作成できるため、企業や商品ブランドの世界観を崩すことなくリッチメニューで表示することが可能です。
たとえば、インスタグラムからLINE公式アカウントへ誘導した際、インスタグラムでの投稿と同じ世界観のデザインでリッチメニューを作れば、訪問したユーザーに安心感を持ってもらえる効果が期待できます。
また、リッチメニューは期間によって切り替えることができます。
イベント期間中のみバナーを追加して広告枠のように利用したり、毎月や季節によってデザインを変えるなど、他社のLINE公式アカウントとの差別化を図ってみるのもよいでしょう。
もっとも、反応率が芳しくない場合には、新しいデザインに変更してテストを行い、反応率が高いリッチメニューに改善していくことをおすすめします。
このように工夫することで、マンネリ化させない・有益な情報がいつでも見ることができる、という状態を作り、ユーザーのブロック防止につなげることが可能です。
(3)アクションにつながりやすい
リッチメニューでは、表示されているコンテンツからワンタップで必要な情報にたどり着けます。
目立つ画像で見やすいメニューは、ユーザーがアクションしやすいことに加えて、外部サイトや各SNSへの誘導がスムーズになります。
リッチメニューに特典や割引、サービス付きのクーポン画面へのリンクを設定すれば、ユーザーの再来店やサービス利用の機会を増やしやすくなります。
また、ショップカードもポイントカードの役割を果たすため、リッチメニューを通してショップカードの利用が増えれば、リピート率の向上も見込めます。
リッチメニューを活用することで、ユーザーに利用してもらいたいさまざまなコンテンツの画面に誘導することができます。
このように、自社サイトやECサイトに誘導することで、問い合わせや商品・サービスの購入につなげやすく、売り上げの拡大も期待できます。
リッチメニューはクーポンや特典、ショップカードなど複数のコンテンツを表示して、それぞれの画面に誘導できるように仕掛けられるのが最大のメリットと言えるでしょう。
また、LINE公式アカウントのその他の基本的な機能については、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
3.リッチメニューの設定方法と注意点
リッチメニューの表示設定は、パソコンとスマートフォンのアプリの両方から設定することができます。
- 設定方法
- 注意点
順に見ていきましょう。
(1)設定方法
リッチメニューはパソコンおよびアプリの双方から設定することが可能です。
それぞれの設定方法について、以下でご説明します。
#1:パソコン版
パソコンからリッチメニューを表示させる方法は以下の手順です。
- LINE公式アカウントの管理画面から「リッチメニュー」をクリックする
- 「リッチメニュー作成」をクリックする
- タイトルと表示期間を入力する
- テンプレートや背景画像を選択する
- アクションを選択する
- メニューバーを設定する
なお、メニューのデフォルト表示を「表示する」にしておくと、リッチメニューがユーザー側の画面で常に表示された状態になります。
あとから切り替えることこともできるため、状況に合わせて表示を切り替えていきましょう。
#2:アプリ版
スマートフォンアプリからリッチメニューを表示させる手順は以下の通りです。
- ホーム画面から「リッチメニュー」→「「作成」をタップ
- テンプレートを選択する
- 「背景画像をアップロード」か「デフォルト画像を選択」をタップ
- アクションを選択する
- リッチメニューの表示設定を行う
パソコンから設定するのと同様に、タイトルはユーザー側の画面に表示されないため、管理しやすいタイトルを設定しましょう。
(2)注意点
リッチメニューを表示する手順としていくつか気を付けなければならないポイントがあります。
具体的には、以下の3つです。
- テンプレート
- 画像
- アクション
順に見ていきましょう。
#1:テンプレート
テンプレートは、1段1マス〜2段6マスまで選ぶことができます。
なお、「大」と「小」の2つのサイズが用意されており、大には7パターン、小には5パターンの種類があります。
テンプレートの枠組みがリッチメニューのベースとなるので、設定したいマス数やどんな見せ方をしたいのかあらかじめ考えておきましょう。
テンプレートが2段の場合、たくさんの情報を掲載することができますが、トーク画面の約3分の1を占めてしまいます。
メッセージを配信するとリッチメニューが大幅にかぶってしまうため、訴求したいコンテンツを限定したい場合は1段をおすすめします。
#2:画像
リッチメニュー全体を1枚の画像で設定するか、もしくはリッチメニューの1マスごとに1枚ずつ設定するかは自由に選ぶことができます。
各マスごとに画像を設定する場合、一度適用した後に再度編集すると設定していた画像がリセットされてしまいます。
そのため、画像はリッチメニューを設定する前に準備しておきましょう。
たとえば、1段3マスのテンプレートで、画像を2マス分設定して適用したとしましょう。
後日、残り1マス分の画像が完成したら設定していた2マス分に追加、ということができません。
足りなかった画像を後から設定しようとするとリセットされるため、再度1枚ずつ設定する必要があるため、注意が必要です。
なお、テンプレートのサイズによって画像のサイズは異なります。
アップロードできる画像は以下の通りです。
テンプレート(大) | テンプレート(小) |
2500px × 1686px | 2500px × 843px |
1200px × 810px | 1200px × 405px |
800px × 540px | 800px × 270px |
詳しくは、管理画面の「デザインガイド」でサイズを確認の上、画像を準備しましょう。
#3:アクション
