エクセルでのCRMが限界な7つの理由!3つのおすすめCRMツールを紹介
「エクセルでのCRM(顧客関係管理)に限界を感じているが、どう管理したら良いのだろう」
「エクセルから移行しやすいCRMツールのおすすめは?」
エクセルは編集が容易でコストも安いため、多くの企業で管理ツールとして利用されています。
しかし、徹底した顧客関係管理を実施したいと考えている企業の多くはエクセルでの管理に限界を感じているでしょう。
この記事では、エクセルでのCRM(顧客関係管理)から脱却すべき理由とエクセルがCRMツールより優れている点、エクセルからCRMツールへ移行するメリットやおすすめのツール、データ移行時の注意点を解説しています。
最後まで読めば、エクセルでの顧客関係管理を脱却し、自社に適したCRMを使ってより顧客との深い絆を構築できるようになるでしょう。
1.エクセルでのCRM(顧客関係管理)から脱却すべき7つの理由
エクセルでのCRM(顧客関係管理)から脱却すべき7つの理由を紹介します。
- 蓄積データの分析や活用をエクセル上で完結できない
- 人為的な入力ミスやデータの紛失リスクがある
- オンライン共有が難しい
- 部署ごとにデータが点在する可能性がある
- 共有作業が難しい
- モバイル端末での作業ができない
- データ分析作業が属人化しやすい
1つずつ詳細を説明します。
(1)蓄積データの分析や活用をエクセル上で完結できない
エクセルでのCRMを脱却すべき理由は、蓄積データの分析や活用をエクセル上で完結できないからです。
エクセルはあくまで表計算ソフトであり、CRMに特化したツールのような自動分析や集計機能がありません。
そのため蓄積したデータを集計して人の目を介して分析する必要があります。
人の目による分析には個人の経験則や偏見によるフィルターがかかるため、データ先行の分析とは言えず、精度に差が出るリスクがあります。
自社で蓄積したデータの分析や活用において限界があることから、エクセルでのCRMには限界があるといえるでしょう。
(2)人為的な入力ミスやデータの紛失リスクがある
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、人為的な入力ミスやデータの紛失リスクがあるためです。
顧客情報をエクセルに入力、修正する際は人の手が必要なため、誤字が発生して顧客情報自体に誤りが生まれるかもしれません。
また、顧客情報のファイルを多くの人が使えば誤ってセルの内容を消したり、ファイルを削除するリスクがあるでしょう。
エクセルでのCRM管理は人為的なミスでのデータ消失のリスクがあまりにも高いため、企業の重要情報を管理するのに向いていません。
(3)オンライン共有が難しい
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、オンライン共有の難しさです。
基本的にエクセルは自社ネットワーク内でしかアクセスできないため、社外で情報を確認できません。
ファイルをメール添付して送信する方法もありますが、メールの誤送信による情報漏洩事故のリスクを考えるとおすすめできない方法です。
社内ネットワーク内でしかアクセスできないエクセルでは、情報共有面で問題が生じるため、エクセルでのCRM管理には限界があります。
(4)部署ごとにデータが点在する可能性がある
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、部署ごとにデータが点在する可能性があるためです。
顧客情報のファイルを担当や部署ベースで作成、更新していると情報が共有されず、社内の情報精度に差が生まれます。
同じ顧客の情報が社内に複数存在することは、セキュリティの観点上も好ましくありません。
エクセルでの顧客情報管理では情報が分散してしまい、管理しきれなくなるリスクがあります。
(5)共有作業が難しい
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、共有作業が難しいためです。
顧客情報のファイルを共有設定にすれば、複数人で同時に同じエクセルファイルを操作できます。
しかし、共有作業だと同じ行やセルに同時に複数人が入力した場合に、一番早く更新作業をした人の情報しか保存されません。
