コラム

ホームページ移転時のリダイレクトとは?|タイミングや解除方法も紹介

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TMS編集部

「ホームページ移転する際のリダイレクトは、絶対にしないとダメ?」
「リダイレクトの方法がわからない!万が一取り消す際はどうしたら良いの?」

ホームページを移転させる際に、TOPページに新しいサイトのURLを貼り付けておくだけでは、ユーザービリティとSEOの両面において十分な対策とはいえません。

しかし、リダイレクトの方法がやや複雑で「自分にはできないかも」と不安を感じる方もいるでしょう。

本記事では、ホームページ移転時のリダイレクトの必要性や方法、タイミングや解除の方法についてまとめています。

最後まで読めば、ホームページ移転時にユーザーに混乱を生じさせずに、検索エンジンの評価を引き継いで移転を完了させられます。

そもそもリダイレクトの意味がわからないという方は、こちらの記事をご覧ください。

2024.10.29

リダイレクトとは?初心者でも絶対分かる徹底解説|設定方法も紹介

1.ホームページ移転時はリダイレクトが必須

ホームページ移転時のリダイレクト設定は、サイト運営において避けては通れない重要な作業です。

適切なリダイレクト設定がないまま移転を行うと、ユーザーの離脱やSEO評価の低下など、深刻な問題が発生する可能性があります。

特にビジネスサイトやECサイトでは、これらの問題が直接的な収益低下につながるため、リダイレクトの目的についてしっかり理解しておきましょう。

リダイレクトを行う主な目的

  1. ユーザビリティ向上のため
  2. 検索エンジンの評価を引き継ぐため

(1)ユーザビリティ向上のため

Webサイトには、様々な流入経路でユーザーからのアクセスがあります。

検索エンジンの検索結果からの訪問、ブックマークからの直接アクセス、SNSでシェアされたリンクからの訪問などが一般的です。

サイト移転後も、これらの古いURLへのアクセスは継続して発生するため、適切なリダイレクト設定が必要となります。

リダイレクトを設定することで、ユーザーは新しいURLを意識することなく、目的のページにたどり着くことが可能です。

これにより、手動でのURL入力や再検索といった余計な手間を省き、スムーズな移行を実現できます。

特にECサイトなど、直接的な収益に関わるサイトでは、スムーズなページ移行がユーザー離脱の防止とコンバージョン率の維持に大きく貢献するでしょう。

(2)検索エンジンの評価を引き継ぐため

検索エンジンにおける評価の維持は、サイト移転時の重要な課題となります。

適切なリダイレクト設定により、これまで築き上げてきたページランクや被リンク評価、検索順位といったSEO要素を新サイトへ引き継ぐことが可能です。

特に、長期運営で多くの外部リンクを獲得しているサイトや、重要なキーワードで上位表示を獲得しているサイトでは、検索エンジンの評価引き継ぎが重要です。

もしもリダイレクトに問題があれば、検索順位の急激な低下やインデックスの重複などの問題が発生する可能性があります。

具体的にはアクセス数の激減してサイト評価が下がるなど、長期的な目線でもビジネスに影響を及ぼすリスクが高いです。

そのため、ホームページを移転させる際は十分な事前準備と、適切なリダイレクト設定が重要です。

2.リダイレクトさせる適切なタイミング

ホームページのリダイレクトのタイミングは、ユーザー体験とサイト評価に大きな影響を与えます。

実装方法によって転送のタイミングを細かく制御でき、サイトの目的に応じた最適な設定が可能です。

リダイレクトさせる適切なタイミング

  1. アクセスと同時にリダイレクトをかける
  2. 移転メッセージの表示後にリダイレクトをかける

(1)アクセスと同時にリダイレクトをかける

最も一般的なのは、ユーザーが旧URLにアクセスした瞬間に自動的に新URLへ転送する方式です。

この方式では、ユーザーはほとんど待ち時間を感じることなく新サイトへ移動できます。

サーバー側で設定する301リダイレクトや302リダイレクトがこれに該当し、SEOの観点からも推奨される方法です。

ECサイトや情報サイトなど、即時性が求められるケースでは、この瞬時転送が効果的です。

(2)移転メッセージの表示後にリダイレクトをかける

