NotionでのCRMの作り方とは?本格的な顧客管理ができるおすすめツール
「Notion(ノーション)はCRMとして利用できる?」
「Notionと同じように安価でシンプルに使えるCRMを教えて欲しい」
Notionはノーコードで業務アプリを作ることができるプラットフォームで、CRMとしての利用も可能です。
自社オリジナルのCRMを手軽に作りたいと考えているもののNotionの価格や顧客リストの作り方などがわからず困っている方もいるでしょう。
この記事では、Notionの概要や基本機能、導入メリットとデメリット、Notion以外におすすめのCRMツールを紹介しています。
最後まで読めばNotionの機能性がわかり、自社の顧客満足度を上げてくれるツールかどうか判断できます。
1.Notion(ノーション)とは
Notion(ノーション)とは、オリジナルのCRMを作れるアプリケーションです。
- 世界で2000万人以上が利用するアプリケーション
- 様々なアプリを組み合わせオリジナルのCRMを作ることができる
自社のフローに合わせてCRMを作りたい方におすすめなNotionについて、詳細を解説します。
(1)世界で2000万人以上が利用するアプリケーション
Notionとは、世界で2,000万人以上が利用しているアプリケーションです。
非常に柔軟性が高く、ドキュメントの管理やデータベース、タスク管理やスケジュール管理を1つのツールで行えます。
顧客管理リストが作れることから、CRMとして利用している企業も多いです。
(2)様々なアプリを組み合わせオリジナルCRMを作ることができる
Notionはデータベース機能を用いて顧客リストを作ったり、さまざまなアプリケーションを組み合わせてオリジナルのCRMを作れます。
一般的なCRMはパッケージでさまざまな機能が含まれていますが、不足があったり、反対にオーバースペックで使いにくいという問題が生じがちです。
Notionなら、自社に必要な機能だけを選んでアプリを追加できるため、自社にとって「ちょうど良い」CRMを作りやすいのが特徴です。
また、複雑な業務フローを有する企業であっても、自社に最適な機能を有するCRMのカスタマイズを行うことができます。
自社のフローや解決したい課題に対する最適な機能を活用できるため、運用に関して費用対効果を高めやすいというメリットもあります。
2.Notionの基本機能
Notionに実装されている基本機能は以下の5つです。
- AI
- ドキュメント
- Wiki
- プロジェクト
- カレンダー
Notionでどのような機能を使ってCRMを作れるのか把握しておきましょう。
(1)AI
NotionにはAI機能が実装されており、文章作成や表の作成、アイデア出しなどをAIがサポートしてくれます。
例えば、自社ホームページに掲載するブログやコラム記事を書く際にも、Notion AIを使えば簡単に記事が作れます。
また、営業担当のスケジュールからTODOリストを作ったり、顧客へ送信するメールやSNSの投稿文などの作成も可能です。
顧客対応における業務をAIに任せれば、マンパワーを使う場面が減り、従業員はより必要な業務だけに集中できるようになります。
そのため、全社的に業務の効率化・最適化を図ることができ、生産性の向上も期待できるでしょう。
(2)ドキュメント
Notionではドキュメントを自由に作成、編集、管理する機能を搭載しています。
ノートとしてチームの情報を集約して、速やかに共有できます。
例えば、営業日報をドキュメントとしてデータベースに保管していき、提出の手間を省くような使い方も可能です。
あらゆるドキュメントをNotion上に集約できるので、データが点在したり紛失するリスクなく、安全に情報を保管できます。
また、営業資料を保管することで、営業担当者はいつでもどこでも活用することが可能です。
同じ資料を用いて営業活動を行うため、効果的な営業活動や営業の質の平準化も期待できます。
(3)Wiki
Notion Wikiとは、自社業務フローに合わせたWikiを作成できます。
Wikiを活用すれば社内外のよくある質問をまとめたQ&Aを作り、顧客の問い合わせの手間を減らせます。
そのため、顧客からの問い合わせに対して迅速に回答することができ、顧客対応の質の向上が期待できます。
知りたい情報をすぐに手に入れることができるため、顧客にとってもメリットがあります。
このように、顧客の問い合わせに適切に対応することで、顧客満足度の向上が期待でき、売り上げや成約率の向上を目指すことができます。
また、Wikiを活用して営業ノウハウなどを集約し、マニュアルのように利用するのも良いでしょう。
(4)プロジェクト
Notionではプロジェクト管理の機能も実装しています。
プロジェクトをタスクごとに分割し、全体像を把握しつつ進捗の把握が可能です。
営業商談管理や案件管理に便利で、チーム全体の営業活動の把握に役立ちます。
(5)カレンダー
Notionにはカレンダー機能が実装されており、チーム全員のスケジュール把握ができます。
カレンダーにメンバーのスケジュールを入れておけば、誰が外出しており、会議が何時からなどの動きが一目瞭然です。
例えば、営業が外出中に顧客から担当宛の電話がかかってきた際にも、カレンダーを見ればいつ頃折り返しが可能かを明確に伝えられます。
3.NotionでCRM開発をするメリット
Notionを使ってCRM開発をするメリットを3つ紹介します。
- 安価に利用できる
