コラム

X動画広告とは?費用・フォーマット・他SNSとの違いまで徹底解説

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最終更新日:
TMS編集部

「X動画広告ってどんな効果があるの?」
「動画で広告を出したいけど、Xでやるべきか迷っている…」

X(旧Twitter)の動画広告は、リアルタイム性と拡散力の高さを活かせるマーケティング手法です。

しかし、「どのフォーマットを選べばいいのか」「動画の長さは?」「他のSNSとどう違うのか」など、最適な使い方がわからずに悩む方も少なくありません。

本記事では、X動画広告の種類・仕様・他SNSとの違いから、成果を高める運用ポイントまでを徹底解説します。

最後まで読めばX動画広告の規格から出稿方法まで理解でき、すぐにでも広告運用を始められますよ!

目次

1.X動画広告とは何か?

X動画広告は、動画形式を活用してユーザーにメッセージを届ける広告形式です。

多くのマーケターが注目するX動画広告の特徴や仕組みについて理解しましょう。

X動画広告とは何か?

  1. X動画広告の基本的な仕組み
  2. 他のSNS広告との違い
  3. X動画広告の強みと弱み

X広告について網羅的に知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

2025.04.01

【2025年最新】X広告で売上UP!中小企業向け活用術

(1)X動画広告の基本的な仕組み

X動画広告とは動画形式を用いてユーザーに訴求をおこなう点のみ相違しています。

Xの動画広告には主に以下の種類があり、それぞれ広告の形式が異なります。

広告種類 特徴 表示場所 メリット
プロモ広告内の動画広告 一般的なポストと同様にタイムラインに表示される動画広告 ・ユーザーのタイムライン
・検索結果画面
・自然な形で広告表示
・エンゲージメント獲得
・認知拡大に効果的
アンプリファイ X社公認アカウントが発信する動画コンテンツの前後や途中に表示される ・提携コンテンツプロバイダーの動画コンテンツ内
・動画の途中等
・高い視聴完了率
・特定コンテンツに興味を持つユーザーへの精度の高いアプローチ
・関連コンテンツとの親和性
カルーセル広告内の動画 複数の画像や動画を組み合わせて表示できる
最大6枚まで組み合わせ可能。
・ユーザーのタイムライン
・検索結果画面
・複数商品の表示
・ストーリー性のある訴求
・多角的な情報提供

(2)他のSNS広告との違い

X動画広告と他のSNSプラットフォームの動画広告には、それぞれ特徴や強みがあります。

主要なSNS広告との比較表を見ながら、その違いを理解していきましょう。

比較項目 X YouTube Instagram TikTok
主なフォーマット プロモ動画広告(Promoted Video)
Amplify
ライブ配信広告など
インストリーム広告
バンパー広告
ショート広告など
ストーリーズ動画
リール広告
フィード動画広告など
インフィード広告
TopView
ブランドエフェクトなど
拡散性 高い(リポスト・引用投稿でバズ化) 低め(検索・関連動画経由が中心) 中程度(ハッシュタグ・ストーリーズでの拡散) 非常に高い(FYPによるオーガニック拡散)
広告感の自然さ 投稿と同形式で広告感が少ない 広告は明確に区別される リールは自然
フィードはやや広告感あり
UGC風なら自然に見える傾向
ユーザー層 20〜40代中心
匿名文化強め
幅広い(10〜60代)
検索エンジン的な使われ方も
20〜40代女性多め
ビジュアル重視
10〜30代中心
Z世代が多い
適した目的 キャンペーン告知
速報性の高い施策
商品理解
HowTo
比較検討
ブランド訴求
世界観演出
エンタメ
話題作り
若年層への認知拡大
クリック単価(CPC)目安 約30〜100円 約10〜50円(視聴単価CPVは1〜10円) 約30〜80円 約20〜60円(CPVは5〜20円)
再生課金(CPV)目安 約5〜20円(2秒以上で課金) 約1〜10円(30秒視聴やクリックで課金) 約3〜10円(視聴時間で変動) 約5〜15円(完全視聴で課金が多い)
強み 拡散力
速報性
共感拡散
長尺動画
深い理解
SEO性
美意識
世界観づくり
女性向け強い
バズ狙い
若年層リーチ
流行との親和性
弱み 炎上リスク
検討系商材には不向き
拡散力が低い
広告感が強い
コンバージョン誘導は弱め 信頼獲得
長文訴求には不向き

