コラム

コンテンツマーケティング戦略を成功させる5ステップと分析手法

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TMS編集部

「コンテンツマーケティング戦略って具体的にどのようなもの?」
「企業が導入しているコンテンツマーケティングの成功事例が知りたい」

コンテンツマーケティングの重要性は誰もが認識していますが、実践となると多くの企業が課題を抱えています。

本記事では、具体的な成功事例を分析し、効果的なコンテンツマーケティング戦略の立て方を解説します。

最後まで読めばコンテンツマーケティング戦略の重要性や概要が理解でき、自社で実施すべき戦略の方向性を決められるでしょう!

目次

1.コンテンツマーケティング戦略の重要性

コンテンツマーケティング戦略はなぜ重要なのかを解説します。

コンテンツマーケティングの重要性

  1. 現代のデジタルマーケティングにおけるコンテンツの役割
  2. コンテンツマーケティングが注目される理由

順に解説していきます。

(1)現代のデジタルマーケティングにおけるコンテンツの役割

現代のデジタルマーケティングにおけるコンテンツの役割とは、ユーザーに対して有益な情報を継続的に発信し、信頼を得ることにあります。

ユーザーはコンテンツを通じて情報を得て、その企業に対しての印象を構築します。

継続的にコンテンツと接点を持つことで、ユーザーは徐々に企業への愛着や忠誠心を持つようになり、長期的な関係維持が可能となります。

(2)コンテンツマーケティングが注目される理由

なぜ、コンテンツマーケティングが注目されているか、その理由を説明します。

まずは消費行動が昔と比べて大きく変化したことが、理由として挙げられます。

従来は店舗へ行き商品を選んでから購入していたユーザーたちは、現代ではインターネットで口コミを参考にし、他者と十分に比較をしてから商品を購入する流れへ変化しました。

その結果ユーザーに自社商品やサービスを選んでもらうために、効率よく接点を持つ方法としてコンテンツが使われています。

また、インターネット広告の費用が高騰したことも理由です。

インターネット広告費用の高騰により、積極的にコンテンツを配信することで自社に感心するユーザーを集客し、商品を宣伝する方が費用は安く広告効果も高くなります。

2.コンテンツマーケティング戦略の概要

コンテンツマーケティング戦略の概要について解説します。

コンテンツマーケティング戦略の概要

  1. そもそもコンテンツマーケティングとは
  2. コンテンツマーケティング戦略とは
  3. コンテンツ戦略との違い

(1)そもそもコンテンツマーケティングとは

コンテンツとはインターネットへ公開する情報全般を意味します。

具体的にはWebサイトへ掲載するコラムや動画コンテンツ、画像、メールやLINEなどもコンテンツの1つです。

コンテンツマーケティングとは、これらのコンテンツを活用してユーザーへ有益な情報を配信して興味を喚起し、購買に繋げるマーケティング手法です。

具体的には自社オウンドメディアを運営してユーザーを集め、サイト内に設置したボタンから問い合わせや申し込みへ誘導するような手法をコンテンツマーケティングといいます。

以下の記事でもコンテンツマーケティングの概要について解説しています。

ぜひ参考にしてみてください。

2024.09.12

コンテンツマーケティングで効果を得るためには?重要性やメリットを紹介

(2)コンテンツマーケティング戦略とは

コンテンツマーケティング戦略とは、誰にどのようなコンテンツをどのような方法で配信するかなどを定めた方針です。

コンテンツマーケティングは短期的な結果が出にくいため、戦略を策定しておかないと、途中で挫折してしまいがちです。

なぜコンテンツマーケティングをするのか、配信方法や内容、KPIを設定して継続的に情報を発信していくことが大切です。

(3)コンテンツ戦略との違い

コンテンツ戦略とは、質の高いコンテンツ作りの基礎となる方針です。

コンテンツマーケティングには質の高いコンテンツが必須であるため、この2つは非常に関係が深いです。

例えば、ターゲットユーザーを分析してコンテンツの方向性や内容を決めるのもコンテンツ戦略の1つと言えます。

3.コンテンツマーケティングで想定される流入経路

コンテンツマーケティングで想定される流入経路は主に7つあります。

コンテンツマーケティングで想定される流入経路

  1. オーガニック検索
  2. SNS
  3. 外部サイトからの被リンク
  4. サイト内回遊
  5. ダイレクト流入
  6. アプリやメールマガジンなど