テンプレートで分割されている各マスごとに、ユーザーがタップした際のアクションを設定することができます。
アクションとは、ユーザーがメニューをタップした場合の動作のことです。
各マスごとに、以下のいずれかを選んで設定することができます。
リンク | ユーザーがタップすると、設定されているリンク先(URL)に遷移させる |
クーポン | LINEで作成したクーポンを表示させる ※リッチメニューの表示期間よりも有効期限が短いクーポンは設定できません。 |
テキスト | タップすると、設定されたテキストが自動送信される |
ショップカード | LINEで作成したショップカードを表示させる ※ショップカードを作成(公開)後にしか表示できません。 |
設定しない | タップしても画面の遷移や表示が起こらない |
なお、すべてのアクションを「設定しない」にすることはできないので注意が必要です。
4.LINE公式アカウントのリッチメニューを効果的に活用するコツ
ここからは、リッチメニューを効果的に活用するコツを紹介していきます。
効果的に運用するポイントは以下の通りです。
- リッチメニューを活用する目的を明確にする
- 掲載する情報や見せ方を工夫する
順に見ていきましょう。
(1)リッチメニューを活用する目的を明確にする
リッチメニューに設定する内容や見せ方を決めるためにも、リッチメニューを活用する目的を明確にしておくことが重要です。
たとえば、実店舗への新規来店やリピートを促進したいなら、来店を促す手段としてクーポンやショップカードを目立つ場所に設定するなど、柔軟に対応していきましょう。
また、自社サイトやECサイトでの受注率を増やしたいなら流入数を増やすために、リッチメニューにリンク(URL)を設定して、自社サイトへの導線を増やすなど、見せ方の工夫をすることがおすすめです。
表示するリッチメニューが、新規顧客に向けたものなのか、もしくは既存顧客に向けたものなのか、ターゲットに合わせたデザインや内容にすることで、より効果的な訴求を行うことができます。
(2)掲載する情報や見せ方を工夫する
リッチメニューを作成する際には、ユーザーが思わずクリックしたくなるようなデザインや情報を意識するのがポイントです。
また、リッチメニューは複数の情報を掲載できます。
それぞれの情報の掲載期間を事前に設定しておけば、手間をかけずに期間によってメニューを出し分けすることが可能です。
具体的には、セールやキャンペーンなどの訴求を含めたリッチメニューを作成し、表示期間を設定しておけば、セールやキャンペーン期間中にのみリッチメニューが切り替わるようになります。
そのほかに、リッチメニューに掲載しておくと良い情報としては、以下のようなものが挙げられます。
売り上げにつながるための情報 | ユーザーが知りたい情報 |
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5.LINE公式アカウントのリッチメニュー活用事例
リッチメニューは、テンプレートの選択やコンテンツの工夫によって、さまざまな訴求ができる機能です。
活用の具体的なイメージが持てるように、リッチメニューを運用している企業・店舗の事例を紹介していきます。
- 【飲食店】BON’S Crepe
- 【飲食店】株式会社ライドオンエクスプレス
- 【インテリアショップ】マックスプラス
- 【レジャー施設】海遊館
順にご紹介します。
(1)【飲食店】BON’S Crepe
全11店舗を展開する福岡発のクレープ店「BON’S Crepe」では、LINEメッセージ配信だけでは情報が流れていってしまうため、ユーザーがクーポンをいつでも使えるようにリッチメニューにも導線を設置しています。
また、商品のメニューや自社のSNSやホームページなどの導線を集約して、リッチメニューに設置することで、ユーザーが情報を得やすいように工夫しています。
(2)【飲食店】株式会社ライドオンエクスプレス
宅配寿司「銀のさら」を運営する株式会社ライドオンエクスプレスでは、リッチメニューに注文ボタンを設置することで、公式ホームページからの注文のうちLINE経由の注文が10%を超えました。
これまでの宅配事業では、メニューチラシをポストに投函し、顧客がチラシを見て、電話から注文するというのが主流でした。
しかし、スマートフォンの普及により公式ホームページなどを介して注文する顧客が増えてきました。
そこで、同社は顧客が「寿司を食べたい」と感じたときにすぐにLINEから注文できるシステムを構築し、LINE経由の注文の獲得に成功しました。
リッチメニューに注文ボタンを実装したことが、成功要因として大きいと言えるでしょう。
(3)【インテリアショップ】マックスプラス
沖縄本島に店舗を構えるインテリアショップ「マックスプラス」では、新型コロナウイルスの感染対策に関する情報やクーポンへの導線、おすすめの商品、店舗の最新情報をリッチメニューに表示しています。
また、一番目立たせたい情報はほかのボタンよりも大きくする、画像同士が重ならないように枠を付けるなど、ユーザーが見やすいように工夫しています。
(4)【レジャー施設】海遊館
大阪の水族館「海遊館」では、リッチメニューにECサイトへの導線のほか、営業時間やニュースページへの案内、eチケットへの導線など、海遊館を訪れるユーザーにとって便利な情報を掲載しています。
また、ユーザーが同社の公式アカウントを訪れたとき、一目見てわかりやすいよう、シンプルで分かりやすいクリエイティブを重視しています。
6.LINE公式アカウントのリッチメニューに関するよくある質問
リッチメニューの表示設定について、よくある質問を紹介します。
リッチメニューについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひチェックしてください。
- LINE公式アカウントのリッチメニューが表示されない原因は?
