Web広告の種類を一気に整理!目的別の最適選択と嫌われない配信テクニック


「Web広告の種類が多すぎて、何がどんな目的に向いているか理解しづらい」
「Web広告はユーザーから嫌われやすいと聞いたが、どうすれば受け入れてもらえる?」
Web広告運用初心者の方で、そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Web広告の基本概念から各種類の特徴、主要プラットフォーム、活用例まで、ビジネス目的に合わせた選び方を詳しく解説します。
最後まで読めばWeb広告の種類について理解し、自社の売上を伸ばす広告運用ができるはずです!
1.Web広告とは?
まずはWeb広告の特徴や仕組みについて解説します。
- Web広告の特徴
- Web広告が配信される仕組み
- オフライン広告との違い
(1)Web広告の特徴
Web広告の最大の特徴は、精密なターゲティングができる点です。
ユーザーの年齢、性別、興味関心、検索履歴、位置情報など様々な属性や行動履歴に基づいて、最適な広告を最適なタイミングで配信できます。
さらに効果測定が容易で、インプレッション(表示回数)、クリック数、コンバージョン(成果)など、詳細なデータをリアルタイムで把握可能です。
(2)Web広告が配信される仕組み
Web広告の配信は一般的に以下のような流れで行われます。
まず、広告主が広告プラットフォームを通じて広告を出稿し、ユーザーがWebサイトやアプリにアクセスすると最適な広告が選定されて配信される仕組みです。
広告が表示されると、ユーザーの反応(クリックやコンバージョンなど)がリアルタイムで計測され、広告主はそのデータを基に効果検証や改善ができる仕組みです。
(3)オフライン広告との違い
Web広告とテレビや新聞、雑誌などのオフライン広告には、いくつかの重要な違いがあります。
簡単に表にまとめたので、Web広告とオフライン広告それぞれの特徴を理解しましょう。
比較項目 | Web広告 | オフライン広告 |
---|---|---|
ターゲティング精度 | 個人の属性や行動に基づいた精密なターゲティングが可能 | 不特定多数に一斉配信されることが多い |
効果測定 | 配信数、クリック数、コンバージョン数などを正確に計測可能 | 効果測定は推測に頼らざるを得ない部分が多い |
予算面 | 少額から始められ、予算に応じて柔軟に調整可能 | 初期費用が高額になりがち |
スピードと柔軟性 | 即時性があり、クリエイティブの修正も随時行える | 制作から配信まで時間がかかる |
総合評価 | 精度、効率、柔軟性において大きなアドバンテージあり | リーチの広さや信頼性においては強み |
まず、1番の違いがターゲティングの精度です。
オフライン広告が不特定多数に一斉配信されるのに対し、Web広告は個人の属性や行動に基づいた精密なターゲティングが可能です。
効果測定の面でも、Web広告は配信数、クリック数、コンバージョン数などを正確に計測できますが、オフライン広告の効果は推測に頼らざるを得ない部分が多いでしょう。
予算面では、オフライン広告は初期費用が高額になりがちですが、Web広告は少額から始められ、予算に応じて柔軟に調整可能です。
また、オフライン広告は制作から配信まで時間がかかりますが、Web広告は即時性があり、クリエイティブの修正も随時行えるという特徴があります。
このように、Web広告はオフライン広告と比較して、精度、効率、柔軟性において大きなアドバンテージを持っているといえます。
Web広告の概要について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
2.Web広告の種類一覧
Web広告には様々な種類があり、それぞれに特徴や適した使用シーンが異なります。
自社の目的やターゲットに合わせて最適な広告タイプを選択できるように種類を把握しておきましょう。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
- アフィリエイト広告
- ネイティブ広告
- リターゲティング広告
- アプリ広告
- 純広告
(1)リスティング広告
リスティング広告は、ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に表示される広告です。
GoogleやYahoo!などの検索結果ページに表示され、「検索連動型広告」とも呼ばれています。
その最大の特徴は、ユーザーの能動的な検索行動に連動するため、すでに一定の興味や問題意識を持ったユーザーにピンポイントでアプローチできる点です。
