コラム

リダイレクトとは?重要性や設定方法を紹介

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TMS編集部

「リダイレクトって何?」
「リダイレクトはどのような場合に行うべき?」
「設定方法について知りたい」

企業の経営者やマーケティング・営業担当者の中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

リダイレクトとは、自動的にWebページを別のページに転送させることをいいます。

サイトが移転されたり、URLが変更された場合、Googleは旧ページを検索結果に表示します。

そのため、新しいWebページにユーザーを誘導するためには、サイトを運営する側で別途設定を行わなければならず、そのための設定がリダイレクトです。

リダイレクトは新ページを認識させるために使用しますが、いくつか種類があり、設定を間違えてしまうと検索順位が下がるなど、SEO評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、リダイレクトの重要性や適切な設定方法を解説していきます。

ぜひ、自社のWebサイトを運用するときの参考にしてください。

1.リダイレクトとは

リダイレクトとは、Webサイト全体やWebページなどを新しいURLに変更したときに、自動的に新しいURLに転送させる仕組みのことです。

なお、PCサイトとスマートフォン向けサイトで異なるURLを使用しているケースでもリダイレクトを行うことができます。

自社のWebサイトをリニューアルした際に、リダイレクトを設定していなければ、「404ページ」や「お探しのページはみつかりません」と表示されます。

そうすると、旧URLにアクセスしたユーザーが新URLにたどり着くことができない可能性があります。

そのため、ユーザーは自分で新しいURLを探さなければならず、場合によっては離脱してしまうことも考えられます。

そのユーザーが自社にとって大事な顧客や見込み顧客だった場合、リダイレクト処理を行わなかったことにより、顧客満足度を下げるだけでなく、機会損失につながってしまうでしょう。

そのような事態を防ぐためにも、リニューアルに伴うURL変更を行う場合は、リダイレクトを設定することが重要です。

また、リダイレクトを設定しておくことは、ユーザーだけでなくクローラーに新しいURLの存在を伝える役割を持ちます。

クローラーとは、検索エンジンがWeb上の情報を収集するために使用するプログラムです。

収集した情報をデータベース化することで、それに基づいて検索結果の順位を決めるため、リダイレクト処理を行うことはSEO戦略を構築するうえでも重要です。

2.リダイレクトが必要な理由

リダイレクトは、Webサイトを運営するうえで重要な設定です。

必要に応じてリダイレクト設定をしなければ、Webサイトの運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、リダイレクトが必要な理由を解説していきます。

リダイレクトが必要な理由

  1. ユーザビリティの向上
  2. SEO対策

それぞれ見ていきましょう。

(1)ユーザビリティの向上

リダイレクトを設定しておくことで、ユーザビリティの向上につながります。

ユーザビリティとは、ユーザーが感じるWebサイトの使いやすさを示す指標です。

リダイレクトが設定されていない場合、旧URLへアクセスしたユーザーは新URLの存在に気付きません。

そのため、ユーザーは目的のWebページを新たに探す必要があるため、余計な手間をかけてしまいます。

ユーザビリティを低下させないためにも、リダイレクトの設定は必要不可欠です。

リダイレクトを正しく設定することで、ユーザーが旧URLへアクセスしても新URLへ自動転送されるため、目的のWebページを訪れることができます。

これにより、ユーザーの離脱や機会損失を防ぐことができます。

サイト運営者にとって、リダイレクト設定は機会損失を防ぐための方法の1つであり、リニューアルに伴うURLの変更の際に必要となる設定です。

(2)SEO対策

SEOの観点でも、リダイレクトを設定することは重要です。

リダイレクトを行うことで、これまでに得たサイトの評価を新しいURLやドメインに引き継ぐことができます。

Googleのクローラーが新URLへアクセスした場合、リダイレクト処理がなされていないとページの同一性を特定できず、新しく作成された別のWebページだと認識してしまいます。

結果、旧URLに対するGoogleの評価が引き継がれずリセットされてしまい、内容が同じであるにも関わらず、新URLに対する評価が低下し、検索順位が大幅に下がってしまう可能性があります。

