コラム

WordPressを活用した顧客管理とは?CRMプラグインや注意点も解説

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TMS編集部

「WordPressを活用して顧客管理(CRM)はできる?」
「顧客管理を行う際に必要なWordPressプラグインにはどんなものがある?」
「プラグインを利用する以外の方法が知りたい」

企業の経営者やマーケティング・販促部門の担当者の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

CRMは顧客関係管理あるいは単に顧客管理とも呼ばれる概念で、顧客情報を管理・分析するツールやシステムを指すこともあります。

また、WordPressはCMS(コンテンツ管理システム)の1つで、主にWebサイトの構築や管理を行うツールのことです。

一見すると、あまり関係のないツール・システムのようにも思えますが、WordPressは拡張機能が豊富であり、情報の一元管理にも最適であるため、CRMとしての機能を持たせたいという需要があります。

本記事では、WordPressをCRMツールとして活用するメリットや方法、代表的なプラグインについて解説します。

プラグインを利用する際の注意点などについても合わせてご紹介しますので、WordPressを利用した顧客管理を行うことを検討されている方は、ぜひご覧ください。

1.WordPressで顧客管理を行うことは可能か

WordPressは、本来的にはWebサイトの構築や運用に関するツールですが、非公開設定やカスタマイズによって、顧客管理(CRM)の機能を持たせることが可能です。

また、カスタマイズを行う際には、通常はプラグインと呼ばれる拡張機能を利用する必要があります。

ビジネスの場面では、顧客管理の必要性の高まりによって、WordPressに顧客管理機能を持たせることの需要が高まっています。

以下では、ビジネスにおける顧客管理の必要性やWordPressを用いるメリットなどについてご説明します。

(1)顧客管理(CRM)の必要性

CRMは顧客関係管理とも呼ばれる概念で、既存顧客との良好な関係性を維持しながら自社商品・サービスの購入・利用を促進して、売上や収益を拡大することを目的としています。

具体的には、CRMツール・システムには膨大な顧客情報を管理・分析する機能が備わっており、これらの機能を活用することで顧客ニーズや行動特性を把握することが可能です。

ビジネスの場面では、消費者行動や市場動向の流動化・多様化によって、商品・サービスが今まで以上に売れにくくなっています。

また、新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持することと比較すると5倍のコストがかかると言われています。

そのため、安定的・継続的に収益を拡大していくためには、既存顧客の属性やニーズに合わせた商品・サービスの開発や販売、アプローチが重要です。

このような考え方に基づいた戦略や施策を立案・実行することで、顧客満足度を高め、リピート購入や利用を促進して売上や収益を向上させていくことにつながります。

さらに、顧客情報をCRMツール・システムに集積して一元管理することができるため、情報の管理や分析に関する手間やコストが削減され、業務効率化を進めることも可能です。

なお、CRMツール・システムの具体的な機能などについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご参照ください。

2024.05.30

CRMとは?概念や機能、導入メリットなどを徹底解説

(2)WordPressで顧客管理を行うメリット

WordPressはCMS(コンテンツ管理システム)の1つで、Webサイトの構築や運用に用いられるツールです。

通常、Webサイトの構築や運用にはHTMLなどのマークアップ言語やプログラミングの知識・スキルが必要ですが、WordPressを利用することで、それらの知識やスキルがなくても簡単にWebサイトの運用ができます。