この表からわかるように、X動画広告は特に速報性と拡散力において優位性があります。

ユーザーのタイムラインに自然に溶け込むため、広告感が少なくエンゲージメントを得やすいという特長があります。

一方で、商品の詳細な説明や長時間の視聴を促したい場合はYouTubeが、女性向けの商品に特化するならInstagramを使うなど使い分けが必要です。

Instagramの動画広告について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

2025.03.28

【初心者でもできる!】Instagram動画広告の作り方|成果を出す方法

(3)X動画広告の強みと弱み

X動画広告の最大の強みは、拡散力と速報性の高さにあります。

「いいね」や「リポスト」などをされればユーザーのタイムラインに表示され、さらに別のユーザーの目にも広告がふれやすいです。

また、動画をタイムラインに表示させることで、ユーザーの日常的な情報収集の流れの中で自然に広告に触れてもらえる点が強みです。

一方で、X動画広告にもいくつかの弱点があることを認識しておきましょう。

まず、ユーザーの滞在時間が短いため、じっくりと商品を検討させるような用途ではなく衝動買いを誘うようなものの訴求に向いています。

また、炎上リスクも他のプラットフォームと比較して高く、特にセンシティブな内容や議論を呼びそうなテーマについては注意が必要です。

2.X動画広告の種類

X動画広告には複数の種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。

ここでは、主要な5つの動画広告タイプについて詳しく解説します。

X動画広告の種類

  1. プロモビデオ(Promoted Video)
  2. インストリーム動画
  3. 動画ウェブサイトカード
  4. スポンサーシップビデオ
  5. ビデオカンバーセーショナル

(1)プロモビデオ(Promoted Video)

プロモビデオは、X動画広告の最も基本的な形式です。

通常のツイートと同じように、ユーザーのタイムラインに表示されます。

ユーザーが下にスクロールすると自動的に再生が始まりますが、音声はユーザーが操作しないと再生されない設定になっています。

なお、プロモビデオの動画尺は最大2分20秒までですが、最もクリエイティブ的に効果が高いのは15秒までの動画といわれている点にも注目しておきましょう。

プロモビデオは「いいね」や「リポスト」などの通常のエンゲージメント機能も備わっているため、主に認知拡大やブランディングなど、幅広い目的に活用できる汎用性の高い広告形式といえるでしょう。

