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CRMマーケティングが求められる5つの理由とは?実施メリットや具体的事例

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TMS編集部

「CRMマーケティングとは?」
「CRMマーケティングに取り組んでみたいが、具体的な施策がよく分からない」

インターネットの発達により、購買経路や顧客の意思決定プロセスが多様化した現在、さまざまな企業がCRMマーケティングを取り入れています。

しかし、CRMの基礎的な考え方や具体的な施策が分からず、実行に至っていない企業も多いでしょう。

この記事では、CRMマーケティングの概要や重要性が増した背景、CRMマーケティングを実施するメリット、実施の流れや具体的施策、成功させるポイントを解説します。

最後まで読めば、CRMマーケティングの具体的事例まで理解でき、顧客満足度を上げるマーケティング施策が実施できるようになるでしょう。

1.CRMマーケティングとは

そもそもCRMとは、顧客関係管理またはそれを行うためのツールを意味します。

CRMマーケティングとは、顧客関係管理の理論に基づいたマーケティング施策を実行することです。

たとえば、顧客とのコミュニケーションにより商品への感想やフィードバックの情報を蓄積し、製品開発のアイデアを得られます。

また、顧客へのメールマガジン配信を行う際の開封率によって送信時間やタイトルを変更するなどの戦略もCRMマーケティングの1つです。

CRMを用いて顧客それぞれのニーズを満たすアプローチを実施することがCRMマーケティングと理解しておきましょう。

2.CRMとは

そもそもCRMとは何かわからない方のために、CRMについて説明します。

CRMは本来顧客関係管理という意味を持ちますが、日本では同時に顧客情報の管理やマーケティングを実施するツールを表すことも多いです。

今回はツールとしてのCRMの概要を説明します。

  1. CRMの主な機能
  2. CRMとSFAの違い

(1)CRMの主な機能

CRMツールには以下の機能が搭載されています。

CRMツールの主な機能

  • 顧客情報の管理
  • 顧客情報分析
  • プロモーション
  • 応対履歴の管理
  • 営業進捗管理

CRMは顧客関係管理に特化したツールのため、顧客の個人情報の管理に特化しています。

また、製品やサービスによっては、情報を元にした顧客のスコアリングやメール配信などのプロモーションも可能です。

さらに、既存顧客からの問い合わせ応対履歴、営業による商談や案件の進捗管理機能も搭載したCRMが多いです。

CRMツールについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

2024.05.30

CRMツールとは?基本機能や導入メリット|おすすめCRMツール10選も紹介

(2)CRMとSFAの違い

CRMは顧客関係管理に特化したツールで、SFAは営業支援に特化したツールです。

そのため管理する対象が異なると理解しましょう。

CRMは自社のリード(見込み客)から顧客の情報を全般的に管理しますが、SFAでは主に営業の商談や行動管理が主な機能となります。

CRMとSFAは類似性が高く業務的にも重なる部分が多いことから、近年はCRM/SFA双方の機能を兼ね備えたツールも増えています。

CRMとSFAの機能や違いについてより詳しく説明した記事もあるので、併せてご覧ください。

2024.05.30

CRMとSFAは何が違う?連携するメリットやおすすめツール6選を紹介

3.CRMマーケティングの重要度が増した背景

CRMマーケティングが重要視される背景を紹介します。

CRMマーケティングが重要視される背景