例えば、「英語教室 新宿」と検索するユーザーは、実際に英語教室を探している可能性が高く、直接的な成約につながりやすいです。
(2)ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示されるバナー広告の総称です。
画像や動画を用いて視覚的に訴求するため、ブランドの認知拡大や商品・サービスの認知度向上に適しています。
Google広告のディスプレイネットワーク(GDN)やYahoo!ディスプレイ広告(YDA)が代表的なプラットフォームで、数百万のWebサイトに広告を配信可能です。
ディスプレイ広告ではユーザーの興味関心や行動履歴に基づいたターゲティングが可能で、特定の趣味や関心を持つユーザーに対して効果的にアプローチできます。
(3)SNS広告
SNS広告は、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、TikTokなどのSNSプラットフォーム上に表示される広告です。
各SNSの特性を活かした広告フォーマットが用意されており、ユーザーの日常的な利用環境に自然に溶け込む形で広告を届けられます。
最大の特徴は詳細なターゲティングが可能な点で、年齢や性別だけでなく、趣味嗜好、行動パターン、フォロー状況など細かな条件設定ができる点です。
SNS広告は若年層を中心に幅広い層へのリーチが可能で、特にビジュアルを重視する商材との相性が良いでしょう。
SNS広告について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
(4)動画広告
動画広告は、YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームで配信される広告形式です。
動画という表現力豊かな媒体を活用できるため、商品の機能や特徴、使用シーンなどを分かりやすく伝えられます。
YouTubeでは動画再生前や途中に表示されるインストリーム広告、検索結果に表示されるインフィード広告などの形式があります。
TikTokではフィード上に表示されるインフィード広告やトップビュー広告などがあり、若年層へのリーチに特に効果的です。
(5)アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、ブロガーやインフルエンサーなど第三者のメディアに商品やサービスを紹介してもらい、成果が発生した場合に報酬を支払う広告形式です。
アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)を介して、多数のメディアやインフルエンサーと提携して自社商品を宣伝できます。
アフィリエイトは成果報酬型であることで、実際に商品購入や資料請求といった成果が出た場合にのみ費用が発生するため、コストリスクが低い点が魅力です。
また、第三者視点からの紹介という形式のため、ユーザーからの信頼性が高く、効果的な集客が期待できます。
(6)ネイティブ広告
ネイティブ広告は、掲載メディアのコンテンツに溶け込む形で表示される広告形式です。
記事広告やフィード広告とも呼ばれ、Yahoo!ニュースのフィードやキュレーションメディアなどに掲載されることが多いです。
通常の広告と異なり、コンテンツの一部のように自然に表示されるため、ユーザーに受け入れられやすいという特徴があります。
情報量が多く、商品やサービスの詳細な説明が可能なため、複雑な価値提案や背景説明が必要な商材と相性が良いです。
(7)リターゲティング広告
リターゲティング広告は、過去に自社サイトを訪問したことのあるユーザーに対して再度広告を表示する手法です。
1度興味を示したユーザーに対して継続的にアプローチできるため、コンバージョン率が通常の広告より高いのが特徴です。
例えば、ECサイトで商品を閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに対して、その商品や関連商品の広告を表示することで購入を促進できます。
リターゲティングはGoogle広告やInstagramなどのプラットフォームで実施可能で、サイト訪問後の離脱ユーザーを効率的に獲得できる手法として活用されています。
(8)アプリ広告
アプリ広告は、モバイルアプリのインストールや利用促進を目的とした広告形式です。
アプリのダウンロードページに直接リンクすることで、ユーザーのインストール行動を促進します。
Google広告のユニバーサルアプリキャンペーン(UAC)やMeta広告などのプラットフォームで配信可能です。
