SNS運用とは?媒体選定のコツや成功させるためのポイントを解説


「SNS運用を行うメリットは?」
「自社に合ったおすすめのSNS媒体を知りたい」
「運用を始める際に注意すべき点や効果的な運用方法はどんなものがある?」
企業の経営者やマーケティング担当者の中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
インターネットやスマートフォンが普及した現在では、SNSを情報入手のツールのひとつとして活用するユーザーが増えています。
そのため、今や多くの企業でもSNSを用いたWebマーケティングが当たり前となっています。
長期的にわたって自社の認知度を向上させるほか、顧客コミュニケーションの手段としても大きな武器になりうるのがSNS運用です。
この記事では、SNS運用の基礎知識から運用方法まで、網羅的に解説します。
SNS運用の成果を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.SNS運用の概要
SNS運用とは、企業がSNSを活用することによって、自社や商品・サービスに関する情報発信を行うことを指します。
もっとも、その目的には様々なものが含まれています。
また、SNS運用と混同しやすい概念にSNSマーケティングが存在します。
SNS運用を通じて効果的に成果を上げるためには、これらの意味や概念について、正確に把握することが重要です。
以下について、順にご説明します。
- SNS運用とは
- SNS運用とSNSマーケティングの違い
これからSNS運用に取り組むことを検討されている方は、しっかりとこれらについて押さえておきましょう。
(1)SNS運用とは
SNS運用とは、企業がSNSを活用して自社のブランドやサービスの認知度を高め、顧客との関係を強化するマーケティング手法のひとつです。
SNSを活用することで、比較的低コストでターゲット層にリーチし、効果的な情報発信を行うことができます。
しかし、単にコンテンツを投稿するだけでは十分な成果は得られません。
競合の動向を分析し、最新トレンドを把握することはもちろん、フォロワーとの積極的なコミュニケーションやコメント対応も重要な業務の一環です。
SNS運用の目的は多岐にわたりますが、多くの場合、企業や商品に対する好意的なイメージを形成し、ブランド価値を向上させることが主な狙いとなります。
そのため、コンテンツを通じてユーザーに好意的な印象を根付かせるためには、単なる商品・サービスの訴求だけではなく、ユーザーからの問い合わせなどへの対応など、双方向のコミュニケーションを意識することが重要です。
(2)SNS運用とSNSマーケティングの違い
SNS運用と混同しがちなのが「SNSマーケティング」です。
SNSマーケティングとは、SNSを活用したマーケティング手法を表す言葉で、以下の5つの方法の総称を指します。
- SNSアカウント運用
- SNS広告運用
- SNSキャンペーン
- インフルエンサーマーケティング
- ソーシャルリスニング
上記を踏まえると「SNS運用」は、SNSマーケティングの手法のひとつと考えられます。
SNSマーケティングについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
2.SNS運用の重要性
近年、日本のSNSの利用者数は急速に増加しています。
下の図は、2019年からの日本のソーシャルメディアの利用者数の推移を表したもので、2028年での推移予測までを示しています。
2023年にはすでに1億580万人がSNSを利用しており、2028年には1億1,360万人に増加すると予測されています。
このように、SNSは非常に広大なプラットフォームであり、そこからの集客力や露出の規模感はとても大きいことが予想されます。
また、情報発信の形も大きく変化しています。
従来のテレビや新聞といったマスメディアに依存する時代から、個人や企業がダイレクトに情報を届けるSNS主体の時代へと移り変わって来ているのです。
特に動画コンテンツやライブ配信、ストーリーズ機能など、リアルタイム性の高いコンテンツが重視される傾向にあり、視覚的でインパクトのある発信が求められています。
このような流れを踏まえると、企業もSNSを積極的に活用し、ターゲットに最適な形で情報を発信していくことが大切です。
以下の記事でも企業とSNS運用の関係性について解説していますので、ぜひご参照ください。
3.SNS運用のメリット
SNS運用で得られる具体的なメリットとしては、おもに以下の3つが挙げられます。
- ブランドイメージ・認知度の向上
- 初期費用・運用コストがほぼ不要
- 双方向のコミュニケーション強化
それぞれ見ていきましょう。
(1)ブランドイメージ・認知度の向上