  1. 営業方法の変化
  2. 多様な顧客ニーズへの対応
  3. 市場規模の縮小
  4. 業務パフォーマンスの向上
  5. AIを活用した結果分析

なぜCRMマーケティングを取り入れるべきか、経緯を理解したうえで取り組みましょう。

(1)営業方法の変化

CRMマーケティングの重要度が増した背景には、営業方法の変化があります。

従来の営業は訪問を主軸とし、電話やDMなど直接顧客と接点を持つ形式の方法が取られていました。

しかし、インターネットの発達やコロナ禍の影響で営業手法はオンライン主体に切り替わりました。

対面ではなくオンラインでの営業方法を効率化するうえで、CRMを用いて顧客情報の管理を実施する必要性が増しています。

(2)多様な顧客ニーズへの対応

CRMマーケティングが重要になった背景には、顧客ニーズの多様化があります。

インターネットの発達により、顧客はさまざまな情報を得てから商品購入の意思決定を下すようになりました。

店舗へ来店して直接商品を見て購入するプロセスの場合は、来店する顧客の行動をある程度予測して戦略を立てることが可能です。

一方でインターネットの発達により顧客が商品の知識を多く得られるようになった今は、経験則のみで顧客行動を予測できなくなりました。

オンラインショップで同じ品を安く買える店舗を探したり、実際に店舗へ行くよりも自宅まで配送してくれるオンラインショップを選ぶなど、顧客のニーズも多様化しています。

以上のように多様化する顧客ニーズに対応するには、CRMツールを使って顧客の購買行動を分析する必要があります。

(3)市場規模の縮小

CRMマーケティングが重要視された背景には、市場規模の縮小があります。

少子高齢化により市場規模が縮小したため、新規開拓による顧客獲得が困難な状態が浮き彫りとなっています。

その結果、既存顧客を安定的に確保してリピーターになってもらい、反復して自社と取引をしてもらう必要が生じました。

従来のような新規顧客を獲得して利益を拡大するモデルから、既存顧客の安定により、企業の収益維持や拡大を図るビジネスモデルへの転換が必要です。

(4)業務パフォーマンスの向上

CRMマーケティングにより、業務パフォーマンスも向上します。

少子化による労働人口の減少や働き方改革の動きから、企業としても業務を効率化したうえで利益を拡大する必要があるためです。

そのためにはCRMマーケティングを取り入れて、成功率の高いマーケティングや営業施策を考える必要があります。

CRMツールにより情報の一元管理やスコアリングを活用した営業施策の立案・実行が可能となり、より効率的に顧客にアプローチできます。

また、顧客応対に関してもチャットbot機能の利用や応対履歴の自動記録機能を使えば、効率的に顧客対応が可能です。

(5)AIを活用した結果分析

CRMマーケティングが重要視された背景には、AI活用への取り組みがあります。

蓄積された顧客情報を人力で分析するのは時間と手間がかかるだけでなく、分析を実施する人の考えも反映される点がデメリットでした。

また営業やマーケティングの施策が個人の経験やスキルに左右され、施策の結果や効果にばらつきが生じる不都合も考えられます。

一方でAIを用いた顧客情報の分析なら、データ先行の客観的な分析が可能です。

CRMツールのAI分析機能を用いれば、顧客ごとにアプローチすべきタイミングや内容をサジェストしてくれるため、新人や経験がない人でも結果を出しやすいでしょう。

4.CRMマーケティングに取り組む5つのメリット

CRMマーケティングに取り組む5つのメリットを紹介します。

CRMマーケティングのメリット

  1. 顧客満足度やロイヤリティ向上
  2. 業務効率化によるコスト削減
  3. リピート率の向上
  4. リードナーチャリングによる新規顧客獲得
  5. 正確な効果測定