アプリ広告はターゲティングの精度が高く、特定の興味関心を持つユーザーや、類似アプリを利用しているユーザーなどに効果的にアプローチできるのが特徴です。
(9)純広告
純広告は、特定のWebメディアの広告枠を固定期間で買い取って掲載する広告形式です。
大手ポータルサイトやニュースサイト、専門メディアなどのプレミアムな広告枠に出稿することで、ブランドイメージの向上や信頼性の確保に役立ちます。
掲載期間や掲載位置が予め保証されるため、安定した露出が確保できる点が特徴です。
純広告の課金形態は固定費課金(CPT:掲載期間型課金)が一般的で、月額や週額で料金が設定されています。
3.Web広告を出稿できる媒体の種類
Web広告を出稿する際には、様々な媒体(プラットフォーム)の種類についても理解しておきましょう。
- Google広告
- Yahoo!広告
- Instagram広告
- TikTok広告
- YouTube広告
- Facebook広告
- LINE広告
- X広告
- Amazon広告
(1)Google広告
Google広告は、世界最大の検索エンジンGoogleを運営するGoogleが提供する広告プラットフォームです。
検索広告とディスプレイ広告(GDN)の2つの主要な広告形式を提供しており、幅広いマーケティング目標に対応可能です。
特に検索意図が明確なユーザーにアプローチできる検索広告は、顕在層へのリーチに特に強みがあります。
また、ディスプレイネットワークは200万以上のWebサイトやアプリにリーチでき、画像や動画を活用した視覚的なアプローチが可能です。
(2)Yahoo!広告
Yahoo!広告は、国内検索エンジン大手のYahoo! JAPANを運営するLINEヤフーが提供する広告プラットフォームです。
Yahoo!の検索広告とディスプレイ広告(YDA)の2種類があり、国内ユーザーへのアプローチに強みがあります。
特に30代以上のユーザーや地方在住者、金融・保険などの商材との相性が良く、日本独自のマーケットに適した広告配信が可能です。
Googleと比較して競合が少ないため、クリック単価が安価になる場合も多く、コスト効率の良い運用ができる可能性があります。
(3)Instagram広告
Instagram広告は、写真・動画共有SNSのInstagramを運営するMetaが提供する広告プラットフォームです。
ビジュアル重視の特性を活かした広告フォーマットが充実しており、美容・コスメ・アパレルなど女性向け商材に特に強みがあります。
フィード広告、ストーリーズ広告、リール広告など、様々な形式が用意されており、ユーザーの利用環境に合わせた自然な広告配信が可能です。
20〜40代の女性ユーザーが多く、ビジュアルを重視したブランディングと相性が良いとされています。
(4)TikTok広告
TikTok広告は、短尺動画アプリTikTokを運営するByteDanceが提供する広告プラットフォームです。
視聴前提のフルスクリーン動画形式で、若年層へのリーチに特化した広告配信が可能です。
インフィード広告、トップビュー広告、ハッシュタグチャレンジ広告など、TikTok独自の広告フォーマットが用意されています。
特に10代・20代の若者向け商材や、エンターテイメント性の高い商品・サービスとの相性が良いでしょう。
(5)YouTube広告
YouTube広告は、動画プラットフォームYouTubeを運営するGoogleが提供する広告サービスです。
インストリーム広告(動画再生前・中・後に表示)、インフィード広告(検索結果や関連動画に表示)など複数の広告形式があります。
動画コンテンツを活用できるため、商品の特徴や使い方の詳細な説明が必要な場合に特に効果的です。
年齢層が幅広く、特にBtoB商材や教育コンテンツ、複雑な価値提案が必要な商材との相性が良いとされています。
(6)Facebook広告
Facebook広告は、世界最大級のSNSであるFacebookを運営するMetaが提供する広告プラットフォームです。
詳細なターゲティング機能が特徴で、年齢・性別・職業・興味関心・役職まで細かく設定可能です。
フィード広告、動画広告、カルーセル広告など多様な広告フォーマットが利用できます。
30〜60代のユーザーが多く、特にBtoB SaaSやコンサルティング、教育系サービスとの相性が良いとされています。
(7)LINE広告
LINE広告は、国内最大級のメッセージアプリLINEを運営するLINEが提供する広告プラットフォームです。
国内のアクティブユーザー数が9,700万人以上と圧倒的なリーチを持ち、幅広い年齢層へのアプローチが可能です。
