コラム

ランディングページ(LP)の作り方は?制作手順からポイントまで分かる

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城戸 恭平

「ランディングページ(LP)の作り方が知りたい」
「制作の手順や気を付けるべきポイントはある?」
「制作会社に依頼するときはどんなことに注目すべき?」

企業の経営者や広報部門の担当者の中には、このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

ランディングページ(LP)は、商品・サービスの問合せや購入といったCV獲得を目的に作られます。

本記事では、LPの制作手順や制作に際して重要なポイント、制作会社にLP制作を依頼するにあたっての着目点についてご説明します。

1.LPの作り方

LPは以下のような手順で制作を進めていきます。

LPの制作手順

  1. 目的の設定
  2. 競合調査
  3. 商談フローの策定
  4. ターゲット/訴求軸の策定
  5. ワイヤーフレーム(構成)作成
  6. コンテンツ制作・デザイン
  7. 開発・コーディング
  8. 公開・運用
  9. 効果測定

それぞれの工程で押さえておくべきポイントについて、順にご紹介しますので、LPを制作する際にはぜひ参考にしてみてください。

(1)目的の設定

LPの目的設定は、制作だけでなく、運用の場面でも非常に重要です。

具体的には、LPを制作することによって、どのようなCV獲得を目指すのかを明確にしましょう。

例えば、LPを通じて商品やサービスの購入を目標とするのか、問合せ件数の増加を図りたいのか、資料請求やメルマガ登録を増やしたいのか、様々なCVが考えられます。

複数の目的をLPに持たせてしまうと、訪問したユーザーは行動に迷い、離脱してしまってCVにつながらないということになりかねません。

そのため、LPが目指す着地点を1つに絞って明確化することが何よりも大切であることを押さえておきましょう。

(2)競合調査

LPの目的を設定した後は、競合調査を進めていきます。

具体的には、自社の商品やサービスの競合となる他社LPを調査・分析することです。

特に競合の商品やサービスが多いマーケットほど、ユーザーにとっては比較対象が多くなり、ユーザーの行動が分散されることになります。

そのようなマーケットで、しっかりとCVを獲得していくためには、競合LPがどのようなコンテンツや訴求を打ち出しているかを把握し、それに負けないLPを制作することが重要です。

また、競合LPの調査を行うことで、以下のようなメリットがあります。

競合LP調査によるメリット

  • 自社商品・サービスの現在の立ち位置が把握できる
  • 他社と比較したときに自社商品・サービスの強みや差別化ポイントが分かる

このことは、LPにおいて訴求するポイントやキャッチコピー、デザインなどを検討していく上でも重要なポイントとなります。

(3)商談フローの策定

LPを訪問したユーザーが問合せや資料請求などのアクションを行った後には、営業面でのフォローを通じて商談へ移行します。

そのため、LPの中ではどこまでユーザーの育成を図り、商談ではLPの内容を踏まえてどのような提案を行うかの内容設計が必要です。

例えば、商談では商品やサービスの情報提供を行うにとどまるのか、業務課題に関するヒアリングや分析を行うのか、商品やサービスを販売するのかといった選択肢があります。

LPの内容を踏まえて、商談の中でどのような内容を展開していくのかについての流れをあらかじめ策定しておくことが重要です。

(4)ターゲット/訴求軸の策定

目的を設定した後には、ターゲットの設定・明確化をする必要があります。

これは、LPの訴求内容を効果的にするためであり、ターゲットの設定や明確性の高さがCV獲得に大きく関わってきます。

LPで対象とする人物像の方向性を定めることで、LPで伝えたい内容や文章が具体的になることが期待できます。

例えば、ターゲットは何に悩みや課題を持ち、どのような理由からLPを訪問するのかが分かれば、どのようなアプローチや訴求ポイントを前面に押し出すべきかが明らかになります。