- リッチメニューとリッチメッセージの違いは?
順に見ていきます。
(1)リッチメニューが表示されない場合の原因は?
リッチメニューが表示されない原因はいくつか考えられます。
ここでは、表示されない原因について解説していきます。
- サーバーの処理に時間がかかっている
- リッチメニューのデフォルト設定が「表示しない」になっている
- リッチメニューの表示期間が過ぎている
順に見ていきましょう。
#1:サーバーの処理に時間がかかっている
リッチメニューは、サーバー処理に時間がかかり、表示されるのに時間がかかるケースがあります。
通常はリッチメニューの設定を変更すると、その内容がLINEサーバーに送信されることでトークルームに正しく表示されます。
しかし、サーバー処理の都合上、ユーザー側のトークルームに反映されるまで時間がかかるため、設定してすぐに確認しても表示されていないことがあります。
処理にかかる時間は、混雑状況やアカウントの友だち登録数によって異なります。
このようなときは、一定の時間が経過すれば反映されるため、少し時間をおいてから再度確認しましょう。
#2:リッチメニューのデフォルト設定が「表示しない」になっている
メニューのデフォルト設定が「表示しない」になっていると、ユーザーがトーク画面を開いた際にリッチメニューが閉じた状態になるため、リッチメニューがあると気づかない可能性があります。
ただし、デフォルト設定が「表示しない」になっていたとしても、ユーザーがトーク画面下をタップすればリッチメニューが表示されるため、そのままでも問題ありません。
リッチメニューのデフォルト設定を「表示しない」のままにしておきたい場合は、ユーザーがリッチメニューの存在に気付くように、メニューバーを工夫することが求められます。
#3:リッチメニューの表示期間が過ぎている
リッチメニューは表示期間の設定が必要ですが、その期間を過ぎてしまうとリッチメニューは表示されなくなってしまいます。
特に、長期間にわたりLINEを公式アカウントを運用していたり、リッチメニューをこまめに編集していなかったりすると、表示期間が終了しても気づかない可能性があります。
そのため、終了日時を気にせずに表示させたい場合は、表示期間を比較的長期に設定しておくのがよいでしょう。
表示期限が切れたリッチメニューは、「待機中」の欄に表示されるため、表示期間が過ぎていないか定期的にチェックしておく必要があります。
(2)リッチメニューとリッチメッセージの違いは?
リッチメニューとリッチメッセージの違いは、メッセージ形式かどうかです。
リッチメッセージとは、画像とテキストを1つのメッセージにまとめて配信できる機能です。
リッチメッセージは、メッセージとして配信されるため、通常のメッセージと同様に古い配信から順に流れていき、ユーザーの判断で削除することも可能です。
一方で、リッチメニューはトーク画面内の下部に固定されるため、ユーザーのトーク画面に常に表示することができるのが特徴です。
しかし、リッチメッセージは配信するとユーザーに通知が届きますが、リッチメニューを更新してもユーザーに通知されません。
ユーザーに届けたい情報やタイミングに合わせて、リッチメニューとリッチメッセージを使い分け、効果的に活用していきましょう。
まとめ
本記事では、LINE公式アカウントのリッチメニューについて解説しました。
リッチメニューは、パソコンとスマートフォンアプリの両方から設定することが可能です。
また、ユーザーが必要としている情報を自由に組み合わせて表示することもできます。
リッチメニューの表示切替を活用したり、ターゲットに合わせてデザインを工夫することで、集客アップを目指すことができます。
リッチメニューを活用して、LINE公式アカウントを効果的に運用していきましょう。