自社がCRMマーケティングを進める前にメリットを把握しましょう。

(1)顧客満足度やロイヤリティ向上

CRMマーケティングに取り組むメリットは、顧客満足やロイヤリティの向上です。

顧客満足度やロイヤリティの向上により、既存顧客がリピーターになりやすく自社商品やサービスを継続して利用してくれます。

結果的に顧客が長年にわたり自社と取引してくれるため、利益の維持や拡大戦略が打ちやすくなるでしょう。

たとえば、顧客の購買履歴やメールマガジンに掲載したURLへのアクセス率が良い顧客は自社への好感を持っている顧客といえます。

このような顧客に対してお礼のクーポンを発行すれば、さらに企業への好感も高まりクーポンを利用して他の商品を買ってくれる可能性も高まります。

CRMマーケティングによるパーソナライズされたアプローチで、さらに自社のファンを増やす施策が可能です。

(2)業務効率化によるコスト削減

CRMマーケティングにより、業務効率化によるコスト削減が可能です。

CRMツールの機能で業務を自動化すれば、人力に頼っていた作業がなくなるからです。

たとえば、顧客応対にCRMツールのチャットbotを導入すれば問い合わせ対応時間を削減できます。

また、CRMで設定したシナリオ通りにメール配信すれば、手動でメール送信対象の選別をする時間や送信作業自体も削減可能です。

上記のようにCRMマーケティングにより業務が効率化すれば、コストカットにつながります。

(3)リピート率の向上

CRMマーケティングの実施により、リピート率を向上させられます。

顧客が自社商品をリピートするには商品の質はもちろん、購入後に企業からの適切なアプローチが必要です。

たとえば、一度興味本位で商品を買っただけの顧客は商品は認知しているものの、その会社自体が好きなわけではありません。

CRMマーケティングで単発で購入しただけの顧客に継続的に自社の取り組みや理念を発信したり、SNS運用によりブランディングを実施することで、商品だけでなく自社への理解を促せます。

会社自体のファンになってもらえれば「この企業が出す新商品なら買いたい」という心理が働き、リピートしてくれる可能性が高まるでしょう。

(4)リードナーチャリングによる新規顧客獲得

CRMマーケティングにより、リードナーチャリングにより新規顧客獲得も目指せます。

CRMツールを使えば、AIがリードソースや顧客属性ごとに適切なナーチャリングの方法を提案してくれます。

たとえば、セミナーに参加した自社への興味が高い顧客に対しては頻繁にメール営業をかける、特典目当てで自社に個人情報を登録した自社に興味の薄い顧客には低頻度で自社認知を促す情報を配信するなど、さまざまなアプローチ方法があります。

人力でリードの分析をしてそれぞれに適切なアプローチを実施するのは大変ですが、CRMツールなら自動で上記のアプローチを実施可能です。

CRMマーケティングによりリードへのアプローチ漏れを防ぎ、新規顧客に育成できます。

(5)正確な効果測定

CRMマーケティングは、正確な効果測定が可能なこともメリットです。

CRMツールを通じて実施した施策データはすべてツールへ蓄積され、自動的に集計されます。

たとえば、配信したメールの開封率やURLへのアクセス数、サイト内のユーザー行動などいろいろな情報を集積可能です。

顧客のアクションをデータとして蓄積して分析できるため、数値としてCRMマーケティングの結果が目に見えて効果がある施策ができているか振り返り、PDCAを回しやすくなります。

データ先行の効果測定により、より客観的に自社施策を評価、改善できるでしょう。

5.CRMマーケティングを実施する流れ

CRMマーケティングを実施する流れを説明します。

CRMマーケティング実施の流れ

  1. 顧客情報の収集
  2. 収集した顧客情報の分析
  3. マーケティング戦略考案・実施
  4. 社内での情報共有

自社でCRMマーケティングを実施する際の流れをイメージし、フローを組み立てておきましょう。

(1)顧客情報の収集

CRMマーケティングにはまず、顧客情報の収集が必要です。

マーケティング成功には顧客情報を集めて分析した結果をもとにした施策が必須となります。

セミナーやイベントの開催、SNSなどを経由して顧客情報を集めましょう。

データの絶対量が不足していると十分な分析ができないため、既存・新規合わせてなるべく多くの情報を集めてください。

ただし、雑多な情報がたくさんあってもマーケティング精度が下がるリスクがある点に注意しましょう。

(2)収集した顧客情報の分析

CRMマーケティングの次のステップでは、収集した顧客情報を分析します。

蓄積した情報を分析して顧客の行動や購買履歴ごとにスコアリングし、セグメントに分けていきます。

セグメント分けにより、自社商品を何度も購買する層はどんな人かペルソナ設定が詳しくなり、マーケテイングに活用できます。

また同時にその他のセグメントに属する顧客をリピーターに育成するために必要な施策を、分析結果から検討可能です。

(3)マーケティング戦略考案・実施

次にマーケティング戦略を考案して実施します。

前述したCRMツールの分析結果から導き出したペルソナをもとにして、戦略を考えましょう。

たとえば、商品を愛用している層が20代女性で会社員の場合は、それに応じた媒体や宣伝手法をメインにマーケティング施策を考えます。

SNSマーケティングをする場合はTikTokやInstagram、Xを活用し、配信時間は通勤電車に乗る朝と夜の2回に分けるなど、ペルソナを設定することで解像度を上げていきます。

