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CRM Analyticsとは?特徴や機能・導入メリットとデメリットを比較

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TMS編集部

「CRM Analyticsってどんなツール?具体的にどのような機能があるの」
「CRM Analyticsを使ってみたいが、料金面が気になる」

CRM Analyticsとは、Salesforceプラットフォームで使える分析プラットフォームです。

Salesforceの顧客データを自動的に分析してグラフにするなど、優れた処理能力で分析作業を効率化できます。

この記事ではCRM Analyticsの概要や機能一覧、料金プランや導入メリットとデメリットを紹介します。

最後まで読めばCRM Analyticsの機能を把握し、自社で導入を開始すべきか判断できるでしょう。

1.CRM Analyticsとは

CRM Analyticsとは、Salesforceと連携して使えるBIツールのことです。

CRM Analyticsの概要

  1. Salesforceと連携して使うBIツール
  2. Salesforceプラットフォーム上で使用可能
  3. CRM Analytics Tableauとの違い

まずはツールの概要を把握してから、自社に必要な機能を有しているか検討してみましょう。

(1)Salesforceと連携して使うBIツール

CRM Analyticsとは、Salesforceと連携して使えるBIツールのことです。

BIツールとはビジネスインテリジェンスツールのことで、データ分析や活用をビジネスで実践するためのツールを意味します。

具体的には、過去および現在のデータ分析だけでなく、将来の予測なども行うことが可能です。

そのため、ビジネスにおける次の一手を検討する際に有益なツールであるといえます。

CRM Analyticsを用いれば、Salesforceプラットフォームに取り込んだデータを分析し、分析結果をもとにしたマーケティングや営業戦略を立てられます。

このことは、データに基づく客観的かつ効果的な戦略立案や実行を行う上でも非常に重要です。

現在および過去のデータを分析することで、自社商品やサービスの強みや課題を把握することにもつながるため、他社との差別化を前面に打ち出した戦略立案が可能となります。

(2)Salesforceプラットフォーム上で使用可能

CRM AnalyticsはSalesforceプラットフォーム上で使用できるツールです。

そのため、CRM Analytics自体が単体のツールではありません。

Salesforceを利用している場合は、設定からCRM AnalyticsをONにすることで利用できます。

Salesforce内に集積されているあらゆるデータが分析対象となるため、Salesforceでデータ分析から把握までを完結させることが可能です。

また、複雑な数値データをグラフや表などの分かりやすいビジュアルで把握できるなど、作業効率の向上を支援するような機能も充実しています。

(3)CRM Analytics Tableau との違い

CRM AnalyticsとCRM Analytics Tableauに違いはありません。

元々Salesforce Tableauはビジュアル分析に特化したプラットフォームで、蓄積したデータのレポート作成をする役割を持っていました。

このTableauの中にTableau CRMというツールがあり、そのツールが名称変更して「CRM Analytics」になっています。

2.CRM Analyticsの特徴

CRM Analyticsの特徴は以下の5つです。

CRM Analyticsの主な特徴

  1. 膨大なデータを処理できるパフォーマンスの高さ
  2. ノーコードでAI予測やレコメンドを利用可能
  3. オンラインで場所を選ばずアクセス
  4. 豊富なビジュアル化機能
  5. Salesforceなど他ツールとの連携

