コラム

コンテンツマーケティングで効果を得るためには?重要性やメリットを紹介

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TMS編集部

「コンテンツマーケティングって何?」
「コンテンツマーケティングのメリットとデメリットを知りたい」
「コンテンツマーケティングってどうやって行うの?」

企業の経営者やマーケティング・営業担当者の中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

コンテンツマーケティングは、マーケティングの手法のひとつとして近年注目を集め、ECサイトなどの集客において欠かせない施策となっています。

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって役立つコンテンツを提供することで、潜在顧客を集め、リード(見込み顧客)へと育成するマーケティング手法です。

本記事では、コンテンツマーケティングの基礎知識や重要性を解説していきます。

さらに後半では、コンテンツマーケティングを取り入れるべき企業の特徴や実行手順も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.コンテンツマーケティングの概要

マーケティングとは、企業が商品やサービスを効率的に販売するための仕組みを作ることを指します。

そして、マーケティング手法のひとつとして、コンテンツマーケティングがあります。

近年、顧客の関心に沿った情報を提供することで集客につなげるコンテンツマーケティングが注目されています。

ここでは、コンテンツマーケティングの基礎知識だけでなく、類似した概念であるSEOとの違いについて解説していきます。

(1)コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、顧客にとって価値があるコンテンツを作成・配信することでリード(見込み顧客)を創出し、購買につなげるためのマーケティング手法のことを言います。

良質なコンテンツを配信することで自社のファンを獲得することができ、短期的な売上増加だけでなく、中長期的な利益の獲得が見込めます。

商品・サービスの購入や導入にゴール地点を置く従来の営業やセールスとは違い、コンテンツマーケティングは顧客に「有益な情報」を提供することで、関係性を構築・維持することを目的としています。

そのため、一方的なセールスや商品・サービスの案内ではなく、提供するコンテンツを通じて自社商品・サービスへの興味関心を醸成し、購買意欲を高めるための内容を定期的に提供し続ける必要があります。

コンテンツマーケティングは、商品やサービスを売るための施策ではなく、あくまで顧客にとって価値がある情報を届けるという点がポイントです。

以下の記事で簡単にコンテンツマーケティングについて解説していますので、併せてご参照ください。

2024.09.27

コンテンツマーケティングをどこよりも簡単に解説!具体的施策や勝ち残る方法

また、以下の記事ではコンテンツマーケティングの意味について取り扱っています。

ぜひ参考にしてみてください。

2024.09.27

コンテンツマーケティングの意味とは?成果を上げるコツを紹介

(2)コンテンツマーケティングに活用できるメディア

コンテンツマーケティングは、大きく3つの手法(トリプルメディア)に分けることができます。

複数のメディアを使い分けることで、コンテンツマーケティングをより効果的に行うことができるでしょう。

#1:オウンドメディア(Owned Media)

オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営を行っているメディアのことを指します。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

オウンドメディアの代表的な例

  • Webサイト
  • 自社ブログ
  • メールマガジン
  • 広報誌

投稿するコンテンツはすべて自社でコントロールできるため、一般的には顧客との接点創出やブランディング強化のために利用されることが多いです。

サービス・商品の紹介や企業概要などを掲載する公式HPとは違い、情報を発信することを目的としています。

そのため、自社サービスに直接関係はないものの、自社が保有する専門知識やノウハウについても発信することができることがオウンドメディアの特徴といえるでしょう。

商品やサービスに関する情報に限定されずに情報を発信できるため、セールスの色調を抑制し、自社商品・サービスに関心が薄い層にも閲覧してもらうことができ、リード(見込み顧客)の獲得・育成に効果が期待できることが大きな特徴です。

#2:ペイドメディア(Paid Media)

