Instagramマーケティングとは?戦略の立て方や企業事例を解説


「InstagramはSNSマーケティングに向いてる?」
「インスタ運用を成功させて、自社の商品・サービスの認知度や売上を向上させたい」
「企業の運用事例や成功させるためのポイントについて知りたい」
企業の経営者やマーケティング担当者の中にはこのような疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
SNSが普及する中、多くの企業がInstagramの運用を始めています。
国内で約6,600万人が利用しているInstagramは、日本最大のソーシャルメディアの1つで、人々の購買行動にも大きな影響を与えています。
自社ブランディングや商品の認知度拡大が期待できるInstagramマーケティングですが、闇雲に運用をしても成果にはつながりません。
押さえるべきポイントやInstagramのアルゴリズムを理解したうえで利用することによって、初めて運用の効果を引き出すことができます。
この記事では、Instagramマーケティングの具体的な手法やメリット・デメリット、企業の成功事例などを網羅的に解説します。
1.Instagramマーケティングとは
Instagramマーケティングとは、企業がブランド力を高めたり、商品の認知度を向上させたりするために、Instagramを活用してプロモーションを行う手法です。
日本では2014年にInstagramの日本語版が登場して以来、利用者が着実に増加し、2023年には国内のユーザー数が6,600万人に達しました。
特に若年層の利用率が高く、10代の72.9%、20代の78.8%がInstagramを利用しています(総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」より)。
2017年頃には「インスタ映え」という言葉が流行し、視覚的に魅力的なスイーツやファッションなどに関する画像の投稿が急増しました。
また、Google検索(ググる)に代わり、Instagramのハッシュタグ検索(タグる)で情報収集を行う文化が若者の間で根付いています。
こうした背景から、多くの企業が魅力的なコンテンツを活用したInstagramマーケティングに注力しており、商品やブランドの魅力を最大限に引き出す施策が広がっています。
SNSを活用したマーケティングについて、詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
2.Instagramマーケティングの手法
Instagramを活用したマーケティングには様々な手法があります。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- アカウント運用
- Instagram広告\
- キャンペーン
- インフルエンサー施策
それぞれの概要や特徴について見ていきましょう。
(1)アカウント運用
Instagramマーケティングを行う上で、自社アカウントの運用は重要です。
アカウントを効果的に運用することで、ブランドの認知度を高め、ユーザーにその魅力を深く理解してもらうことができます。
投稿を行う際は、単に商品やサービスをアピールするだけでなく、ブランドの世界観が伝わるように統一感のある内容にすることが重要です。
また、継続的に投稿を行い、魅力的なコンテンツを発信し続けることで、ブランドイメージが確立され、投稿に対するユーザーの反応が増えるとともに、企業のファンも増加していくでしょう。
さらに、Instagramには24時間で投稿が消える「ストーリーズ」や、特定の投稿をまとめて表示できる「まとめ機能」など、ユーザーとの関係を深めるための便利な機能が備わっています。
こうした機能を活用することで、フォロワーとのエンゲージメントを高めることが可能です。
なお、Instagramをビジネスで活用する場合は、アクセス解析や問い合わせリンクの設置などができる「ビジネスアカウント」への切り替えがおすすめです。
ビジネスアカウントを活用することで、マーケティング効果をより高めることができます。
(2)Instagram広告
Instagramのアカウントをビジネスアカウントに設定すると、Instagram広告を利用できるようになります。
Instagram広告は、フォロワー以外のユーザーにもアプローチできる広告配信サービスで、より広範囲のターゲットに自社の商品やブランドを訴求することが可能です。
Instagramの親会社であるMeta社が運営するFacebookの広告データを活用することができるため、ターゲットの属性や興味・関心などを細かく設定して広告を配信することが可能です。
さらに、Facebookと連携することで、InstagramだけでなくFacebook上にも広告を掲載することができます。
また、Instagram広告には、様々なフォーマットが用意されています。
例えば、画像とテキストで構成された「画像広告」や、動画を活用した「動画広告」、ユーザーのストーリーズ投稿の間に表示される「ストーリー広告」などがあります。