(1)オーガニック検索

オーガニック検索とは、自然検索とも呼ばれ、広告以外に表示される検索結果を意味します。

上図のように検索結果の横に「スポンサー」と書かれているのは広告、その下に表示される検索結果がオーガニック検索です。

SEO対策により検索エンジンで自社サイトを上位表示させ、ユーザーをサイトへ流入させて販促や認知度拡大を目指すコンテンツマーケティングで想定される流入経路のひとつです。

(2)SNS

SNSへの情報発信もコンテンツマーケティング戦略の1つです。

SNSでテキストや画像、動画を配信して多くの人へ自社を認知させ、商品の購買へ繋げることができます。

自然と自社が狙うターゲットへのリーチができるほか、有料広告と組み合わせればさらにエンゲージメントを向上させるための戦略を立てられます。

SNSでのコンテンツマーケティング戦略においては、使用するSNS別にコンテンツや情報の最適化が重要です。

(3)外部サイトからの被リンク

外部サイトからの被リンクをいかに受けるかも、コンテンツマーケティング戦略の1つです。

質の高いサイトからリンクを貼られるサイトは、それだけ情報の信憑性が高くユーザーに対して有益な情報を発信していると判断されます。

優良な被リンクが多いとSEO対策にも有効であり、オーガニック検索で上位に表示されやすくなります。

外部サイトからの被リンクを受けるには、質の高いコンテンツ制作はもちろんゲストポスティング、PRを活用しましょう。

また、インフルエンサーマーケティングと連携して信頼性の高いSNSアカウントから自社サイトへのリンクを発生させるなどの戦略も有効です。

(4)サイト内回遊

サイト内回遊をいかに増やすかも、コンテンツマーケティング戦略の1つです。

サイト内回遊とは、ユーザーが自社サイト内で複数ページを閲覧することです。

ユーザーが自社サイト内を回遊しているということは、サイト内コンテンツの質が高く、ユーザーが情報の有益性を認めていることにつながります。

サイト内回遊率を向上させるには、内部リンク構造を改善したり、ユーザーが回遊しやすいサイトの構造などにすることが大切です。

(5)ダイレクト流入

ダイレクト流入とは、広告や被リンクから直接自社サイトへ流入させる手法です。

Web広告や外部リンク施策によりユーザーを誘導し、情報に触れてもらうことで販促や認知拡大を目指します。

ダイレクト流入を増やす戦略としては、オフライン・オンラインマーケティングとの組み合わせが重要です。

例えば、セミナーで自社サイトのリンクを組み込んだQRコード付きのチラシを配布してダイレクト流入させる方法があります。

(6)アプリやメールマガジンなど

アプリやメールマガジンなどのコンテンツを配信するマーケティング手法も有効です。

自社アプリを制作してプッシュ通知を送信することで、ユーザーがコンテンツを閲覧し、成約へつながる可能性を高めます。

また、メールマガジンで徐々にユーザーの関心を高め、リンクを配信することで購買サイトへ誘導する手法も有効です。

4.コンテンツマーケティングの戦略の立て方

コンテンツマーケティングの戦略策定の流れを簡単に説明します。

コンテンツマーケティングの戦略の立て方

  1. 自社の現状の課題を洗い出す
  2. 解決したい課題やゴールを決める
  3. コンテンツを配信するターゲット(ペルソナ)を決定する
  4. カスタマージャーニーマップを作る
  5. 制作するコンテンツを選ぶ
  6. コンテンツ制作に必要なリソースを確保する
  7. コンテンツ制作をフェーズに分けて計画表を作る
  8. コンテンツを制作・公開する
  9. PDCAサイクルを回しながら改善する

