LステップとLINE公式アカウントの違いは?併用メリットを解説
「Lステップとライン公式アカウントの違いとは?」
「Lステップとライン公式アカウントを併用すると、何が便利になるの?」
Lステップはライン公式アカウントに不足している機能を補い、より業務を効率化するためのツールです。
導入に際してLステップの導入の必要性を検証したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Lステップとライン公式アカウントの概要や違い、ライン公式アカウントのみを運用するデメリットと併用するメリットを解説しています。
最後まで読めば、Lステップとライン公式アカウントを活用してより顧客と親密なコミュニケーションが取れるようになるでしょう。
1.Lステップとライン公式アカウントの概要
Lステップとライン公式アカウントの違いについて理解するにはまず、それぞれの概要について知識をつけましょう。
- Lステップとは
- ライン公式アカウントとは
Lステップ、ライン公式アカウントそれぞれのツールについて解説します。
(1)Lステップとは
Lステップとはライン公式アカウントに特化したCRM(顧客関係管理ツール)です。
既存顧客との関係性を良好に維持することで、顧客の企業に対する信頼度や満足感を高めてさらなる収益の拡大を図ることを目的としています。
顧客の満足度を向上させるためには、顧客に関する詳細な情報を収集・管理し、顧客属性やニーズを的確に把握することが求められます。
ライン公式アカウントにも顧客関係管理機能は搭載されていますが、詳細な設定やシナリオ配信機能には限界がありました。
しかし、Lステップと連携すれば顧客関係管理が効率化し、シナリオ配信やリッチメニューの切り替えなどができるようになります。
ライン公式アカウントで顧客との関係を育成し、自社売り上げを伸ばしていきたい企業におすすめのツールです。
Lステップとは何かを知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
(2)ライン公式アカウントとは
ライン公式アカウントとは、チャットツールライン公認の公式アカウントを作成し、顧客に情報発信するためのツールです。
コミュニケーションツールとして浸透しているラインに対して、ライン公式アカウントはビジネス利用に適したツールであることに特徴があります。
具体的には、顧客にラインの友だち追加をしてもらって顧客を管理したり、1:1でのやり取りができます。
また、シナリオ配信なども可能でメールマガジンのように使えるのが特徴です。
日常的に使用されるラインを使用することで、自社からの配信が顧客に届きやすくなります。
ライン公式アカウントには、このほかにも、認証済アカウントを取得することで、ライン公式アカウント上でクーポンの発行・配信を行うことができます。
また、販促用のポスターデータを無料でダウンロードできるほか、POPなどのノベルティを購入できるなどのメリットがあります。
そのため、ライン公式アカウントをビジネスに活用する場合には、認証済アカウントを取得するのがおすすめです。
2.Lステップとライン公式アカウントの違い
Lステップとライン公式アカウントの違いについて解説します。
- 機能
- 利用料金
Lステップはライン公式アカウントでの発信の利便性を高めるためのツールであり、ライン公式アカウントと深い関係があります。
(1)機能
Lステップとライン公式アカウントは、機能はほぼ同じですが、Lステップの方ができることが多いです。
機能 | 機能の内容 | ライン公式アカウント | Lステップ |
---|---|---|---|
リッチメニュー | 画面下のメニューのカスタム | カスタムは可能 ボタンやレイアウトに制限あり |
ボタン数20個、レイアウトは自由に変更が可能 ※スタンダードプラン以上の契約が必要 |
自動応答 | 特定キーワードに反応して、自動返信する機能 | 自動応答機能自体はあり チャットモードへの切り替えが必要なため、個別トークとの併用は不可 |
自動応答と個別トークを同時に利用可能 |
ステップ配信 | あらかじめ設定した文章を一定のタイミングの送信する機能 | メッセージの自動配信は可能だが、詳細な条件設定不可 | 友達の属性別に配信内容を設定するなど、詳細な変更が可能 |
セグメント配信 | 友達の属性ごとに配信内容を変更する機能 | 性別・年代・居住地の3つのセグメントに分けて配信可能 | ライン公式のセグメントに加えて、流入経路や商品購入者のみなど、詳細な設定が可能 |