また、コンテンツの一元管理ができることから、顧客情報を一元管理するCRMツール・システムの機能として応用することができます。

そのため、複数人で情報を共有することができ、同時にログインや情報の更新も手間をかけずに行えるのがメリットの1つです。

さらに、WordPressのインストールは無料で行うことができ、初期費用などのコストを抑えられることもメリットとして挙げられるでしょう。

(3)WordPressで顧客管理を行う方法

WordPressを用いて顧客管理を行う方法としては、主に2つあります。

WordPressで顧客管理を行う方法

  1. プラグインを利用する
  2. CRMツール・システムを導入して連携する

WordPress自体をCRMツールとして活用するか、外部のCRMツール・システムと連携させて活用するかの違いがあることを押さえておきましょう。

それぞれの特徴や押さえておくべきポイントについてご説明します。

#1:プラグインを利用する

WordPressにはプラグインと呼ばれる拡張機能があります。

具体的には、問い合わせフォームの構築やサイトマップの作成、SEO対策などの目的に合わせたプラグインが用意されており、その中には顧客管理に関するものもあります。

そのため、顧客管理に関するCRMプラグインを利用することで、WordPressを用いて顧客管理(WordPressのCRM化)を行うことが可能です。

CRMプラグインをインストールして顧客管理を行う最大のメリットは、機能性の高さにあると言えます。

顧客情報の一元管理はもちろん、データの分析や連携も可能であり、動作性が安定しやすいことも運用の上では大きなメリットでしょう。

もっとも、CRMプラグインの中にはセキュリティ対策が万全でないものやサポートが充実していないものもあります。

なお、CRMプラグインには無料のものもあれば有料プランを持つものもあります。

プランによって利用できる機能が異なるため、導入目的に照らして必要な機能の絞り込みと利用するCRMプラグインの選定が欠かせません。

また、CRMプラグインによっては、日本語対応を行っていないものもあるため、導入する際には事前に情報を収集しておく必要があります。

そのため、機能性や操作性、サポート面など、様々な要素を考慮した上で、自社に適したCRMプラグインを選ぶことが重要です。

#2:CRMツール・システムを導入して連携する

CRMツール・システムを導入した上で、WordPressと連携させて顧客管理を行うこともできます。

CRMツール・システムには、顧客情報を管理するために必要な機能がすでに備わっているため、プラグインを利用してWordPressをCRM化する場合よりも豊富な機能を活用することができます。

また、機能などを相互に連携させることによって、さらなる利便性が期待できます。

具体的には、CRMツール・システム内で作成した問い合わせフォームなどをWordPressに埋め込むことで、より効率的な顧客情報の収集や管理が可能です。

また、WordPressへの埋め込みは、作成したフォームを貼り付けるだけで完了し、高度な知識やスキルを要しないこともメリットの1つです。

そのため、自動返信機能の追加などのフォームのカスタマイズも手間なく行うことができ、作業の手間やコストを軽減することにもつながります。

もっとも、CRMツール・システムを導入していない場合には、新たに導入することによる初期費用やランニングコストが発生します。

CRMツール・システムには、製品を購入して社内のPCなどにインストールするオンプレミス型とベンダーがサーバーで提供するサービスを利用するクラウド型があります。

どちらを選ぶかによって費用が変動しますが、製品やサービスによっては数百万~数千万円のコストがかかることもあります。

また、製品やサービスのプランによっては操作性や機能に違いがあるため、費用対効果が期待できるかどうかも視野に入れた選定・運用が欠かせません。

なお、WordPressなどのCMSとCRMツール・システムの具体的な連携方法や連携を行う際のポイントについては、以下の記事も合わせてご確認ください。

2024.05.31

CRM連携とは?方法や代表例、連携の際の注意点まで解説

2.代表的なプラグインと特徴

上記でご紹介した方法のうち、プラグインを利用する方法について具体的に見ていきましょう。

CRMプラグインには、主に2つのパターンがあります。

CRMプラグインのパターン

  1. WordPress単体で利用できるプラグイン
  2. CRMツール・システムと連携できるプラグイン

それぞれの特徴や機能を押さえた上で、適切なプラグインを選ぶことが重要です。

(1)WordPress単体で利用できるプラグイン

CRMプラグインをインストールすることで、WordPress単体をCRMツールとして活用できるものには、主に以下のものがあります。

WordPress単体で利用できるプラグイン

  1. Flamingo
  2. Jetpack CRM
  3. UpiCRM

順にご説明します。

#1:Flamingo

Flamingoは、主にWebサイトに対する問い合わせ情報を保存・管理できるプラグインです。

操作性に優れ、特別な設定も不要で、インストールして有効化すればすぐに利用できるなどのシンプルさも導入するメリットと言えるでしょう。

WordPressには問い合わせフォームを構築・設置するプラグインとして「Contact Form 7」があり、これと併用することで効率的に問い合わせに関するデータを管理できます。