(1)自社の現状の課題を洗い出す

コンテンツマーケティング戦略のもととなるのが、自社の課題です。

そもそもコンテンツマーケティングは、自社の課題解決や目標達成のために実施するものです。

まずは自社で課題となっている点を洗い出して、優先順位を決めましょう。

例えば、立ち上げたばかりの商品で認知度が低い場合と、認知度は十分だが新商品の売れ行きが悪い場合では、戦略が変わります。

コンテンツマーケティング戦略を立てる最初のステップとして、課題の洗い出しを行いましょう

(2)解決したい課題やゴールを決める

課題の洗い出しが終わったら、次に課題が解決した後のゴールを明確に決めましょう。

ゴールなしにコンテンツマーケティングを始めても、具体的な施策が思いつきません。

例えば、自社商品の認知が低いことが課題となっている場合は、コンテンツマーケティングにより認知を高めることが目的です。

新商品の売れ行きが悪い場合は、どの売り上げラインに達すれば目標達成となるのか、数値を決めておきましょう。

(3)コンテンツを配信するターゲット(ペルソナ)を決定する

次に、コンテンツマーケティングを実施するターゲット(ペルソナ)を決定します。

ペルソナとは自社商品やサービスを利用する属性のことです。

例えば、ダイエットサプリメントを販売する企業の場合は以下のようにペルソナを設計します。

ペルソナとは

  • 30代以上
  • 代謝が下がったことが悩み
  • 飲み会や会食が多く食事制限が難しい
  • 多忙だが時間を見つけてジムへ行く
  • 痩せてブランドのスーツを着たい
  • 食生活は〜
  • 生活時間帯は〜

以上のように細かくペルソナを設定しておくことで、コンテンツ制作の際によりターゲットへ刺さる内容のものを作れます。

例えば、30代以上の女性が好む配色や文体、SNSは20代女性が好むものとは大きな違いがあるはずです。

自社商品やサービスを届けるべき人が誰かを明らかにし、その人にコンテンツを届けるために詳細な設定を実施してください。

(4)カスタマージャーニーマップを作る

コンテンツマーケティング戦略においては、カスタマージャーニーマップも重要です。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを認知し、購入に至るまでのプロセスをまとめた図です。

ユーザーの行動や心理を細かくまとめ、その際に必要な施策をまとめることで戦略を可視化できます。

例として、女性向けサプリメントのカスタマージャーニーマップを紹介します。

認知 リサーチ 比較 購入
行動 ・Instagramで商品を見た
・インフルエンサーが商品を紹介しているのを見た
・Googleで検索
・口コミを調べる
・比較ブログのチェック
・体験談を読む
・購入手続き
ユーザーの心理 ・みんな紹介してるし、なんか良さそう
・〇〇ちゃんが紹介してるなら信頼できそう
・本当に痩せるのかなあ?
・副作用などはない?
・他のサプリより効果が出そう!
・実際に痩せた人がいるんだ!いいな!
・早く試したいな!
施策 ・インスタグラムのフィード投稿など
・インフルエンサーマーケティング
・Google検索
・口コミサイト
・自社サイトLPへ体験談の掲載
・ASPを通じたアフィリエイト施策
・お礼メール
・SNSへの誘導

