Shopifyと連携できるCRMツールとは?独自の顧客管理機能も紹介
「Shopifyでのショップ運営には、別でCRMを入れる必要があるだろうか?」
「より集客に力を入れたいので、Shopifyと連携させて使えるCRMツールが知りたい」
Shopifyにはデフォルトで顧客関係管理機能が実装されていますが、詳細な分析やマルチチャネルへの対応はしていません。
ショップ運営をより効率化するために、CRMツールをお探しの方もいるでしょう。
この記事ではShopifyのデフォルトのCRM機能、ShopifyでCRM施策を実施するメリット、連携させて使えるおすすめのCRMツールを紹介しています。
最後まで読めばShopifyのショップを利用する顧客との関係を深め、リピーターを造成する方法がわかるでしょう。
1.Shopifyに搭載されているCRM機能
Shopifyとは、手軽にECサイトを開設・運営できるプラットフォームです。
ShopifyはECサイトの開設や運営だけでなく、以下のような顧客管理機能も備えておりCRMを実施できます。
- 顧客情報の管理
- 顧客のセグメント分け
- 検索
- Q&Aの作成
- メールマガジンの配信
- 購入特典の付与
これからShopifyでECサイト運営を始める方は、デフォルトのCRM機能が十分かどうかも確認しておきましょう。
(1)顧客情報の管理
Shopifyで顧客情報の管理が可能です。
過去に自分のショップで買い物をした顧客はリスト化され、いつでも閲覧できます。
過去の購入履歴などが一覧化されており、複数回購入してくれているロイヤリティの高い顧客を見極めるのも簡単です。
顧客の氏名や連絡先だけでなく、商品の購入履歴などの詳細な情報を収集・管理できることが大きな特徴と言えます。
(2)顧客のセグメント分け
Shopifyの顧客リストは、任意の項目によりセグメント分けできます。
複数回ショップを利用しているリピーター、またカゴ落ちなど項目別に顧客リストの閲覧が可能です。
さらに、顧客タグを独自に設定して自社が分類したい項目別に顧客一覧を確認することもできます。
このようなセグメント分けによって、アプローチを行うべき顧客の優先順位やタイミングなどを設計することが可能です。
たとえば、複数回利用している顧客に対しては、類似商品・サービスの紹介を行うことで、成約率の向上を目指せます。
効果的な施策の立案・実行を行うためには、顧客属性やニーズに応じて細かなセグメント分けを行い、対象の絞り込みを行うことが不可欠です。
そのため、詳細な顧客情報の収集・管理を行うことがおすすめです。
(3)検索
Shopifyは顧客の情報を簡単に検索できます。
検索画面に顧客の氏名や情報を入れるだけで、顧客の情報を抜き出すことが可能です。
メールなどで問い合わせが入った顧客の購買履歴を確認して対応するなど、顧客の履歴に沿った対応をする際に便利です。
(4)Q&Aの作成
Shopifyは、顧客向けにQ&Aの作成が可能です。
ECサイトにおいて顧客が不安や疑問を感じやすい項目をQ&Aにしておけば、問い合わせ対応の手間を省けるだけでなく、顧客もストレスなくすぐに不安や疑問を解消できます。
例えば、送料や発送日について、またプレゼント包装が可能かどうかなど、顧客から問い合わせが多い項目をQ&Aにまとめておくと良いでしょう。
あらかじめQ&Aを作成しておくことで、顧客対応の質を向上することにもつながります。
また、顧客の信頼度や満足度を高めて商品・サービスのリピート購入や利用につなげることもできるため、売り上げや収益の拡大も期待できるでしょう。
(5)メールマガジンの配信
Shopifyの管理画面から、メールマガジンの配信が可能です。
セール情報や新商品の入荷のお知らせなどを、メーラーを立ち上げることなくメールマガジンを配信できます。
また、メール配信は自動化できるため、配信の手間や業務コストを削減することにもつながります。
配信する顧客をセグメント分けすることで、配信対象を絞り込んだり顧客の属性に合わせて配信内容を変えたり、様々な工夫を施せます。
ショップを利用してくれている顧客とコミュニケーションをとる事で、リピート購入を促せる便利な機能です。
なお、メール配信を用いたマーケティングの施策については、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。
(6)購入特典の付与
Shopifyは、顧客に対しての購入特典の付与機能も実装しています。
特定の条件を満たした顧客に対してディスカウントを提供したり、クーポンを発行できます。
クーポンやディスカウントのために、当初購入予定だった商品以外のものも買ってくれるかもしれません。
また、クーポン経由で自社商品・サービスの認知度を向上させる効果も期待できます。
そのため、クーポンやディスカウント情報を通じて、商品・サービスの興味や購買意欲を醸成し、成約につなげることも可能です。
もっとも、そのような施策を目指す場合には明確な戦略設計が必要です。
顧客とのコミュニケーション設計の重要性と手順については、以下の記事が参考になります。
2.Shopifyに搭載されているCRM施策に不足している点
Shopifyに搭載されて入れているCRM機能に不足している点は2つあります。
- クロス集計
- データ分析機能