(2)インストリーム動画

インストリーム動画は、アンプリファイの一部として提供される広告形式です。

Xが公認するパブリッシャー(収益化アカウントの投稿主)の動画コンテンツの前後または途中に表示される動画広告となります。

ユーザーが視聴したい動画コンテンツの前に表示され、さらにスキップができない性質から視聴完了率が高いのが特徴です。

ただし、広告感が強く感じられるため、ブランド認知やリーチを重視する場合に適しています。

視聴者の興味・関心に合わせたコンテンツに紐づけて配信できるため、ターゲティングの精度も高い広告形式です。

(3)動画ウェブサイトカード

動画ウェブサイトカードは、動画とウェブサイトへの誘導を組み合わせた広告形式です。

動画の下部にウェブサイトへのリンクや見出しが表示され、ユーザーはタップするだけでランディングページに移動できます。

視覚的なインパクトとアクション喚起を同時に行えるため、商品紹介やキャンペーンサイトへの誘導に効果的です。

特にウェブサイト訪問やコンバージョンを目的としたキャンペーンに適しており、動画の視聴からアクションまでのステップを短縮できます。

(4)スポンサーシップビデオ

スポンサーシップビデオは、アンプリファイの一形態であり、特定のカテゴリやコンテンツパッケージに対してスポンサーになる広告モデルです。

例えば、スポーツイベントやエンターテイメント番組など、特定のコンテンツに対するスポンサーシップを通じて、ブランドとコンテンツの親和性を高めます。

一般的に6秒以内の短い動画が使用され、コンテンツとの関連性を生かした訴求が可能です。

コンテンツのファンやフォロワーに対して自然な形で広告を届けられるため、ポジティブな印象を与えやすい傾向があります。

(5)ビデオカンバーセーショナル

ビデオカンバーセーショナルは、会話やエンゲージメントを促進することを目的とした動画広告形式です。

動画の下にプロンプトが表示され、ユーザーがCTAを押すと広告主が設定したメッセージやハッシュタグが自動的に投稿されます。

例えば、新商品に関する質問やフィードバックを募るなど、ユーザー参加型のキャンペーンに効果的に活用できます。

ユーザーが自分で投稿文を作る必要がなくてエンゲージメントのハードルが下がり、またユーザーとのコミュニケーションが取りやすい動画広告の形式です。

3.X動画広告の仕様と表示ルール

X動画広告を効果的に活用するためには、技術的な仕様や表示ルールを正確に理解することが重要です。

ここでは、X動画広告の仕様と表示ルールについて詳しく解説します。

X動画広告の仕様と表示ルール

  1. 推奨動画サイズ・解像度・ファイル形式
  2. 再生時間・アスペクト比などの仕様
  3. 自動再生の条件
  4. 動画広告の表示位置(上下・全画面など)のルール

(1)推奨動画サイズ・解像度・ファイル形式

X動画広告のパフォーマンスを最大化するためには、適切なサイズや解像度で動画を制作することが重要です。

まずX動画広告のファイル形式は、MP4またはMOVが推奨されています。

GIF形式も使用可能ですが、静止画像として表示されるため動画効果を得ることはできません。

なお、ファイルサイズは最大1GBまで対応していますが、最適なパフォーマンスを得るためには30MB未満に抑えることが推奨されています。

(2)再生時間・アスペクト比などの仕様

X動画広告の再生時間は、広告効果を最大化するために重要なポイントです。

基本的には15秒以内の動画が最も効果的とされていますが、最長で2分20秒までの動画も掲載可能です。

特にアンプリファイのプレロールやスポンサーシップでは、6秒以下の短い動画が推奨されています。

また、動画のアスペクト比は以下のものが推奨されているので、規格を意識してクリエイティブを制作しましょう。

アスペクト比 特徴
16:9
(横長・ランドスケープ)
従来型の横長動画フォーマット
1:1
(正方形)
タイムライン上でのスペース効率が良い
1.91:1
(ワイドスクリーン)
映画的な表現に適したフォーマット

(3)自動再生の条件

X動画広告は、特定の条件下で自動再生される仕組みになっています。

ただし、音声はデフォルトでオフになっているため、ユーザーが明示的にタップして音声をオンにする必要があります。

このため、音声なしでも内容が伝わるように、テキストやキャプションを効果的に活用することが重要です。

なお、自動再生はネットワーク接続やバッテリー残量、ユーザーの設定によっては実行されません。

そのため、自動再生されない場合でも魅力的なサムネイル画像を用意しておくことが重要です。

(4)動画広告の表示位置(上下・全画面など)のルール

X動画広告の表示位置はフォーマットによって異なり、それぞれ特徴があります。

広告タイプ 表示位置 特徴 最適化のポイント
プロモ広告内の動画 タイムライン上(スクロールで上から下へ移動) 通常のポストと同様の表示形式で自然な流れで視聴 インパクトのある冒頭デザインが重要
アンプリファイ • プレロール(コンテンツ前)
• ミッドロール(コンテンツ中間)
• ポストロール(コンテンツ後)
ユーザーが意図的に再生するコンテンツに紐づく 視聴コンテンツとの関連性を意識した内容設計
動画ウェブサイトカード タイムライン上(動画下部にリンク表示) 動画視聴からウェブサイト訪問への導線 クリックしたくなるCTAデザインを工夫
全画面表示 ユーザーがタップすると通常表示から全画面に切替 より没入感のある視聴体験を提供 横向き/縦向き両方で見やすいデザイン
表示頻度制御 Xのアルゴリズムで自動調整+フリークエンシーキャップ設定可能 同一ユーザーへの過度な表示を防止 商材や目的に応じた適切なキャップ値設定