さらに、複数の画像や動画を組み合わせた広告を活用すれば、商品を効果的にPRするだけでなく、ブランドの世界観を伝えることにも役立ちます。
(3)キャンペーン
Instagramアカウントを使ったキャンペーンは、Instagramマーケティングにおける代表的な施策の1つです。
「自社のアカウントをフォロー」や「ハッシュタグをつけて投稿」などの条件を満たしたアカウントにプレゼントを提供するキャンペーンは、企業の公式アカウントがあれば手軽に実施できます。
なお、キャンペーンの効果を最大化するためには、より多くのユーザーが参加したくなるようなハッシュタグを設定することが重要です。
また、投稿時に自社アカウントをメンションすることを応募条件に加えることで、投稿を見た他のユーザーがアカウントを訪れるきっかけを作ることができます。
キャンペーンを通じて自社とユーザーの接点を増やし、ブランドの認知度やフォロワーの獲得につなげることが可能です。
(4)インフルエンサー施策
Instagramには、多くのフォロワーを持ち、購買行動に大きな影響を与えるインフルエンサーが存在します。
こうしたインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」の活用が広がっています。
インフルエンサーの多くは特定のジャンルに特化して活動しており、その分野に関心の高いフォロワーを多く抱えています。
特に著名なインフルエンサーは、熱心なファンや専門的な情報を求めるフォロワーを抱えており、1回の投稿で数十万人以上にリーチできる強い拡散力を持っています。
企業アカウントだけではリーチが難しい層にアプローチできるのに加え、インフルエンサーの専門知識を活かした魅力的なPRが可能です。
また、Instagramの特性を熟知しているため、ビジュアルを重視した効果的な訴求が期待できます。
なお、Instagramには「タイアップ投稿(ブランドコンテンツ)」という機能があり、インフルエンサーとブランドの関係性を明示できるラベルが用意されています。
マーケティング施策としてインフルエンサーを起用する際は、透明性を確保するためにも、この機能を活用し、適切に関係性を明示した投稿を行うようにしましょう。
3.Instagramマーケティングに向いている企業・商材
Instagramマーケティングは、商材によって向き不向きがあります。
ここでは、Instagramマーケティングに向いている企業や商材の特徴について解説します。
- 有形商材を取り扱っている
- BtoC向けの商品である
- 若年層がメイン顧客である
順に見ていきましょう。
(1)有形商材を取り扱っている
Instagramは画像や動画など視覚的な要素が重要になります。
そのため、実際に撮影できる「有形商品」の場合、ユーザーが商品を紹介する口コミ投稿(UGC:User Generated Content)が生まれやすく、企業側も視覚的なコンテンツを制作しやすいなど、エンゲージメントを高めやすい傾向にあります。
一方で、仲介サービスや金融商品などの「無形商材」は視覚的に表現するのが難しいため、ユーザーによる自然な口コミ投稿が集まりにくい傾向があるため、Instagramとの相性があまり良くないケースがあります。
無形商材を扱う企業がInstagramを活用する場合は、図解やストーリーズ、インフルエンサーとのコラボレーションなど、視覚的に伝わりやすい工夫が求められます。
(2)BtoC向けの商品である
BtoBサービスは、SNS上でUGCが生まれにくいため、Instagramとの相性はあまり良くありません。
上述したように、Instagramはビジュアルコンテンツが中心のSNSであり、ビジネス関連のコミュニティは比較的小規模であるため、BtoBサービスのプロモーションには向いていない傾向があります。
特に、製品の使用感や体験を視覚的に伝えることが難しいサービス業やソリューション系のBtoB企業にとっては、Instagramの活用は慎重に検討する必要があります。
反対に、一般消費者向けのBtoCサービスでは、商品を実際に手に取るユーザーが多く、UGCが発生しやすいため、視覚的なコンテンツによる訴求を効果的に行うことができます。
(3)若年層がメイン顧客である
若年層を主要なターゲットとする企業にとって、Instagramマーケティングは非常に効果的です。
前述のとおり、Instagramの利用率は10~20代で70%以上、30〜40代でも50%を超えており、比較的若い世代のユーザーが多いことが特徴です。
そのため、10〜40代を対象としたブランドの認知度向上を目的とする場合、Instagramは最適なマーケティングプラットフォームの1つと言えます。
一方で、高齢者向けのサービスや商品を扱う企業にとっては、Instagramのユーザー層と合致しにくいため、あまり適していない可能性があります。
比較的高い年齢層がターゲットユーザーの場合は、ターゲット層が多く利用する別のメディアやプラットフォームの活用を検討した方が、より高い効果を得ることができるでしょう。
4.Instagramマーケティングのメリット