Shopifyで高度な分析ができない点は大きなデメリットといえるでしょう。
具体的に不足している機能について解説します。
(1)クロス集計機能
Shopifyにはクロス集計機能が実装されていません。
クロス集計とは2つ以上の項目を掛け合わせて、その結果を分析する手法です。
たとえば、性別や年齢と満足度の掛け合わせによる分析などが挙げられます。
これによって、調査結果が可視化され、大量のデータを短時間で把握することができるなどのメリットがあります。
マーケティングにおいてよく使われる集計方法ですが、Shopifyにはクロス集計機能がついていません。
そのため、クロス集計を実施したい場合は別のCRMを使用するか、自分でクロス集計表を作って分析する必要があります。
(2)データ分析機能
Shopifyは顧客管理には長けていますが、データ分析機能が搭載されていません。
セグメント分けしたデータから自分で傾向を絞り込むことはできますが、自動的に顧客のリピート率の集計をとってグラフ化する機能はない点に注意しましょう。
顧客数が少ないうちは自身でデータ分析できますが、顧客数が増えると分析に不足を感じる可能性があります。
Shopifyで数多くの顧客を抱えている場合や、より高度な分析がしたい場合は、CRMツールを連携させて分析に利用しましょう。
なお、CRMツールとの連携方法やメリットについては、以下の記事も参照ください。
3.ShopifyでCRM施策を実施するメリット
ShopifyでCRM施策を実施すると、以下の3つのメリットが得られます。
- 顧客を囲い込みリピーターにできる
- 顧客の分析結果をマーケティング施策に活かせる
- 良好なコミュニケーションを通じたロイヤルカスタマーの創出
CRM施策はECサイト運営において、顧客との接点を作りショップを長く愛用してもらうために必要です。
1つずつShopifyでのCRM施策のメリットを解説します。
(1)顧客を囲い込みリピーターにできる
ShopifyでCRM施策を実施すれば、顧客を囲い込み、ショップのリピーターに育成できます。
ECサイトをよく利用するユーザーは特定のECサイトではなく、複数のECサイトを使い分けている場合がほとんどです。
他のサイトでも気軽に商品が買える以上、顧客と適切なコミュニケーションを取り、「このショップで買いたい」と思ってもらう必要があります。
CRM施策で顧客が欲しい商品をレコメンドしたり、タイミングよくクーポンを配信するなどにより、顧客にリピート購入を促す効果があるでしょう。
(2)顧客の分析結果をマーケティング施策に活かせる
ShopifyとCRMツールを連携して顧客の傾向を分析すれば、その結果をマーケティング施策に活かせます。
顧客の属性を分析すれば、ショップを利用する年齢層や顧客の居住地などが見えてきて、どのサイトにWeb広告を打てば良いか分かるでしょう。
また、顧客に好評な商品の傾向をつかめば、次回以降の商品の仕入れや開発の役に立ちます。
顧客ニーズに合わせた最適な商品の開発や在庫の管理が可能になるため、コスト削減や業務の効率化が期待できます。
(3)良好なコミュニケーションを通じたロイヤルカスタマーの創出
Shopifyの顧客に対してCRM施策を実施すれば、良好なコミュニケーションを通じてロイヤルカスタマーを創出できます。
良好なコミュニケーションとは、Shopify上で一括配信できるメールマガジンではなく、よりパーソナライズされた内容のメールなどを意味します。
例えば、リピーターに対しての感謝とクーポンをセットで送る、また顧客の購買履歴から好みに合った新商品をレコメンドするのもパーソナライズされたコミュニケーションの1つです。
上記のように顧客の好みを反映したコミュニケーションには、CRMツールでの分析が欠かせません。
顧客の属性やニーズに合わせた適切なコミュニケーションを図ることで、顧客の満足度や信頼度を高め、自社の商品・サービスに愛着を持ってもらえます。
企業のブランドやイメージの向上を図ることができれば、顧客は常に自社の商品・サービスを購入・利用することになり、安定的な収益や売り上げを見込むことができます。
このように、顧客を自社のロイヤルカスタマーとすることで、安定的な売上やさらなる顧客の増加につなげることができるのです。
4.Shopifyを運用するならCRMツールとの連携がおすすめ
ShopifyでECサイトを運営するなら、CRMツールと連携することをおすすめします。
- Shopifyに不足している分析やクロス集計機能が利用できる
- マルチチャネルに対応し顧客とのコミュニケーションが取れる
- 各種マーケティングをCRMツールで統合管理できる
Shopify運営とCRMツールの連携による効果を説明します。
(1)Shopifyに不足している分析やクロス集計機能が利用できる
ShopifyとCRMツールを連携すれば、高度な分析やクロス集計機能が利用できます。
顧客にアンケートをとって属性と掛け合わせて好みを判断したり、顧客の購買履歴から仕入れる商品を決めるなどの分析が可能です。
CRMツールには自動で顧客の傾向を分析してダッシュボードに情報を表示してくれるツールもあります。
自分で分析をする手間を省き、自動でShopifyの顧客の全体像を可視化してくれるので非常に便利です。