従来の顧客コミュニケーションでは、企業のブランドイメージを構築するためのタッチポイントがそれほど多くありませんでした。
しかし、SNSが普及したことで不特定多数のユーザーにアプローチすることができ、利用者同士で共有されることでさらに認知度向上が期待できます。
また、SNSは既存の顧客だけでなく、まだ接点のない潜在的な顧客層にもリーチできるため、新規顧客の獲得にもつながるでしょう。
そのため、SNS投稿を行う際は、ターゲットに適したコンテンツを発信することが大切です。
自然な形でブランドの知名度を高め、企業の信頼性や魅力を効果的に伝えられるようにしましょう。
(2)初期費用・運用コストがほぼ不要
SNSは基本的に無料で利用ができるため、コストが比較的低いというメリットがあります。
また、SNSアカウントの開設や投稿自体に費用はかからず、開設を行えばすぐに情報発信を行うことが可能です。
広告を活用する場合でも、最低数百円から始められるため、予算に応じて柔軟な運用を行えるでしょう。
さらに、自社で運用を行えば外部委託のコストも不要で、低コストでブランドの認知度向上や顧客との関係構築が可能です。
(3)双方向のコミュニケーション強化
SNSは、従来のマスメディアと異なり、双方向のコミュニケーションが取れるメディアです。
例えば、コメントやDMで寄せられた質問に対する回答や、自社製品やサービスの感想や意見を投稿しているユーザーに対して何かしらのアクションを行うことで、顧客との距離を縮めることが可能です。
さらに、SNSユーザー限定のキャンペーンを実施するなど、フォロワーのエンゲージメントを高める施策も効果的です。
SNSでの双方向のやり取りを通じて、企業は既存顧客との関係を深めるだけでなく、潜在顧客にもアプローチしながらファンを増やしていくことができます。
4.SNS運用に向いている媒体とその特徴
上記のように、企業がSNSアカウントを開設し、運用を行うことで様々なメリットを享受することが可能です。
もっとも、SNSには様々な媒体があり、それぞれに特徴があります。
具体的には、以下のような媒体があります。
- X
- Tiktok
- YouTube
以下では、それぞれの媒体の特徴についてご説明します。
それぞれの特徴について把握した上で、自社でSNS運用を行う際にどの媒体が適しているかの判断を行う上で、参考となれば幸いです。
(1)X
最大140文字の短文や画像・動画コンテンツを投稿することができるSNSです。
利用者は「フォロー」「フォロワー」といった関係でつながりを構築するほか、「いいね」「リツイート」「リプライ」といったアクションで相互に交流をはかることができます。
情報拡散力が高く、リアルタイムで起きている情報のキャッチアップがしやすいのが特徴です。
もっとも、Xはタイムラインの流れが早いため、テキストだけの投稿はすぐに埋もれてしまいがちです。
そのため、画像や動画、GIFなど視覚的な要素を積極的に活用するようにしましょう。
(2)Instagram
文章ではなく、写真やイラスト、動画の共有がメインとなるSNSです。
Instagramは、ファッションや料理のほか、美容や旅行など、ビジュアルが重要な業界やプロダクトに特に効果的です。
テキストのみでは伝わりづらい情報も視覚的に訴求を行うことができる点に大きな特徴があります。
そのため、ユーザーの目を引くのは美しい画像や魅力的なビジュアルであるため、活用する際には投稿する画像や動画にこだわる必要があります。
また、「ストーリーズ」と呼ばれる一時的なコンテンツを投稿できる機能もあり、リアルタイムな情報や裏側の情報を提供するのに適しています。
ストーリーズ機能を活用して、イベントのライブ配信やキャンペーンの裏側をシェアするなど、リアルタイム性を重視するプロモーションに向いています。
(3)Tiktok
TikTokは、1分以内の短尺動画を投稿することがメインの動画プラットフォームです。
アプリ内で簡単に動画編集ができるため、誰でも手軽にクリエイティブなコンテンツを作成できます。
特に、10〜20代の若年層に人気があり、トレンドを反映させたダンスやコスメ紹介、YouTubeの切り抜きなどの動画が多く投稿されています。
そのため、TikTokは若年層をターゲットにしたブランドや商品のプロモーションに非常に効果的です。
また、短い時間でインパクトのあるメッセージを届けることができるため、キャンペーンやプロモーションの拡散に効果的です。
他方、限られた時間の中で商品・サービスの魅力を過不足なく訴求することが求められるため、工夫や調整も必要となる点を押さえておきましょう。
(4)Facebook
Facebookは、SNSの中ではユーザーの年齢層が高めで、30〜50代のユーザーが多く利用しています。