具体的にどのようなことができるツールなのか説明します。

(1)膨大なデータを処理できるパフォーマンスの高さ

CRM Analyticsは膨大なデータ処理が可能な高性能ツールです。

大量のデータを高速で処理でき、分析結果を素早くダッシュボードに表示することができます。

元々Salesforceが大規模事業者にも対応したツールであるため、顧客数が多い大企業でも活用できるのが特徴です。

また処理速度が非常に早いため、ストレスなく分析結果の閲覧や抽出ができます。

(2)ノーコードでAI予測やレコメンドを利用可能

CRM AnalyticsはノーコードでAI予測やレコメンド機能を利用できます。

「レシピ」という機能を使えば、蓄積したデータを自動的に加工して処理し、出力してくれます。

MicrosoftのAccessのような機能で、レシピの設定さえしておけば誰でも必要なデータを抽出可能です。

また、CRM AnalyticsのEinsteinプランでは、AIを使った売り上げ予測モデルも利用できます。

いずれもコーディングの知識は必要ないため、ITにさほど知識がなくても高度な分析や予測、データ加工を利用できる点が特徴です。

(3)オンラインで場所を選ばずアクセス

CRM Analyticsは、インターネット環境さえあれば場所を選ばずアクセス可能です。

外出が多い営業担当がモバイル端末を使ってアクセスできるようになり、情報の共有や伝達のタイムラグが起きません。

CRM Analyticsのダッシュボードの情報を確認して商談に活かすなど、データ分析をもとにしたデータドリブンな商談の進行などが目指せるでしょう。

(4)豊富なビジュアル化機能

CRM Analyticsは、豊富なビジュアル化機能を備えています。

蓄積した情報はグラフや図表にまとめられ、誰が見ても分析結果がわかるようにまとまってダッシュボードへ表示されます。

グラフや図表のオプションも豊富で、使いやすい形式の図表を選択してデータを可視化できるのが特徴です。

そのため、ITツールに不慣れな場合にも手軽にデータの分析・把握ができるため、データ分析業務の属人化が起こりにくいというメリットもあります。

(5)Salesforceなど他ツールとの連携

CRM AnalyticsはSalesforceはもちろん、他のツールとの連携性も高いです。

原則Salesforceと連携できるツールとは全て連携でき、メーラーや基幹システムとの同期も可能です。

既存システムとの連携を妨げないため、自社フローに合わせて運用できます。

3.CRM Analyticsの機能一覧

CRM Analyticsの機能一覧を紹介します。

CRM Analyticsの主な機能一覧

  1. 膨大なデータの分析と可視化
  2. 各種レポート・ダッシュボード
  3. AIによる指標予測
  4. 営業への行動アドバイス
  5. 情報共有

自社の課題を解決できる機能が備わっているかチェックし、導入の参考にしましょう。

(1)膨大なデータの分析と可視化

CRM Analyticsは、膨大な顧客情報や営業活動履歴を分析し、グラフ化します。

自社で蓄積したデータから顧客の属性や傾向を分析したり、営業活動の成約率からフローを確定させるのに役立つ機能です。

データ分析の結果は自動でグラフや図表にまとめられるので、会議前の資料作りの手間も省けます。

また、操作性やユーザーインターフェース(UI)にも優れているため、いつでも誰でもデータ分析が行えるのも魅力の1つです。

(2)各種レポート・ダッシュボード

CRM Analyticsは顧客情報のレポートを抽出したり、図表化した分析結果をダッシュボードに表示することができます。

顧客情報のセグメントの分析によるマーケティング戦略の策定に役立つ機能です。

また、ダッシュボードにわかりやすく情報を整理してくれるので、欲しい図表やグラフを探すことなくいつでもリアルタイムのデータを確認できます。

(3)AIによる指標予測

CRM AnalyticsはAIによる指標予測機能を実装しています。

売り上げ予測やAIによるビジネス戦略の提案により、データドリブンな戦略考案が可能になります。

社内に分散したデータを用いた分析のため信頼性も高く、経営陣の意思決定も速やかになるでしょう。

(4)営業への行動アドバイス

CRM Analyticsでは営業の行動パターンをAIが分析し、行動アドバイスを行う機能を利用できます。

優秀な営業担当の行動パターンを分析してマニュアル化できれば、経験やスキルによる個人格差を是正できます。

また、AIによるフロー分析で営業の行動フローの無駄を発見できれば、より効率的な営業活動が可能です。

営業に関する手法や内容を平準化し、企業全体の営業力を底上げする効果も期待でき、営業全体の業務効率化・最適化を目指すこともできるでしょう。

(5)情報共有

CRM Analyticsは情報共有にも適したツールです。

入力した情報は即座に全社に共有されるため、エクセル管理のようなタイムラグは生じません。

社外からもモバイル端末からアクセスできるため、商談の進捗状況も即座に反映されます。

そのため、部署や部門を越えた情報共有やデータ分析も容易になります。

また、営業担当者は外出中であっても、すぐに顧客情報や商談進捗を参照することができるため、移動中の時間などを効率的に活用することが可能です。

4.CRM Analyticsの料金プラン

CRM Analyticsの料金プランを紹介します。

具体的には、以下のようなプランが用意されています。

項目 CRM Analytics Growth CRM Analytics Plus Revenue Intelligence
料金(税抜/1ユーザーあたり)
※年間契約
月額16,800円 月額19,800円 月額26,400円
特徴 顧客データを活用した顧客分析が可能 AI内蔵で売り上げ予測やアドバイスを利用可能 分析機能とAI機能の双方を利用できる