また、近年トレンドになっているインフルエンサーマーケティングを実施する場合は20代女性のペルソナに近い人物が憧れる人物を想定することで、結果が出やすいインフルエンサーを効率よく選定可能です。

ペルソナの分析により自社商品を利用している人の居住エリアが限定されているなら、SNS広告を特定地域に限定して配信する方法もおすすめです。

地域限定の配信であれば、広告コストを抑えて効率的にターゲットへリーチできます。

CRMツールによって分析したペルソナをイメージしながら、マーケティング戦略を実施していきましょう。

(4)社内での情報共有

CRMマーケティングの流れで集めた顧客情報やマーケティングの結果は、社内で共有します。

社内で情報を共有することで、マーケティングや営業部門以外も情報を閲覧し、問い合わせへの精度が上がります。

たとえば、自社顧客から問い合わせが入った場合に情報共有が不足していると担当者からの折り返しが必須となるため、顧客にスピーディに必要な情報を提供できません。

一方でCRMで必要な情報が共有されていれば、問い合わせ担当が顧客情報をもとに応対できるため迅速に顧客の不満や問題を解決できます。

結果的に顧客対応への満足度が向上し、自社への印象も良くなるでしょう。

6.効果の高いCRMマーケティングの事例

効果の高いCRMマーケティングの事例を7つ紹介します。

効果的なCRMマーケティングの事例

  1. 電話営業
  2. SNSマーケティング
  3. メールマーケティング
  4. Web広告配信
  5. オンラインセミナー
  6. UGC活用
  7. 同梱物によるサンプリング