ペイドメディアとは、費用を支払って出稿するメディアのことで、主に広告媒体全般を指します。

具体的には、以下のようなメディアです。

ペイドメディアの代表的な例

  • リスティング広告
  • バナー広告
  • テレビ、雑誌などの4マスメディア

広告を配信するサイトや顧客の行動特性に合わせてコンテンツを拡散させることで、認知度向上につながります。

上記で見たオウンドメディアでは、リーチが難しいユーザーに認知してもらいたい場合に利用されることが多いです。

しかし、ペイドメディアでは、すでに多くのユーザーが利用している大手メディアに広告などを掲載することができます。

そのため、既存顧客はもちろん、潜在顧客や自社商品・サービスを認知していないユーザー層まで幅広くリーチすることができる点が大きな特徴です。

また、商品やサービスの訴求を強めた広告配信を行うことができ、閲覧した顧客の自社商品・サービスへの興味関心や購買意欲を高めて購入や成約につなげることもできるでしょう。

#3:アーンドメディア(Earned Media)

アーンドメディアとは、ユーザーや消費者などの企業と直接関わりのない第三者が発信するメディアを指します。

具体例としては、以下のものが挙げられます。

アーンドメディアの代表的な例

  • レビューサイト
  • 口コミサイト
  • SNS

企業側と発信者の間で金銭のやり取りなどが発生していないため、情報への信頼を獲得しやすいという特徴があります。

アーンドメディアでは、広告ではなく実際に商品やサービスを使用したユーザーが自身の感想を述べているため、口コミとして参考にしやすいという面があります。

ユーザーの投稿に企業アカウントが「いいね」などを行うことによって、双方向でコミュニケーションを取ることができます。

また、レビューや他人の使用感をもとに商品・サービスの購入や利用を検討する傾向がある今日の消費者行動にも適合したメディアということができるでしょう。

(3)SEOとの違い

コンテンツマーケティングと混同されやすい施策に、SEOがあります。

SEOとは、検索エンジン最適化とも呼ばれ、Googleなどの検索エンジンでユーザーが検索した際に自社コンテンツが上位に表示されるようにし、検索からの流入数を増やす手法のことです。

そのため、SEO施策では、作成したブログ記事などのコンテンツを特定のキーワードで検索したときに上位に表示させることを目的としています。

一方で、コンテンツマーケティングとは、上述したようにブログやメルマガなどでユーザーの興味関心を引き、自社商品やサービスの購買意欲を醸成することを目的としています。

このように、SEOとコンテンツマーケティングでは達成したいゴールに違いがみられます。

そのような観点からは、コンテンツマーケティングの中にSEOという概念が内包されていると捉えることもできるでしょう。

2.コンテンツマーケティングが重要視される背景

近年、コンテンツマーケティングを実施している企業が増加しています。

マーケティング手法は数多くある中、なぜコンテンツマーケティングが重要視されているのでしょうか。

コンテンツマーケティングが重要視される背景として以下の2つが挙げられます。

コンテンツマーケティングが重要視されている理由

  1. 消費者行動の多様化
  2. インターネット広告費の高騰

それぞれ詳しく解説していきます。

(1)消費者行動の多様化

従来のマーケティングでは、企業が伝えたい情報を広告として不特定多数の消費者に発信する手法が一般的でした。

インターネットやSNSが普及する以前は、人々が得られる情報量は少なく、企業が届けたい情報を発信すれば、人々に認知されやすい状態でした。

つまり、企業側からの一方的な情報発信だけで、商品やサービスの認知度を向上させることも購入につなげることもできていました。

しかし、インターネットやSNSが普及した現在では、人々が得られる情報量が増大し、ユーザーは自分が求めている情報のみを収集することが容易になりました。

そのため、ユーザーごとに重視する情報が異なり、企業が一方的に伝えたい情報を発信するだけではユーザーが興味や関心を抱くことが少なくなりました。

その結果、企業は実際にユーザーが求める情報を発信しないと、商品やサービスを売ることが難しくなったのです。

このような社会の変化に伴う消費者行動の多様化から、ターゲットとなるユーザーに魅力的な情報を発信し、ファン化を促すコンテンツマーケティングが重要視されています。

(2)インターネット広告費の高騰

コンテンツマーケティングが重要視されているもう一つの背景として、インターネット広告費の高騰が挙げられます。

以前は広告を配信して効果的に運用することができていれば、継続的な売上を得ることができていました。

しかし、リスティング広告をはじめとするインターネット広告の掲載枠の争いが激化し、広告費が高騰している経緯があります。

そのため、広告の費用対効果を高めた運用が必要となり、より商品・サービスの購入につながるようなターゲット層へのアプローチが重要となりました。

また、消費者行動の多様化に伴い、商品・サービスの購入に至るまではなるべく広告費用を抑えることができる「コンテンツによるコミュニケーション」を重視する傾向にあります。