CRM Analyticsの料金プランは3つあり、どのプランでも顧客情報をもとにした詳細な分析やダッシュボード、レポート機能が利用できます。

AIによるアドバイスや予測機能を利用したい場合は「CRM Analytics Plus」以上が必要なので、必要に応じてプランを選びましょう。

5.CRM Analyticsの導入メリット

CRM Analyticsの導入メリットを3つ紹介します。

CRM Analytics導入のメリット

  1. データ先行の顧客管理や営業活動の実施
  2. ビジネスプロセスの効率化
  3. 営業スキルの平準化

CRM Analyticsの活用により自社が得られるメリットをイメージし、導入するかどうか検討してみましょう。

(1)データ先行の顧客管理や営業活動の実施

CRM Analyticsを活用すれば、顧客情報や営業ログを活用したデータ先行の戦略考案が可能です。

人の目を介したデータ分析は、どうしても分析者の先入観が入ってしまいます。

その点、CRM Analyticsを使えばAIがデータを駆使した分析を実施してくれるため、人間的な先入観の混じらない分析を利用できます。

もちろん営業活動には、人の感情や経験則も重要です。

CRM Analyticsの分析とこれまでの経験則を組み合わせることで、より高度な分析が可能となるでしょう。

(2)ビジネスプロセスの効率化

CRM Analyticsの利用により、ビジネスプロセスの効率化が期待できます。

今まで人が手動で実施していたデータの集計や分析が自動化するため、かなりの時間を節約できるでしょう。

また、営業プロセスの無駄なども見つけてくれるため、同じ時間でもより多くのアポイントをこなせるようになります。

このことは、現場の課題を発見し、業務改善を進めていく上でも有益です。

データに基づいた客観的な現状分析・把握によって、経営層の意思決定のスピード向上につながる可能性もあります。

企業の競争力強化や他社との差別化においても、大きな効果が期待できるのがメリットの1つとして挙げられるでしょう。

(3)営業スキルの平準化

CRM AnalyticsのAIによる行動アドバイスを活用すれば、営業スキルを平準化できます。

これまでの営業ノウハウは、個人個人の力量や経験に任せられており、新人とベテランなどで差が出やすいのが課題でした。

しかしCRM Analyticsを活用すれば、ベテランの行動パターンを分析して新人が模倣することで結果が出やすくなる可能性があります。

スキルの有無に左右されない営業活動ができるようになるため、最終的に利益向上にもつながるでしょう。

6.CRM Analyticsの導入デメリット

CRM Analyticsの導入によりデータ先行の戦略提案など多数のメリットが得られます。

一方で、CRM Analyticsには以下のようなデメリットがある点も注意しましょう。

CRM Analytics導入のデメリット

  1. 操作がやや複雑
  2. 正確な予測には大量のデータが必要

Salesforceを元々使っていない企業が導入する場合などは、操作方法につまずく可能性もあります。

デメリットとメリットを比較したうえで、導入するかどうかを決めましょう。

(1)操作がやや複雑

CRM Analyticsは操作がやや複雑で、データのプリセットなどの操作を覚えるのに時間がかかる可能性があります。

自由なカスタマイズができるのはメリットですが、レシピでデータ抽出の指示を1つ間違えるとうまく検索ができなかったり、検索フローが複雑になり皆がデータ抽出ができないなどの問題が生じる可能性があります。

また、Salesforceにもいえることですが、モバイル端末からの閲覧の場合はUIが非常に見づらく、画面でデータを確認するのに時間がかかるかもしれません。

(2)正確な予測には大量のデータが必要

CRM Analyticsを活用するにはまず、大量のデータを蓄積してある必要があります。

小規模事業者でデータの絶対数が少ない場合などは、CRM Analyticsではオーバースペックになるかもしれません。

また、そもそも会員サイトの運営など顧客情報を集めるフロー自体がない場合は、CRM Analyticsの導入メリットを享受できないでしょう。

CRM Analyticsはすでに顧客情報が大量にある事業者、または会員サイトなど顧客情報の集積フローが整っている会社向けの機能です。

7.CRM Analyticsについてのよくある質問

CRM Analyticsについてのよくある質問をまとめました。

(1)CRM Analyticsを有効化する方法は?

CRM Analyticsを有効化するには、Salesforceの設定画面からクイック検索ボックスに「Analytics」と入力します。

その後検索結果から「はじめましょう」というボタンを選択し、開いたページで「CRM Analyticsを有効化」をクリックします。

(2)CRM AnalyticsはSalesforce以外のツールと連携できる?

CRM Analyticsコネクタを使うことで、その他のツールと連携、同期できます。

基本的にSalesforceと連携・同期できるツールの情報は、CRM Analyticsに取り込んで分析に活用できると考えましょう。

まとめ

CRM Analyticsは、Salesforceの機能の1つで顧客情報や営業活動の分析と可視化をサポートするツールです。

膨大なデータの処理に長けたツールのため、顧客数が多く従業員規模が多い企業に向いています。

CRM Analyticsを使えば、これまで手動で実施していた分析業務などが簡易化するだけでなく、自社の無駄なフローに気づき営業効率が上がるかもしれません。

すでにSalesforceを使っている企業はCRM Analyticsを活用し、自社分析作業の効率化に取り組みましょう。

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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。