LINE NEWSや提携アプリなど、LINE関連サービス内の広告枠に配信されます。
特に友だち追加やクーポン配信によるLTV向上を目指す用途と相性が良く、顧客との長期的な関係構築に役立ちます。
(8)X広告
X広告は、Xプラットフォーム(旧Twitter)を運営するX Corp.が提供する広告サービスです。
リアルタイム性の高いプラットフォームの特性を活かし、即時性のある情報発信や拡散を目的とした広告に適しています。
プロモーツイート(タイムラインに表示)、フォロワー獲得キャンペーン、トレンドプロモーションなどの広告形式があります。
X広告ではハッシュタグやつぶやきに連動した広告配信ができるため、トレンドに乗ったマーケティングが可能です。
(9)Amazon広告
Amazon広告は、世界最大級のECプラットフォームAmazonが提供する広告サービスです。
Amazonサイト内の検索広告、商品ディスプレイ広告、ブランドストア広告などで広告を出稿できます。
ユーザーは「何かを購入したい」と思ってAmazonを開いているため、そもそも購買意欲が高く、直接的な売上向上を目指せます。
また、楽天市場やYahoo!ショッピングなど他のECプラットフォームと併用されるケースも多く、EC事業者の必須ツールです。
4.Web広告の代表的な種類と活用例
Web広告の活用方法は、マーケティング目的によって大きく異なります。
目的に合わせた最適な広告種類を選択することで、効果的なマーケティング戦略を構築できます。
- 認知の拡大
- 売上や申込数の増加
- 若年層に向けたマーケティング
- アプリDLの促進
- 離脱した人をCVへ導きたい
(1)認知の拡大
ブランドや商品・サービスの認知拡大を目的とする場合は、広く多くのユーザーに情報を届けられる広告種類が効果的です。
ディスプレイ広告(GDN、YDA)は画像や動画を活用した視覚的なアピールが可能で、多数のWebサイトに広告を配信できます。
同様にSNS広告(Instagram、Facebook、TikTokなど)も、ターゲット層に合わせた効果的な認知拡大が期待できます。
特に動画広告(YouTube、TikTok)は情報量が多く、商品やサービスのコンセプトを詳しく伝えられるため、新規サービスの紹介に適しています。
(2)売上や申込数の増加
直接的な売上や申込数の増加を目指す場合は、購買意欲の高いユーザーにアプローチできる広告の種類が適しています。
リスティング広告(Google、Yahoo!)は、検索意図が明確なユーザーに対してピンポイントで訴求できるため、高いコンバージョン率が期待できます。
さらにリターゲティング広告は、1度興味を示したユーザーに再度アプローチできるため、コンバージョンにつながりやすいでしょう。
これらの広告では、CPC(クリック課金)やCPA(成果報酬課金)を活用することで、効率的な運用が可能です。
(3)若年層に向けたマーケティング
10代から20代の若年層にアプローチしたい場合は、彼らの利用率が高いSNSプラットフォームを活用することが多いです。
例えば10〜20代ならTikTok,20〜30代の女性ならInstagramなど、SNSのユーザー傾向に合わせて使い分けましょう。
なお、注意点は若年層は広告を嫌う傾向にあるということです。
そのため、広告感を薄める「UGC風コンテンツ」を取り入れるなど、広告感を感じさせないクリエイティブを工夫しましょう。
(4)アプリDLの促進
アプリのDLを促進したい場合は、インストールを促すための広告形式を利用します。
例えばGoogle広告のユニバーサルアプリキャンペーン(UAC)は、Google検索、Play ストア、YouTube、GDN全体でアプリの広告を配信します。
またMeta広告(Facebook、Instagram)のアプリインストール広告は、詳細なターゲティングでアプリに興味を持ちそうなユーザーにアプローチできます。
これらの広告ではアプリインストール時に課金される形式を選択できるので、費用対効果の高い運用が可能です。
(5)離脱した人をCVへ導きたい
サイトを訪問したものの、購入や申込に至らなかったユーザーをコンバージョンに導きたい場合は、リターゲティング広告が効果的です。
Google広告のリマーケティングは、過去のサイト訪問者に対して様々なGoogleネットワーク上で広告を表示できるのが特徴です。
また、MetaやTikTokでもカスタムオーディエンスの設定で過去の自社Webサイト訪問者リストなどを使って、リターゲティング広告を出稿できます。