(5)ワイヤーフレーム(構成)作成

ターゲットや訴求軸を策定した後は、LPの構成を検討します。

ワイヤーフレームは、LP内の「どこで」、「何を」、「どのように」見せるかの設計図としての役割を果たします。

また、PCやSP(スマートフォン)といったデバイスごとに作成するのが一般的です。

LPのワイヤーフレームは、以下の要素で組み立てる場合がほとんどです。

要素 内容
ファーストビュー ・キャッチコピー

・アイキャッチ画像

・権威付け

・CTA

ボディー ・商品やサービスへの共感

・ベネフィット

・お客様の声

・数値や客観的根拠

クロージング ・FAQ

・入力フォーム

ファーストビューの印象によって、ユーザーがその先も読み進めるかが変わってきます。

また、ボディーのコンテンツ内容によって、CVにつながるアクションを促せるかどうかが左右されます。

クロージングは実際にCVを促す部分であり、利便性の高いデザインや設計が求められる部分でもあります。

そのため、ファーストビューからボディー、クロージングに至るまでの流れに一貫性があるような構成を作り出すことが最も重要です。

(6)コンテンツ制作・デザイン

ワイヤーフレームでコンテンツの配置設計ができれば、それに基づいて具体的にコンテンツ制作やデザインに着手します。

コンテンツの内容やライティングは、ユーザーの興味や関心を引くようなものとする必要があります。

また、デザインでは、以下の点を意識しましょう。

LPのデザインで意識すべきポイント

  • ファーストビューでユーザーが商品やサービスを瞬時に把握できるようにする
  • CVを目指す部分(CTAなど)ではボタンや文言を目立たせる
  • ユーザーが自然と視線誘導できるようなデザインを施す
  • 自社ブランドと適合した配色や画像を利用する

このように、ユーザーの動線を意識して、CVが得られるような設計にする必要があります。

(7)開発・コーディング

コンテンツやデザインが決まれば、それをWebページとして閲覧できる形にする必要があります。

これをコーディングといい、HTMLなどを用いながらブラウザ上で閲覧できるように作業を行っていきます。

この際に重要なのが、PCやSPなど様々なデバイスや環境で正しく表示されるかを確認することです。

また、LPを公開した後のことを見越して、以下も事前に決めておくとスムーズにコーディングが進みます。

コーディングの前に決めておくべき項目

  • LPをアップロードするレンタルサーバー
  • LPのURL
  • LPを通じた問合せに対するフォローメールのアドレス
  • ユーザーに届くフォローメールの文案