一定時間の告知表示後に転送する方式は、ユーザーへの丁寧な案内が必要な場合に有効です。

メタリフレッシュを使用すれば、任意の秒数後に自動転送するよう設定できます。

例えば、「このサイトは移転しました。5秒後に新サイトへ移動します」といった案内を表示すれば、ユーザーに状況を理解してもらえます。

企業の公式サイトや、重要な告知を含むサイトでは、この方式が適しているでしょう。

ただし、待ち時間が長すぎるとユーザーのストレスとなる可能性があるため、適切な時間設定が重要です。

一般的には3〜5秒程度の待ち時間が目安となり、10秒以上の待ち時間は避けましょう。

また、自動転送が機能しない場合に備え、手動で移動できるリンクを併記することも推奨されます。

メタリフレッシュの注意点

ただし、SEOの観点からはメタリフレッシュでのリダイレクトは推奨されていません。

これはメタリフレッシュを悪用してフィッシングサイトへ誘導するなど、不正な遷移が行われるリスクが高いためです。

3.ホームページ移転時に使用するリダイレクトの種類

ホームページ移転時のリダイレクトには、主に301リダイレクトと302リダイレクトの2種類があります。

用途や目的に応じて適切な種類を選択することで、効果的なサイト移転が実現できます。

リダイレクトの主な種類

  1. 301リダイレクト
  2. 302リダイレクト

(1)301リダイレクト

301リダイレクトは、恒久的な移転を示すステータスコードとして、最も一般的に使用される方式です。

検索エンジンに対して「このページは完全に移転しました」というシグナルを送ることができます。

そのため、旧URLが持つ評価を新URLへ引き継ぎ、SEO対策の観点から最も効果的な選択肢となります。

具体的な使用シーンとしては、ドメインの完全移行、恒久的なURL構造の変更、サイトのリニューアルなどが挙げられます。

また、旧URLへのアクセスが長期的に予想される場合も、301リダイレクトが最適な選択となるでしょう。

301リダイレクトについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

2024.10.29

301リダイレクトはSEO効果が高い処理?SEO効果や実装方法

(2)302リダイレクト

302リダイレクトは、一時的な転送を示すステータスコードとして使用されます。

検索エンジンに対して「このページは一時的に別の場所に移動しています」というシグナルを送ります。

SEO評価は原則として旧URLに維持されるため、将来的に元のURLに戻す可能性がある場合に最適な方法です。

使用シーンとしては、サイトのメンテナンス中の一時的な転送や、キャンペーンページへの期間限定の誘導などが該当します。

また、新サイトの動作検証期間中など、完全移行の前段階での利用も効果的です。

ただし、恒久的な移転に302リダイレクトを使用すると、検索エンジンの混乱を招く可能性があるため注意が必要です。

長期的な移転を検討している場合は、301リダイレクトへの切り替えも検討しましょう。

302リダイレクトについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

2024.10.30

302リダイレクトはSEOにどう影響するか|実装方法や301との違い

4.ホームページを移転した際にリダイレクトを設定する方法

リダイレクトの設定方法は複数存在し、目的や技術的要件に応じて使い分けることが重要です。

ホームページを移転した際にリダイレクトを設定する方法

  1. .htaccessファイルで一括転送する
  2. metaリフレッシュを使用する
  3. Javascriptを使用する
  4. PHPを使用する
  5. WordPressプラグインを使用する

(1).htaccessファイルで一括転送する

.htaccessを使用した設定は、Apacheサーバーにおける最も一般的なリダイレクト方法です。

サーバー側で処理を行うため、高速で確実な転送が可能となります。

以下のような記述で、サイト全体を新しいドメインへの転送が可能です。

記述例

RewriteEngine On
RewriteCond %{http_host} ^www.old.com/
RewriteRule ^(.*) https://www.new.com/$1 [R=301,L]