具体的には、フォームに入力されたコメントや問い合わせについて、発信者の氏名やメールアドレス、問い合わせ内容などのデータを収集し、保存・管理をすることが可能です。

さらに、それらの情報を一元化し、CSVとして出力することで簡単に顧客リストを作成することもできます。

そのため、CRMツールやシステムに実装されている問い合わせ管理機能の簡易版と位置づけることができるでしょう。

また、インストールは無料であり、日本語でのサポートにも対応しているため、コストを削減した上で安心して利用できることも大きな魅力であると言えます。

#2:Jetpack CRM

顧客管理だけでなく、フォームの作成やメールの一括送信なども行いたい場合には、Jetpack CRMがおすすめです。

シンプルかつ操作性が高く、1つのプラグインの中に30種類以上の機能を備えていることが大きな特徴です。

例えば、以下のような機能があります。

Jetpack CRMの主な機能

  • 顧客管理機能
  • 営業管理機能
  • フォーム作成機能
  • 請求書作成機能
  • メール配信機能

無料プランと有料プランがありますが、無料プランでも利用できる機能が豊富です。

また、管理している顧客情報に基づいてメールの一斉送信機能を活用すれば、メールマガジンの配信などのリードナーチャリング施策を行うことも可能です。

さらに請求書の追跡機能も備わっているため、小規模なECサイト運用と連携させれば、業務の効率化や収益の拡大も見込めます。

日本語でのサポートは有料プランのみとなっていますが、無料プランでほとんどの機能を利用することができるため、インストール後にすぐに活用できるのは大きなメリットです。

#3:UpiCRM

UpiCRMはFlamingo同様に、問い合わせフォームと連携してWordPress上で顧客管理ができるCRMプラグインです。

問い合わせフォームから収集した顧客の氏名やメールアドレスなどの情報をWordPress上で一元管理できることが特徴です。

なお、日本語でのサポートは行っていませんが、無料で利用することができます。

WordPressの管理画面から顧客情報の管理を行うことができ、情報の分析やレポート機能も備わっているため、詳細な顧客分析にも有益です。

また、顧客情報の並び替えや絞り込みを行うためのソート機能も充実しており、顧客属性ごとのデータ分析や抽出も容易に行うことができます。

そのため、マーケティング戦略の立案や市場分析にも役立てられるプラグインと言うことができます。

(2)CRMツール・システムと連携できるプラグイン

WordPressとCRMツール・システムを連携させることで、WordPress上で顧客管理を行うことができるプラグインもあります。

具体的には、以下のものが挙げられます。

CRMツール・システムと連携できるプラグイン

  1. HubSpotプラグイン
  2. SugarCRMプラグイン
  3. formrun

順にご紹介します。

#1:HubSpotプラグイン

HubSpotプラグインは、HubSpot社が提供するCRMツール・システムと連携することができるプラグインです。

そのため、利用にあたっては、HubSpot社のCRMツール・システムを導入していることが前提となります。

HubSpot社のCRMツールには、マーケティングを自動化するMA(マーケティング・オートメーション)機能も備わっているため、プラグインを用いて連携させることで、様々な効果が得られます。

具体的には、Webサイトに問い合わせがあった場合に自動的にメールを送信する機能やサイトの訪問者を特定の条件でスコアリングを行う機能などが挙げられます。

これにより、確度の高いリードを営業部門に引き継ぐことができ、購買意欲の高さを可視化するほか、業務の効率化も期待できます。

また、CRMツールで作成したフォームをWebサイト上に埋め込むことや問い合わせフォームに入力された顧客情報を自動的に同期することも可能です。

さらにCRMツールのアナリティクス機能を活用すれば、Webサイトの分析を行うことができ、以下のような情報を把握することができます。

分析できる顧客情報の例

  • サイトへの流入経路
  • 訪問したページや顧客が興味を示したページ
  • 顧客のページ遷移の履歴

このように、顧客情報の管理だけでなく、リードナーチャリングや行動分析まで行えるため、Webサイトを起点としたマーケティング戦略の策定から営業活動の効率化までを行うことが可能です。

また、無料プランと有料プランがあり、無料プランでも充実した機能を利用できることが大きな特徴であり、メリットであると言えるでしょう。

#2:SugarCRMプラグイン

SugarCRMプラグインは、CRMツール・システムであるSugarCRMと連携させることを目的としたプラグインです。

このプラグインを利用することで、SugarCRMのフォーム機能をWordPressで利用できるようになるほか、Webサイト上のフォームに入力された顧客情報を自動的にSugarCRMへ集積することができます。

また、顧客情報の管理を行う過程で入力作業の軽減も図られることから、効率的に業務を行えることが大きなメリットです。

無料プランと有料プランがあり、有料プランでは日本語によるサポートも行っています。

なお、有料プランではオープンソースであることから、カスタマイズの自由度が高く、WordPressと連携させることで柔軟なWebサイト運用と顧客管理が可能になります。