タグ管理 | 顧客にラベルをつけて分類する機能 | 20文字以内で自由入力が可能 手動でタグ付けが必要 |
条件を絞り込みして一括タグ付けが可能 ラインのアクションに合わせて自動でタグ付けが可能 |
友だち情報管理 | 自由記述欄 メモや顧客の情報を共有できる |
なし | フリー入力で自由に顧客についての情報を追記できる |
スケジュール配信 | 予定時刻に一斉配信 | 原則一律配信 一定のセグメントにのみ一斉配信が可能 |
セグメント分けが細かいため、必要なメンバーにのみ適切なタイミングでの配信が可能 |
流入経路分析 | どの媒体からラインの友だち追加が発生したか分析する機能 | 2020年3月15日以降に追加された友だちのみ | 分析可能 流入経路をセグメント分けしての配信も可能 |
予約管理 | 店舗来店予約の受付と管理 | なし | ライン公式アカウント経由での予約管理が可能 Googleカレンダーなどとの連携も可能 |
クロス分析 | 管理画面での分析機能 | なし | 2つ以上の属性をかけ合わせて分析が可能 (※プロプラン以上) |
それぞれの機能について、詳細を説明します。
#1:リッチメニュー
リッチメニューとは、トーク画面の下部に表示されるメニュー表示のことをいいます。
トークルーム画面を大きく占有するためユーザーの目に留まりやすく、閲覧頻度も高い傾向にあります。
そのため、クーポンの表示や自社サイト・ECサイトへの誘導などを行うことができます。
ライン公式アカウントでもリッチメニューは設定できますが、カスタマイズできるパーツが限られており、複数のリッチメニューの利用ができません。
一方でLステップでは自由自在にリッチメニューをカスタマイズ可能かつ、複数のリッチメニューを利用できます。
属性に合わせてリッチメニューの表示を切り替えたり、タグをつけるなどのカスタマイズが可能です。
ただし、Lステップのスタンダードプラン以上の契約が必要な点に注意しましょう。
#2:自動応答
自動応答機能とは、顧客の呼びかけに対してbotが自動的にメッセージを返信する機能です。
あらかじめキーワード設定などをしておき、それに対する回答を用意することで素早い対応を行うことが可能です。
手動でメッセージを送信する場合と比べると手間が省けるだけでなく、即時の対応が可能となることから、顧客の信頼度や満足度を高める効果が期待できます。
ライン公式にも自動応答機能は搭載されていますが、個別メッセージとの併用ができず、botによる自動応答を利用するには手動で切り替えが必要となります。
Lステップでは個別メッセージと自動応答の切り替えが必要ないため、管理の手間を減らせます。
#3:ステップ配信
ステップ配信とは、あらかじめ決めておいたシナリオに沿って顧客に自動的にメッセージを配信する仕組みです。
メルマガのステップメールと同じで、顧客の興味関心に応じて情報の濃度を濃くしていき、購買や契約に誘導します。
ライン公式でもステップ配信は可能ですが、そもそもセグメント分けが3種類しかないため、顧客ごとにパーソナライズされた配信が難しいです。
一方でLステップでは詳細なセグメント分けとタグづけができるため、より自由度の高いステップ配信ができます。
#4:セグメント配信
セグメント配信とは、顧客の属性に合わせたメッセージ配信機能です。
ライン公式アカウントは性別と居住地域、年代の3つのセグメント分けのみが可能で、それ以上の詳細な設定ができません。
そのため、セグメント配信の際も分類が大雑把になってしまい、顧客の行動や購買履歴に基づく配信が難しいです。
例えば、リピーターに対してクーポンを発行したくても、ライン公式のみの機能では購買履歴に紐づく配信ができません。
Lステップは顧客の購買行動や開封率など、詳細なセグメント分けが可能なため、顧客の自社への関心度に合わせて適切なメッセージを配信できます。
#5:タグ管理
タグ管理とは、ラインの友だちにオリジナルのタグを付ける機能です。
属性よりもさらに細かな分類ができて便利ですが、ライン公式アカウントではこの分類作業は全て手動で実施しなければなりません。
そのため、公式サイトからライン追加した友だちのみ「公式経由」などのタグを付けたい場合は、流入経路を確認したうえで一人ひとりにタグ付けが必要です。
一方でLステップは、あらかじめ設定したアクションに該当した顧客に自動的にタグ付けしてくれます。
流入経路や購買履歴に応じたタグ付けが可能で、顧客管理の効率化を行うことができるでしょう。
#6:友だち情報管理
友だち情報管理とは、自由記入欄に顧客情報を記入する機能です。