そのため、新しいサイトやページで1から評価を集める必要があり、二度手間になってしまいます。

しかし、リダイレクトを正しく設定することで、旧URLに対するGoogleの評価が引き継がれ検索順位を維持することができます。

リダイレクトの正しい設定方法は5.で詳しく解説します。

3.リダイレクトの種類

リダイレクトには、サーバーサイドリダイレクトとクライアントサイドリダイレクトの2つの種類があります。

また、サーバーサイドリダイレクトは301リダイレクトと302リダイレクトに分類されます。

それぞれの概要や特徴について解説していきます。

(1)サーバーサイドリダイレクト

サーバーサイドリダイレクトとは、ユーザーが特定のWebページにアクセスする際、サーバーが別のページにアクセスするように指示を送る設定です。

ユーザーが旧URLにアクセスすると自動的にリダイレクトされ、新しいURLに遷移します

そのため、サーバーサイドリダイレクトを行うと、古いURLのページを見ることができなくなります。

サーバーサイドリダイレクトを行う際は、一般的に「301リダイレクト」あるいは「302リダイレクト」のどちらかを利用します。

以下でそれぞれの特徴を解説していきます。

#1:301リダイレクト

301リダイレクトとは、WebサイトのURL変更やドメイン変更をする際に設定するリダイレクトです。

主にページURLやドメインを変更する際やWebサイトのSSL化を実施する場合などで活用されます。

恒久的に新URLへ転送するという意味を持ったリダイレクトのため、検索エンジンは新しいURLのSEO評価をすべて引き継ぎ、検索結果に新URLを表示させます。

なお、検索結果に新しいURLが表示されるまで数日~数か月かかる場合があります。

そのため、検索結果に表示されるまでの期間を考慮してリダイレクト処理を進めなければならない点に注意が必要です。

#2:302リダイレクト

302リダイレクトとは、URLを一時的に変更し、一定期間が過ぎた後に元のページURLに戻す場合に行われます。

主にページのメンテナンスを行う際に使用されることが多いです。

301リダイレクトとは異なり、302リダイレクトでは一時的な転送を行うのに用いられるため、それまで元のページやURLが蓄積してきたSEO評価を引き継ぐことはできません。

なお、302リダイレクトを使用した場合、検索エンジンには元のURLが表示されますが、長期間継続した場合は、転送先のURLが検索結果に表示されます。

そうすると、元のページやURLのSEO評価も新URLへ移ってしまうため、実質的に301リダイレクトと同じ効果が生じます。

(2)クライアントサイドリダイレクト

クライアントサイドリダイレクトとは、ブラウザが行うリダイレクト方法で、ユーザーがページにアクセスした後に別のページに転送するものです。

「〇秒後に新しいページに移動します。」とブラウザに表示されるのがクライアントサイドリダイレクトです。

Googleは、どの種類のリダイレクト設定を使用しても、旧サイトから新サイトへのSEO評価は引き継がれるとしています。

しかし、クライアントサイドリダイレクトでは一部のSEO評価が失われる可能性があるため、一般的にはサーバーサイドリダイレクトの使用が推奨されています。

4.リダイレクトが使用される主な場面

リダイレクト処理が必要となるタイミングは複数考えられます。

Webサイトの運用者はこのタイミングを把握し、リダイレクトの設定を行う必要があります。

以下では、301リダイレクトと302リダイレクトが使われる主なタイミングをそれぞれ解説します。

(1)301リダイレクト

上述したように、301リダイレクトは永続的に新URLへ転送したい場合に使用されます。

具体的には、以下のようなタイミングで設定を行うことを検討しましょう。

301リダイレクトを設定するタイミング

  1. サイト移転・リニューアルでドメインやURLを変更するとき
  2. サイト構造を変更するとき
  3. SSL化を行うとき
  4. URLの正規化を行うとき

順にご説明します。

#1:サイト移転・リニューアルでドメインやURLを変更するとき

サイト移転やリニューアルに伴い、ドメイン・URLが変更となる場合、301リダイレクトが必要になります。

具体的には、サイトリニューアルに伴って取得したドメインを新しく制作したサイトに適用したり、特定のWebページのURLの文字列を変更して新しいURLにした場合、古いURLから新しいURLへ転送処理を行う必要があります。