消費者も多種多様な情報に触れるプロセスを経て商品・サービスの購入へ至るため、良質なコンテンツに触れること自体には抵抗感がなく、情報収集の一環としてそのようなコンテンツを求める傾向があると言えます。

したがって、従来のインターネット広告よりも継続的にコンテンツを発信できるコンテンツマーケティングの方がユーザーの興味を得ることにつながるのです。

3.コンテンツマーケティングのメリットとデメリット

上記のように、コンテンツマーケティングに取り組むことは、企業だけでなく顧客にとっても有益であると言えます。

もっとも、コンテンツマーケティングを行うことにはメリットとデメリットがあります。

コンテンツマーケティングに取り組み始める前に知っておけば、より効果的なマーケティングを実施することができるでしょう。

(1)メリット

コンテンツマーケティングには以下の4つのメリットがあります。

コンテンツマーケティングを行うメリット

  1. 幅広いユーザーにアプローチできる
  2. 制作したコンテンツが資産になる
  3. 顧客のロイヤリティを高めることができる
  4. 顧客の行動に関するデータを収集・分析できる

これらを理解することで、コンテンツマーケティングの効果を最大限引き出すことが可能です。

#1:幅広いユーザーにアプローチできる

コンテンツマーケティングを実施することで、ニーズが顕在化した見込み顧客だけでなく、ニーズを自覚していない潜在層へアプローチすることが可能です。

コンテンツマーケティングは、あくまで顧客の知りたい情報を提供することを目的とし、その中で補助的に商材への導線を設置するため、嫌悪感を持たれにくくなります。

また顕在層や潜在層だけでなく、中間層などの各ターゲット層に適したコンテンツを提供することで、効果的にアプローチすることができます。

各層に対しては、以下のようなコンテンツを提供することがおすすめです。

ターゲット層別おすすめコンテンツ

  • 潜在層向け:業界トレンドや課題に関する一般的な情報
  • 中間層向け:具体的な課題解決方法や事例紹介
  • 顕在層向け:商品やサービスの詳細情報や比較資料

ユーザーの状態に合わせた適切なコンテンツを提供することで、中長期的な視点で顧客を育成し、最終的な購買につなげることが可能です。

#2:制作したコンテンツが資産になる

コンテンツマーケティングで制作・発信したコンテンツは半永久的に残り続けるため、良質なコンテンツを増やしていくほど、効果的なマーケティングを行うことができます。

また、情報の網羅性を高めることによって、より顧客のニーズに応えることも可能です。

一般的な広告の場合、掲載期間が終われば売上につながることはないため、短期的な効果しか見込めません。

しかし、ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作成することができれば、継続的に集客し続けることができるため、コストパフォーマンスを高めた運用を行うことができるのも特徴です。

さらに、プラットフォームを変えて同じコンテンツを再投稿することで、別の層にアプローチすることもできます。

#3:顧客のロイヤリティを高めることができる

コンテンツマーケティングを導入することで、顧客ロイヤリティの向上を狙うことができます。

顧客ロイヤリティとは、顧客が特定のブランドや商品、サービスに対して抱いている信頼や愛着を指します。

顧客ロイヤリティを高めることによって、リピーターの醸成や売上アップにつながります。

一般的には、リピーターを獲得するよりも新規顧客を獲得する方がコストと時間がかかってしまうと言われています。

そのため、顧客ロイヤリティを向上させることで、顧客の継続的な商品購入やサービス利用を促進することができるため、売上や収益の拡大という観点からは重要なポイントとなります。

顧客ロイヤリティを向上させるためには、顧客にとって有益なコンテンツを提供し続けることによって、「この会社は有益な情報を発信してくれる」という印象を与えることが大切です。