ライン公式アカウントには友だち情報管理機能は搭載されておらず、自由記入欄を利用した情報の共有はできません。
Lステップでは自由記入欄を使って顧客の情報や好みなどをメモしておけるので、より顧客の好みに合わせた接客や応対に役立つでしょう。
#7:スケジュール配信
スケジュール配信とは、あらかじめ決めたスケジュール通りにメッセージを配信する機能です。
例えば、ラインの友だち追加から1週間後に自社サイトへの誘導URLを送るなど、決めたスケジュール通りにメッセージを表示できます。
ライン公式アカウントでもスケジュール配信はできるのですが、セグメントが少ないため、活用しにくいです。
購入から一定期間経ってからのリマインドなど、スケジュール配信の真価を発揮する使い方ができないのはデメリットといえます。
一方でLステップでは詳細な属性やタグ設定ができ、対象者を絞り込んで適切なタイミングでの配信が可能です。
#8:流入経路分析
流入経路分析とは、ラインの友だち追加をどこからしたかを計測・分析する機能です。
ライン公式でも経路分析は可能ですが、2020年3月15日以降に友だち追加した人に限られます。
また、経路ごとのタグ付けや属性分けができないため、分析結果を活かせないのが欠点です。
反対にLステップでは流入経路別のタグ付けも可能で、分析作業も楽になります。
#9:予約管理
予約管理とは顧客からの予約を受付、管理する機能です。
ライン公式アカウントには予約管理機能は搭載されていません。
Lステップの予約管理機能では受付だけでなく、従業員のシフトを同時に表示させて予約に問題がないか確認し、承認するまでが1つの画面上で管理できます。
また、Googleカレンダーとの連携も可能なので、店舗のスケジュール管理も楽にできます。
#10:クロス分析
クロス分析とは2つ以上の要素をかけ合わせて、顧客動向を分析する機能です。
例えば、顧客の性別と購買履歴をかけ合わせてどの性別が商品を買う傾向にあるかなどを分析できます。
ライン公式アカウントにはクロス分析機能がついていませんが、Lステップではプロプラン以上にのみクロス分析機能が搭載されています。
また、Lステップでできることについては、以下の記事をご覧ください。
(2)利用料金
Lステップはライン公式アカウントをより便利に利用するためのツールであり、併用が必須です。
それぞれの料金についても掲載しておくので、予算感を確認しておきましょう。
ライン公式アカウント | Lステップ | |
---|---|---|
プランと料金 | コミュニケーションプラン(〜200通まで):0円 ライトプラン(〜5,000通まで):5,000円(税別) スタンダードプラン(〜30,000通まで):15,000円(税別) |
スタートプラン(〜5,000通まで):5,000円(税込) スタンダードプラン(〜30,000通まで):21,780円(税込) プロプラン(〜50,000通まで):32,780円(税込) |
ライン公式アカウントでコミュニケーションプランを利用する場合は、Lステップのスタートプランと合わせて月額5,000円での運用が可能です。
毎月の配信数などに応じて、プランを選ぶと良いでしょう。
3.ライン公式アカウントのみで顧客管理をするデメリット
ライン公式アカウントのみで顧客管理を続けるのには、以下のデメリットがあります。
- シナリオ配信などに手間がかかる
- 顧客の分析機能が使えない
- コストがかかる
- カスタマイズ性が下がる
ライン公式アカウントのみでも顧客管理は可能ですが、顧客数が増えるにつれて管理が難しくなります。
1つずつ詳細を説明するので、ライン公式アカウントの運用にLステップを取り入れるべきかの判断材料にしてください。
(1)シナリオ配信などに手間がかかる
ライン公式アカウントでもシナリオ配信自体はできますが、詳細な設定ができません。
顧客属性に応じてメッセージ内容の切り替えをしたい場合は、自分で属性やタグで顧客を選別したうえで、メッセージ送信が必要です。
そのため、顧客とのコミュニケーションにおいて有効なステップメッセージの配信に手間がかかり、顧客数が増えるとほぼ運用自体が不可能となります。
(2)顧客の分析機能が使えない
ライン公式アカウントには、顧客の分析機能が搭載されていません。
顧客数が少ないうちは、自身でGoogleスプレッドシートなどにデータを打ち込んで管理できますが、顧客数が増えれば分析がかなり難しくなります。
そのため、多くのライン公式アカウント運営者は別途CRMを取り入れて分析をおこなっています。
顧客数が多く顧客の行動動向や属性を詳細に分析するなら、ライン公式アカウントでは機能が不足していると感じるでしょう。