その際に、301リダイレクトを使用することで、永続的に転送処理を行うことができ、また、これまでに得たSEO評価も引き継ぐことができます。

#2:サイト構造を変更するとき

サイト構造を変更する際にも、301リダイレクトの設定が必要になります。

たとえば、コンテンツ構成や設計を根本的に改善したり、キーワードが重複した自社メディア内のページをリライトして統合するといったケースが当てはまります。

#3:SSL化を行うとき

WebサイトのSSL化を行うときも、301リダイレクトの設定が必要になります。

SSLとは、インターネット上の通信を暗号化して保護する技術のことです。

インターネット上のデータ通信には第三者に傍受・改ざんされる危険性が伴いますが、SSLを導入することで、データ通信を暗号化し、情報を保護することができます。

SSLを設定すると、「http」から「https」へとURLが変更されます。

URLを変更する際に、301リダイレクトを行わないと、同じ内容のページが複数存在することになります。

ユーザーによってはセキュリティが万全でないhttpのURLにアクセスしてしまう可能性があります。

ユーザーの安全性を確保するためにも、SSL化を導入する際は301リダイレクトを設定しておきましょう。

#4:URLの正規化を行うとき

URLの正規化を行う際にも、301リダイレクトが必要です。

URLの正規化とは、同じ内容のページが複数のURLで存在する場合、ページのSEO評価が分散してしまうのを防ぐために一つのURLに統合することを指します。

複数のページを1ページに集約することになるため、URLの正規化を行うとページURLは変更されます。

集約したページURLへ転送する処理を行うため、301リダイレクトが必要になります。

(2)302リダイレクト

302リダイレクトは、あるページにアクセスしてきたユーザーを一時的に別のページに転送させるものです。

302リダイレクトは、一時的な転送になるため、サイトのメンテナンス中や一定期間だけ転送したい場合に利用されます。

以下では、302リダイレクトが使用される主なケースをそれぞれ解説していきます。

#1:PCとスマホでURLやページが異なるとき

ユーザーの閲覧環境に合わせて、表示ページを分けたいときにも302リダイレクトを使用します。

たとえば、PCサイトとスマホでURLやページが異なるケースが挙げられます。

302リダイレクトを設定しておくことで、スマートフォンユーザーがPC用のWebサイトへアクセスした際に、スマートフォン用のWebページに転送できます。

なお、昨今では、アクセス元の端末によって自動的にデザインを最適化させる「レスポンシブWebデザイン」が普及しています。

レスポンシブWebデザインの場合、PC・スマートフォンともに同じURLでWebページを閲覧することになるため、リダイレクトは必要ありません。

このような処理を行うことで、デバイスによるユーザビリティの差異を平準化することにもつながります。

#2:一定期間だけ転送したいとき

Webサイトに不具合やエラーが起き、一時的にサイトを修正する際は、302リダイレクトを使用しましょう。

サイトのエラーやページを修正する場合、「ただいまメンテナンス中です」といった表示ページに転送するのに302リダイレクトは有効です。

また、キャンペーンや期間限定商品のページへ移動させたいときなどにも使用できます。

302リダイレクトはあくまで一時的な転送のために用いるため、特別キャンペーンやお得な情報を掲載したページをメインページとして使用するのは数日~1週間程度にとどめておきましょう。

数か月や年単位の転送処理を施すのであれば、301リダイレクトを使用するのが適しているといえるでしょう。

5.リダイレクトの設定方法

リダイレクトは複数の方法で設定することができます。

それぞれの方法の概要を把握し、自身が使いやすい方法を選びましょう。

(1).htaccess

.htaccessとは、Webサーバーで使用されるWebサーバーソフトウェアである「Apache」をディレクトリ単位でコントロールするためのファイルのことです。

特定のディレクトリに.htaccessファイルを設置し、ファイル内にアクセス制限やリダイレクトを記述することで適用することができます。

.htaccessファイル内にリダイレクト指定する記述方法は、以下の通りです。

.htaccessでの設定方法

RewriteEngine On

RewriteRule 対象となるページのURL$リダイレクト先のURL/[R=301,L]

上記はページ単位で転送させたい場合の例です。

.htaccessを使用した記述方法は、サイトの単位ごとに異なるため、注意が必要です。

(2)PHP

PHPとは、Webページを生成することができるサーバーサイドのスクリプト言語です。

PHPを使用してリダイレクトを行う場合は、header関数を使います。

具体的なコードは、以下です。

PHPでの設定方法

<?php

header(‘Location:リダイレクト先のURL’,true,301);

exit();

?>

PHPで行うリダイレクトはサーバーサイドリダイレクトになるため、SEO評価を引き継ぐことができます。

ただし、ページごとに設定する必要があるため、ページ数が多いサイトの場合は手間がかかってしまうため注意が必要です。

(3)JavaScript

JavaScriptを使用してリダイレクトを行う場合、専用のスクリプトをhtmlファイル内に挿入することで設定することができます。

サーバーサイドリダイレクトは、サーバー側の環境によって設定できない場合があります。

その際の代替案として、JavaScriptを使用したリダイレクトがよく利用されています。

具体的なスクリプト例は、以下の通りです。

JavaScriptでの設定方法

<script>

window.location.herf(‘リダイレクト先のURL’)