そのため、高品質なコンテンツを継続的に発信することで顧客ロイヤリティの向上が見込め、収益や売り上げの拡大が期待できます。

#4:顧客の行動に関するデータを収集・分析できる

コンテンツの配信結果をもとに、顧客の行動に関するデータを収集・分析することができます。

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのツールを導入することによってデータ分析を行うことが可能です。

コンテンツマーケティングの効果分析を行う際に、指標となるデータ項目は以下の12項目です。

指標となるデータ項目

  1. ユーザー数
  2. 自然検索流入数
  3. 流入キーワード
  4. 検索順位
  5. インデックス数
  6. 参照サイト数
  7. ページビュー数
  8. 閲覧されたページの種類数
  9. ソーシャルメディアでの拡散状況
  10. CV数・CV率
  11. 直帰率・離脱率
  12. 送客数

それぞれのデータ項目を確認することで、ユーザーのニーズに適したコンテンツであるのか、コンテンツのどこが注目されているのかを把握することができます。

上記のことがわかれば、そこを重点的にフォローすることでより質の高いコンテンツを作ることが可能です。

そのためコンテンツマーケティングでは、コンテンツを作成・配信して終わるのではなく、コンテンツ分析を行い、必要な修正を加えることで、より効果的な施策を実行できるようになります

(2)デメリット

コンテンツマーケティングにはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。

コンテンツマーケティングを行うデメリット

  1. 効果が出るまでに時間がかかる
  2. コンテンツ制作のためのリソースを確保する必要がある
  3. 継続的な改善を要する

一つひとつ解説していきます。

#1:効果が出るまでに時間がかかる

上述したようにコンテンツマーケティングは、コンテンツを蓄積して潜在顧客にアプローチし、顧客へと育成していくためのマーケティング手法です。

つまり、中長期的な視点で顧客との関係性を構築していくことが前提となる施策であるため、広告掲載などのほかの施策とは異なり、すぐに成果が出るわけではありません。

メディアを通じて高品質なコンテンツを提供しても、ユーザーから認識されて閲覧や反応が増えていくまでには、数週間~1か月程度の期間を要する場合がほとんどです。

また、SNSや検索エンジンなどから流入した潜在顧客を自社コンテンツのファンに育成するための期間も要することに注意が必要です。

そのため、コンテンツマーケティングを行う際は中長期的な施策として事業計画に取り込むようにしましょう。

#2:コンテンツ制作のためのリソースを確保する必要がある

コンテンツ制作のほかにも、定期的な分析や改善などを行うためのリソースが必要になります。

上述したように、コンテンツマーケティングで成果を挙げるには定期的なコンテンツの作成・配信が必要です。

さらに、継続的に良質なコンテンツを提供していくためにも、コンテンツ制作を行うためのリソースを確保しなければなりません。

また、コンテンツマーケティングは作成・配信だけでなく、効果測定や分析を通じた定期的なコンテンツの改善も必要となるため、データ分析などを行う人員も別途必要になります。

社内でリソースを確保できない場合は、外部に委託することも検討しましょう。

コンテンツマーケティングを行う際は、途中で頓挫しないためにも必要なリソースを確保しなければなりません。

#3:継続的な改善を要する

ファンを獲得し、ユーザーを飽きさせないためには、継続的なコンテンツ配信を行わなければなりません。

配信頻度が低いコンテンツであれば、せっかく獲得した潜在顧客も次第に離れていき、集客効果が損なわれてしまうリスクがあります。

また、配信頻度だけでなく、コンテンツの質にも注力する必要があり、ターゲットとなる層がどのような情報を求めているかを的確に分析・把握することが最も重要です。

そのため、ユーザーのニーズを捉えて、コンテンツの効果的な配信・運用を行うためには、定期的な分析と改善が必要です。

具体的には、配信したコンテンツのアクセス数や滞在時間などを分析し、ユーザーのニーズに合わせてコンテンツを改善することで、より効果的なマーケティングを行うことができます。