Instagramマーケティングを行うことで、様々なメリットを得ることができます。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 視覚的に商品・サービスをアピールできる
- ユーザーに購入を促しやすい
- ブランディングに活かすことができる
自社が展開したい商品やサービスと照らし合わせ、Instagramを有効活用しましょう。
それぞれについて解説します。
(1)視覚的に商品・サービスをアピールできる
画像や動画などで商品・サービスを視覚的にアピールできるのがInstagramを活用する大きなメリットです。
Instagramの投稿では、1回の投稿につき最大20点の画像や動画を添付できます。
ただし、必ずしも上限まで投稿する必要はありません。
一般的には、3〜5枚程度の投稿が効果的とされており、コンテンツの目的や内容に応じて適切な枚数を選ぶことが大切です。
また、投稿の1枚目に表示される画像や動画は非常に重要なポイントです。
1枚目が魅力的であれば、ユーザーは続きの画像や動画にも興味を持ち、投稿を最後まで見てくれる可能性が高まります。
商品の使用シーンやサービスを体験している様子を含めることで、ユーザーに具体的な利用イメージを持たせやすくなり、購買意欲の向上が期待できるでしょう。
(2)ユーザーに購入を促しやすい
Instagramのビジネスアカウントでは、画像や動画につけられたタグからユーザーをECサイトへ誘導する「ショッピング機能」を活用することができます。
他のSNSでは、商品ページにアクセスするまでに複数のステップを踏む必要があり、その間にユーザーの購入意欲が薄れてしまい、機会損失につながることがあります。
一方、Instagramのショッピング機能では、投稿内のタグをタップするだけで、ユーザーをスムーズにECサイトへ誘導することが可能です。
また、この機能を活用することで、ネットショップにありがちな複雑な購入導線を避けられ、ユーザーは自然な流れで商品ページにアクセスできます。
さらに、広告のような強制的なプロモーションではなく、投稿を閲覧している中で自然に商品情報を得られるため、興味を持ったユーザーがそのまま購入につながる可能性が高まります。
(3)ブランディングに活かすことができる
Instagramマーケティングは、ブランドの認知度向上やイメージ作りに非常に効果的です。
ビジュアル中心のSNSであるため、統一感のあるコンテンツを投稿することで、ブランドイメージを確立できます。
例えば、特定のカラーやスタイルを一貫して使用することで、ユーザーに企業イメージを定着させることができるでしょう。
また、ユーザーからの口コミやUGCを取り入れることで、信頼感や親近感を高めることも可能です。
5.Instagramマーケティングのデメリット
Instagramマーケティングには、上記で見たようなメリットがある一方で、デメリットも少なからずあります。
具体的には、以下の通りです。
- 運用リソースの確保が必要
- 成果が出るまでに時間がかかる
運用を開始する前にデメリットについても把握しておくことが大切です。
(1)運用リソースの確保が必要
Instagramは画像や動画がなければ投稿できません。
投稿を行うためには、画像や動画の制作が必須であり、他の投稿の中に埋もれないためには、目を引く内容にするだけの工夫や手間をかける必要があります。
また、投稿を行って終わりでなく、リーチ数やインプレッション数などアクセスの解析も不可欠です。
しかし、自社のリソースが不足している場合、担当者の負担が大きくなり、運用が難しくなります。
そのため、Instagramマーケティングを始める際は、事前にどれくらいのリソースが必要になるのかを考える必要があります。
自社だけでは対応が難しいと判断したときは、他のマーケティング手法を採用するか代行会社への依頼を検討しましょう。
SNSマーケティングを支援する企業について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
(2)成果が出るまでに時間がかかる
Instagramマーケティングは、すぐに成果が出るわけではなく、長期的な取り組みが求められます。
特にブランドの認知度向上やファンの獲得を目指す場合、結果が現れるまでに時間がかかることを理解しておきましょう。
Instagramはビジュアルを重視するSNSであり、コンテンツのクオリティや統一感が大切です。
これらを意識した投稿を続けることで、フォロワーとの信頼関係が築かれ、徐々にエンゲージメントが増えていきます。
また、投稿頻度やタイミング、エンゲージメントの質などにも気を配る必要があります。
これらの要素を調整しながら運用を続けることで、時間をかけて確実にブランドの認知度を高め、最終的な成果に結びつけていくことが可能です。
6.Instagramマーケティングを成功に導くポイント
Instagramは効果的なマーケティング手法の1つですが、闇雲に運用しても望むような成果を得ることができません。
成果を得るためにはいくつか押さえておくべきポイントがあります。