以上のようにユーザーは商品認知から購入まで複数のプロセスを踏み、その心理は段階的に変化していきます。

上記のマップを参照しながら適切な施策を実施することで、コンテンツマーケティングの精度が高まるので、必ず制作しておきましょう。

(5)制作するコンテンツを選ぶ

コンテンツマーケティングの要となる制作コンテンツを選定しましょう。

カスタマージャーニーマップなども参照し、どのコンテンツが自社商品やサービスの販売に向いているかを検討します。

例えば、30代以上の女性に向けた商品やサービスはInstagramと相性が良いと仮定した場合は、Instagramの投稿や広告を制作する必要があります。

最初のうちはユーザーに対して有益な情報を毎日配信するのが有効なので、ある程度投稿をまとめて制作しましょう。

(6)コンテンツ制作に必要なリソースを確保する

制作するコンテンツを決めたら、次はリソースの確保が必要です。

コンテンツを自社で内製する方法もありますが、継続的なコンテンツ発信を考えると外注した方が手間はかかりません。

例えば、コラムを制作してSEO対策をする場合は自社サービスのジャンルに詳しいWebライターを雇用し、記事制作を外注する方法があります。

または、コンテンツ制作自体をWeb制作会社へ委託し、ライターの手配や結果計測を任せるのも良いでしょう。

(7)コンテンツ制作をフェーズに分けて計画表を作る

コンテンツ制作のリソースを確保したら、制作計画表を作りましょう。

認知フェーズと商品販売フェーズでは、制作するコンテンツの内容も変わります。

例えば、メールマガジンの場合はリードに対して最初は自社商品を知ってもらい、その後徐々に関心を強く惹きつけるようなコンテンツが必要です。

以上のようにフェーズごとに必要なコンテンツを洗い出し、いつまでに該当コンテンツを制作するかプランニングしておきましょう。

(8)コンテンツを制作・公開する

計画表ができたら、コンテンツを制作・公開していきます。

コンテンツ制作と公開は多少のタイムラグを作り、公開に間が空かないように調整しましょう。

特にSNSなどは毎日発信が必要なため、ストックを作れるように納期を設定して制作を進めていきます。

(9)PDCAサイクルを回しながら改善する

コンテンツを公開したら、PVやインプレッション数を確認しながらユーザーへ正しくリーチできているか確認しましょう。

自社の想定ターゲットに情報が届いているか、またコンテンツから自社サイトへの流入数を分析します。

分析結果により効果を測定し、改善点を見つけてコンテンツ制作の指針としましょう。

4.コンテンツマーケティング戦略を考える際の注意点

コンテンツマーケティング戦略を考える際の注意点を5つ紹介します。

コンテンツマーケティング戦略を考える際の注意点

  1. 中長期的な視点を持つ
  2. 必ず戦略を立ててから実行に移す
  3. リソースを最適化する
  4. 品質と量のバランスを考える
  5. コンテンツの再利用や再目的化を視野に入れる