自社に1度でも興味をもった人へアプローチをおこない、コンバージョン率を高める広告配信をおこないましょう。
5.Web広告の課金の種類
Web広告には様々な課金方式があり、目的やプラットフォームによって最適な選択肢が異なります。
様々な課金方式を理解したうえで、広告運用に役立てましょう。
- CPC(クリック課金)
- CPM(インプレッション課金)
- CPA(成果報酬課金)
- CPV(動画視聴課金)
- CPL(リード獲得課金)
- CPE(エンゲージメント課金)
- CPI(アプリインストール課金)
- CPT(掲載期間型課金)
(1)CPC(クリック課金)
CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされるたびに費用が発生する課金方式です。
リスティング広告やSNS広告など、多くの広告プラットフォームで採用されている最も一般的な課金方式です。
ユーザーが実際に広告をクリックした際にのみ費用が発生するので、費用対効果も高いといえます。
クリック単価は業種や競合状況によって大きく異なり、リスティング広告では50〜300円、SNS広告では30〜300円程度が一般的です。
トラフィック獲得やコンバージョン目的の広告で特に活用されることが多く、効果測定がしやすいのも特徴です。
(2)CPM(インプレッション課金)
CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する課金方式です。
「Mille」はラテン語で1,000を意味し、1,000インプレッション(表示回数)あたりのコストを表します。
ディスプレイ広告やSNS広告など、視覚的なインパクトを重視する広告形式でよく採用されています。
表示回数に応じた課金となるため、認知拡大やブランディングを目的とする場合に使われることが多いです。
なお、CPMの単価は媒体やターゲティングの精度によって異なりますが、Metaでは900円程度、Google広告の場合は300〜800円程度が一般的です。
(3)CPA(成果報酬課金)
CPA(Cost Per Acquisition)は、広告経由で実際に成果(コンバージョン)が発生した場合にのみ費用が発生する課金方式です。
成果の定義は広告主が設定でき、商品購入、資料請求、会員登録、問い合わせなど様々なアクションが対象となります。
アフィリエイト広告で最も一般的に採用されており、成果が出なければ費用が発生しないため、リスクが低いのが特徴です。
成果1件あたりの単価は商材によって大きく異なり、1,000〜10,000円程度が一般的な相場です。
直接的な費用対効果が明確であるため、パフォーマンス重視の広告運用において重要な指標となっています。
(4)CPV(動画視聴課金)
CPV(Cost Per View)は、動画広告が一定時間以上視聴された場合に費用が発生する課金方式です。
YouTubeなどの動画広告プラットフォームで採用されており、実際に動画が視聴された場合にのみ課金されます。
視聴の定義はプラットフォームによって異なり、YouTubeでは30秒以上または動画全体(30秒未満の場合)の視聴でカウントされます。
視聴単価は3〜30円程度(YouTubeショートの場合は10〜40円程度)が一般的で、ユーザーに商品やサービスの詳細を伝えたい場合に効果的です。
(5)CPL(リード獲得課金)
CPL(Cost Per Lead)は、見込み顧客情報(リード)の獲得に対して課金される方式です。
資料請求やメールマガジン登録、お問い合わせなど、購入前の顧客接点を獲得した際に費用が発生します。
特にBtoB企業や、購入までの検討期間が長い商材を扱う企業に適した課金形態といえるでしょう。
リード1件あたりの単価は業種や商材によって異なりますが、500〜5,000円程度が一般的な相場となっています。
(6)CPE(エンゲージメント課金)
CPE(Cost Per Engagement)は、「いいね」や「コメント」などのエンゲージメントに対して課金される方式です。
主にSNS広告で採用されており、ユーザーとの関係構築やコミュニケーションを重視するキャンペーンに適しています。
エンゲージメント1件あたりの単価は10〜50円程度が一般的ですが、プラットフォームや広告内容によって変動します。
特にSNSでの話題化やコミュニティ形成を目指す場合に効果的で、ブランドの認知度向上やファン層の拡大に役立ちます。
(7)CPI(アプリインストール課金)
CPI(Cost Per Install)は、アプリのインストールが完了した時点で課金される方式です。