具体的にCRMマーケティングで何をしたら良いかわからない方は参考にしてください。

(1)電話営業

電話営業もCRMマーケティングの効果的な事例の1つです。

商品購入者へのフォロー連絡や新商品の宣伝、問い合わせへの回答などさまざまな営業手法があります。

たとえば、自社商品についてフォームから問い合わせがあった顧客に対して電話で商品案内をすることで、商品への興味を高めて商談成功率を上げられます。

また、購買履歴がある顧客に対して電話営業で新商品のPRをすれば、興味を持って購入に至るかもしれません。

ただし電話営業は世代によっては逆効果に働くリスクがある点に注意しましょう。

特に30代以下の若い世代は電話での応対を嫌う傾向にあるため、しつこく電話営業することで企業への印象が下がる可能性があります。

1度電話して反応が悪ければツールで架電禁止のフラグを立てておくなど、企業ブランディングに悪影響がないようフローを組み立てましょう。

(2)SNSマーケティング

CRMを用いたSNSマーケティングも効果的です。

自社商品を愛用するペルソナが使っているSNSをメインにした広告展開で、より多くのユーザーを取り込めます。

SNSマーケティングとはSNSを使った宣伝戦略で、多くの人に一度に情報を発信できる点がメリットです。

また、SNSに商品購入リンクへの導線を作っておけば商品購入経路がスムーズとなり、購買率が上がる可能性もあるでしょう。

たとえば拡散力の強いX(旧Twitter)で新商品の宣伝ポストを公開し、リポストとハッシュタグ付き投稿でプレゼントが当たるようなキャンペーンも有効です。

リポストする側にもプレゼントが当たるというメリットがあるため、Xユーザーが自主的に宣伝に協力してくれます。

ただし、SNSマーケティングは自社のペルソナとズレていると効果が薄く、また文言1つで炎上するリスクがある点に注意しましょう。

SNSをあまり使わない高齢の世代に対しては、SNSではなく電話やダイレクトメール配布の方が効果的なため宣伝方法は厳選してください。

また、SNSは拡散力が強いため企業の悪いイメージも瞬時に拡散されます。

不適切な発言や顧客との距離感を間違えた投稿がないか、事前にチェックするのが重要です。

(3)メールマーケティング

CRMを使ったマーケティング方法として、メールマーケティングも有効な事例です。

メールマーケティングとは顧客のメールアドレスに対して、フォローメールや商品のPR、お知らせなどを配信するマーケティング方法を意味します。

CRMには顧客の個人情報はもちろん購入履歴や問い合わせの履歴がすべて記録されており、その情報をセグメント分けすれば、ユーザーが欲しい情報をタイムリーに送信できます。

たとえば、ペットフードなど定期的に必要となる商品を購入しているユーザーに対して、商品がなくなると想定されるタイミングで定期便のお知らせを送ればユーザーがメールをきっかけに契約してくれる可能性があるでしょう。