(1)中長期的な視点を持つ

コンテンツマーケティングは即効性のある手法ではなく、効果が出るまでに時間がかかります。

そのため、中長期的な視点を持っておかないとコンテンツマーケティングの意義を感じず、途中で戦略が頓挫してしまいがちです。

コンテンツマーケティングには時間がかかることを念頭に置き、目標設定しておくことが重要です。

また、即効性のある広告などとの組み合わせで利益を確保することで、長期的なコンテンツマーケティングの継続が可能です。

(2)必ず戦略を立ててから実行に移す

コンテンツマーケティングを実施する前に、必ず具体的な戦略を立ててください。

闇雲にコンテンツマーケティングを始めても、行き当たりばったりの施策しか打てません。

明確な目標と指標を設定しておけば、コンテンツマーケティング戦略を立てやすく、また目標に対しての達成率を分析できます。

また、コンテンツマーケティングのリスクの分析も重要です。

例えばSNSでの炎上リスクをしっかり検討しておけば、コンテンツ内容や万が一炎上した際にスピーディに対策を打てます。

しっかりした理論と戦略にもとづいたコンテンツマーケティングの実施で、自社の認知度拡大や販売促進を成功させることができるでしょう。

(3)リソースを最適化する

コンテンツマーケティング戦略を立てる際は、リソースの最適化も意識してください。

人材や時間、予算を効率的に配分することで、コンテンツマーケティングの費用対効果を高められます。

中小企業でコンテンツマーケティングに割けるリソースが限られる場合は、自動化ツールなどの検討も必要です。

どこにリソースを配分するか戦略を立てる段階で検討し、無理なく継続できるコンテンツマーケティングを実施しましょう。

(4)品質と量のバランスを考える

コンテンツマーケティングにおいては、品質と量のバランスが重要です。

品質が高くても量があまりにも少ない場合は、ユーザーを効果的に集客することができません。

反対に、量ばかり多く内容の薄いコンテンツを発信しても、ユーザーへ自社商品やサービスを認知してもらい、購入するには至らないでしょう。

コンテンツマーケティングにおいては、主張を一貫したものにすること、および多様なコンテンツの配信が重要です。

自社が伝えたいメッセージを1つ決め、それを基準にユーザーが有益と感じる情報をSNSやコラムなどさまざまな形で発信しましょう。

(5)コンテンツの再利用や再目的化を視野に入れる

既存コンテンツの有効活用により、効率的にコンテンツマーケティング戦略を実施できます。

例えば、自社商品を宣伝する動画コンテンツを制作し、YouTubeや各種SNSで配信するのも再利用の1つです。

また、コラム記事の内容を要約したものをSNSで配信するなど、媒体別にコンテンツを別で作るのではなく1つのコンテンツから複数媒体へ派生させましょう。

コンテンツの継続的な発信のために、制作したコンテンツを有効活用することも視野に入れて戦略を立ててください。

5.参考になるコンテンツマーケティング戦略の成功事例

コンテンツマーケティング戦略の成功事例を3つ紹介します。

コンテンツマーケティング戦略の参考事例

  1. SUUMO
  2. ハーゲンダッツジャパン株式会社
  3. サイボウズ株式会社

(1)SUUMO

不動産情報サービス「SUUMO」は、以下のようなコンテンツマーケティング戦略を実施しています。

SUUMOのコンテンツマーケティング戦略

  • ターゲットに応じた不動産情報の提供
  • 実店舗とコンテンツの連携
  • 口コミや体験談の活用
  • ユーザー行動データの分析と改善

SUUMOはLINEなどを活用して、登録されたユーザー情報をもとに物件情報の紹介などを実施しています。

さらにLINEから内見申込などを可能にし、実店舗への導線も確保しています。

また、口コミや体験談コンテンツを活用することで自社ブランディングでも成果をあげています。

ユーザー行動を細かく分析することで、各種コンテンツの改善を継続的に実施しています。

(2)ハーゲンダッツジャパン株式会社

ハーゲンダッツジャパン株式会社のコンテンツマーケティング戦略を解説します。

ハーゲンダッツジャパン株式会社のコンテンツマーケティング戦略

  • SNS媒体別のコンテンツの使い分け
  • 季節別のコンテンツ展開
  • ビジュアル重視のSNS戦略
  • 試食イベントなどの展開

ハーゲンダッツジャパン株式会社はFacebookやInstagram、XなどのSNSを活用していますが、SNS別にコンテンツ内容を使い分けています。

Facebookは企業としてのブランディングの内容を、Instagramにはビジュアル重視の投稿を、Xにはキャンペーンなどポップな印象の画像やテキストを配信しています。

SNSの特性を把握し、コンテンツ内容を変更して配信するなど多様な投稿により、リーチしたいターゲットへ情報が届くように練られた戦略のお手本といえるでしょう。

(3)サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社はBtoBコンテンツマーケティングで成功を収めています。

自社が販売するグループウェアの販促のためにオウンドメディアを運用し、有益情報を継続的に発信することで、多くの顧客の集客に成功しました。

サイボウズ株式会社のコンテンツマーケティング戦略

  • 自社の知見を活かした働き方についてのコンテンツを発信
  • 導入事例の紹介
  • グループウェアの活用方法や効果をコンテンツとして公開

「サイボウズ式」というオウンドメディア内で働き方やDXについての情報を発信し、DXに悩む中小企業をメインに集客しています。

また、導入事例を掲載することで自社製品の優位性を示し、顧客の決断を促すコンテンツも配信しています。

さらに、サイボウズ株式会社のグループウェアを導入した企業向けの活用方法やマニュアルも公開するなど、顧客との関係維持にも成功している事例です。

6.成功事例からわかるコンテンツマーケティング成功のコツ

紹介した成功事例からわかるコンテンツマーケティング戦略の成功ポイントを5つ紹介します。

コンテンツマーケティングの成功ポイント

  1. ペルソナや目的が明確である
  2. 競合他社の分析をし差別化している
  3. 1つの流入経路に依存していない
  4. 顧客ニーズを汲み取ったコンテンツ制作をしている
  5. 継続的にコンテンツを発信し続けている