モバイルアプリのプロモーションに特化した課金形態で、アプリストアでの露出拡大に効果的です。
インストール1件あたりの単価はアプリのカテゴリやユーザー価値によって異なり、200〜1,500円程度が相場となっています。
明確な成果指標(インストール数)で管理できるため、予算と効果の関係が把握しやすい点がメリットです。
(8)CPT(掲載期間型課金)
CPT(Cost Per Time)は、一定期間の広告掲載に対して固定費用が発生する課金方式です。
Web純広告や記事広告で多く採用されており、1週間や1ヶ月といった期間単位で契約します。
掲載メディアの規模や掲載位置によって大きく異なりますが、月額10〜100万円程度が一般的な相場です。
露出が保証される点が最大のメリットで、期間中は安定した認知獲得が期待できます。
特にブランディングを重視する企業や、信頼性の高いメディアでの露出を求める場合に適した課金方式といえるでしょう。
6.Web広告の運用ステップ
Web広告の効果を最大化するためのステップを解説します。
- Web広告の目的を設定する
- ターゲットを設計する
- 広告の媒体と種類を選ぶ
- クリエイティブを制作する
- 予算とスケジュールを設定する
- 配信と改善を繰り返す
(1)Web広告の目的を設定する
Web広告運用の第一歩は、明確な目的設定です。
「認知拡大」「サイトへの流入増加」「資料請求獲得」「商品購入」など、具体的な目標を定めましょう。
また、目的に応じてKPI(重要業績評価指標)を設定することも重要です。
例えば、認知拡大ならインプレッション数やリーチ数、コンバージョン獲得なら申込件数や獲得単価などを指標とします。
Web広告の種類を選ぶ際にも目的設定は大事なので、まず最初に決めておきましょう。
(2)ターゲットを設計する
効果的な広告運用のためには、具体的なターゲット設定が欠かせません。
例えば、「30代前半の子育て中の女性で、時短を重視し、健康志向が強い」など、具体的なイメージを固めておくのが重要です。
精度の高いターゲティングは広告費用対効果を大きく向上させるため、十分な時間をかけて検討しましょう。
(3)広告の媒体と種類を選ぶ
目的とターゲットが明確になったら、それに最適なWeb広告の媒体と種類を選択します。
例えば、認知拡大が目的なら、リーチの広いディスプレイ広告やSNS広告、コンバージョン獲得が目的なら、リスティング広告やリターゲティング広告が適しています。
また、ターゲットが特定のSNSを多く利用する層なら、そのプラットフォームの広告を選ぶなど、ユーザーの行動特性に合わせた選択も重要です。
補足として複数の媒体を組み合わせることで、相乗効果を生み出せる場合もあるので、いくつか媒体を選んで出稿するのも良いでしょう。
(4)クリエイティブを制作する
広告の効果を左右する重要な要素が、クリエイティブです。
目的やターゲット、Web広告を出稿する媒体の特性に合わせた効果的なクリエイティブを制作しましょう。
具体的には、画像や動画広告では、視覚的なインパクトと伝えたいメッセージの一貫性を意識し、ユーザーの興味を引く工夫をします。
テキストを主体とする場合は、ユーザーへのベネフィットを端的に提示し「詳細を確認」などのCTAを設置して、ユーザーに「広告を見たあとどうして欲しいか」を明確にしなければなりません。
(5)予算とスケジュールを設定する
次にWeb広告の予算やスケジュール設定をします。
一般的に初めてWeb広告を出稿する場合は少額からスタートして、効果を見ながら徐々に予算を拡大する方法がおすすめです。
その際には日別予算や月予算の上限を設定しておき、予期せず予算オーバーを防止するのを忘れないようにしましょう。
また、注意したいのが季節性の広告やイベント、競合の状況です。
季節性の広告であればずっと配信し続けても意味がないので、適当な時期を限定して配信します。
競合が広告出稿に力を入れている時期は入札価格がある程度高騰している可能性があるので、その場合は予算を高めに設定するなどの調整も必要です。
(6)配信と改善を繰り返す
Web広告の大きな特徴は、配信結果に基づいた迅速な改善が可能な点です。
配信開始後は、クリック率、コンバージョン率、獲得単価などの指標を定期的にチェックし、パフォーマンスを評価します。
効果の高いキーワード、クリエイティブ、ターゲティング設定などを特定し、予算配分の最適化を繰り返しましょう。
効果の低い要素は中止または改善し、効果の高い要素に注力するというPDCAサイクルを継続して回し続けてください。
7.広告クリエイティブで嫌われない工夫とは?