(2)マルチチャネルに対応し顧客とコミュニケーションが取れる
ShopifyとCRMツールの連携により、マルチチャネルの顧客とのコミュニケーションを統合管理できます。
問い合わせ元がSNSやShopifyのフォーム、メールやLINEと分散している場合、顧客への問い合わせが漏れたり、情報が分散してしまいます。
しかし、CRMツールならあらゆる連絡ツールを統合管理でき、プラットフォーム上で返信できるため、対応漏れがありません。
また、チャネルごとに顧客の傾向やニーズを分析・把握することもできます。
そのため、各チャネルに応じた適切な施策やアプローチ手法を検討することにも有益です。
(3)各種マーケティングをCRMツールで統合管理できる
ShopifyとCRMツールの連携により、実施しているマーケティングを管理するのも楽になります。
CRMツールには、キャンペーンやマーケティングを統合管理して、効果測定を自動で実施してくれる機能が実装されているからです。
例えば、Web広告やSNS広告などを1つのプラットフォーム上で管理でき、またその効果も計測してくれます。
あらゆるマーケティングを1つのツールで管理できるので、管理も効率的かつ効果を見ながら適切なマーケティング施策が行えるでしょう。
5.Shopifyと連携して利用できるCRMツール5選
Shopifyと連携して使えるおすすめのCRMツールを5つ紹介します。
- HubSpot CRM
- CRM plus on LINE
- MOTENASU
- Shopify Inbox
- Shopify Flow
Shopifyと連携させて、より高度な分析を実施することで、リピーターの育成や利益拡大につながります。
1つずつツールの概要を説明します。
(1)HubSpot CRM
HubSpot CRMは、無料で顧客関係管理の機能を使えるCRMです。
顧客管理やSNS、メールなどマルチチャネルの連絡先の統合機能により、顧客とのコミュニケーションの質を向上させます。
顧客からの問い合わせ対応の負担を軽減するためのWebチャット、顧客満足度を計測するためのアンケートの配信も可能です。
無料から利用できるので、まずはCRMをShopifyと連携して効果を試したい方におすすめです。
また、以下の記事でも基本機能や特徴について詳しく取り上げていますので、合わせてご覧ください。
(2)CRM plus on LINE
CRM plus on LINEは、ShopifyとLINEを連携させて使えるCRMです。
Shopify上でカゴ落ちした商品の通知を顧客のLINEへ配信したり、セグメント配信や再入荷通知の送信など、きめ細かなコミュニケーションを実施できます。
無料で100名までの顧客のLINE IDを管理できるので、まだShopify運営を始めたばかりならフリープランでも十分活用できるはずです。
顧客とのコミュニケーションをLINEでとっている企業にに特におすすめのCRMです。
CRMとLINEの連携については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
(3)MOTENASU
MOTENASUはShopifyを運営している法人向けに作られたCRMです。
販売後のアフターフォローに長けており、顧客リストを利用してオンラインで顧客のニーズに寄り添った接客ができます。
顧客の自社への関心度を分析して良質なリードを見分けたり、メールマガジンやSMS、DM配信などのサポート機能も搭載しています。
初期費用は無料で、10,000件までのリードの管理の場合は月額29,800円から利用可能です。
Shopify運営を効率化したい企業の方は利用を検討してみましょう。
(4)Shopify Inbox
Shopify Inboxは、Shopifyが提供している公式のチャットアプリで、より顧客ときめ細かいコミュニケーションを取るために開発されました。
顧客へクーポンコードを発行したり、メッセージの中で売り上げにつながるものを自動で振り分けるなど、高度なCRM機能を有しています。
さらに、自動配信メッセージの設定も柔軟にでき、顧客を待たせずに問い合わせへの対応が可能です。
(5)Shopify Flow
Shopify Flowは、Shopify上で実施する定型業務をワークフロー化できるツールです。
コーディング不要でECサイトの運営業務を自動化できるので、ショップ運営に使っていた時間を短縮できます。
例えば、顧客の累計購入数を計測して一定基準を超えた顧客を追跡し、特典を付与するなどの業務を自動で実施します。
また、在庫が不足しそうな場合に自動で通知を出すなど、手動で実施していた業務を自動化するのに役立ちます。
まとめ
Shopifyでのショップ運営には、顧客との良質なコミュニケーションによる顧客育成が欠かせません。
ライバルとなるショップよりも、自分が運営するショップを選んでもらうために、顧客のニーズをより深掘りして欲しい情報や商品を与える必要があります。
そのためには、Shopifyと連携して使えるCRMツールを導入しましょう。
記事で紹介したCRMツールは、Shopifyとの連携性に優れ、ECサイト運営に強みをもつツールです。
Shopify運営をより活性化したいなら、ぜひCRMを取り入れて顧客から何度も利用されるショップを目指しましょう。