4.コンテンツマーケティングを行うことがおすすめな企業の特徴

コンテンツマーケティングは中長期的な効果を見込めるほか、初期費用をおさえてスモールスタートしやすいマーケティング手法です。

顧客が求めている情報を提供することで、商品購入を検討しているユーザーと接点を構築しやすいという特徴があります。

このような特徴や上述したメリットを考えると、以下のような企業ではコンテンツマーケティングの導入がおすすめです。

コンテンツマーケティングがおすすめな企業の特徴

  1. 自社の商品・サービスが購入されるまでの期間が長い
  2. カスタマーエデュケーションを要する商品・サービスを扱っている
  3. 自社商品・サービスの認知度向上とブランディングを並行して行っている

それぞれ解説していきます。

また以下の記事では、コンテンツマーケティングの戦略について詳細に解説しています。

ぜひ参考にしてみてください。

2024.09.27

コンテンツマーケティング戦略を成功させる5ステップと分析手法

(1)自社の商品・サービスが購入されるまでの期間が長い

自社が扱う商品・サービスの使用期間が比較的長い場合や単価が高い場合には、顧客はほかの商品などとも比較して検討するため、購買までに時間がかかる傾向があります。

具体的には、以下のような商品・サービスが該当すると言えるでしょう。

コンテンツマーケティングを行うべき商品・サービス

  • 住宅などの不動産
  • 保険商品・サービス

このような商品・サービスを取り扱っている場合には、コンテンツマーケティングに取り組むことで、顧客へと育成することがおすすめです。

提供するコンテンツを通して、詳細な情報を送り続けることで、顧客に自社商品・サービスの魅力や特徴が伝わりやすくなり、意思決定をサポートしやすくなるからです。

また、ターゲット層の興味や関心度合によって配信する内容に変化を持たせることも重要です。

例えば、潜在層に対しては、商品・サービスや業界を取り巻く現状を解説するコンテンツを配信し、具体的な検討フェーズに入っている層に対しては商品・サービスの特徴を解説する内容とするなどの工夫をしましょう。

(2)カスタマーエデュケーションを要する商品・サービスを扱っている

カスタマーエデュケーションを必要とする商品やサービスを扱っている場合は、コンテンツマーケティングが有効です。

カスタマーエデュケーションとは、顧客が的確な意思決定をできるように、必要な情報を詳しく提供し、支援することです。

例えば、最新技術を用いた商品や専門的な知識が必要なサービスなど、顧客が理解を深めることで真価を認識しやすい場合には、コンテンツマーケティングを実施することをおすすめします。

コンテンツを通じて、技術の利点や業界のトレンドなどを伝えることで、自社の商品やサービスの購入・利用につながりやすくなるでしょう。

(3)自社商品・サービスの認知度向上とブランディングを並行して行いたい

自社商品・サービスの認知度向上とブランディングを並行して行う際も、コンテンツマーケティングは有効です。

コンテンツマーケティングは継続的に情報を配信するため、顧客にブランドの存在を定期的に認識してもらいやすくなります。

また、ブランドの認知だけでなく、ブランドへの信頼を築きやすくなります。

一度、自社のブランドを認知した顧客は、具体的に商品・サービスを比較比較する場面でも、認知しているブランドの方を選択する可能性が高くなります。

顧客に自社ブランドを認知してもらうには時間がかかりますが、コンテンツを通して信頼できる有益な情報を提供し続ければ、認知度を高めることができるでしょう。

そして、自社のブランドの認知度が高まり、顧客に愛着を持ってもらうことができれば、継続的な商品・サービスの購入や利用が期待でき、安定的な収益の拡大を見込むことが可能です。

5.コンテンツマーケティングに着手する手順

コンテンツマーケティングに着手する手順を、ポイントごとに解説していきます。

コンテンツマーケティングに着手する手順

  1. ゴールとペルソナを設定する
  2. カスタマージャーニーを作成する
  3. コンテンツの設計を行う
  4. コンテンツを制作・配信する
  5. 効果測定・分析を経て施策の改善や見直しを図る