効果的な広告運用のためには、ユーザーに嫌悪感を与えない広告クリエイティブの設計が不可欠です。
どうすればユーザーに嫌われない広告クリエイティブが制作できるか説明します。
- 「追われている」と感じさせる広告配信は逆効果に
- ユーザーが離脱する広告を避ける
- 配信先と合わないトーンの広告に注意する
(1)「追われている」と感じさせる広告配信は逆効果に
Web広告を嫌うユーザーは「追われている、情報が漏れているようで気持ち悪い」と感じていることがあります。
そのため、リターゲティング広告の出稿時には、頻度や期間に注意しましょう。
あまりに同じ広告が頻繁に表示されると、ユーザーから不信感を抱かれて、コンバージョンにつながりません。
これを防止するには同一ユーザーへの表示回数制限機能を設定して、過度な露出を控えるのがおすすめです。
また、配信期間も商材を検討するサイクルに合わせて設定するなどし、ユーザーが不快感を覚えないように工夫してください。
(2)ユーザーが離脱する広告を避ける
ユーザーが離脱する広告を避けるのも、嫌われないためにも重要です。
強引すぎる表現(過度な煽り文句や誇大表現)は、ユーザーの警戒心や不信感を高める原因となります。
特に近年増加している漫画形式の広告の中には、過度に刺激的な内容や誤解を招く表現を含む場合もあるので注意が必要です。
また、意図せずクリックさせるような紛らわしいデザインや、ユーザーの閲覧を妨げるオーバーレイ広告なども避けるべきでしょう。
なお、最近よくある音声が急に再生される動画タイプの広告も、ユーザーが公共の場にいる際などは離脱の原因になりやすいです。
デフォルトで音声をオフにするなど、ユーザーを不快にさせない工夫が必要です。
(3)配信先と合わないトーンの広告に注意する
広告のトーン(雰囲気や表現スタイル)は、配信先のプラットフォームや媒体の特徴に合わせましょう。
例えば、TikTokやInstagramなど若年層向けのプラットフォームでは、カジュアルでエンターテイメント性の高い表現が効果的です。
一方、ビジネス系のメディアやニュースサイトでは、信頼性や情報価値を重視した落ち着いた表現が好まれます。
広告のトーンと配信先の不一致は、広告効果の低下につながるので、配信先との相性をよく考えてトーンを統一しましょう。
8.Web広告の種類についてよくある質問
Web広告の活用を検討する際に、多くの方が抱える疑問とその回答を紹介します。
実践的なアドバイスで、効果的な広告運用のヒントにしてください。
- 広告予算が少ない場合は、どんな種類の広告を選ぶべきですか?
- Web広告の種類選びからわからないことばかりです。自社で運用するより外注すべきですか?
- Web広告は複数の種類を一緒に併用すべきでしょうか?
(1)広告予算が少ない場合は、どんな種類のWeb広告を選ぶべきですか?
Web広告にかける予算が限られているなら、少額からスタートできるものを選びましょう。
Google広告やYahoo!広告のリスティング広告は、月額数万円程度からスタートでき、検索意図の明確なユーザーにピンポイントでアプローチできます。
また、SNS広告も比較的少額から始められ、詳細なターゲティングで効率的なリーチが可能です。
アフィリエイト広告は成果報酬型のため、実際に成果が出た場合にのみ費用が発生するリスクの低い選択肢といえるでしょう。
(2)Web広告の種類選びからわからないことばかりです。自社で運用するより外注すべきですか?
Web広告の種類選びや運用方法に不安がある場合、専門の代理店やコンサルタントへの外注を検討した方が良いでしょう。
Web広告は複雑な設定や分析を必要とするため、何も知らない状態で始めるとなかなか運用がうまくいきません。
その点、専門家に依頼することで、そのノウハウを活用できます。
(3)Web広告は複数の種類を一緒に併用すべきでしょうか?
基本的には、複数の広告種類を併用することでより効果的なマーケティング施策が実現できます。
例えば、YouTube広告やSNS広告で認知を拡大し、リスティング広告で検索ユーザーを獲得、リターゲティング広告で離脱ユーザーを再訪問させるような流れが有効です。
ユーザーの購買プロセス(認知→興味→検討→購入)に合わせて、各ステージに適した広告種類を選択することで、効率的に成果を獲得できます。
まとめ
Web広告は、精密なターゲティングと詳細な効果測定が可能な現代のマーケティングに欠かせないツールです。
リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告、動画広告など多様な種類があり、それぞれに特徴と適した活用シーンがあります。
Google広告、Yahoo!広告、Meta広告、TikTok広告など、各プラットフォームの特性を理解し、目的に合わせた選択が重要です。
ですが、種類が多すぎて選び方から混乱してしまうという方も多いでしょう。
そのような場合は、TMS Partners株式会社へご依頼ください。
弊社はWeb広告の運用はもちろん、動画撮影代行や制作、編集まで幅広いサポートが可能です。