(1)ペルソナや目的が明確である

コンテンツマーケティングに成功している企業は、ペルソナや目的が明確です。

ペルソナと目的が明確であるほど、ターゲットのニーズに応える効果的なコンテンツを制作できます。

また、明確に目的を設定すればコンテンツマーケティングの結果分析がしやすく、改善点の洗い出しも容易です。

例えば、SUUMOではペルソナによってコンテンツの内容を変更し、住宅を買いたい人・借りたい人向けに配信内容を変更しています。

このようにペルソナと目的の設定により、ターゲットへリーチしやすく、アクションを喚起できるコンテンツマーケティングを実施できます。

(2)競合他社の分析をし差別化している

コンテンツマーケティングに成功している企業は、競合他社を分析し差別化しています。

競合分析により把握できていないユーザーのニーズを見つけ、応えることで他社にない自社独自の価値の提供が可能です。

例えばハーゲンダッツジャパン株式会社では、競合他社にない自社ブランディングである「ハーゲンダッツを食べる贅沢な体験」をテーマとして差別化を図っています

以上のように競合をしっかり分析することで、ユーザーに「この商品は他と違う」と感じてもらえるコンテンツマーケティング戦略を実施できます。

(3)1つの流入経路に依存していない

コンテンツマーケティングに成功している企業は、1つの流入経路に依存しません。

1つの流入経路依に存すると、その経路に問題が生じた際に集客が大きく落ち込むリスクがあるためです。

複数の流入経路の確保により安定したリードの流入を確保し、集客効果を高められます。

例えばサイボウズ株式会社は、紹介した「サイボウズ式」のコラム以外にYouTubeコンテンツやXを活用してコンテンツマーケティングを実施しています。

コンテンツマーケティングの流入経路を絞らないことで、リスク分散とターゲット顧客へのリーチ増加の効果が期待できます。

(4)顧客ニーズを汲み取ったコンテンツ制作をしている

コンテンツマーケティングに成功している企業は、顧客ニーズを反映したコンテンツ制作をしています。

顧客ニーズに合致したコンテンツはエンゲージメントが高く、顧客から信頼を獲得して関係を構築するのに役立ちます。

例えば「サイボウズ式」はDXに悩む中小企業のニーズに応え、DXの内容や具体的な課題と解決策を提示しているのが特徴です。

このように顧客ニーズに応えるコンテンツの発信により、顧客からの信頼を勝ち取り、効率よくエンゲージメントを獲得できます。

(5)継続的にコンテンツを発信し続けている

成功するコンテンツマーケティング戦略の基本は、継続性です。

一過性でなく継続して一貫したメッセージを配信し続けることで、企業のブランディングと信頼性向上に役立ちます。

また、継続的なコンテンツ発信は検索エンジンでの評価を高め、オーガニック流入を増やすためにも重要です。

継続的なコンテンツ発信により、顧客との長期的な関係構築が可能になり、ブランド価値の向上と安定した集客につながります。

7.コンテンツマーケティング戦略に使える分析手法

コンテンツマーケティング戦略に使える分析手法を5つ紹介します。

コンテンツマーケティング戦略に使える分析手法

  1. SWOT分析
  2. クロス分析
  3. ペルソナ分析
  4. 3C分析
  5. コンテンツギャップ分析

(1)SWOT分析

SWOT分析は、コンテンツマーケティング戦略を立案する上で不可欠なツールです。

この手法を用いることで、自社の現状を包括的に把握し、効果的な戦略を立てることができます。

SWOT分析の重要性は、内部要因(強み・弱み)と外部要因(機会・脅威)を同時に考慮できる点にあります。

これにより、自社の特性を活かしつつ、市場環境に適応したコンテンツ戦略を立案することが可能になります。

例えば、ある健康食品会社がSWOT分析を行った結果、以下のような分析結果が得られたとします。

SWOT分析の例

強み:独自の特許技術、高品質な原材料
弱み:知名度の低さ、限られた販売チャネル
機会:健康意識の高まり、オンライン販売の成長
脅威:競合他社の増加、原材料価格の上昇

この分析結果をもとに、同社は「独自技術を活かした健康レシピの定期配信」という、強みと機会の観点を組み合わせた戦略を実施しました。

このような分析方法をSWOT分析と呼びます。

(2)クロス分析

クロス分析は、複数の要因の相関関係を明らかにすることで、より詳細なコンテンツ戦略の立案を可能にします。

クロス分析によりコンテンツのパフォーマンスと顧客属性の関連性を詳細に把握し、特定のセグメントに最適化されたコンテンツを提供することが可能になります。

例えば、ECサイトにおいてクロス分析をすると以下のような結果が得られたとしましょう。

クロス分析の例

20代女性:ストリートファッションの動画コンテンツの視聴率が高い
30代男性:ビジネスカジュアルのスタイリングガイドへの滞在時間が長い
40代女性:サステナブルファッションに関する記事のシェア率が高い

