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広告代理店の選び方と乗り換えの判断基準

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TMS編集部

広告代理店は、会社の規模や知名度ではなく、アカウントの名義、計測と目標の設計、担当者の体制、報告と提案の中身、契約と費用の内訳という5つの確認点を、同じ質問で比べて選びます。

いまの代理店で成果が出ていない場合は、すぐに乗り換える必要はありません。原因が代理店側にあるのか自社側にあるのかを切り分け、期限を決めて改善を求め、それでも変わらなければ乗り換える、という順で進めます。

この記事では、Web広告の発注先を探している方と、いまの代理店を見直したい方に向けて、5つの確認点、成果が出ないときの原因の切り分け、乗り換えを決める3つの判断基準、変更の手順をまとめます。

TMS Partnersは、京都市のWebコンサルティング会社です。Web広告運用を戦略立案から制作・運用まで一気通貫で支援しており、代理店選びの相談や、いまの運用内容を第三者の目で確かめたいというご相談を無料でお受けしています。

目次

広告代理店の種類と任せられる業務・費用

広告代理店(広告会社)の種類

広告代理店(広告会社)は、扱う媒体と得意な目的で大きく分かれます。

  • 総合広告代理店:テレビや新聞などのマス媒体からWeb広告まで幅広く扱う。認知を広げる大型の施策に向く
  • Web広告専業の代理店:検索広告やSNS広告などの運用型広告(配信しながら設定や広告文を調整していく広告)を中心に扱う。問い合わせや購入といった成果の数と単価を追う。「パフォーマンスマーケティング会社」と名乗る会社もこの型に近い
  • 特定の媒体や業種に特化した代理店:対応範囲は狭いが、その領域の知見が深い
  • 制作会社やコンサルティング会社が運用も行う形:サイトやランディングページ(広告をクリックした人が最初に見るページ。以下LP)の制作と広告運用をまとめて頼める

比べるときの出発点は、自社の目的が「知ってもらうこと」なのか「問い合わせや購入を得ること」なのかです。後者であれば、運用型広告の設計と改善を日常的に行っている会社が候補になります。

任せられる業務の範囲

Web広告で任せられるのは、媒体とキャンペーン(予算や配信先をまとめて管理する単位)の設計、成果を数えるための計測設定、入札(広告枠を競うときに、クリックなどに対して支払う金額を決める設定)・予算・広告文の日々の調整、バナーや動画の制作、レポートと改善提案です。LPの制作や修正まで含むかどうかは会社によって分かれます。見積もりの段階で、どこまでが運用の費用に含まれるかを書面で確認してください。

費用の考え方と、妥当かどうかの見方

費用は、媒体に支払う広告費と、代理店に支払う手数料に分かれます。手数料は、一般的な目安として広告費の20%前後です。広告費に料率を掛ける方式のほか、月額が一定の定額型や、成果の件数に応じて支払う成果報酬型もあります。

価格の安い代理店と、費用は高めでも成果を重視する代理店のどちらを選ぶかで迷ったときは、料率ではなく「(広告費+手数料+別料金の制作費・初期費用)÷成果件数」で出す1件あたりの総コストで比べます。料率が低くても、計測設定や制作が別料金で、改善の作業が少なければ、1件あたりのコストは高くなりえます。料率の違いや見積もりの読み方は、広告代理店の手数料・費用相場の記事で計算例つきで説明しています。

少額の予算でも依頼できる代理店はあります。ただし、最低手数料や最低出稿額を設けている会社もあるため、月に使える総額を先に伝えて確認してください。少額で始めるときの考え方は少額予算の広告運用にまとめています。

代理店に任せる不利な点と、自社運用の目安

代理店に任せると、手数料がかかります。任せきりにすると運用の知見が社内に残りにくく、変更を頼んでから反映されるまでに時間差も生じます。毎週数値を確認できる担当者がいて、扱う媒体と商材が絞られているなら、自社で運用する(インハウス運用)選択もあります。担当者が兼務で確認が月1回になっている、計測が正しいか自信がない、複数の媒体に広げたい、という場合は代理店に任せるほうが向いています。