また、特定のページやディレクトリ単位での転送も柔軟に設定できる点が特徴です。

(2)metaリフレッシュを使用する

HTMLファイル内にmetaタグを記述することで比較的簡単にリダイレクトを設定できます。

サーバーの設定変更が難しい環境でも実装が可能なのがメリットです。

基本的な記述の方法を紹介します。

記述例

<meta http-equiv=”refresh” content=”秒数; URL=https://www.new.com/”>

ただし先述したように、Googleはメタリフレッシュを推奨していません。

そのため、一時的な遷移やお知らせが必要な場合を除いては、他の方法でリダイレクトさせた方が良いでしょう。

(3)Javascriptを使用する

JavaScriptによるリダイレクトは、柔軟な条件分岐が可能です。

ユーザーの行動やブラウザの状態に応じて、転送先を変更することもできます。

ただし、記述がやや複雑であるため、サイト運営を始めたばかりで専門的な知識を持つエンジニアを雇用していない場合などには推奨していません。

基本的な実装例は以下の通りです。

記述例

<script>
window.location.href(‘https://www.new.com/’)
</script>

ただし、JavaScriptが無効化されている環境では機能しない点に注意が必要です。

(4)PHPを使用する

PHPによるリダイレクトは、サーバーで柔軟に制御できるのが特徴です。

データベースと連携した自動的な転送先の決定や、詳細なログ記録などを実装できます。

基本的な記述例は以下のとおりです。

記述例

<?php
header(“Location:https://www.new.com/”);
exit();
?>

(5)WordPressプラグインを使用する

WordPressサイトの移転では、専用プラグインを活用することで、技術的な知識がなくてもリダイレクトを設定できます。

代表的なプラグインとして「Redirection」や「301 Redirects」があり、管理画面から直感的な操作が可能です。

これらのプラグインでは、アクセスログの確認や404エラーの監視などの機能も利用できます。

ただし「301 Redirects」では、301リダイレクトしか使用できない点に注意しましょう。

ただし、プラグインの導入はサイトの読み込み速度に影響を与える可能性があるため、必要最小限の機能を選択することが重要です。

5.ホームページ移転時のリダイレクトに関する注意点

ホームページを移転する際のリダイレクトでは、以下の点に注意してください。

ホームページ移転時のリダイレクトに関する注意点

  1. 短期間で解除しない
  2. 無限ループに注意する
  3. リダイレクトチェーンに注意する
  4. ブラウザの仕様・設定に注意する
  5. 無関係なページへのリダイレクトはしない