広告のタイプによって表示位置が異なるため、表示位置を意識してクリエイティブを最適化しなければなりません。

例えば、プロモ広告に動画を表示させる場合は通常のポストと同じようにフィードに表示されるため、読み飛ばし防止のためにインパクトのある冒頭デザインが必要です。

4.X動画広告のターゲティング設定のコツ

効果的なX動画広告キャンペーンを実施するためには、適切なターゲティング設定が不可欠です。

ここでは、X動画広告のターゲティング設定における重要なコツについて解説します。

X動画広告のターゲティング設定のコツ

  1. ユーザー属性ターゲティングを使用する
  2. フォロワー類似・興味関心を絞り込む
  3. カスタムオーディエンスを作っておく
  4. リターゲティングと除外設定のコツ

(1)ユーザー属性ターゲティングを使用する

X動画広告では、ユーザーの基本的な属性に基づいてターゲティングすることができます。

年齢、性別、地域、言語、使用デバイスなどの属性を組み合わせることで、広告の関連性を高めることが可能です。

地域ターゲティングは特に重要で、国レベルだけでなく、都道府県や市区町村レベルでの絞り込みも可能です。

例えば、店舗の集客を目的とする場合は、店舗から半径数キロ以内のユーザーに絞ったターゲティングをすると良いでしょう。

ただし、属性の絞り込みすぎるとターゲットが限定されすぎる可能性もあるため、バランスを考慮することが重要です。

(2)フォロワー類似・興味関心を絞り込む

X動画広告では、ユーザーの興味関心やフォローしているアカウントに基づいたターゲティングが非常に効果的です。

「フォロワー類似」機能を使用すると、指定したアカウントのフォロワーと類似した行動や興味を持つユーザーにリーチできます。

この際に自社のアカウントだけでなく、競合他社や関連業界の影響力のあるアカウントのフォロワー類似を活用するのも効果的な戦略です。

興味関心ターゲティングでは、Xが分類した数百のカテゴリから、ターゲットとなるユーザーの興味や趣味に合わせて選択できます。

例えば、スポーツウェアを販売する場合、「フィットネス」「ランニング」「アウトドア」などの興味関心カテゴリを選択すると効果的です。

ただし、あまりに多くのカテゴリを選択すると、ターゲットが広がりすぎてしまうため、最も関連性の高い3〜5つのカテゴリに絞ることをおすすめします。

(3)カスタムオーディエンスを作っておく

よりパーソナライズされたターゲティングを実現するには、カスタムオーディエンスの作成が効果的です。

カスタムオーディエンスは、既存の顧客データやウェブサイト訪問者データを活用して作成できるターゲットグループです。

自社の顧客データやアプリユーザーのデータを使って、カスタムオーディエンスを作っておけば、効率的に広告配信できます。

(4)リターゲティングと除外設定のコツ

効果的な広告運用のためには、リターゲティングと除外設定を適切に活用しましょう。

リターゲティングとは、すでにブランドやサービスに接触したことのあるユーザーに再度アプローチする手法です。

除外設定とは、広告配信のオーディエンスのなかから、一定条件を満たすユーザーを除外させる設定です。

施策 対象ユーザー
リターゲティングすべき対象 ウェブサイトを訪問したが購入に至らなかったユーザー
商品ページを閲覧したがカートに追加しなかったユーザー
カートに商品を追加したが購入を完了しなかったユーザー
過去の動画広告を50%以上視聴したユーザー
除外すべき<対象 すでに商品を購入した顧客(適切なタイミングまで)
競合他社のフォロワー(ブランド認知段階では)
特定の地域や年齢層(商品と関連性が低い場合)
自社のフォロワー(新規ユーザー獲得が目的の場合)

以上のターゲットはコンバージョンにつながりやすい対象です。

また、除外設定の活用で無駄な配信を減らして、コストパフォーマンスを高められます。

5.X動画広告に効果的な動画広告クリエイティブを作るには

X動画広告の成否を左右する最も重要な要素の1つが、クリエイティブの質です。

ここでは、X動画広告に効果的なクリエイティブを作るためのポイントを詳しく解説します。

X動画広告に効果的な動画広告クリエイティブを作るには

  1. 最初の3秒にメッセージを込める
  2. 字幕やテキストで音声OFFにも対応させる
  3. 「うざい」と思われない表現を使用する
  4. ブランドの世界観を伝えるトーン&スタイルを追求する