また、共有の状態で複数人が同じファイルにアクセスしていると、エクセル自体が重くなり更新できなくなるリスクもあります。
エクセルでの共有作業はミスが起こりやすく、また作業の効率性を下げる可能性があることから、CRM管理には向いていないといえるでしょう。
(6)モバイル端末での作業ができない
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、モバイル端末での作業ができないためです。
モバイル端末でも表示や更新は可能ですが、タブレットやスマートフォンでは操作性が悪いです。
また、モバイル端末に保存したエクセルファイルを更新しても元データは更新されません。
エクセルでのCRM管理はモバイル端末で作業や更新ができないことからも、現代の業務に適していない方法です。
(7)データ分析作業が属人化しやすい
エクセルでのCRM管理を脱却すべき理由は、作業が属人化しやすいためです。
データの入力は比較的単純な作業のため、マニュアルを整備すれば誰でもできるでしょう。
しかし、分析作業には特殊な数式やマクロの知識が必要になるため、エクセルに詳しい社員に作業が属人化します。
万が一エクセルに詳しい社員がいない場合にデータ分析作業ができない、エクセルの数式が壊れた際に修正できないような事態が起こるでしょう。
2.エクセルがCRMツールよりも優れているのはコストと操作性
エクセルはCRMに適していないと解説しましたが、もちろんCRMツールより優れている点もあります。
- 導入費用がほぼかからない
- 直感的に操作できる
- 編集が用意にできる
1つずつ内容を説明します。
(1)導入費用がほぼかからない
エクセルがCRMツールよりも優れているのは、導入費用がかからない点です。
ほとんどの企業がMicrosoftを導入しており、エクセルを使用しているため、あらためてツールを導入する費用がかかりません。
CRMツールの導入には初期費用と月額費用などを合わせると、数万円〜数百万円単位の費用が必要です。
導入費用などのコストの面では、エクセルよりもCRMツールの方が優れています。
(2)直感的に操作できる
エクセルがCRMツールよりも優れているのは、直感的に操作できることです。
CRMツールは機能が充実している分画面が複雑で、操作しづらいと感じる社員もいます。
しかし、エクセルは普段から使い慣れているソフトであるため、顧客関係管理業務を新たに始めた場合でもソフトウェアの操作方法でつまずく事態は発生しません。
エクセルの操作性については、CRMツールよりも優れているといえるでしょう。
(3)編集が容易にできる
エクセルがCRMツールよりも優れているのは、編集が容易にできる点です。
CRMツールも顧客情報の変更などは可能ですが、入力ルールや編集操作などがエクセルよりは複雑になります。
エクセルは直感的に編集できるため、顧客情報の更新も簡単です。
3.エクセルで顧客管理データベースを作る方法
原則エクセルでの顧客管理はおすすめしませんが、コストや操作性の面でデータベースをエクセルで作りたい方もいるでしょう。
簡単にエクセルで顧客管理データベースを作る方法を紹介します。
- フォームの設定
- 入力規則の設定
- 数式やマクロを入力
- データの入力
- データの整理と並べ替え
エクセルで顧客管理データベースを作るにはまず、必要な項目を設定したフォームの設定から始めましょう。
顧客の氏名や電話番号、性別やメールアドレスなどの個人情報から、流入経路や購入履歴などの情報を入力できるようにしておきます。
次に、入力規則を設定して顧客情報を入力する際の表記揺れやミスを防ぎます。
データ分析のために数式やマクロを設定し、自動で集計やグラフ生成ができるようにすると便利です。
最後に完成した顧客情報管理データベースへ、自社が保持している情報を入力し、整理や並び替えを実施します。
完成したデータベースは自動で更新されないため、定期的にマスターデータが変更になっていないか確認し、最新情報に保つように管理しましょう。
4.顧客管理を徹底するならエクセルからCRMツールへの移行がおすすめ
顧客管理を徹底したいなら、エクセルからCRMツールへの移行がおすすめです。
- データの蓄積から分析・活用まで一元管理できる
- クラウド型CRMなら社外からもアクセスできる