これからコンテンツマーケティングに取り組むことを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

(1)ゴールとペルソナを設定する

マーケティングを行う際に重要なのが目標とペルソナの設定です。

マーケティングを始める前に、どのような課題を解決したいのかを明確にすることで、マーケティングの方向性を固めることができます。

目標を決定する際にペルソナも並行して設定しておきましょう。

ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的な人物像として詳細に描いたものです。

具体的には、「20代後半」、「男性」、「一人暮らし」などの属性を組み合わせて設定します。

このようなペルソナを決定することで、「誰に」「何のコンテンツ」を届けて「何を解決するのか」などを可視化することができます。

また、コンテンツマーケティングは成果を得るのに時間がかかる施策です。

そのため、最終目標だけでなく一定期間ごとの目標を設定しておくことで、都度方向性を修正することができます。

(2)カスタマージャーニーを作成する

目標とペルソナを設定し終えたら、次にカスタマージャーニーを作成します。

カスタマージャーニーとは、見込み顧客が商材を認知〜購買に至るまでの行動を視覚化したものです。

商品・サービスの購買に至るまでにどのようなステップがあるのかを可視化できるのはもちろん、ステップごとの顧客心理を分析・把握することもできます。

そのため、カスタマージャーニーを作成することで、より深く顧客の購買行動を把握できるとともに、顧客目線でのマーケティングPDCAを回しやすいといったメリットがあります。

また、各段階ごとで顧客が求める情報を明確化することで、どのタイミングでどのようなコンテンツを配信すれば良いのかを、具体的に決めることができます。

(3)コンテンツの設計を行う

作成したカスタマージャーニーに基づいて、具体的なコンテンツのテーマ設定や構成の設計を行います。

また、動画で配信するのか、メルマガで配信するのかなど具体的にどの媒体でコンテンツを提供するのかを決定する必要もあります。

検索エンジンからの流入を目指すメディアを活用する場合は、SEO対策やキーワード設計も必要になってきます。

競合調査や顧客の情報から、ターゲット顧客が使用する検索キーワードを特定し、コンテンツの中に取り込んでいきましょう。

(4)コンテンツを制作・配信する

コンテンツの設計をもとに、具体的にコンテンツを作成・配信していきましょう。

コンテンツ配信数の目安はメディアの方針やジャンルによって異なりますが、月15本~20本程度を目指すと良いでしょう。

ただし、数以上に質が重要になるため、ノウハウが不足している場合は外部委託するなど、効率化を図りながら運用していきましょう。

また、コンテンツマーケティングは長いスパンで行う施策です。

そのため、コンテンツ制作や配信はスケジュールを設定して行うことが大切です。

(5)効果測定・分析を経て施策の改善や見直しを図る

コンテンツマーケティングは、作成したコンテンツを配信して終わりではありません。

Googleアナリティクスなどの分析ツールを活用し、コンテンツへの流入数や閲覧数などを確認し、コンテンツの改善を図ることが重要です。

効果測定・分析の結果を踏まえて、どこに課題がありそうか仮説を立てたら、施策の改善や見直しを行いましょう。

定期的に効果測定を行い、どのようなコンテンツが効果的なのかを確認することで、次のコンテンツ制作に活かすことができます。

このようにPDCAサイクルを回して都度改善を加えていくことが、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントです。

