コラム

ドメイン変更時のリダイレクトのやり方は?SEO的な影響や注意点

投稿日:
最終更新日:
TMS編集部

「ドメイン変更時は必ずリダイレクトしないとダメ?」
「ドメイン変更時のリダイレクトのやり方が知りたい」

ドメイン変更によりURLが変更になる場合は、必ず301リダイレクトが必要です。

万が一リダイレクト処理をしない場合は、ユーザーはサイトが閉鎖されたと勘違いするばかりか、検索エンジンからのサイト評価も失うこととなります。

この記事では、ドメイン変更の意味やドメイン変更に伴うリダイレクト処理、具体的なやり方について解説します。

最後まで読めばリダイレクトの手順を理解でき、安心してサイトドメインの変更に取り組めるでしょう。

1.ドメイン変更とは

ドメイン変更とは、既存のWebサイトのURLを新しいアドレスに移行することです。

そもそもドメイン変更は企業名の変更、ブランド名の変更時に生じます。

ドメインの変更によりユーザーに該当URLの運営者情報を知らせ、どのページを見ているかを明確に示す効果があります。

例えば、AAAAという会社が商号変更によりBBBBになったとしましょう。

この場合に会社のHPのドメインがAAAA(https://aaaa.com)のままになっていると、ユーザーに混乱が生じます。

ケースに応じてドメイン変更をすることで、ユーザーにもわかりやすい自社サイト運営が可能です。

(1)ドメイン変更の注意点

ドメイン変更はビジネスにおいてメリットがあるものの、SEO的にはリスクが高い点に注意してください。

まずドメイン変更により、ドメインパワーの評価がリセットされてしまいます。

ドメインパワーとは、アクセス数やコンテンツの質に応じて検索エンジンがつける評価で、SEO評価の指標の1つです。

新規ドメインを取得した場合はこの評価がリセットされ、検索上位に表示されにくくなる可能性があります。

オーガニック検索からの流入数が減ってしまい、元の水準に戻るまで数ヶ月〜1年程度の期間を要する可能性があるため注意が必要です。

2.301リダイレクトとは

ドメイン変更時に忘れてはいけない処理が「301リダイレクト」です。

301リダイレクトは、Webサイトの旧URLから新URLへ永続的に転送する技術です。

「301」という数字は、HTTPステータスコードの一つで「このページは恒久的に移動しました」という意味です。

ユーザーが旧URLにアクセスした際、サーバーは自動的に新しいURLへ転送を行います。

また、301リダイレクトはSEO対策としても重要な意味を持ち、サイト評価を引き継ぐ役割を担います。

長年運営してきたサイトに蓄積された評価、外部リンクなどを全て引き継げるため、SEO的にも重要な処理といえるでしょう。

301リダイレクトのSEO的な影響については、こちらの記事をご覧ください。

2024.10.29

301リダイレクトはSEO効果が高い処理?SEO効果や実装方法

3.ドメイン変更時に301リダイレクトが必要な理由

ドメイン変更時における301リダイレクトの重要性について解説していきます。

ドメイン変更時に301リダイレクトが必要な理由

  1. SEO評価を引き継ぐため
  2. 優良な外部リンクを引き継ぐため
  3. PV数の激減を防ぐため
  4. ブランド移行時のリスクを下げるため

(1)SEO評価を引き継ぐため

検索エンジンが蓄積してきた旧ドメインのSEO評価は、企業にとって重要な資産です。

301リダイレクトを設定することで、この評価を新ドメインへ引き継げます。

長年かけて構築してきた検索順位や評価を維持することは、ビジネスの継続性において重要な要素といえるでしょう。

ドメインの評価を引き継ぐことで、新しいWebサイトでもユーザーの閲覧数を維持できる可能性があります。

(2)優良な外部リンクを引き継ぐため

SEO評価の重要な指標の1つが「優良サイトからの外部リンク」です。

公的機関や関連性の高いサイトから外部リンクが多いサイトは、専門性が高く良質なコンテンツを配信していると判断され、SEO評価が上がります。

しかし、ドメイン変更をするとURL自体が変更になるため、外部リンクからユーザーがアクセスできなくなります。

そこで301リダイレクトにより、これまでに獲得した外部リンクの評価を新ドメインに引き継ぐことが可能です。

外部リンクを維持したままドメインを変更できるため、SEO評価が下がるのを防ぐためにも301リダイレクトは重要です。

(3)PV数の激減を防ぐため

ドメイン変更をするとURL自体が変わってしまうため、既存ユーザーがサイトを訪問できなくなるリスクがあります。

例えばブックマークを使っているユーザーや、SNSでシェアされた古いURLからのアクセスがあった場合は、エラーページが表示されます。

そこで301リダイレクトの実装により、古いURLへアクセスしたユーザーを新しいURLへ転送することが可能です。