- リアルタイムで社内全体で顧客情報を共有できる
- 入力規則の設定でミスを防げる
- ログが残るため改ざんリスクが低い
- エクセルデータをそのまま移行できるタイプのCRMが多い
- AIを活用した応対履歴の記録など業務効率化に役立つ
エクセルからCRMツールへ移行するメリットを1つずつ紹介します。
(1)データの蓄積から分析・活用まで一元管理できる
エクセルからCRMツールへ移行すれば、データの蓄積から活用まで一元管理できます。
CRMツールへ入力した顧客情報は自動で集計され、設定した指標に合わせて自動でスコアリングされます。
エクセルでの管理のように、データの蓄積と分析作業を分けて実施する必要がなく、1つのツールで顧客関係管理が完結するのがメリットです。
(2)クラウド型CRMなら社外からもアクセスできる
エクセルからクラウド型CRMへ移行すれば、社外からも顧客情報にアクセスできます。
クラウド型CRMはオンラインの仮想空間上でソフトウェアを使えるため、インターネット環境があれば社外であってもCRMツールにアクセス可能です。
営業活動で外に出ている際に商談の進捗を更新したり、顧客情報を確認できます。
エクセルからクラウド型CRMへの移行により、働く場所にとらわれない顧客情報管理が可能になります。
(3)リアルタイムで社内全体で顧客情報を共有できる
エクセルからCRMへ移行することで、リアルタイムで社内で情報共有できるようになります。
エクセルはファイルを開いて情報を入力し、保存するという作業工数が多いため、更新までのタイムラグが生じます。
また、外部にいる社員は社内に帰るまで更新された情報を確認できません。
その点CRMであれば、入力した情報や顧客応対履歴が自動で更新されていく仕組みのため、情報共有のタイムラグが発生しないのがメリットです。
(4)入力規則の設定でミスを防げる
エクセルからCRMに移行することで、人的なミスも減少します。
CRMツールは、万が一規則に反した入力があれば更新できないように設定できるためです。
エクセルでも入力規則の設定はできますが、設定作業が難しくミスを完全に防ぐのは難しいでしょう。
CRMツールの方が細かく入力規則を設定できるため、エクセルよりもミスなく顧客情報を管理できます。
(5)ログが残るため改ざんリスクが低い
エクセルからCRMツールへ移行することで、内部統制も強化できます。
エクセルは編集が容易であるがゆえに、顧客情報や営業の進捗、売り上げデータなどを容易に変更できてしまいます。
一方でCRMツールは編集できるデータを権限ごとに制限したり、編集ログで重大なデータの改ざんがないかのチェックが可能です。
内部統制の観点においても、エクセルからCRMツールへ移行した方が享受できるメリットは大きいといえます。
(6)エクセルデータをそのまま移行できるタイプのCRMが多い
エクセルで管理していた顧客情報をCRMツールへ移行するのは、比較的簡単です。
形式にあったCSVファイルの形式に合わせて顧客情報を加工すれば、CRMツールに一括で顧客情報を取り込めます。
またCRMツールの提供元によっては、導入支援の一環でデータの取り込みなどを支援してもらえます。
エクセルからのCRMツール移行はさほど難しくないため、早めに移行を検討すると良いでしょう。
(7)AIを活用した応対履歴の記録など業務効率化に役立つ
エクセルからCRMツールへ移行すれば、業務効率もアップします。
応対履歴の記録などを自動化する、顧客情報の分析作業がオートメーション化できるなど、省人化する仕組みが採用されているためです。
たとえば、顧客からの問い合わせ電話の内容をAI解析し、テキスト変換後に記録するような機能が搭載されたCRMもあります。
エクセルよりも圧倒的に業務の負荷を減らせる点が、CRMツール移行へのメリットです。
5.エクセルからの移行におすすめなCRMツール
エクセルからの移行におすすめなCRMツールを3つ紹介します。
- Microsoft Dynamics 365
- kintone
- Zoho CRM
それぞれのツールのおすすめポイントを紹介します。
(1)Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、エクセルソフトを提供しているマイクロソフトが開発したCRMです。