さらに、SugarCRMプラグインは利用者も比較的多いことから、サポートやセキュリティ面でも安心して利用できる点も特徴として挙げられます。

#3:formrun

formrunはフォーム作成ツールですが、セキュリティ対策が万全であり、ダッシュボードから顧客情報を収集・管理できることから、CRMツールとして活用することも可能です。

WordPressと連携させることができるプラグインを利用することで、作成した問い合わせフォームなどをWebサイトに埋め込むことができます。

また、顧客情報の管理画面は視認性に優れ、直感的に操作・運用を行うことができるなど、操作性が高いことも特徴の1つです。

また、問い合わせフォームの管理画面では、回答・対応ステータスの確認や管理も行うことができ、対応漏れを防ぎながら顧客対応を進めていくこともできます。

無料プランと有料プランが用意されており、有料プランでは複数人での管理や運用が可能となるため、導入を検討する場合には、まずは無料プランから始めてみるのもよいでしょう。

3.WordPressプラグインを利用する場合の注意点

プラグインを利用することによって、WordPress自体をCRMツールとして活用するほか、CRMツール・システムと連携させることもできますが、いくつか注意点もあります。

具体的には、以下の3つです。

WordPressプラグインの注意点

  1. セキュリティ対策が万全ではない可能性がある
  2. Webサイトの動作が悪化するリスクがある
  3. 利用できる機能には限りがある

これらは、プラグインに内在するデメリットと言うこともできます。

そのため、デメリットを押さえた上で、WordPressプラグインを利用するかの判断を行いましょう。

(1)セキュリティ対策が万全ではない可能性がある

プラグインの中には、情報を抜き取るためのコードが意図的に含まれているものもあります。

また、アップデートが頻繁ではないプラグインにも、第三者がアクセスしてデータを抜き取られる可能性があります。

CRMでは膨大な顧客情報を収集・管理しているため、この情報が抜き取られて漏洩した場合には、甚大な被害とリスクが生じます。

そのため、プラグインを利用する場合には、以下のポイントに着目してセキュリティ対策が万全なものを選びましょう。

プラグインを選ぶ際のポイント

  • バージョンが古いものは利用しない
  • 利用者が少ないプラグインは利用しない
  • 評価が低いプラグインは利用しない

顧客情報の流出リスクを防ぐためにも、入念に情報収集を行うことが重要です。

(2)Webサイトの動作が悪化するリスクがある

プラグインをインストールすればするほどWebサイトのデータサイズが上がってしまい、サイトの操作が重くなってしまいます。

また、CRMプラグイン以外にほかのプラグインが入っている場合、プラグインどうしが影響を及ぼしあって動作の不具合が生じる可能性があります。

そのため、CRMプラグインをインストールすることによってサイトの動作性が悪化し、ユーザビリティに悪影響を及ぼすリスクがあることに注意が必要です。

特にプラグインどうしの不具合では、具体的にどの機能どうしが打ち消しあっているのかなどの原因特定を行い、改善を行う必要があります。

しかし、原因特定に時間やコストがかかる場合も少なくありません。

また、プラグインどうしの相性もインストールしてみるまでは分からないという側面もあります。

ユーザビリティが低下すると、サイトを訪問した顧客の離脱率が上がるなどのリスクがあるため、プラグインを利用する場合には十分そのリスクを理解しておきましょう。

(3)利用できる機能には限りがある

プラグインには有料のプランもありますが、無料で利用できるプランもあります。

導入に関する初期費用を抑えることにつながる反面、無料プランでは利用できる機能が限られるというデメリットがあります。

そのため、簡単な顧客情報の収集や管理しか行えないものが多く、本格的な顧客ニーズの分析や戦略の立案を行うためには不十分な場合がほとんどです。

顧客管理を行う目的や解決したい自社の課題に合わせて、どのような機能が必要かを明確にした上で具体的に利用するプラグインを選ぶことが重要です。

必要に応じて、有料プランの利用やCRMツール・システムの導入も検討することが大切でしょう。

4.CRMツール・システムを導入する際のポイント

上記で述べたように、WordPressをCRMツール化して顧客管理を行うことには、様々なデメリットや制約があります。

そのため、顧客管理を行う場合には、CRMツールやシステムを導入して顧客管理を行うことがおすすめです。

CRMツール・システムを導入する際には、以下のポイントを押さえましょう。

CRMツール・システムを導入する際のポイント

  1. 導入目的と解決したい課題を明確化する
  2. クラウド型かオンプレミス型かを確認する
  3. セキュリティ対策が万全か確認する
  4. 予算に合うか吟味する