実名での登録が必須でもあることからビジネス的な活用が多く、他のSNSに比べユーザーとの関係性を深めやすいという特徴があります。
また、Instagramと同じmeta社が運営しているため、Instagramとの連携機能を多数実装しており、広告キャンペーンの統合や投稿のシェアなど、一貫したマーケティング戦略を展開可能です。
Facebookはビジネス向けであり、特にBtoBや商品・サービスに関心を持つ中高年層にアプローチしたい企業に適しています。
(5)YouTube
10〜50代まで幅広いユーザーが使う、世界最大の動画配信プラットフォームです。
一般的なユーザーに人気があるのは、グルメやゲーム配信などですが、企業の活用方法では研修セミナーの配信や採用説明会、ビジネスノウハウの発信など多岐に渡ります。
特に動画を通じて視覚的に情報を提供できるため、製品やサービスの魅力を強く訴求することが可能です。
また、広告もYouTubeの動画コンテンツ内で挿入でき、視覚的に強いインパクトを与えることができるでしょう。
5.SNS運用を始める3ステップ
実際にSNS運用を開始する際には、媒体を問わず、以下のステップが必要です。
- ターゲット・目的・媒体を決める
- KPI・トンマナを決める
- 効果測定・改善を行う
順に説明します。
また、以下の記事でもSNS運用のやり方について解説していますので、あわせてご覧ください。
(1)ターゲット・目的・媒体を決める
SNS運用を始めるにあたって最も重要なのは、「何を実現するために運用するか」という目的を明確にすることです。
例えば、認知拡大やブランドイメージの向上、ECサイトへの誘導など、目的がはっきりすればそれに応じて適切な戦略やターゲットを決めやすくなります。
また、ターゲットと目的が決まると、どのSNSを選ぶべきかが自然と見えてくるでしょう。
上述したように、SNSにはそれぞれ異なる特徴があり、ユーザー層や興味関心、発信方法に違いがあります。
例えば、若年層をターゲットにするならTikTokやInstagramが有効であり、ビジネス向けの発信にはFacebookが適しています。
SNSごとにユーザーの興味関心や年代層、発信方法に特徴があり、自社の目的に沿って親和性の高いSNSを選ぶことが重要です。
(2)KPI・トンマナを決める
目的、媒体を定めたら次に定めるのはKPIとアカウントのトンマナです。
具体的には、フォロワー数やアクセス数、動画再生回数などのSNS上で反映される数字のほか、販売数や申込数なども、業績に直結する指標もKPIの候補として考えられます。
自社の目的に即して、実現可能かつ効果的なKPIを設定することで、運用の成果を測りやすくなります。
また、SNS上で発信する内容の「トンマナ(トーン&マナー)」も非常に重要です。
トンマナとは、企業やブランドのイメージを作り上げるための言葉の使い方やビジュアルのスタイル、投稿の頻度などを指します。
ユーザーは、繰り返し統一感のある発信に触れることで、ブランドや企業のイメージを固めていきます。
そのため、トンマナを統一することで、ブランドの一貫性が保たれ、ユーザーの認識がしっかりと固まります。
(3)効果測定・改善を行う
すべての準備が整ったら、実際にコンテンツを投稿し、各SNSに搭載されているアナリティクス機能を活用し、効果測定を実施します。
例えば、KPIが達成できているかをはじめ、どの投稿が効果的だったか、どのターゲット層が反応しているかなどを把握し、今後の投稿戦略をデータに基づいて調整します。
また、定期的に評価と振り返りを行い、改善点を見つけ出します。
もしKPIが達成できていない場合、その原因を分析し、次回の投稿に活かすための改善策を立てます。
このように、効果測定と課題分析、改善施策の立案・実行のサイクルを回すことで、SNS運用をより最適化していくことが何よりも重要です。
6.SNS運用を成功させるコツ
企業のSNS運用を成功させるためには、さまざまなコツがあります。
具体的には、以下のような点を意識することが大切です。
- 商品・サービスに適したSNSを選ぶ
- 共感を呼ぶ情報発信とコミュニケーションを意識する
- 継続的に運用する
それぞれ見ていきましょう。
(1)商品・サービスに適したSNSを選ぶ
SNS運用では、目的とターゲット層を決めるだけでなく、商品・サービスに適したSNSを選ぶことも重要です。
各SNSには異なる特徴があり、ユーザーの年齢層や利用目的も違うため、それに合ったプラットフォームを選ぶことで、より高い効果を期待できます。
例えば、ビジネス向けのBtoBサービスを若年層が多いTikTokで発信しても、高い効果は期待できません。
一方で、企業間取引に関心があるユーザーが多いFacebookを活用することで、より適切なターゲットに情報を届けることができます。