</script>

なおJavaScriptを使ったリダイレクトは、ユーザーのブラウザがJavaScriptに対応していない場合は、利用することができません。

そのため、自身のブラウザを確認してから使用するようにしましょう。

(4)HTML

HTMLでリダイレクトを行う場合は「meta refresh」という記述を使った転送方法があります。

基本的な記述例は、以下の通りです。

HTMLでの設定方法

<meta http-equiv=”refresh” content=”0;URL=’リダイレクト先のURL’”>

content属性には「0;URL=’リダイレクト先のURL’」という値を指定しています。

これは「0秒後に指定したURLにリダイレクトする」という意味を表します。

この数字を変更することで、リダイレクトまでの待機時間を指定することができます。

HTMLでのリダイレクトは、クライアントサイドリダイレクトであるため、SEO評価を引き継ぐことができない場合がある点に注意が必要です。

(5)WordPress

WordPressでWebサイトを運営している場合は、「Redirection」という公式プラグインを使うことでリダイレクトを行うことができます。

上述した.htaccessやPHPとは違い、難しい専門知識は不要なため簡単に導入することができます。

もっとも、すでにプラグインをいくつかインストールしている場合には、不具合や動作が安定しない可能性もあります。

プラグインどうしの相性やインストールしている数も考慮しながら利用を検討するのがおすすめです。

6.リダイレクトを設定する際の注意点

リダイレクトを正しく行うことで、ユーザビリティを損なうことなくURLやドメインの変更を行うことができます。

しかし、設定方法や設定期間を間違えるとWebサイトに影響します。

以下では、リダイレクトを設定する際の注意点を解説します。

ぜひ参考にしてみてください。

(1)リダイレクト処理をすぐに解除しないようにする

リダイレクトを設定したあとは、最低でも1年間は維持するようにしましょう。

早期にリダイレクト設定を解除してしまうと、検索エンジンのクローラーがリダイレクトを検知することができず、SEO評価が引き継がれないリスクがあります。

特に301リダイレクトを利用する場合には、永続的にリダイレクト処理をし続けることが望ましいです。

(2)リダイレクトチェーンが発生しないようにする

リダイレクトはWebサイトの遷移に便利ですが、リダイレクトチェーンの発生を避けなければいけません。

リダイレクトチェーンとは、転送が複数回連なっていることです。

たとえば、ページAからページB、ページBからページCと、リダイレクトが連鎖している状態です。

数回程度のリダイレクトであれば問題ありませんが、5回以上になるとユーザーや検索エンジンが目的のWebサイトに辿り着くまでに時間がかかってしまうため、ユーザービリティとSEO評価が下がってしまいます。

また、Googleのロボットは最大10回までしかリダイレクトを追うことができないため、ユーザーによっては目的のページが表示されない可能性があります。

ユーザビリティやSEO評価を下げないためにも、なるべく最終的に表示したいページに直接リダイレクトを設定するようにしましょう。

(3)リダイレクトループが発生しないようにする

リダイレクトループとは、リダイレクト処理が繰り返されて終わらない状態のことです。

たとえば、ページAからページB、ページBからページAなどのように、同じページ間でリダイレクト処理がループしている状態をいいます。

リダイレクトループが発生した場合、ブラウザにエラーが表示され、どのページにもアクセスできなくなります。

リダイレクトループの原因のほとんどはリダイレクトの設定ミスです。

リダイレクトが改善されないままだと、検索順位に悪影響を及ぼす可能性があるため、リダイレクト処理後は設定を確認し、正しく遷移されるか確認するようにしましょう。

(4)関連性が低いページへのリダイレクトは避ける

関連性が低いページへのリダイレクトは避けるようにしましょう。

関連性の低いページへのリダイレクトは、ユーザーを不安にさせる可能性が高く、ページの離脱につながってしまいます。

また、リダイレクトが不適切だと、SEO評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

新しいURLで旧ページがなくなる場合は、できるだけコンテンツの内容に関連性があるページにリダイレクトを設定するようにしましょう。

まとめ

本記事では、リダイレクトについて解説しました。

リダイレクトを適切に設定することで、ユーザーはストレスなく目的のWebページにアクセスできるため、ユーザビリティの維持・向上だけでなく、サイト自体のSEO評価を高めることにもつながります。

また、リダイレクトには301リダイレクトと302リダイレクトがあり目的に合わせてリダイレクトを行う必要があります。

上述した注意点を踏まえて、リダイレクトを正しく設定しましょう。

この記事の投稿者
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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。