- 機能がシンプルなので使いやすい
- テンプレートが豊富でCRMを簡単に内製できる
まだNotionを触ったことがない方でもわかりやすいように説明します。
(1)安価に利用できる
Notionの料金プランは4種類ありますが、どれも低価格で利用できます。
データベースやドキュメント、カレンダーの利用は無料でも可能なので、まずは無料プランで使い勝手を試すと良いでしょう。
有料プランであっても1,275円(2024年6月25日時点)で利用できるため、一般的なCRMよりもかなり安価に利用できます。
プラン | 料金 | プラン内容 |
---|---|---|
フリー | 0円 | ・ドキュメント ・カレンダー ・タスク管理 ・SlackやGitHubなどとの連携 ・同時編集 ・アナリティクス |
プラス | $8(1,275円※2024年6月25日時点) | ・ドキュメント ・カレンダー ・タスク管理 ・チーム員で無制限にブロック(ドキュメント)を使用可能 ・ファイルアップロード ・100名までのゲストの招待 |
ビジネス | $15(2391円※2024年6月25日時点) | ・ドキュメント ・カレンダー ・タスク管理 ・PDFエクスポート ・監査ログ ・セキュリティ設定 ・250名のゲスト招待 |
エンタープライズ | 見積もり | ・ドキュメント ・カレンダー ・タスク管理 ・ユーザープロビジョニング ・高度なセキュリティ設定 ・監査ログ ・カスタマーサクセスマネージャー ・ワークスペースアナリティクス |
(2)機能がシンプルなので使いやすい
Notionはデータベースにさまざまな機能を追加して利用する形のアプリケーションです。
ドキュメントの保管やタスク管理、カレンダー管理など機能は非常にシンプルなのが特徴です。
余計な機能が搭載されていない分使いやすく、シンプルなCRMとして利用できます。
顧客数が少ない事業者やCRMを使うのが初めてで、多機能すぎると使いこなせないリスクを懸念している方にとっては、特におすすめのCRMです。
(3)テンプレートが豊富でCRMを簡単に内製できる
Notionは豊富なテンプレートを無料でダウンロードできます。
テンプレートを使えば簡単にCRMを内製でき、余計な手間や費用をかける必要がありません。
例えば、顧客管理リストのテンプレートも用意されているので、そのテンプレートの項目をアレンジするだけで顧客リストを作成できます。
システム開発と聞くと難しく感じるかもしれませんが、Notionはテンプレートを使用することで、思ったよりもアレンジが簡単なのが特徴です。
4.NotionでCRM開発をするデメリット
Notionは安価にオリジナルのCRM開発をできるのが利点ですが、一方でデメリットも3つあります。
- 操作がやや難しい
- カバーできる領域が競合CRMツールと比べると狭い
- サポートの充実度が低い
有料プランを契約してから後悔しても費用は戻ってこないので、事前にデメリットを把握して、自社が求めるCRMが作れるか確認しておきましょう。
(1)操作がやや難しい
Notionはテンプレートの使用により比較的簡単にCRM開発ができますが、それでも操作が難しいと感じる方もいるでしょう。
Notionの編集は「ブロック」と呼ばれる特殊な入力フォームを使うのですが、エクセルなどと使い勝手が全く違うためです。
また、実際に使用してみて「パソコンが苦手な人には操作が難しい」という声もあります。
NotionはITに慣れていない人には操作が難しく感じたり、使い勝手が悪い場合があるので、事前にフリープランで操作性を確かめてから導入を決定するのが望ましいでしょう。
(2)カバーできる領域が競合CRMツールと比べると狭い
Notionは元々データベースなので、顧客関係管理ツールほど対応できる領域が広くはありません。
顧客リストの作成や管理はできますが、マーケティングの自動化などを望む場合は他のツールとの連携が必要となります。
例として、オリジナルアプリ開発ができる「kintone(キントーン)」と比較してみましょう。
kintoneは営業ログや日報提出などを自動化できるワークフロー機能がついていますが、Notionの場合はワークフロープランは最上位プランにしかついていません。
Notionは顧客管理リストの作成や保存には向いていますが、本格的な顧客関係管理や業務の自動化を考えると、機能面が不足しているといえるでしょう。
(3)サポートの充実度が低い
Notionは一般的なCRMと比べて、サポートの充実度が低い点もデメリットです。
無料プランはサポートがついておらず、専任担当者によるサポートは最上位のエンタープライズプランにしか適用されません。
ヘルプデスクなどもないため、操作に不明点がある場合などに問題解決が遅れる可能性があります。
他のCRMと比べてサポートが充実していないため、初めてCRMを導入する方には不安材料になるでしょう。
5.NotionでCRMを開発する方法
NotionでCRMを作る方法は以下の2つです。
- 顧客管理テンプレートの利用
- 1からアプリケーションを組み合わせる
自作のCRMを作ってみたい方は、Notionでオリジナルのツールを作ってみましょう。
(1)顧客管理テンプレートの利用
NotionでCRMを作るなら、顧客管理テンプレートを利用するのがおすすめです。
様々なユーザーが作った顧客管理に使えるテンプレートが公開されており、ダウンロードするだけで顧客管理を始められます。