順にご説明します。

(1)導入目的と解決したい課題を明確化する

CRMツールやシステムを導入する際には、導入によって解決したい自社の課題を明確化しておくことが何よりも重要です。

例えば、既存顧客との関係性の強化や顧客管理業務の効率化など、顧客に関連する業務課題は企業によってそれぞれです。

解決したい課題が明確化すると、どのような機能を備えたツール・システムが最適であるかも具体的になります。

導入する目的と導入することによって解決したい自社の課題を明確化・具体化することで、必要な機能を備えたツール・システムを導入でき、効果的な運用を行うことにもつながります。

また、導入目的などを自社内で共有することで、全社で活用・運用に向けた意識づけを形成することも期待できます。

(2)クラウド型かオンプレミス型かを確認する

CRMツール・システムは、提供形態によってクラウド型とオンプレミス型に分類することができます。

クラウド型はSaaS型とも呼ばれ、ベンダーが提供するサービスをインターネットを通じて利用する方法です。

インターネット上のサービスに接続することで利用できるため、導入費用などの初期コストを抑えられることがメリットです。

また、保守運用はベンダー側が行うため、更新作業などを自社で行う必要がないことも特徴として挙げられます。

もっとも、月額費用などのランニングコストがかかり、機能面ではベンダーが提供するサービスのみが利用できるため、カスタマイズができない点がデメリットとなります。

一方、オンプレミス型は自社サーバーに製品をインストールして利用する方法です。

自社内にCRMツール・システムの環境を構築して導入する方法であるため、セキュリティが強固であることが大きなメリットです。

また、自社の課題に応じて機能をカスタマイズできることも特徴で、自由度の高い設計となっています。

もっとも、導入に際しては製品を購入する必要があるため、初期費用がかかることがデメリットとして挙げられます。

また、システムの保守運用は自社内で行わなければならず、社内に人員を確保できない場合には外注を行う必要があり、その場合には保守運用のコストがかかることにも注意が必要です。

このように、クラウド型とオンプレミス型にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、導入にあたっては事前に情報を収集しておくことが大切です。

(3)セキュリティ対策が万全か確認する

CRMツール・システムでは、膨大な顧客情報を収集・管理しているため、セキュリティ対策が万全であるかどうかは特に注意しましょう。

オンプレミス型はセキュリティ対策が強固である場合が多いですが、クラウド型はインターネットを介して利用するため、セキュリティ対策が万全なものを選ぶのが重要です。

具体的には、サービスを提供しているベンダーの不正アクセスやフィッシングに関する対策情報を確認するのがおすすめです。

顧客情報が流出することは大きなリスクを伴うため、それを防止する観点からもセキュリティ対策には細心の注意を払いましょう。

(4)予算に合うか吟味する

CRMツールやシステムには、利用できる機能やユーザー数によって料金プランが異なるものもあります。

そのため、料金プランが低額であるという理由だけでツール・システムを選ぶと、必要な機能が備わっていない場合や追加の費用が必要になって当初の見込みよりも高額になる可能性があります。

導入を検討する際には、導入費用やランニングコストも含めた継続的な費用で考えることがおすすめです。

また、標準プランの中に必要な機能が含まれているかどうかもあらかじめ確認しておきましょう。

なお、ほとんどのCRMツール・システムでは、無料トライアルを提供していますので、導入の前に無料トライアルで操作性を確認しておくことも有益です。

導入する製品やサービスのコスト、操作性をあらかじめ確認しておくことは、費用対効果の高い運用を行う上でも重要であることを押さえておきましょう。

まとめ

本記事では、WordPressをCRMツールとして活用するメリットや方法、プラグインの特徴などについて解説しました。

プラグインを利用することで、WordPressをCRMツールとして活用することはできますが、利用できる機能が限定的である場合や不具合が生じる場合があります。

また、セキュリティが脆弱であるものもあり、顧客情報の流出などのリスクが起こりえます。

そのため、顧客管理を行う場合には、専用のCRMツールやシステムを導入することがおすすめです。

本記事でご紹介した導入のポイントも参考にしながら、自社の課題に合ったツール・システムの導入を進めましょう。

この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。