6.コンテンツマーケティングを成功させるためのポイント

コンテンツマーケティングで顧客の購買アクションを促すためには、価値のある情報を提供することはもちろん、適切な方法で届けることを意識する必要があります。

ここでは、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントを解説していきます。

(1)顧客にとって価値のある情報を提供する

コンテンツマーケティングでは、Webメディアやブログなどのサイト上にコンテンツを掲載することでマーケティングを行います。

顧客の知りたい情報を網羅的に盛り込むことができ、作成したコンテンツは半永久的にWebサイト上に保持できるため、資産として残すことができます。

SEOはもちろん、SNSとの相性も良いため、顧客に求められているコンテンツを作ることができれば、自然に拡散してくれる可能性があります。

良質なコンテンツを作成するためには、以下のことに気を付けなければなりません。

コンテンツを作成する際の注意点

  • 文字数を増やそうと冗長な文章になっていないか
  • ライティングを途中で挫折してしまわないか
  • 自社が伝えたい情報の羅列になっていないか

あくまで顧客目線で分かりやすいコンテンツとなっているかどうかが重要です。

自社内で制作・運用を行う場合には、複数人のチームなどを立ち上げて、配信前に内容のチェックやブラッシュアップを行うことも検討しましょう。

(2)目的に合わせて配信するメディアを選択する

コンテンツを配信するメディアによって、特性やターゲット、流入経路などが異なります。

そのため、自社のコンテンツマーケティング施策の目的に合わせて配信するメディアを選ぶことが重要です。

配信を行うメディアには、具体的には以下のようなものがあります。

コンテンツ配信におすすめなメディア

  1. 自社ブログ
  2. セミナー
  3. メールマガジン
  4. ホワイトペーパー
  5. SNS
  6. 動画コンテンツ
  7. Web広告
  8. プレスリリース

それぞれのメディアの特徴や活用のポイントについて押さえておきましょう。

また、以下の記事でもコンテンツマーケティングの手法について解説していますので、併せてご参照ください。

2024.09.27

コンテンツマーケティングの手法9選|実際の成功事例や戦略の立て方を紹介

#1:自社ブログ・オウンドメディア

自社ブログやオウンドメディアなどを活用することで、ターゲットとするユーザーのニーズがある情報と一緒に自社商品・サービスについて配信することが可能です。

ユーザーが欲する情報を配信するため、ユーザーの満足度を高めることができ、同時に自社のことを認知してもらえるというメリットがあります。

もっとも、ユーザーが欲する情報に偏るだけではなく、自社商品・サービスの情報とのバランスが必要です。

オウンドメディアで配信されるコンテンツはコラム記事などが多いですが、その中でも自社商品・サービスと同じジャンルのツールに関する導入事例を用いるケースが多く見られます。

導入事例を紹介するコラム記事内では、他社のサービスと自社サービスを比較しながら紹介することができるため、ユーザーも違和感なく読み進めてくれることが期待できます。

そのため、自社単体で自社サービスを訴求するときよりも信頼感が増し、ユーザーもコラム記事を読み進める中で商品・サービスの比較ができるため、有益な情報と捉えてもらえる可能性が高まります。

#2:セミナー

企業が自社のサービスの販促を目的として、その領域のノウハウや事例をレクチャー形式で伝えるコンテンツです。

会場を設営して対面式で行うセミナーもありますが、近年はインターネットを通じたWebセミナー(ウェビナー)配信がメインとなりつつあります。

ウェビナーは、対面式のセミナーと比較すると、時間と場所を選ばず開催・配信することができるため、一度に多数へ向けて情報を発信できます。

自社のサービスに興味を持っている潜在顧客を獲得したい場合に有効な手段です。

#3:メールマガジン

すでに獲得しているリード(見込み顧客)に対して、メールマガジンを配信することで販売促進を行うことが可能です。

具体的には、新商品やイベント情報などの自社に関する情報はもちろん、業界ニュースなど、幅広いテーマで定期的にユーザーに発信することができます。

またメルマガを購読している時点で、自社のことを認知しているため、商品・サービスを購入検討しているユーザーに向けてある程度の理解がある前提でコンテンツを発信することができます。

さらに、記事コンテンツをメールマガジンで配信するなど、ほかの手法と連動させることによって、より効果を高めることができます。

#4:ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、自社サービスや調査レポートなどをまとめた資料のことです。

課題の解決策や企業が独自に有するノウハウがまとめられているため、ユーザーの問題解決に役立ちます。

ホワイトペーパーは、自社サイトからのダウンロードやメールマガジンなどでの配布が一般的です。

リード獲得から育成、さらに関心調査というようにマーケティングプロセスで幅広く活用されています。

自社の営業資料としても利用することもできるため、コンテンツマーケティングに取り組み始める第一歩としても最適です。

#5:SNS

TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアは、コンテンツマーケティングを行うのに必要不可欠な媒体です。