なお、後述しますがLPは運用の中で改善を随時進めることが望ましいです。

そのため、改善や修正を行いやすいようにLP作成ツールなどを利用するのがおすすめです。

(8)公開・運用/効果測定

LPは公開後すぐに効果が出るものではなく、運用をしながら随時改善や修正を加えていきます。

改善点の洗い出しをする際には、LPの効果測定が欠かせません。

具体的には、GA4などを用いてスクロールアクションを解析したり、Clarityなどのヒートマップツールでユーザーの関心のあるコンテンツの分析をしたりしましょう。

また、LPが表示されるまでに3秒以上かかると、ユーザーが離脱する可能性が高くなります。

そのため、効果測定ではLPの表示速度の解析も行いましょう。

なお、ページの表示速度を解析するツールとして、PageSpeed Insightsがあります。

https://pagespeed.web.dev/

このように、ユーザー目線でLPの解析・効果測定を定期的に行うことで、LPのCVRを高める施策の検討や実行を進めていくことができます。

2.LP制作で押さえておくべきポイント

LPを制作する際には、以下のポイントを押さえておきましょう。

LP制作で押さえておくべきポイント

  • ファーストビュー
  • CTA
  • 入力フォーム
  • 広告運用
  • LPO施策
  • リストマーケティング

いずれもCVR向上や効果的な運用を進めるためには重要ですので、ぜひ制作段階から意識してみましょう。

(1)ファーストビュー

ファーストビューは、LPの最初に位置する部分です。

この部分の印象によって、実にユーザーの60%以上が離脱してしまうというデータもあるため、ファーストビューの画像やキャッチコピーは特に工夫が必要です。

例えば、画像に関しては、商品やサービスの魅力が一目で伝わるようなものでなければなりません。

そのため、商品やサービスを利用している姿をユーザーがイメージできるような画像を用いるようにしましょう。

また、キャッチコピーに関しても、単に商品やサービスの特徴を述べるにとどまるのではなく、利用によるメリットやベネフィットを前面に押し出す表現を目指しましょう。

なお、採用実績や顧客の評価も合わせて掲載することで、商品やサービスに対するユーザーの信頼性を高め、CVにつながる効果が期待できます。

(2)CTA

CTAとは、購入や申込みをするボタンです。

そのため、CTAがCVに直接影響すると言ってもよく、文言やデザインには工夫をこらしましょう。

例えば、CTAの文言は「今すぐ申し込む」といったものよりも、「詳しく見る」や「資料請求(無料)」、「相談する」のような、ユーザーにとってハードルの高くないものにするとよいでしょう。

また、ボタンのデザインに関しては、強弱が出ているかも意識しましょう。

例えば、強調したい内容や伝えたいメッセージが目に当たるような色味や配置となっているかという観点からデザインを考えるのが大切です。

なお、画面スクロールやユーザビリティの観点から、邪魔にならない位置や方法で表示することにも注意を払いましょう。

(3)入力フォーム

フォーム入力はCVへの最終段階ですが、入力項目が多いなどの利便性の低さやユーザー負荷の大きさが目立つとCVへつながらない可能性が高いです。

そのため、入力項目数を減らしたり、サジェスト機能を導入したりして、ユーザーの反応に合わせて負荷を軽減するようなフォームを作成しましょう。

フォームでの離脱を防ぎ、確実にCV獲得をするためには必須のポイントと言えます。

(4)広告運用

LPを効果的に運用するためには、広告運用と並行稼働することが大前提です。

これは、LPの記述内容がセールスに特化していることで、LP単体ではSEOによるユーザーの流入が見込めないことに起因しています。

そのため、広告運用はアクセスを獲得する入口として位置づけられ、具体的にはリスティング広告を用いることがおすすめです。

リスティング広告では、ユーザーがどのようなキーワードで検索した際に広告を配信するのかを広告主があらかじめ指定することができます。

つまり、自社の商品・サービスへのニーズが高いユーザーにピントを絞って配信ができるため、CVにつながる可能性が高いことがメリットとして挙げられます。

このように、リスティング広告運用を同時に行うことで、集客方法を視野に入れた一貫性のあるコンテンツ制作を進める必要があることは押さえておきましょう。

(5)LPO施策

LPは制作した後にも、定期的な改善が必要です。

LPOは、LP最適化のことで、効果測定などを通じてLPのキャッチコピーやデザインなどを微調整してCVRを高めていく施策を指します。

一般的には、以下のような手順で進められます。

LPO施策の手順

  1. 課題分析
  2. 改善案の作成・検証
  3. 効果測定

なお、具体的なLPOの内容やポイントについては、以下の記事で詳細に取り上げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

