ランディングページ(LP)の構成はどう考える?BtoC、BtoB別のポイントが分かる
「LPのコンテンツ構成はどう考えるべき?」
「効果的な構成を考えて、LPのCVRを高めたい」
企業の経営者や広報部門の担当者の中には、このようなお悩みや疑問などをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
ランディングページ(LP)は、商品・サービスの問合せや購入といった特定のCVを獲得することを目的としています。
CV獲得のためには、どのような情報をどのような順番で配置してLPを訪問したユーザーに提示するかが重要です。
もっとも、LPで紹介する商品やサービスがBtoCのものなのか、BtoBのものなのかによって、構成の順や記述すべきポイントは異なってきます。
本記事では、LPの構成について、BtoCとBtoBの2つのパターンに分けてご説明します。
ユーザーの行動特性や商品の特徴などを踏まえて、CVRに効果的なLPの構成についての考え方をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.BtoCのLPの特徴と構成のポイント
LPは、そのターゲットに着目すると、主に2つのパターンに分かれます。
具体的には、以下のような分類です。
- BtoC
- BtoB
それぞれのターゲットが異なるため、異なったアプローチが必要です。
以下では、まずBtoCの商品やサービスに関するLPの特徴とそれに基づいた構成順について解説します。
(1)BtoCのLPの特徴
BtoCの商品やサービスのLPには、以下のような特徴があります。
- LPを訪問したユーザーに購入の意思決定権がある
- LP単体のCV地点は購入ただ一つである
- 閲覧環境がSP(スマートフォン)である場合が多い
- 感覚に訴えるようなキャッチコピーやデザイン
順にご説明します。
#1:LPを訪問したユーザーに購入の意思決定権がある
BtoCの商品やサービスは、一般消費者向けのものがほとんどです。
そのため、BtoCのLPでは、訪問したユーザーに商品やサービスの購入についての意思決定権があります。
商品・サービスの単価も低いものが多いため、LPを訪問したユーザーが買いたいと思えば、すぐに購入につながります。
#2:LP単体のCV地点は購入ただ一つである
上述のように、BtoCの商品やサービスはユーザーが興味や購買意欲を持つと、すぐに購入につながります。
そのため、BtoCのLPでは、CV地点が購入ただ一つになる傾向が強いです。
また、LPの閲覧数やCV数が商品・サービスの売上に直接つながるという特徴があります。
#3:閲覧環境がSP(スマートフォン)である場合が多い
BtoCのLPは、SPからの閲覧者がPCからの閲覧者を上回る傾向にあります。
これに対して、BtoBのLPはPCからの流入が多く、主に会社などの業務PCから閲覧されます。
そのため、BtoCのLPはSPをメインのデバイスとして制作を進めるか、SPへの最適化を視野に入れてレスポンシブ対応を行うことが必要です。
#4:感覚に訴えるようなキャッチコピーやデザイン
BtoCのLPでは、訪問したユーザーの購買意欲を刺激し、購入を促すことが目的となります。
そのため、商品の特徴や仕組みなどの詳細な説明よりも分かりやすさやイメージをユーザーに抱かせることが大切です。
例えば、ユーザーの興味や関心を引きつけるような魅力的なキャッチコピーやデザイン性が強く求められる傾向があります。
この際には、商品やサービスがターゲットとする層に特化した極端な表現が採用されます。
例えば、女性向けの美容品などの場合には、「美しさ」をイメージさせるようなキャッチコピーやデザインとなります。
(2)BtoCのLPの構成順とポイント
以上のようなユーザー行動特性や商品・サービスの特徴から、BtoCのLPは以下のような項目について、以下の順で配置するのがおすすめです。
1.ファーストビュー
2.お悩み訴求・共感
3.商品・サービスの特徴、解決方法の提案
4.顧客評価、権威付け
5.商品やサービスを購入する動機付け
6.CTA
また、それぞれの項目を作成する上でのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
#1:ファーストビュー
ファーストビューは、LPを訪問したユーザーが最初に目にする部分です。
そのため、ファーストビューでユーザーの注意を直感的に引くようなキャッチコピーや画像を用いることが重要です。
色味や文言などはインパクトの強いものを用いて配置しましょう。
例えば、「すっきり美しく」などの要点を簡潔に伝える表現などがよいでしょう。
ここでは、ユーザーの注意を引いて、興味や関心を惹起して離脱を防ぐことが何よりも重要であると言えます。
#2:お悩み訴求・共感