上記のような結果をもとにしてセグメント別のコンテンツ内容を検討することで、より効果の高いコンテンツマーケティングを実施できます。

(3)ペルソナ分析

ペルソナ分析は、顧客像を具体的に描くことで、コンテンツを誰に届けるかを明確にする手法です。

ペルソナ分析は単なる統計ではなく、顧客の行動や心理などを深く理解するためのものであり、ニーズを反映させたコンテンツ制作をサポートします。

例えば、育児中の母親向けの商品を販売する会社のペルソナは以下のようなものになります。

ペルソナ分析の例

名前:佐藤秀美(34)

職業:フルタイムの事務員

家族構成:夫(37歳)長女(5歳)次女(3歳)

仕事と育児の両立に苦戦している

子供の健康管理や教育を強く意識している

時間がないため効率的に情報を収集したい

SNSを活用している

上記のペルソナを考えると、効率よく短時間で情報を集められる動画コンテンツが有効であることが見えてきます。

短時間で情報を集約した「育児の時短テクニック」動画を配信することで、このペルソナにニーズの高い情報を提供できる可能性が高まるでしょう。

以上のようにコンテンツを配信する相手を分析することで、ターゲットに刺さりやすいコンテンツを制作できます。

(4)3C分析

3C分析は、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの要素を総合的に分析する手法です。

この分析により市場における自社の位置づけを明確にし、効果的なコンテンツ戦略を立案できます。

例えば、オンライン英会話サービスにおいて3C分析を実施した結果が以下のようなものであったと仮定します。

3C分析の例

自社の強み:ネイティブ講師の質が高く、独自のプログラムがある

自社の弱み:認知度が低く、料金が高い

顧客のニーズ:効率的に英語を学べること、実践的な英会話を学べること

顧客の特徴:20〜30代の社会人が中心で、あまり時間がない

競合の強み:低価格で講師数が豊富である

競合の弱み:講師の質にばらつきがあり、プログラムの内容に独自性がない

以上の分析結果から、自社サービスを宣伝するには自社の講師の質の高さとオリジナルプログラムを活かし、顧客の「時間がない」というニーズに寄り添うことが重要だと判断できます。

この場合では時間がない生徒のために時短で学べる英会話フレーズをショート動画にまとめ、YouTubeやTikTokで配信する方法が有効です。

以上のように自社の立ち位置、競合に劣る部分をまとめることで、コンテンツマーケティングの質を高められます。

(5)コンテンツギャップ分析

コンテンツギャップ分析は、既存のコンテンツと顧客ニーズのギャップを特定することで、より効果的なコンテンツ戦略の立案を可能にする重要な手法です。

現在自社で提供しているコンテンツでカバーできていないニーズを発見し、対応することでコンテンツマーケティングの質を高められます。

例として、DIY用品メーカーのコンテンツギャップ分析を見てみましょう。

コンテンツギャップ分析の例

自社で解決できていない顧客の疑問:初心者向けのテクニック解説が足りない、ツールの使用方法が分からない

競合他社が提供しているコンテンツとの比較:競合は専門性は高いが、初心者向けのコンテンツが不足している

検索のトレンド:「簡単」「初心者」のKW検索量が増加している

上記の分析結果をもとにすれば、ユーザーが求めている初心者向けの簡単なDIYテクニックをカバーするのが、コンテンツマーケティング戦略的に有効と判断できます。

動画やコラムで初心者向けのコンテンツを増やすことで、オーガニック流入も増え、自社認知の拡大と販促という目標を達成できます。

例のように自社のコンテンツに足りないものを定期的に見返すことで、ユーザーが欲しい情報をタイムリーに提供する戦略を実施可能です。

まとめ

効果的なコンテンツマーケティング戦略の立案は、ビジネス成功の鍵となります。

本記事で紹介した分析手法や成功事例のポイントを活用し、自社の強みを活かした独自のコンテンツマーケティング戦略を構築しましょう。

ペルソナの明確化、競合分析による差別化、複数チャネルの活用、顧客ニーズの把握、そして継続的な発信の要素を組み合わせることで、成果を生み出すコンテンツマーケティングが実現できます。

まずは自社の現状分析から始め、段階的に戦略を実行し、ビジネスの拡大に役立てましょう!

この記事の投稿者
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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。