2024.02.28

ランディングページ(LP)を改善したい!方法や手順を徹底解説します

(6)リストマーケティング

リストマーケティングとは、リード(見込み顧客)のリストを用いて、メルマガ配信などを行う手法です。

ユーザーがLPを訪問して問合せなどが発生したとしても、その後に連絡がとれなくなる場合があります。

そのようなユーザーをリストアップし、メルマガ配信による情報提供などを通じて追客することで、リード育成を経て最終的なCVにつなげることができます。

このように、最終CVを目指したフォロー導線の構築もLPの制作にあたっては意識すべきポイントとして挙げられます。

3.LPを作る方法

LPを制作する場合、以下のような方法が考えられます。

LP制作の方法

  • 自社で制作する
  • フリーランスに依頼する
  • 制作会社に依頼する

それぞれの方法にある特徴を踏まえた上で、LPを制作する目的などに照らして最適な方法で制作を進めていきましょう。

(1)自社で制作する

1つ目は、自社でLPを制作することが考えられます。

社内にライティングやデザイン、コーディングを行える人員が確保できる場合には、自社で制作することで外注費用を抑えることができます。

また、運用や改善対応なども迅速に行えることもメリットとして挙げられます。

もっとも、CVにつながるようなLPを制作するためには、専門知識や経験が必要となります。

定期的な改善や運用を行うためには、社内のスケジュール調整なども必要となるため、担当者のスキルやスケジュールなどを総合的に考慮した上で検討することが望ましいです。

そのため、LP制作の費用削減のみを重視して、自社で内製することは避けた方がよいでしょう。

(2)フリーランスに依頼する

2つ目は、フリーランスに外注して制作を進める方法が挙げられます。

個人で作業を行うため、比較的作業が早く、制作費用も抑えられる傾向にあります。

そのため、早くLPを公開したい場合などにはフリーランスへの制作依頼を検討するのもよいでしょう。

もっとも、デザインの質やレベルに差がある場合もあり、公開後の運用や改善には対応していないこともあります。

フリーランスに依頼する際には、見積もりの段階でどの範囲までの作業を依頼できるかを確認するようにしましょう。

(3)制作会社に依頼する

3つ目は、Web制作会社に制作を外注する方法があります。

フリーランスに依頼する場合と比較すると、制作費用が高額になる傾向がありますが、デザイン性などにこだわったLPを制作したい場合には制作会社に依頼するのがおすすめです。

特にLPの制作を多く手掛けたことがある制作会社は、競合調査から構成・デザインに至るまで質の高い作業が期待できます。

また、制作だけでなく、公開後の運用や改善提案までを実行する制作会社もあるため、専門性の高いサポートが期待できます。

4.LPの制作を制作会社に依頼する際のポイント

LPを制作会社に外注して制作する場合には、主として以下の3点に着目しましょう。

LP制作を制作会社に外注する際の着目点

  • 制作実績を確認する
  • LP公開後のサポート体制の有無や内容を把握する
  • 複数社から見積もりをとって比較する

順にご説明します。

(1)制作実績を確認する

過去にどのようなLPを制作してきたかについては、制作会社のホームページなどに実績として掲載されている場合が多いです。

そのため、まずはホームページなどで制作実績を確認することをおすすめします。

LPの制作実績が豊富な制作会社であれば、CVにつながるLPを制作するためのノウハウが充実している可能性が高いです。

また、LPの制作量だけでなく、業界実績などを確認しておくことが望ましいです。

例えば、制作会社によって医療系や美容系など、得意とするジャンルの傾向が異なります。

LPに掲載したい商品やサービスと近いジャンルに強みをもつ制作会社に依頼すれば、CVにつながりやすいLPになることが期待できます。

(2)LP公開後のサポート体制の有無や内容を把握する

LPを公開した後のサポート体制についても、事前に確認することがおすすめです。

具体的には、修正対応や広告運用、LPO施策の実施の有無や内容について着目しましょう。

これらの作業は、専門的な知識やLP運用経験を持っていることが前提となるため、ノウハウを持たない状態で対応することは難しいです。

そのため、公開後の運用や改善までを含めたサポートを制作会社から受けられるかどうかがLPの効果を左右することになります。

この点については、相談や見積もりの際に制作会社へ伝えておくことが望ましいでしょう。

(3)複数社から見積もりをとって比較する

LPの制作費用は制作会社によっても相場が変動するため、3社以上から相見積もりをとった上で費用を比較することがおすすめです。

どのような費用項目があるのかを確認するだけでなく、修正などによる追加費用の発生の有無についても確認しておくことで、トラブルなどを防ぐことにもつながります。

また、公開後の運用や改善に関する費用がどの程度かかるのかを把握しておくことも大切です。

まとめ

本記事では、LP制作の手順やポイント、制作会社に依頼する際の着目点などについて解説しました。

繰り返しになりますが、LPは制作してからが本格的な正念場です。

そのため、制作の段階から運用の場面を想定することで、CV獲得に効果的なLPを作ることができます。

本記事で紹介した事項を参考にしながら、効果的なLP制作・運用を進めていきましょう。

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この記事の投稿者
城戸 恭平
城戸 恭平
代表取締役。兵庫県出身。京都大学教育学部教育科学科卒業新卒で外資系コンサルティングファームPwCコンサルティング合同会社に入社。大手運輸業クライアントの新規事業開発プロジェクト、社団法人クライアントのマーケティング業務改善プロジェクトを経て独立。 コンサルティング・Webマーケティング領域に強みを持ち、経営全般を担当。