また、購入履歴をもとにして他のユーザーが多く購入しているおすすめ商品をレコメンドするようなメール配信も効果的です。

メールマーケティングでは開封率も計測できるため、送信メールの開封率をもとにユーザーの自社への関心度をさらに詳細に分析することもできます。

注意点としてはメールマーケティングは、定期的に配信内容を更新する必要があるためリソースが必要です。

コンテンツのアイデアを常に考え、開封率をもとにして内容も更新しなければなりません。

CRMツールを用いたメールマーケティングを実施する場合は、担当者を数人決めてコンテンツの質の高さを維持するための体制を整えておきましょう。

(4)Web広告配信

CRMツールを用いた分析結果をもとにしたWeb広告配信も有効な事例の1つです。

CRMを通じて配信するWeb広告を「アドレサブル広告」と呼び、自社既存顧客に対して広告を配信できます。

購入履歴をもとに商品の宣伝を既存顧客が閲覧するWebブラウザやSNSへ配信すれば、再度自社商品を買ってくれる可能性が高まるでしょう。

また、CRMに蓄積した顧客情報を分析してセグメント分けすれば、Web広告配信を表示させるターゲット選定が容易となり、広告配信媒体の選定も効率的に実施できます。

自社が想定するペルソナへ広告がリーチしやすいため、購買率も上がり広告効果を高められる点がメリットです。

ただしWeb広告配信には専門的な知識が必要であるため、運用する場合は外部委託するか自社で専門的なチームを立ち上げる必要があります。

最初のうちはWebマーケティング会社に運用を任せ、慣れてきたら自社で広告チームを立ち上げるなど工夫して運用しましょう。

(5)オンラインセミナー

CRMマーケティングの事例として、オンラインセミナーがあります。

オンラインセミナーとはZoomなどのコミュニケーションツールを用いて、ユーザーに商品やサービスの説明をおこなうことです。

オンラインセミナーは主に、BtoBで購買までの意思決定に時間がかかる場合などに実施されるケースが多いです。

過去に問い合わせ履歴がある取引先などにオンラインセミナー開催の知らせを送り、参加してもらえれば自社サービスの魅力を知ってもらえます

また、顔を見てサービスについて説明することにより安心感を与え、購買プロセスが長いBtoBモデルでもより早く商談成立につながる可能性があるでしょう。

会場をレンタルする必要がないため費用もかからず、安価に開催できる点もメリットです。

ただし、オンラインセミナーは参加してもらえなければ全く意味がない点に注意が必要です。

事前にメール配信で取引先に自社のサービスを想起してもらったり、電話営業にて顧客の自社への関心を測るなどして開催タイミングを考えましょう。

(6)UGC活用

近年のCRMマーケティングでは、UGC活用も有効な事例として活用されています。

UGCとは各種SNSやECサイトでの口コミやレビューのことで、ユーザーの購買意思決定に大きく影響を与えるものです。

顧客の属性と近い人が商品を使った感想を見れば、より顧客が商品購入を自分ごととして捉える効果があります。

たとえばCRMに登録されている顧客へのメール配信の際に、レビューを掲載することで顧客の購入意思決定を後押しできます。

ただしUGCはあくまで商品を使った人がいなければ発生しないため、新商品の場合は口コミやレビューがない場合があります。

その場合は、事前にサンプリングやモニター募集をして口コミを集めるなどの施策を追加しましょう。

(7)同梱物によるサンプリング

CRMマーケティングでは、同梱物によるサンプリングも有効な事例として実施されています。

ECサイトの商品配達時に、ユーザーの関心度が高そうなサンプル品を同梱する手法です。

CRMに蓄積されたユーザーの購買履歴や似た属性の人が好む商品の傾向から、サンプルの種類を選定するため関心の高い商品を的確に配布できます。

また、人は無料のプレゼントをもらうと相手に対して好感を抱く心理があるため「サンプルを入れてくれるなんて、この企業は良い企業だ」と良いブランディングにつながる可能性もあるでしょう。

注意点としては、同梱物サンプリングはターゲット設定を誤ると効果を発揮しません。

CRMを活用してサンプリングを配布するターゲットをしっかり選定しましょう。

CRM施策についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

2024.05.30

CRM施策とは?実施するメリットや成功した具体的なCRM事例10選

7.CRMマーケティングを実施する際のポイント

CRMマーケティングを実施する際には、以下2つのポイントを意識しましょう。

CRMマーケティングのポイント

  1. 中長期のKPIを明らかにする
  2. PDCAサイクルを意識する

CRMマーケティングは実施してすぐに効果が出る施策ではないため、長い目で戦略を立てる必要があります。

1つずつポイントを解説するので、自社で実施するCRMマーケティングの参考にしてください。

(1)中長期のKPIを明らかにする

CRMマーケティングを実施する際は、中長期のKPIを明らかにしましょう。

KPIとは重要業績評価指標のことで、最終目標に対して順調に施策が進んでいるか評価するための基準です。

KPIを設定しておかないとCRMマーケティングを実施しても、効果が出ているか確認できず、適切な改善策を取れません。

たとえば、CRMマーケティングの実施で年間売り上げを20%向上させる、リピート率を15%上げるなど明確な指標を設定しておきましょう。

中長期双方のKPIを設定しておくことで、CRMマーケティングの方向性が正しいか評価でき、万が一誤っている際は修正できます。

(2)PDCAサイクルを意識する

CRMマーケティングを実施する際は、常にPDCAサイクルを意識してください。

PDCAサイクルとはPlan(計画)Do(実行)Check(確認)Action(改善)を繰り返すことで、正しくビジネスの目的を達成するためのフレームワークです。

CRMツールを導入して顧客情報を集積するだけで終わる企業が多いのは、このPDCAサイクルが正しく機能していないためです。

CRMマーケティングを実施する際は適切なKPIの設定はもちろん、実施した施策の効果測定の結果から改善点を見つけてより効果を高める工夫が必要となります。

たとえば、SNSで配信した広告のリンクをクリックした自社サイトへ誘導はできるものの、購買数が低い場合はLPに問題がある可能性が高いです。

また、メールマガジンの開封率が著しく低い場合はタイトルに宣伝感が出過ぎているなどの原因があります。

以上のようにCRMマーケティングの過程で正しく効果を計測、評価して、改善できる部分を修正しながら利益に繋げましょう。

まとめ

CRMマーケティングとは顧客関係を維持して長期に渡り自社と取引してもらうことを目的とします。

市場規模の縮小により企業は顧客との関わり方を見直し、顧客ごとにパーソナライズされたアプローチをする必要が生まれました。

顧客ごとに対応を変えるのはマンパワーだけではほぼ不可能ですが、CRMツールを活用すればより効率的にマーケティング戦略を立てていけるでしょう。

記事内で紹介した具体的なCRMマーケティング施策も参考にして、自社利益を維持拡大するマーケティング方法を考えてみてください。

この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。