各SNSを利用するユーザーの年代や特性を理解し、それに合ったフィールドで情報を発信することが、SNS運用を成功させるコツと言えるでしょう。
(2)共感を呼ぶ情報発信とコミュニケーションを意識する
SNS運用では、共感を呼ぶ情報発信とコミュニケーションを意識することが重要です。ユーザーは単なる広告的な投稿よりも、共感できるコンテンツに反応しやすい傾向があります。
そのため、ブランドの想いやストーリー、ユーザーの悩みに寄り添った内容を発信することで、自然とエンゲージメントが高まります。
また、双方向のコミュニケーションを意識することも大切です。
コメントやDMに返信する、ユーザーの投稿をシェアする、アンケートや質問を通じて意見を募るなど、積極的に交流を図ることで、フォロワーとの信頼関係を築くことができます。
SNSは、単なる情報発信の場ではなく、ファンとつながる場でもあります。
共感を生む発信と丁寧なコミュニケーションを続けることで、ブランドの魅力をより多くの人に伝え、長期的な関係を築いていくことができます。
(3)継続的に運用する
SNS運用では、継続的に発信を続けることが成功の鍵となります。
単発の投稿では効果が薄く、フォロワーとの関係性も築きにくいため、定期的かつ一貫性のある情報発信を意識することが重要です。
また、SNSごとに適した投稿頻度を設定することも大切です。
例えば、Xはタイムラインの流れが速いため1日数回の投稿が効果的ですが、InstagramやFacebookでは週に数回の投稿でも十分なエンゲージメントを得られることが多いです。
運用を続けながらアナリティクスを活用し、フォロワーの反応を分析しつつ柔軟に調整することが、効果的なSNS運用を行うコツです。
7.SNS運用を行う際の注意点
企業がSNSを運用する際に押さえておくべき注意点がいくつかあります。
以下のような点に注意しましょう。
- 炎上のリスクがある
- 効果が出るまでに時間を要する
順に解説します。
(1)炎上のリスクがある
SNS運用の最大の注意点は炎上のリスクがあることです。
SNSのメリットでもある影響力・拡散力は悪い方向に働くこともあり、「両刃の剣」とも言えます。
不適切な表現や投稿によって炎上してしまうことで、ユーザーが企業や商品に対して悪いイメージを抱いてしまう危険性があることをしっかりと把握しておきましょう。
炎上は、一度発生すると短時間で広がり、企業やブランドの信用を大きく損なう可能性があります。
また、一度低下したイメージや信頼を取り戻すことは容易ではありません。
そのため、SNS運用では慎重な投稿管理とリスク対策が必要です。
投稿内容を事前にチェックすることはもちろん、時勢や話題に配慮するようなコンテンツ投稿を心がけましょう。
SNSの影響力が強まる中で、適切なリスク管理を行いながら運用することが、長期的なブランド価値の向上につながると言えます。
(2)効果が出るまでに時間を要する
SNS運用は即効性のある施策ではなく、効果が出るまでに時間を要する点を理解しておくことが重要です。
単発の投稿ではフォロワーを増やしたり、エンゲージメントを高めたりするのは難しく、継続的な発信とユーザーとのコミュニケーションを積み重ねることで、徐々に成果が現れます。
また、一度バズったからといって、その投稿に反応したユーザー全員が自社のファンになるわけではありません。
バズは一時的な話題性を生むものの、長期的なファン獲得にはつながりにくいため、SNSは短期的な認知拡大にはあまり向いていません。
SNS運用で最も大切なのは、再現性の薄い「バズ」を狙うのではなく、長期的に自社を信頼してくれるファンを増やし続けることです。
そのため、SNS運用には 目的を明確にした上での長期的な戦略が必要になります。
まとめ
SNS運用は、単なる投稿ではなく、目的やターゲットを明確にし、長期的な戦略をもって継続的に発信することが重要です。
各SNSの特徴を理解し、適切な媒体を選びながら、ユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることで、認知度の向上やブランドイメージの構築につながります。
また、SNSは即効性のある施策ではなく、効果が出るまでに時間を要するため、PDCAサイクルを回しながらデータをもとに改善を続けることが成功の鍵です。
SNS運用は、短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視点でユーザーとの関係を築いていくことが大切です。
しかし、「リソースがない」、「成果が出ない」などの理由でうまく運用が定着しない企業は少なくありません。
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