(1)最初の3秒にメッセージを込める

X動画広告において、最初の3秒間は視聴者の興味を引きつけるための最も重要な時間です。

ユーザーはタイムラインをスクロールしながら次々と情報を処理しているため、インパクトがないと読み飛ばされてしまいます。

そのため冒頭部分では、最も伝えたいメッセージや商品・サービスの価値をダイレクトに伝えることが重要です。

例えば、解決できる課題や提供できるベネフィットを明確に示すことで、視聴者の関心を引きつけることができます。

(2)字幕やテキストで音声OFFにも対応させる

X動画広告では、デフォルトでは音声がオフの状態で再生されます。

多くのユーザーは公共の場所やオフィスでXを閲覧しているため、音声をオンにしていません。

そのため、音声がなくても内容が伝わるよう、テキストやキャプションを効果的に活用しましょう。

なお字幕は画面の下部に配置するのが一般的ですが、映像の邪魔にならない位置に配置することを意識しましょう。

(3)「うざい」と思われない表現を使用する

X動画広告において、ユーザーに「うざい」と思われないよう配慮しましょう。

不快感を与える広告は、ブランドイメージを損なうだけでなく、バイラル効果によって否定的な評判が広がる可能性もあります。

ユーザーがうざいと思う誇張した表現、差別につながるような表現は徹底的に避けて、受け取り手の目線になってクリエイティブを作成しなければなりません。

また、明らかな広告感を軽減するためには、一般的なポストと同様の自然な表現を心がけましょう。

(4)ブランドの世界観を伝えるトーン&スタイルを追求する

効果的なX動画広告を制作するためには、ブランドの世界観を一貫して伝える努力が必要です。

ブランドのカラーが揃っていれば、広告に触れるうちにユーザーに自社の世界観が伝わりやすくなります。

そのため、ブランドアイデンティティに応じて、編集スタイルや言語表現、編集スタイルなどは一貫させましょう。

例えば、若年層向けであれば、トレンドを取り入れた表現やテンポの良いショート動画的な編集が効果的です。

一方、専門家やビジネスパーソン向けであれば、データに基づいた論理的な展開や専門的な知見を示す内容を意識しましょう。

6.Xの動画広告キャンペーンの設定と出稿ステップ

X動画広告を実際に配信するためには、適切なキャンペーン設定と正しい出稿手順を理解しなければなりません。

効果的なキャンペーンを構築し、スムーズに出稿するためのステップを詳しく解説します。

Xの動画広告キャンペーンの設定と出稿ステップ

  1. キャンペーン目的とKPIの選び方
  2. 広告グループと広告セットの構成方法
  3. 入札戦略と予算の設定手順
  4. 広告審査〜配信開始までの流れ

(1)キャンペーン目的とKPIの選び方

X広告を出稿する際はまず、キャンペーン目的とKPIを決めましょう。

キャンペーン目的によって利用できる機能や最適化方法が異なるため、マーケティング目標に合った選択が重要です。

X広告では主に以下のキャンペーン目的が提供されています。

キャンペーンの目的

  • リーチ
  • エンゲージメント
  • 動画再生
  • ウェブサイトトラフィック
  • アプリインストール
  • フォロワー獲得:

例えば、「動画再生」を目的とする場合は、再生回数、再生率、視聴完了率などがKPIとなります。

これらの目的に応じて、適切なKPIを設定することも重要です。

(2)広告グループと広告セットの構成方法

キャンペーン目的を決定したら、次は広告グループと広告セットを作りましょう。

X広告マネージャーにログインし、キャンペーンの作成をクリックしてください。

先ほど決めた広告の目的を選んで次へ進み、広告の詳細を決めていきます。

まず、キャンペーンレベルでは、全体の目的と予算を設定します。

次に、広告グループレベルでは、ターゲティングや配信設定を行います。

まず基本的な性別や年齢、言語の他に、場所での指定も可能です。

使用している端末やキャリアの指定があれば、こちらで指定しましょう。

さらに細かくターゲティングしたい場合は、上記の画面でキーワードや興味関心、トピックで指定が可能です。

指定が終わったら、次の画面でランディングページやクリエイティブのアップロードを済ませましょう。

右側にプレビューが出るので、プレビューを確認しながら設定を進め、問題なければ出稿申請をおこないます。

(3)入札戦略と予算の設定手順

X動画広告の効果を最大化するためには、適切な入札戦略と予算設定について理解しておきましょう。

入札戦略では以下の2つを選べます。

入札戦略

  • 自動入札:Xのアルゴリズムが設定された目標に基づいて最適な入札額を決定
  • 目標コスト入札:指定したコスト(CPM、CPV、CPCなど)を目標にして入札

最初のうちはコストの検討がつきにくく、また検証に十分なデータがないため、自動入札を用いてデータを収集するのが良いでしょう。

広告を配信してデータを収集し終わったら、指定したコストを目標に定めて入札する「目標コスト入札」へ切り替えるのが一般的です。

また予算配分はテスト期間中は数千円程度に抑え、本格的な運用に移行したら10万円程度は用意しておくと良いでしょう。

また、X広告の費用について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参照ください。

2025.03.31

X広告の費用相場まとめ!CPC・CPMから外注費用まで初心者に優しく解説

(4)広告審査〜配信開始までの流れ

X動画広告はキャンペーン作成後に審査が始まり、最長でも24時間以内に審査が完了してから配信となります。

審査が完了して問題がなければ自動的に配信が始まり、問題があった場合は審査に落ちたことと理由が通知されるので、改善して再提出が必要です。

X動画広告の審査基準としては、X広告ポリシーへの準拠が求めら、以下のような内容を含む場合は審査に落ちることがあります。

規約違反になる内容

  • 禁止されているコンテンツ(不適切な表現、虚偽の情報など)
  • 制限されている商品・サービス(医薬品、金融商品など)
  • 技術的要件(画質、音質、解像度など)
  • 知的財産権の遵守
  • ランディングページの品質と関連性

広告内容に問題がない場合でも、技術的な仕様不適合で審査に通らないケースもあるため、仕様は事前に確認しておきましょう。

配信開始後は、パフォーマンス指標を定期的にチェックし、必要に応じて最適化を行うことが重要です。

7.Xの動画広告の成果が出ない場合の対処法

X動画広告を運用していても、思うような成果が得られないことがあります。

ここでは、X動画広告の成果が振るわない場合の主な対処法について解説します。

Xの動画広告の成果が出ない場合の対処法

  1. ターゲティング設定を見直す
  2. クリエイティブを改善する
  3. 配信デバイス・配信時間を調整する
  4. 広告の目的とKPIがずれていないか確認する
  5. 広告予算と入札戦略を最適化する

(1)ターゲティング設定を見直す

広告の成果が出ない最も一般的な原因の1つは、ターゲティング設定の問題です。

まず確認すべきは、ターゲティングの範囲が適切かどうかです。

ターゲティングが広すぎる場合、関心のないユーザーに広告が表示され、エンゲージメント率が低下する可能性があります。

逆に狭すぎる場合は、リーチが限定されすぎて十分な効果を得られない恐れがあります。

以下にX動画広告が伸びない原因と対策をまとめました。

課題 原因 対策
リーチ不足 ターゲティングが狭すぎる • 年齢・地域などの条件範囲を拡大
• 興味関心カテゴリを追加
• 類似オーディエンスの類似度を下げる
エンゲージメント低下 ターゲティングが広すぎる・関連性が低い • より関連性の高いオーディエンスに絞込み
• キーワードを具体的に設定
• 興味関心カテゴリを厳選する
除外設定の不備 除外すべき層を設定し忘れている • 既存顧客の除外
• 競合他社フォロワーの除外(必要に応じて)
• 関連性の低い地域の除外