301リダイレクトにより既存ユーザーや古いURLからのアクセスを取りこぼすことなく、閲覧数の低下を防げます。

(4)ブランド移行時のリスクを下げるため

ドメイン変更前のURLにアクセスした場合、ブランド移行されたことに気づかないユーザーが「サイトが閉鎖してしまった」と勘違いするかもしれません。

サイトの閉鎖はユーザーに「経営が立ち行かなくなったのかな」など、ネガティブなイメージを与える可能性があります。

また、ブランドが閉鎖したと勘違いしたユーザーが競合を利用するなど、顧客の離脱を引き起こすでしょう。

リダイレクト処理によって新しいURLにユーザーを転送すれば、顧客に誤解を与えることがありません。

4.301リダイレクトを使用したドメイン変更の手順

ドメイン変更を成功させるためには、正しい301リダイレクトが重要です。

以下の手順に従って、慎重に作業を進めていきましょう。

301リダイレクトを使用したドメイン変更の手順

  1. 新旧ドメインのDNS設定
  2. ウェブサーバーレベルでのリダイレクト設定
  3. サイト内リンクの更新
  4. 外部サービスの設定変更

(1)新旧ドメインのDNS設定

新しいドメインを取得したら、まずDNSレコードの設定を実施します。

この際、ネームサーバーの設定から始め、順次必要な項目を追加していきましょう。

ネームサーバーの設定

  • Aレコードでは、サーバーのIPアドレスを正しく指定します
  • CNAMEレコードでは、サブドメインの設定を忘れずに行いましょう
  • MXレコードのメール設定も、ビジネスの継続性を考慮して早めに対応します
  • TTL(Time To Live)の値は、切り替え直前まで長めに設定しておきます

SSL証明書は、新ドメインで必ず取得して設定しましょう。

DNSレコードの設定方法は、各サーバーで公開されているので、参照しながら入力しましょう。

(2)ウェブサーバーレベルでのリダイレクト設定

次に、サーバーでのリダイレクト設定を実施します。

リダイレクトルールは複雑化せず、基本的にシンプルな構造で作るのがおすすめです。

複雑な構造を初心者が実装させようとすると、リダイレクトループなどのエラーが発生する可能性があります。

リダイレクトの方法はさまざまですが、初めて実施する場合かつWordPressを使用している場合はWordPressプラグインで実装すると良いでしょう。

WordPressでのリダイレクト方法については、こちらで解説しています。

(3)サイト内リンクの更新

ドメインを変更したあとは、サイト内リンクも確認しておきましょう。

まずはサイトマップを作成し、すべてのページのURLを洗い出してください。

その際に画像やCSS、JavaScriptなどのファイルのパスなどの変更も必要です。

仮に画像のドメイン変更が終わっていない場合、以前のサイトから画像を呼び出すためサイトの表示速度などに影響します。

原則としてデータベース内のURL情報は、SQLクエリを使用して一括更新すると楽です。

WordPressの場合はプラグインを使用すれば、一括で静的ファイルを含めたリダイレクト設定ができます。

(4)外部サービスの設定変更

Google AnalyticsやSearch Consoleなど、外部サービスの設定も重要です。

アナリティクスでは、新ドメインのプロパティを追加します。

計測の継続性を保つため、旧ドメインの設定は一定期間維持しましょう。

Search Consoleでは、サイトの移転設定を適切に行います。

広告アカウントの設定変更も、商機を逃さないよう迅速に対応しましょう。

ソーシャルメディアのプロフィールURLも、忘れずに更新します。

メールサービスやその他の外部連携サービスも確認が必要です。

5.ドメイン変更時の301リダイレクトの設定方法

サーバー環境に応じた適切な301リダイレクトの設定方法を解説します。

ドメイン変更時の301リダイレクトの設定方法

  1. .htaccessファイルでの設定方法
  2. WordPressプラグインでの設定方法

(1).htaccessファイルでの設定方法

Apache環境での.htaccessによるリダイレクト設定は最も一般的な方法です。

実装手順

  1. .htaccessファイルへのアクセス権限があるか確認する
  2. サイトのバックアップをとる
  3. .htaccessファイルエディタにアクセスし、リダイレクトルールを記述したファイルを作成する
  4. サーバーに作成したファイルをアップロードしなおす

リダイレクトルールは以下のように記述してください。

記述方法

RewriteEngine On
RewriteCond %{http_host} ^www.old.com
RewriteRule ^(.*) https://www.new.com/$1 [R=301,L]