ユーザーが抱いている悩みや課題を提示し、その課題を深めていくことでユーザーの興味を引くことが大切です。
お悩み訴求では、ユーザーが「自分に関係がある」と感じるようなリアリティのある課題を提示しましょう。
表現も硬い文章よりも口語表現などを用いると、よりリアリティを演出することにつながります。
また、ユーザーに関連のあるような話題を展開し、ストーリーを描写することが重要です。
この描写にリアリティがあることで、ユーザーはイメージを鮮明に抱くことができ、「相手は自分のことを理解してくれている」と感じ、次のコンテンツも違和感なく読み進めていきます。
そのため、ユーザーの共感を誘い、商品やサービスへの親近感を持ってもらえるような表現を工夫しましょう。
#3:商品・サービスの特徴、解決方法の提案
商品やサービスの特徴は、できるだけ具体的に記述するように努めましょう。
また、その商品やサービスを利用することで得られるメリットを感じてもらうのも重要です。
想像をかき立てるような情緒的・感覚的な表現を用いることで、ユーザーにインパクトを与えることができます。
なお、商品・サービスから得られるメリットは、ユーザーが抱く悩みや課題を解決するものでなければなりません。
商品やサービス自体の画像を配置するのも効果的ですが、場合によっては商品などを利用している写真や映像を埋め込むことで、視覚的に印象付けることも有用でしょう。
#4:顧客評価、権威付け
商品やサービスによって解決が図られた結果や有効性について提示することで、商品・サービスに対する権威性を高めることができます。
このことは、ユーザーの商品・サービスに対する不安や疑問を解消することにもつながります。
具体的には、導入事例や顧客評価などに加えて、専門家や著名人のコメントを掲載するなどが考えられます。
様々な実例や証拠を出すことで、ユーザーの信頼と安心感を作り出せるように工夫をこらしましょう。
#5:商品やサービスを購入する動機付け
解決方法を採用してもらうための提案を行います。
このとき、商品やサービスを導入するハードルが思ったよりも低いとユーザーが認識するような提案を行いましょう。
具体的には、無料お試しなどが考えられます。
そして、無料お試しには期間や数量の絞り込みを行うことで、即時の購入を促す効果が期待できます。
無料お試しなどのユーザーにとって利益となることに限定性を設けることで、今すぐ購入すべき理由を示して導入の緊急性を高めていけるかどうかがポイントとなります。
#6:CTA
最後に配置するCTAでは、ユーザーの行動を後押しするような文言やデザインにしましょう。
例えば、「今すぐ購入」よりも「なくなる前に今すぐ購入」などの表現の方がよりユーザーの背中を押して行動を促せるため、購入が期待できるでしょう。
最後の段階で、しっかりとCVを獲得するためには、このような積極的な後押しが効果的です。
2.BtoBのLPの特徴と構成のポイント
次に、BtoBの商品やサービスを紹介するLPの特徴と構成に関するポイントを解説します。
BtoCのLPと具体的にどのような特徴の違いがあり、それがどのように構成の順や内容に反映されているのかをしっかりと把握しましょう。
(1)BtoBのLPの特徴
BtoBの商品やサービスに関するLPには、主に以下のような特徴があります。
- LPを訪問したユーザーが決裁権者であるとは限らない
- LP単体のCV地点は購入ではない
- 論理的な説明・展開が求められる
- 商品・サービスに対する信頼性と専門性を高めるデザイン
それぞれについて、順にご説明します。
#1:LPを訪問したユーザーが決裁権者であるとは限らない
BtoBのLPを訪問したユーザーは、BtoCの場合とは異なり、購入の決定権を有するとは限りません。
多くの場合、ユーザーは企業の一担当者であり、情報収集のためにLPへ訪問し、社内の複数の関係者との調整・検討を踏まえて購入の意思決定を下します。
そのため、LP訪問から実際の購入に至るまでには時間的間隔があり、論理的かつ計画的な判断過程によって商品やサービスを選ぶという特徴があります。
#2:LP単体のCV地点は購入ではない
上記のようなユーザーの行動特性から、BtoBのLPのCV地点は購入ではない場合がほとんどです。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 問合せ
- 資料請求
- 無料トライアル
- ホワイトペーパーのダウンロード
これは、LPの目的がリード(見込み顧客)の獲得にあり、商談へとつなぐための提案材料としての側面があるためです。
そのため、ユーザーの判断材料として、商品やサービスの情報を網羅的に掲載する場合が多いです。
なお、最終的なCVへつなげるためには、フォローコールの実施などの営業面のアプローチも別途必要となります。
#3:論理的な説明・展開が求められる
BtoBの商品やサービスは、企業などの組織体が総合的な観点から検討・判断がなされることによって、購入や採用が決まります。