多くの場合はターゲティングに理由がありますので、オーディエンスの設定を見直したり、除外設定を活用して再度広告を配信してみましょう。

(2)クリエイティブを改善する

広告のパフォーマンスが低い場合は、クリエイティブが原因かもしれません。

まず、最初の3秒間が効果的にユーザーの注目を集められているかを確認しましょう。

この時間帯で強いインパクトや明確なメッセージを伝えられていない場合、多くのユーザーはスクロールして広告を素通りしてしまいます。

その他うざいと思われる表現がないか、また音声なしでも情報が伝わる工夫がされているかなども確認してみましょう。

これらの改善を実施する際はA/Bテストを実施して、ユーザーのエンゲージメントを比較して成果が出るかチェックするのが大事です。

(3)配信デバイス・配信時間を調整する

広告の成果が思わしくない場合、配信デバイスや配信時間の最適化も重要なポイントです。

まずは、デバイス別のパフォーマンスを分析します。

例えば、アプリのインストールを促す広告であれば、モバイルでのパフォーマンスが高いのは当然です。

逆に、詳細な情報入力が必要なサービスの場合は、デスクトップの方がユーザーの利便性は高くなります。

このように、パフォーマンスの高いデバイスに予算を重点配分することで、全体の効率を向上させられます。

さらに、配信時間も見落としがちな要素なので、時間帯別のパフォーマンスを分析し、以下のようなポイントを確認しましょう。

時間帯について確認すべきポイント

  • ターゲットユーザーがXを最も利用する時間帯はいつか
  • コンバージョンレートが高い時間帯はいつか
  • CPV(視聴単価)が低く効率的な時間帯はいつか

例えば、ビジネスパーソンをターゲットにした広告は、通勤時間帯や昼休み、夕方以降に効果的かもしれません。

一方、主婦層をターゲットにした広告は、午前中や子どもの登校後の時間帯にパフォーマンスが高い傾向があります。

時間帯スケジュール機能を活用し、効果的な時間帯に予算を集中させることで、限られた予算でも効果が得られるでしょう。

(4)広告の目的とKPIがずれていないか確認する

広告の成果が思わしくない場合、そもそも設定した目的とKPIが適切かどうかを見直すことも重要です。

例えば、フォロワー獲得が本来の目的なのに、コンバージョン数を主要KPIとして設定していると、適切な最適化が行われず、効果が限定されてしまいます。

広告の目的に応じた適切なKPIは以下のようになります。

適切なKPI

  • 認知拡大:リーチ数、インプレッション数、動画再生数
  • エンゲージメント促進:いいね数、リポスト数、コメント数、エンゲージメント率
  • トラフィック獲得:クリック数、CTR(クリック率)、ウェブサイト訪問数
  • コンバージョン:申し込み数、購入数、CVR(コンバージョン率)
  • フォロワー獲得:新規フォロワー数、フォロワー獲得単価

また、KPIの測定方法が正確かどうかも確認することが重要です。

例えば、X広告からのWebサイト訪問やコンバージョンを測定する場合、Xピクセルが正しく設置されているか、UTMパラメータが適切に設定されているかなど、計測環境が整っているかを確認しましょう。

さらに、広告のフェーズに応じた適切なKPI設定も重要です。

キャンペーン初期は認知指標(リーチやインプレッション)を重視し、中期以降はエンゲージメントやコンバージョン指標にシフトしていくなど、段階的なアプローチが効果的です。

(5)広告予算と入札戦略を最適化する

広告のパフォーマンスが低い場合、予算や入札戦略の問題も考えられます。

まず確認すべきは、予算が競争環境に対して適切かどうかです。

予算が少なすぎると、競合他社との入札競争に負け、質の高いインプレッションを獲得できない可能性があります。

また、入札単価(CPV、CPMなど)が低すぎると、広告の表示機会自体が少なくなってしまいます。

一般的に、X動画広告のCPVは5〜20円程度が目安ですが、人気キーワードや競争の激しいカテゴリでは、より高い入札額が必要になることもあります。

また、自動入札と手動入札のどちらが効果的かは、キャンペーンの規模や目的によって異なります。

キャンペーン初期や大規模なキャンペーンでは、Xのアルゴリズムが最適化を行う自動入札が効果的です。

一方、小規模なキャンペーンや特定の条件に絞った配信を行う場合は、手動入札でコントロールする方が効果的なケースもあるので、目的に応じて使い分けましょう。

まとめ

X動画広告は高い拡散力と柔軟なフォーマットを活かし、効果的なマーケティングを実現できる手段です。

ターゲティングやクリエイティブ次第で成果は大きく変わるので、まずはテストを十分に実施して、ターゲティングのデータを蓄積することが大切です。

しかし、入札戦略など複雑な設定項目も多く、自社での運用が難しいと感じた方もいるでしょう。

もしもXの動画広告運用に不安がある方は、X広告に強いTMS Partnersへご相談ください。

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動画広告の運用代行やクリエイティブ制作まで一貫して対応いたします。

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この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。