なお、ライン公式アカウントとCRMを連携させるメリットや効果については、以下の記事でも解説していますので、合わせてご覧ください。
(3)コストがかかる
ライン公式アカウントのみで顧客関係管理をしていると、結果的に配信コストが上がります。
ライン公式アカウントの属性は性別と居住地域、年代のみです。
そのため詳細なセグメント配信ができず、対象を絞り込んだ配信が難しくなります。
結果的に配信数が増えるため、LステップなどのCRMを導入した場合と比べてメッセージの送信数が増え、コストが上がってしまうのがデメリットです。
(4)カスタマイズ性が下がる
ライン公式アカウントでもリッチメニューなどのカスタマイズは可能ですが、カスタマイズできるパーツや数に制限があります。
そのため、顧客に応じてリッチメニューを使い分けたい場合は、ライン公式アカウントでの運用では機能不足です。
一方でLステップを併用すればリッチメニューを複数表示させたり、顧客ごとに切り替えたりの操作が可能です。
カスタマイズ性においても、ライン公式アカウントのみの運営には限界があるでしょう。
4.Lステップとライン公式アカウントを活用するメリット
Lステップとライン公式アカウントを併用すれば、以下のメリットが得られます。
- ライン公式アカウントよりも充実した分析機能
- 顧客とのより密接なコミュニケーション
- 自動化による業務効率化
- 顧客属性ごとのマーケティング施策の実施
ライン公式アカウントをより活用するためのCRMを探している方は、ぜひ参考にしてください。
(1)ライン公式アカウントよりも充実した分析機能
Lステップはライン公式アカウントよりも充実した分析機能を搭載しています。
流入経路やクロス分析はもちろん、分析結果に応じた自動のタグ付けなども便利です。
顧客の性別や居住地、年代や流入経路ごとに売り上げなどを分析することで、自社がメインターゲットとする顧客を絞り込み、マーケティング施策に活かせるようになります。
そのため、ターゲットを絞った効果的なマーケティング施策の立案・実行、営業活動を推進することができ、売り上げの拡大につながります。
(2)顧客とのより密接なコミュニケーション
Lステップを活用すれば、顧客とより密接なコミュニケーションが取れます。
属性分けが細かいため、顧客が求めている情報を適切に配信できるためです。
例えば、サプリ販売の事業者がライン公式アカウントを運営し、購入から1か月のタイミングで購入を促すなど必要な情報を配信できます。
Lステップはライン公式アカウントよりも細かなセグメントの利用が可能だからこそ、よりパーソナライズされた情報発信が可能です。
これにより、顧客の信頼度や満足度を高めることができ、リピート購入や利用につながり、安定的な収益を見込むことにもつながるでしょう。
(3)自動化による業務効率化
Lステップはライン公式アカウントの運用を効率化するためのツールです。
自動化によりライン公式アカウントの運用にかかる手間と時間を省き、より必要な業務に時間と人員を割り当てられます。
例えば、顧客の流入経路ごとに手動でタグ付けをしていると、友だち追加のたびに管理画面を開いてタグを紐付けなければなりません。
一方でLステップでは、流入経路を自動でタグ付けし、設定しておいたメッセージを配信するなどの細かい設定が可能です。
(4)顧客属性ごとのマーケティング施策の実施
Lステップの活用により、顧客属性に合わせたマーケティングを実施できます。
ラインの友だち情報をもとにリードナーチャリングができるのも、Lステップの魅力です。
リードナーチャリングとは、リード(見込み顧客)の購買意欲を高めて受注や商談につなげるマーケティング活動を指します。
例えば、既存顧客のクロス分析結果をもとに属性が似ているリードを見つけ出し、その顧客に対してクーポンを配信するような施策ができます。
顧客属性ごとに適切なタイミングで適切なアプローチを行うことで、商品やサービスへの興味・関心を醸成し、購買意欲を高めることが可能です。
Lステップ独自の細かな属性を利用したマーケティングで、ライン公式アカウントで収集した顧客情報をさらに活用できるでしょう。
まとめ
ライン公式アカウントとLステップの違いは、利便性や機能面にあります。
ライン公式アカウントにも顧客管理機能は実装されていますが、機能が不十分であるなどの課題もあります。
Lステップはライン公式アカウントの利便性を高めるためのツールであり、2つのツールを併用することで効果を発揮します。
ライン公式アカウントの運用がうまくいかないとお悩みなら、ぜひLステップを活用してみましょう。