そのため、ユーザーの興味を引くためのキャッチコピーやアピールポイントだけでは不十分です。
商品やサービスのスペックだけでなく、数値データや事例数などの指標を組み入れて、「なぜこの商品やサービスが優れているのか」、「どのような仕組みで実現しているのか」などを客観的に説明することが求められます。
そのため、自社の商品やサービスの優位性を競合他社との比較で、客観的かつ筋道立てて示す必要があり、論理的に情報を網羅・整理し、展開していくことが重要です。
#4:商品・サービスに対する信頼性と専門性を高めるデザイン
BtoCの商品やサービスと比べて、BtoBの商品・サービスは専門性が高い場合がほとんどです。
例えば、BtoCの商品・サービスは身近なものが多いですが、BtoBに関してはそうとは限りません。
そのため、BtoCと比して、ユーザーに馴染みのない概念や専門用語をどれだけ分かりやすく伝えられるかがポイントとなります。
また、BtoBのLPには景品表示法などの規制により、用いることができる表現に制限がある場合もあり、限られた表現の中で商品やサービスの専門性を伝える必要があります。
そのため、落ち着いたデザインや色味を採用することで、専門性や独自性を演出することで、商品・サービスに対するユーザーの信頼性や安心感を醸成することも重要です。
(2)BtoBのLPの構成順とポイント
以上のような特徴を踏まえて、BtoBのLPでは、以下のような項目について、以下のような順で配置するのがおすすめです。
1.ファーストビュー
2.お悩み訴求
3.商品・サービスの紹介、ベネフィット
4.導入事例、利用の流れ
5.FAQ、入力フォーム
また、それぞれのコンテンツに盛り込むべきポイントについて、以下でご説明します。
BtoBのLPを作成する場合や修正する場合には、ぜひ参考にしてみてください。
#1:ファーストビュー
ファーストビューの内容によって、ユーザーは欲しい情報が掲載されているか否かを判断します。
そのため、一目で「どのような商品・サービスが紹介されているのか」が伝わる画像やキャッチコピーを用意することが何よりも重要です。
また、商品やサービスを導入することでどのようなメリットがあるのかを客観的に記述するようにしましょう。
例えば、「〇倍の作業効率」や「〇時間の短縮」といった数値を用いた表現にすることで、ファーストビュー以降の内容への興味や関心を引き、離脱を防ぐことにつながります。
なお、CTAはファーストビューの内部や直下以外にも、必要に応じて配置することがおすすめです。
さらに、「資料請求(無料)」や「無料トライアル」といったハードルを下げた文言を設定することで、ユーザーの行動を誘導しやすくなります。
#2:お悩み訴求
BtoBのLPでは、ユーザーが明確な「解決したい課題」を持った状態で訪問する可能性が高いです。
そのため、ユーザーが具体的に抱いていそうな課題を提示することが重要です。
ユーザーの課題やそれに対する解決策を提示することで、ユーザーの「詳しく知りたい」という興味を引くことができます。
もっとも、提示する課題の具体性は、LPを制作する際のターゲット設定や訴求軸をどれだけ明確化できているかに依存します。
そのため、制作段階からどのようなターゲットに対してどのような訴求軸を打ち出していくのかは念入りに検討を行うことが何よりも大切です。
#3:商品・サービスの紹介、ベネフィット
商品やサービスの紹介文は、単なる商品スペックの羅列ではなく、それを利用することによって得られるメリットやベネフィットを前面に押し出す表現にしましょう。
また、直前で挙げたユーザーの課題に対してどのように解決できるのかを具体的な理由とともに伝えることが重要です。
この場合にも、文章を長々と続けるのではなく、要点を短文で示すようにしましょう。
専門性や抽象度が高い内容であれば、グラフや図表を用いて視覚的に伝えるように工夫をこらすことがおすすめです。
そのため、デザインの観点からは、装飾的な要素よりも、直感的に情報が伝わりやすいかどうかを意識した配置や色味を用いるようにしましょう。
ここでも、紹介文やベネフィットの表現は、感情に訴えることよりも合理的な訴求となるように工夫が大切です。
#4:導入事例、利用の流れ
導入事例や実績を掲載することで、商品やサービスに対するユーザーの安心感や信頼感を醸成することにつながります。
例えば、導入社数や導入によるメリットを感じさせるような事例などを盛り込むとよいでしょう。
また、導入企業のロゴなどを掲載できるかどうかも検討してみましょう。
このように、第三者の視点を含めて自社商品やサービスの特徴づけを行うことも重要です。
導入事例や実績を経て、商品・サービスに対するユーザーの信頼性を高めた上で、問合せや資料請求後の流れについても、ユーザーの検討材料として提示することが大切です。