(1)短期間で解除しない

リダイレクトの設定は、最低でも6ヶ月から1年程度維持するのが良いとされています。

これは、検索エンジンのクロールやインデックスの更新に時間がかかるためです。

ただし多くの外部リンクを持つサイトでは、いつどこからユーザーが流入してくるかわからないので、長めに設定した方が良い場合もあるでしょう。

安易にリダイレクトを解除してしまうと、せっかくの検索エンジンからの評価を失うリスクがある点に注意してください。

(2)無限ループに注意する

リダイレクト設定のミスにより、転送が無限に繰り返される状態を「リダイレクトループ」と呼びます。

例えば、AページからBページ、BページからAページへと相互に転送を繰り返す状態です。

このような状態が発生すると、ブラウザはエラーを表示し、ページにアクセスできなくなります。

ユーザビリティの低下はもちろん、SEOへの悪影響があるため無限ループは避けなければなりません。

結果的に検索エンジンも所定のページへ辿り着けず、SEO評価も低下するリスクがある点に注意してください。

設定時には必ず動作確認を行い、ループが発生していないことを確認する必要があります。

実装前のテスト環境での検証や、段階的な設定変更により、このような問題を回避できます。

(3)リダイレクトチェーンに注意する

リダイレクトチェーンとは、複数のリダイレクトが連続して発生する状態を指します。

例えば、AページからBページ、BページからCページというように転送が連鎖的に発生する状況です。

このような連鎖は、ページの読み込み速度を著しく低下させ、ユーザーの離脱を引き起こすでしょう。

また、検索エンジンのクロール効率も悪化し、SEO評価に悪影響を与える可能性があります。

理想的には、1回のリダイレクトで目的のページに到達できるよう設計することが望ましいでしょう。

(4)ブラウザの仕様・設定に注意する

メタリフレッシュなどのクライアントサイドリダイレクトは、ブラウザの設定により正常に動作しない場合があります。

ブラウザの設定によるリダイレクトの誤作動を防ぐには、以下のような対策をとりましょう。

「5秒後に自動的に移動します。移動しない場合は、こちらのリンクをクリックしてください」といった案内を表示します。

手動での移動用リンクを必ず設置し、自動転送が機能しない場合の代替手段を用意しておきましょう。

また、待ち時間は5秒程度を目安とし、ユーザーのストレスとならない範囲に設定してください。

(5)無関係なページへのリダイレクトはしない

技術的には、全く無関係なページへのリダイレクトも可能ですが、これは絶対に避けるべきです。

このような不適切なリダイレクトは、フィッシング詐欺などの悪用事例としても知られています。

サイト移転の際は、必ず対応する適切なページへ転送するよう設定します。

無関係なページへの転送は、ユーザーの信頼を損なうだけでなく、スパムとしてサイトの評価を著しく低下させる原因となります。

SEOの観点からも、検索エンジンから不適切な行為とみなされ、ペナルティの対象となる可能性があります。

6.ホームページ移転時のリダイレクトについてよくある質問

サイト移転時のリダイレクトについて初心者の方からよく寄せられる質問とその回答を解説します。

ホームページ移転時のリダイレクトについてよくある質問

  1. サイト閉鎖時にもリダイレクトはしておくべきですか?
  2. リダイレクトを戻す(取り消す)方法はありますか?

(1)サイト閉鎖時にもリダイレクトはしておくべきですか?

サイト閉鎖のケースは、単純な閉鎖と新サイトへの移行の2パターンで対応が違います。

単純な閉鎖の場合は、閉鎖の告知ページを一定期間表示した後、ファイルを削除するだけで良いでしょう。

一方、新サイトへの移行を伴う閉鎖の場合は、適切なリダイレクト設定が必要です。

ファイルを削除すると旧URLへのアクセスができなくなり、新サイトへの動線が作れないためです。

この場合は301リダイレクトを使用して、ユーザーと検索エンジンに新サイトの存在を適切に伝えます。

特に、長年運営してきたサイトでは、多くのユーザーが古いURLをブックマークしているかもしれません。

閉鎖前にお知らせと新サイトのURLの告知を出すなどし、ユーザーが引き続きサイトを利用できるようにしておきましょう。

(2)リダイレクトを戻す(取り消す)方法はありますか?

リダイレクトの解除は技術的には簡単ですが、慎重な対応が必要です。

まず、設定ファイル(.htaccessなど)から該当するリダイレクト設定を削除します。

ただし、すでに新URLをブックマークしているユーザーも存在するため、逆方向のリダイレクトを検討する必要があります。

例えば、新URLから旧URLへの一時的な転送(302リダイレクト)を設定すれば、混乱なくリダイレクトを取り消せるでしょう。

まとめ

ホームページの移転時におけるリダイレクトは、ユーザビリティとSEOの両面で重要な役割を果たします。

適切な種類のリダイレクトを選択し、正しく設定することで、スムーズな移行が実現できます。

特に、301リダイレクトによる恒久的な転送設定は、検索エンジンの評価維持に効果的です。

一方で、リダイレクトループやチェーンなどリダイレクトのエラーは評価を下げる要因となるため、動作が正常かチェックもしっかりしてください。

適切なリダイレクトによってホームページ移転をし、ユーザーも検索エンジンからの評価も引き継げる体制を整えましょう。

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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。