ほとんどのテンプレートは無料で利用可能なので、費用もかかりません。
(2)1からアプリケーションを組み合わせる
Notionで必要なアプリケーションを組み合わせて、1からCRMを作る方法もあります。
比較的簡単にアプリケーションは作れますが、テンプレートを活用した方が圧倒的に使いやすいです。
自作したい方のために、簡単に作り方を紹介します。
- データベースの新規作成
- データベースの形式「Table」を選択
- 項目の設定
- 顧客情報の入力
まずNotionで顧客管理リストを作るには、データベースの新規作成が必要です。
画面右上にある「+」マークを押して、データベースを新規作成しましょう。
その後、データベースの形式を「Table」に設定し、必要な項目を手入力します。
項目の設定が完了したら、項目に合わせて顧客情報を入力してリスト作成が完了です。
なお、すでに顧客リストが完成している場合はCSVにて作成したデータベースへ取り込むことができます。
6.おすすめのCRMツール
Notionは安価かつ手軽に自社専用のCRMを作れる点がメリットですが、PCスキルがない方や業務のオートメーションまで実施したい場合は、他のCRMツールを導入するのがおすすめです。
- kintone(キントーン)
- HubSpot CRM
- Zoho CRM
- GENIEE SFA/CRM
- FlexCRM
比較的安価に利用できるCRMを5つ選定したので、ぜひCRM選びの参考にしてください。
また、ほかのCRMツールについては、以下の記事が参考になります。
(1)kintone(キントーン)
kintone(キントーン)は、Notionと同様にさまざまな機能を組み合わせてオリジナルのCRMを作れるプラットフォームです。
サンプルパッケージという業務アプリのテンプレートを使えば、簡単にCRMを使い始められます。
連携できるアプリは200以上で、必要なアプリを追加するだけで業務アプリを拡張できるのも便利です。
kintoneは国産アプリのため、サポートも日本語で豊富な動画マニュアル、ヘルプデスクなども利用できるのも嬉しいポイントです。
Notionのように業務アプリを安価に開発できるkintoneの概要や機能については、以下の記事をご覧ください。
(2)HubSpot CRM
HubSpot CRMは世界的にシェアの高いCRMで、顧客関係管理に必要な機能が充実しています。
顧客リストの管理はもちろん、メールやSNS、Webフォームなど顧客の問い合わせを統合管理し、さらに広告キャンペーンの管理も可能です。
最先端のAIを使った業務へのアドバイス機能も搭載しているので、よりデータ先行の顧客関係管理をしたい方におすすめです。
さらにHubSpot CRMは顧客関係管理機能を無料で利用できます。
Notionよりも機能が豊富で、すでに完成したCRMを使ってみたい方は、ぜひ利用してみましょう。
HubSpot CRMについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
(3)Zoho CRM
Zoho CRMはインドで開発されたCRMで、営業支援と顧客関係管理を1つのツールで管理できます。
月額1,680円から利用できる価格設定、連携できる機能が豊富な拡張性の高さで利用しやすいCRMツールです。
各種SNSやLINE、メッセージなどマルチチャネルをZoho CRM上に連携でき、素早く顧客の問い合わせに対応できます。
また、ゲーミフィケーションという業務のモチベーションを上げる仕組みを採用するなど、ユニークな機能も持ち合わせています。
Zoho CRMの機能や料金について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
(4)GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMは、純国産で日本人にとっての使いやすさを追求したCRMツールです。
ITツールに不慣れな社員でも使いこなせるようシンプルな画面で、直感的に操作できるのが特徴です。
顧客管理はもちろん商談プロセスの管理、名刺管理やタスク管理など営業部門とカスタマー部門を連携させる機能が実装されています。
さらにOffice365やチャット機能などとも連携ができるなど、拡張性も高く自社フローを大きく変えずに運用できます。
(5)FlexCRM
FlexCRMとは、Notionと同じく必要な機能だけを追加して導入できるCRMです。
さまざまな業務アプリの中から、業態や会社のフローに合わせて必要な機能のみをカスタマイズして導入できます。
また、使いやすさを最優先に考えられたデザインで、無駄なクリックがなく短期間で操作を習得できるようにデザインされているのも特徴です。
スタンダードプランは月額1,200円からとNotionの有料プランとほぼ同額で利用できるので、コストを抑えたい企業にもおすすめのCRMです。
まとめ
Notionはさまざまな業務アプリケーションを組み合わせて、自社オリジナルのCRMを作れるプラットフォームです。
自社に必要な機能だけを搭載したCRMを製作でき、なおかつ有料プランでも月額1,275円(2024年6月25日時点)から利用できます。
ただし、Notionの操作はPCに慣れている人向きであり、ITに詳しい人員がいない場合は業務アプリ開発が難しいかもしれません。
その場合は記事で紹介した、Notionと同じようにシンプルに利用できるCRMを利用してみてください。