設定後は、各URLパターンでテストを実施して、リダイレクトループなどが起きていないか確認しましょう。

(2)WordPressプラグインでの設定方法

WordPressサイトのドメイン変更の場合は、プラグインを使ったリダイレクトがおすすめです。

プラグインをインストールして有効化し、転送元と転送先のURLを設定するだけで簡単にリダイレクトができます。

Redirection」というプラグインは、世界的にシェアの高いリダイレクト用プラグインです。

301や302などさまざまな種類のリダイレクトに対応しており、404エラーログの監視なども1つのプラグインで対応しています。

おすすめのプラグインや設定方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

6.ドメイン変更による301リダイレクト後のSEO対策

ドメイン変更により301リダイレクトを実施した後のSEO対策についても覚えておきましょう。

ドメイン変更による301リダイレクト後のSEO対策

  1. サイトマップの更新
  2. 内部リンクの見直し
  3. Google Search Consoleでの設定

(1)サイトマップの更新

サイトマップとは、検索エンジンのクローラーに正しいサイト構造を伝えるマップです。

ドメイン変更をしたあとはサイトマップを更新して、Google Search Consoleへアップロードしましょう。

手作業でサイトマップを作る方法もありますが、抜け漏れが生じる場合があるなどリスクを伴うため、以下のようなツールを使用して自動作成するのがおすすめです。

サイトマップの自動作成ツール

(2)内部リンクの見直し

ドメイン変更後は内部リンク構造を見直し、クローラビリティやユーザビリティを高める施策を実施しましょう。

内部リンクの構造が改善されれば、検索エンジンのクローラー、ユーザーともにサイト内のリンクを巡回しやすくなります。

特に以下のようなポイントを意識して、内部リンク構造を見直してください。

内部リンク構造で意識するところ

  • リンクの階層構造の最適化
  • アンカーテキストの最適化
  • ナビゲーションメニューの見直し
  • パンくずリストの実装

(3)Google Search Consoleでの設定

ドメイン変更後はGoogle Search Consoleでの設定変更が必要です。

Google Search Consoleのプロパティはドメインごとに作られているため、まずは新ドメインのプロパティを追加してください。

そのうえで「アドレス変更ツール」を用いて、サイトの移転をGoogle Search Consoleへ登録しましょう。

登録後にはインデックス状況を定期的にモニタリングし、問題があれば対処します。

あわせてモバイルフレンドリーテストも実施し、スマートフォンに対応しているかどうかもチェックしましょう。

スマートフォンユーザーが増加している現在、レスポンシブデザインでないサイトは評価が下がる可能性があるためです。

その他、エラーページがないかなどをGoogle Search Consoleで確認し、サイトの健全性をチェックしながら運用を続けましょう。

7.ドメイン変更時に起きる301リダイレクトのトラブルと解決策

301リダイレクト実装時には、様々なトラブルが発生する可能性があります。

ドメイン変更によるトラブルと解決策を説明するので、あらかじめ頭に入れておきましょう。

ドメイン変更時に起きる301リダイレクトのトラブルと解決策

  1. リダイレクトループ
  2. 部分的なリダイレクト漏れ
  3. サイトの応答スピードの低下

(1)リダイレクトループ

リダイレクトループは、Webサイトの可用性を著しく低下させる重大な技術的問題です。

転送設定が循環することで、ページが正常に表示されない状態に陥ります。

この問題が発生する主な原因として、.htaccessファイルでのリダイレクトルール記述ミスがあげられます。

複数のサーバー設定が重複している状況も、ループ発生の要因となるでしょう。

WordPressサイトでは、SEO系プラグイン同士の競合によって引き起こされるケースも見られます。

解決には、まずApacheサーバーのログファイルを詳細に分析することが不可欠です。

テスト環境での事前確認を行うことで、本番環境での問題発生を未然に防ぐことができます。

(2)部分的なリダイレクト漏れ

見落としがちな動的生成URLへの対応は、特に注意が必要な項目となります。

画像やPDFなどのメディアファイルも、リダイレクト設定の対象として含めることが大切です。

テスト用やバックアップ目的で作成した一時ファイルの存在も、把握しておきましょう。

Screaming Frogのようなクローラーツールを使用し、サイト全体のURL状態を確認することが推奨されます。

発見された問題点は、ユーザー影響度に応じて優先順位付けを行うのが効果的でしょう。

定期的なモニタリングを実施し、新たな問題の早期発見に努めることが肝要です。

(3)サイトの応答スピードの低下

301リダイレクトの処理は、サイトの読み込み速度を遅くする原因となっています。

ブラウザの一時保存機能(キャッシュ)を上手く使うことで、2回目以降の表示を早くできるでしょう。

転送設定を記述するファイルは、できるだけ簡潔にまとめることが大切です。

サーバーの設定を見直すことで、Webサイトの動作をより軽快にすることが可能でしょう。

世界中にデータを分散して保存するCDNという仕組みを使うと、表示速度の改善が期待できます。

Googleが提供している無料の速度チェックツールで、定期的にサイトの状態を確認しましょう。

まとめ

ドメイン変更時にはユーザーをスムーズに新ドメインへ誘導するため、301リダイレクトが必要です。

301リダイレクト処理により、ユーザーを混乱させずにサイト移転が可能となり、また検索順位への影響を最小限にできます。

301リダイレクトの処理はやや複雑ですが、リダイレクトルールを正しく記述すれば正しく動作します。

WordPressを使ってサイト作成している場合はプラグインでのリダイレクト処理も可能なので、ぜひ活用してください。

この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。