エクセルで入力したデータをそのままMicrosoft Dynamics 365に保存してCRM機能を活用するなど、従来の操作方法を大きく変えずにCRMへ移行できます。
Microsoft Dynamics 365はデータ分析の自動化や営業支援機能なども搭載しており、顧客との良質なコミュニケーションに役立ちます。
利用料金(税込) | 詳細は問い合わせが必要です |
基本機能 |
|
公式サイト | https://www.microsoft.com/ja-jp/dynamics-365 |
(2)kintone
kintoneは、株式会社サイボウズが提供するクラウド型ノーコードツールです。
CRMに関連する機能を多数提供しており、自社に必要な機能のみを組み合わせたオリジナルのCRMを作れます。
必要な機能のみを選べるため導入費用が比較的安価で、コスト面が問題でエクセルでの顧客関係管理を継続していた企業へおすすめです。
利用料金(税込) | 【ライトコース】 月額:780円(1ユーザー) 【スタンダード】 月額:1,500円(1ユーザー) |
基本機能 |
|
公式サイト | https://kintone.cybozu.co.jp/ |
(3)Zoho CRM
Zoho CRMは世界で10万社以上に利用されているCRMです。
Zoho Sheet Viewという機能があり、エクセルと類似した画面による編集が可能なためエクセルからの顧客情報管理移行におすすめです。
CRMとして顧客情報の管理やデータ分析はもちろん、LINEとの連携やSNSチャネルの統合なども可能なため、1つのツールで様々なマーケティングや営業活動を統合管理できます。
利用料金(税込) | 【スタンダード】 月額:1,680円(1ユーザー) 【プロフェッショナル】 月額:2,760円(1ユーザー) 【エンタープライズ】 月額:4,800円(1ユーザー) 【アルティメット】 月額:6,240円(1ユーザー) |
基本機能 |
※プランにより異なる |
公式サイト | https://www.zoho.com/jp/crm/ |
6.エクセルからCRMへ移行する際の注意点
エクセルからCRMツールへ移行する場合の注意点を2つ紹介します。
- 社内に存在するすべての顧客情報を精査する
- データの重複がないかチェックする
顧客関係管理をエクセルから移行に失敗すると、膨大なデータの取り込みや設定の見直しが必要です。
あらかじめ2つの注意点を意識し、データ精査を実施しましょう。
(1)社内に存在するすべての顧客情報を精査する
エクセルからCRMツールに顧客管理を移行する前に、社内に存在するすべての顧客情報を精査しましょう。
エクセルで顧客情報を管理していた場合、部署や担当ごとにオリジナルの顧客情報を保持している可能性があります。
万が一顧客の連絡先が変更されているのに気づかず、重要な情報を送信した場合は顧客情報の漏洩となり自社の信頼失墜のリスクがあります。
CRMツールへ取り込むデータを作る前に、一度社内の顧客情報をすべて集計して最新情報のみを取り込むようにしましょう。
(2)データの重複がないかチェックする
エクセルからCRMツールへデータ移行する前に、データ重複がないかチェックしましょう。
エクセルでの管理では完璧に入力規則を設定できないため、担当ベースで入力方法に差が出て、別の顧客情報として管理されている可能性があります。
たとえば、顧客の氏名の表記が1文字違うだけでエクセル上では別の顧客情報と認識されてしまいます。
万が一データが重複していると、顧客情報が2つに分かれてしまい正しい購買履歴や行動記録を蓄積できません。
CRMツールの導入前に顧客情報の重複がないか確認し、正しい情報のみをCRMに取り込むようにしましょう。
まとめ
エクセルでの顧客関係管理はコストも安く、操作も簡単ですが、データ分析の精度や効率を考えるとおすすめできません。
顧客に寄り添ったマーケティングや営業が求められる現代では、CRMツールを用いて顧客情報を活用し、パーソナライズされたコミュニケーションが必要です。
エクセルでの顧客関係管理を脱却したいと考えている方は、記事で紹介したエクセルからの移行におすすめなCRMツールを参考にしてください。
エクセルでのCRMを脱却することで、データ先行のCRM戦略を実施し、自社利益を拡大させましょう!