サービス導入までの流れや料金プランなども、導入を検討する際の材料となりますので、意思決定の場で必要な情報を過不足なく掲載することを意識しましょう。
#5:FAQ、入力フォーム
FAQでは、よくある質問とそれに対する回答を簡潔にまとめましょう。
ユーザーの不安や疑問を払拭することで、問合せや資料請求といったCVに無理なく誘導できる効果が期待できます。
そのため、ユーザーが抱く疑問や欲しい情報を先回りして提示することを意識しましょう。
また、ユーザーの不安や疑問を払拭した後にはすぐにアクションを取ってもらえるように入力フォームやCTAをFAQの直下に配置することが重要です。
このとき、入力項目が多いとユーザーが離脱する可能性が高まります。
入力フォームでの離脱を防ぐためには、必要最低限の項目に絞ることが大切です。
例えば、CV地点が資料請求の場合には、企業名、氏名、メールアドレスなどがあれば十分でしょう。
もっとも、BtoBのLPでは、問合せや資料請求の後に営業面のフォローが予定されます。
そのため、フォロー対応を行うために必要最低限の入力項目は何かという観点からも検討をすることが必要です。
3.CV獲得のために意識すべきポイント
LPの目的は、BtoCとBtoBの違いに関わらず、CVの獲得にあります。
以下では、CV獲得へ向けて特に意識すべきポイントについてご紹介します。
具体的には、以下の3つです。
- 競合調査を入念に行う
- LPへの導線を検討する
- 定期的なLPOを実施する
BtoC、BtoBに共通したポイントなので、しっかりと押さえた上でLP制作を進めていきましょう。
(1)競合調査を入念に行う
1つ目は、競合調査を入念に行うことです。
これは、競合LPの調査を通じて、自社商品・サービスの強み、競合商品と比較した自社商品の優位性を明らかにすることを目的としています。
強みや優位性が分かれば、具体的なキャッチコピーや掲載すべき情報なども明確化します。
競合LPの調査にあたっては、3C分析(顧客・自社・競合)やSTP分析(市場細分化・市場の決定・自社ポジションの明確化)などの手法が用いられます。
もっとも、商品・サービスによっても分析手法が異なるため、一概にどの手法が最適かは判断が難しい場合が多いです。
そのため、自社で分析が難しい場合には、制作会社へLPの制作を依頼することで、競合調査から行ってもらえる場合があります。
見積もりや相談の際に確認するのがおすすめです。
(2)LPへの導線を検討する
2つ目は、LPへの導線を検討することです。
LPの内容はセールスに特化した記述であることから、SEOによる流入はほとんどの場合に期待できません。
そのため、LPへの訪問ユーザーを増やすためには、入口となる導線が別途必要となります。
具体的には、リスティング広告やSNS広告などの運用が考えられます。
リスティング広告は、広告主があらかじめ設定したキーワードを検索エンジンで入力して検索したユーザーのみに表示されます。
そのため、すでに商品やサービスに一定の興味や関心を抱くユーザー層の流入を期待して運用される場合が多いです。
一方、SNS広告は、キーワード検索に依存せずに様々なユーザーに積極的に配信を行うことができます。
そのため、商品やサービスを知らない層にもアプローチができるため、認知度の醸成を通じて将来的にCVへつなげたい場合に有効です。
特にユーザーの行動特性や商品・サービスの特徴との関係では、BtoCの場合にはSNS広告が、BtoBの場合にはリスティング広告が相性がよいでしょう。
このように、ユーザー特性も加味しながらLPへの導線を検討することが、LPの効果的な運用を目指す上で大切です。
(3)定期的なLPOを実施する
3つ目は、定期的なLPOを実施することです。
LPOとは、ランディングページ最適化とも呼ばれる施策で、LPのキャッチコピーや画像、構成の順序などを修正・調整することでCVRの向上が期待できます。
具体的には、以下の手順で進めていきます。
1.課題分析
2.改善案の作成・検証
3.効果測定
数値データに基づいて、改善策の実施と効果測定を繰り返すことで、CVRを高めていきます。
具体的な手順やポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
まとめ
本記事では、BtoCとBtoBの2つのパターンのLPの構成について、ユーザーの行動特性や商品・サービス特徴という観点からポイントを解説しました。
どのような順番でコンテンツを掲載するかや表現などについては違いが見られます。
また、CVRを高めるためには、BtoC、BtoBのいずれの場合であっても、定期的な改善が欠かせません。
本記事で紹介した事項を参考にしながら、効果的なLP制作・運用を進めていきましょう。
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