具体的には、以下の流れで戦略設計を進めましょう。
- 競合調査・ロールモデルの設定
- 目的・ターゲットの明確化
- KPIの設定
それぞれ解説します。
(1)競合調査・ロールモデルの設定
まずは自社の競合企業がどのような運用をしているかチェックします。
調査の際に注目すべきポイントは、以下の4つです。
- 認知拡大の手法
- 投稿方法
- ハッシュタグの種類
- 導線の設定方法
競合調査では、成果が出ていそうなアカウントを調査します。
具体的には、フォロワー数が多く、エンゲージメントが高いアカウントをチェックすることで、成功している戦略を学び、自社のゴール達成の参考にすることが可能です。
調査によって、いくつかの成功したアカウントをリストアップした後は、そこからロールモデルを選ぶと良いでしょう。
模範となるアカウントを設定しておくことで、その運用方法を参考にしながら効率的にInstagramマーケティングを進めることが可能です。
(2)目的・ターゲットの明確化
Instagramマーケティングを成功させるためには、他のマーケティング施策と同様に、目的をしっかりと定めることが重要です。
具体的には、商品の販売や訴求を目指す場合、商品の魅力を伝えるために統一感のある商品紹介の投稿を中心に行うのが効果的です。
さらに、ターゲットを明確に設定することも欠かせません。
例えば、20代の女性と40代の男性では、同じ商品を紹介する場合でも、アプローチ方法や訴求ポイントが大きく異なります。
Instagramを活用する際には、自社がどのような層とつながりたいのか、そのターゲット層をしっかりと定めることが大切です。
(3)KPIの設定
Instagramを運用するにあたり、最終的な目標を達成するための指標となるKPIを設定することが重要です。
Instagramマーケティングで一般的に用いられるKPIは、以下のようなものです。
- フォロワーの増加率/増加数
- 投稿に対するイイね率/イイね数
- 自社関連のハッシュタグ増加率/増加数
- Instagram経由での外部サイト流入率/流入数
漠然と目標を追っても、運用における改善点を見つけることは困難です。
達成したい目標に対して適切なKPIを設定することで、その達成度を定量的に評価できるようになります。
数字で進捗を確認し、運用が想定通りに進んでいるかを定期的に検証することが、効果的なInstagram運用につながります。
7.Instagramマーケティングの成功事例3選
Instagramマーケティングで成果を出した企業を紹介します。
- DAISO
- チェックイン
- 古着女子
順に見ていきましょう。
(1)DAISO
株式会社大創産業が運営するダイソーの公式Instagramでは、シーズンに応じた自社商品の投稿をしています。
サムネイル画像には、商品の概要がタイトルとして記載されており、見るだけで紹介されている商品がすぐに分かるようになっています。
また、投稿の本文は簡潔ながらも商品の詳細な説明が記載されており、「安価で高品質な商品を提供する」というブランドイメージの確立につながっています。
(2)チェックイン
チェックインは、全国のホテルを紹介するアカウントで、フィード投稿のトーンやマナー(トンマナ)を統一することで他アカウントと差別化しています。
フォントや画像の色調を統一することにより、独自の世界観が形成され、投稿を見るだけで「あのアカウントだ」とすぐに認識できるほど、トンマナが完璧に整っています。
また、投稿には文字を多めに使用しており、ユーザーが内容をじっくり読んで滞在する時間を長くすることで、エンゲージメントを向上させる工夫も施されています。
(3)古着女子
古着女子は、インフルエンサーを活用して古着を紹介するアカウントです。
インフルエンサーと協力することで、その人が持つ影響力や発信力を活かし、ブランドの認知度を高めています。
また、インフルエンサーのコンテンツはInstagramのアルゴリズムによって拡散されやすいため、ターゲットとする不特定多数のユーザーに対して、効果的にリーチを広げることが可能です。
まとめ
Instagramマーケティングは、様々な企業が導入できるSNSマーケティングです。
Instagramの活用は、費用をあまりかけずに認知度や売上の向上を図ることができるため、自社のマーケティングに大いに役立ちます。
しかし、Instagramの運用に正解はありません。
また、業界・業種ごとに最適な運用方法は異なります。
今回ご紹介した成功事例や運用のポイントだけでなく、自社と同じ業界の会社や似ている形態の会社のアカウントを参考に、自社がどのようにInstagramを運用していくべきかを考えましょう。
Instagramマーケティングについて相談したい方は、TMS Partners株式会社へ問い合わせください。
TMS Partners株式会社は、Instagramマーケティングをはじめ、サイト制作や広告運用など、幅広い支援を行っています。
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