Twitterではトレンドに合わせた情報を発信することで、その情報を受け取ったユーザーがほかのユーザーに拡散する効果(二次拡散)を狙うことができます。

これによって、情報が自然と不特定多数のユーザーの目にとまり、ほかの施策と比較して、より多くのユーザーの興味・関心を醸成することが可能です。

また、Instagramではビジュアルを重視したコンテンツを作成・配信することで、ファン形成や自社のブランディングに活用することができます。

そのため、不特定多数のターゲット層に対して幅広くアプローチしたい場合には、SNSを活用したコンテンツマーケティングがおすすめです。

#6:動画コンテンツ

動画コンテンツを活用することで、サービスの導入イメージやツールの操作などをわかりやすく伝えることができます。

特にWebサービスやツールを提供している企業は操作方法を教える目的で作成し、公開しているケースも多く見られます。

リード(見込み顧客)の獲得や既存顧客のフォローにも効果的です。

近年では、InstagramのリールやTikTokなどの短い動画コンテンツの需要が高まっています。

動画によるコンテンツマーケティングを行う際には、短くわかりやすい動画を作成することが成功のポイントです。

#7:Web広告

Web広告とは、インターネット上に広告枠を持つ媒体に掲載される広告のことです。

以下に代表的なWeb広告を挙げておきます。

代表的なWeb広告

  • リスティング広告
  • バナー広告
  • アドネットワーク広告
  • アフィリエイト広告
  • リターゲティング広告
  • SNS広告

Web上での広告は、数多くの種類があるため、目的や商材に合わせて選ぶことが大切です。

例えば、自社商品やサービスへの興味・関心度が高いユーザーを集客したい場合はリスティング広告との併用がおすすめです。

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードをもとに、検索結果画面に掲載される広告のことです。

リスティング広告を利用・分析することで、ユーザーのニーズを把握することができます。

そのため、分析をもとにコンテンツを作成・配信することでより効果的なマーケティングを行うことが可能です。

一方で、潜在層を集客したい場合はバナー広告との併用がおすすめです。

バナー広告とは、Webサイトやアプリ内に表示される視覚的な広告のことを指します。

ユーザーが頻繁に目にするWebサイトにバナーを設置することで、潜在層や顕在層など幅広いユーザーにアピールすることができます。

また、コンテンツ内にボタンやテキストバナーなどを設置し、コンテンツを読んだユーザーに次のアクションへと誘導することも可能です。

#8:プレスリリース

プレスリリースは商品リリースやイベント開催、アンケート実施など、何かお知らせがある際に利用されることが多い手法です。

プレスリリースとは、企業や組織がメディア関係者に向けて記事として取り上げてもらえるように、経営や事業に関するニュースや新商品・新サービスに関する情報を発表することです。

作成・配信したコンテンツが報道メディアやプレスリリース専門メディアに取り上げられることによって、より広範囲な拡散が期待でき、企業情報の認知度を高めることができます。

具体的な手法としては、自社が独自に行った調査やアンケートの結果をコンテンツとして発信することなどが挙げられます。

調査系のデータはメディアに取り上げられやすく、参照にもされやすいため多くの流入効果が見込めます。

しかし、準備や集計などに時間と手間がかかってしまうため、実施できる余力がある場合は検討してみるのも良いでしょう。

(3)安定した運用体制を構築する

コンテンツマーケティングを成功させるためには、安定した運用体制を整えましょう。

上述したように、コンテンツマーケティングは中長期的な施策であるため、専任の担当者やチームを構築してから取り組む必要があります。

コンテンツマーケティングを成功させるためには、継続して質の高いコンテンツを提供し続けなければなりません。

どれだけコンテンツを作ったとしても、質が高くなければコンテンツマーケティングで大きな効果を得ることは期待できないでしょう。

コンテンツの質を高めるためにも、運用体制の構築は必要不可欠です。

まとめ

本記事では、コンテンツマーケティングについて解説しました。

コンテンツマーケティングを成功させるためには、顧客がどのような情報を求めているかを分析・把握して、それに沿ったコンテンツを提供することが、成功のカギです。

うまく運用することができれば大きな効果が期待できますが、中長期的な運用が必要で、効果がわかりづらいというデメリットもあります。

不安な場合は外部委託することも視野に入れ、自社のターゲットとなる顧客を考えながら、コンテンツマーケティングに取り組んでみましょう。

この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。