広告代理店の選び方:比較で確かめる5つの確認点

複数の代理店を比べるときは、全社に同じ質問をします。答えの中身と、答え方の具体性で差が見えます。

確認点 相手にそのまま聞く質問 注意が必要な答え
1. アカウントの名義と閲覧権限 広告アカウントは当社専用ですか。管理画面は見られますか。解約後も当社で使い続けられますか 管理画面は見せられない。解約時にアカウントは渡せない
2. 計測と目標の設計 何を成果として数え、目標の件数と単価をどう決めますか 計測の話が出ず、予算と媒体の話だけで進む
3. 担当者と体制 実際に運用する方はどなたですか。その方は何社を担当していますか。担当が変わるときの引き継ぎはどうしますか 運用担当者が提案の場に出てこない。契約後に決めると言われる
4. 報告と提案の中身 月次レポートの見本を見せてもらえますか。連絡への返答の目安はどのくらいですか 見本が数値の一覧だけで、変更した内容と次の打ち手が書かれていない
5. 契約と費用の内訳 最低契約期間、自動更新の有無、解約を申し出る期限、中途解約時の費用、手数料に含まれる業務を書面でもらえますか 広告費と手数料を分けた見積もりを出せない。解約条件が口頭の説明だけ

1. アカウントの名義と閲覧権限

最初に確認したい点です。代理店側のアカウントで配信し、広告主には加工したレポートだけを渡す形だと、実際の広告費や作業の内容を自分で確かめられません。解約するときに、それまでの配信の履歴を引き継げないおそれもあります。

Google広告の場合、Googleは代理店などの第三者に対し、広告主ごとに個別のアカウントを使うことを求めています。広告費とは別に管理費用を請求する場合は、広告主に知らせることも求めています(Google サードパーティ ポリシー)。また、広告主には少なくとも広告のクリック数、表示回数、費用を知る権利があるとしています(Google 広告ポリシー ヘルプ「広告主様向けガイド」)。

2. 計測と目標の設計

問い合わせフォームの送信や電話など、何をコンバージョン(広告の成果として数える行動)にするかで、運用の方向が決まります。初回の提案で、成果の定義と、目標の件数・獲得単価(成果1件あたりの広告費。CPA)の決め方を示せる会社は、運用の土台を理解しています。「業界での運用経験」を尋ねるときも、社名の一覧ではなく、自社の商材なら何を成果として数え、どの媒体から始めるかを聞くと、理解の深さが分かります。

3. 担当者と体制

提案の場に出てくる営業担当者と、契約後に運用する担当者が別の人であることは珍しくありません。契約前に運用担当者と直接話し、自社の商材についてどんな質問をしてくるかを見てください。担当している社数も尋ね、自社の数値を見る頻度をどのくらい確保できるかを確かめます。担当者が交代するときの引き継ぎ方法と、交代を依頼できるかどうかも聞いておきます。

4. 報告と提案の中身

月次レポートの見本を見せてもらいます。見るのは、数値の一覧のあとに「何を変えたか、その結果どうなったか、次に何を変えるか」が書かれているかです。連絡手段と返答の目安、打ち合わせの頻度も契約前に決めておくと、「対応が遅い」という不満を防ぎやすくなります。

5. 契約と費用の内訳

契約書で確認するのは、最低契約期間の有無、自動更新かどうか、解約を申し出る期限、中途解約時の費用の4点です。見積もりは「広告費」「手数料」「初期費用や制作費」に分けて出してもらい、手数料に含まれる業務を並べて比べます。認定資格や受賞歴は最初のふるい分けには使えますが、自社の成果を保証するものではありません。

初めて依頼するときの流れと、相談前に用意するもの

相談の前に、次の5つを整理しておくと、各社の提案を同じ条件で比べられます。広告の目的(認知か、問い合わせ・購入か)、成果として数えたい行動と目標の件数、月に使える総額(広告費、手数料、制作費などを合わせた上限)、これまでの配信の有無と数値、LPの有無です。

  1. 複数社(2〜3社)に同じ情報を渡して相談する
  2. 5つの確認点を、全社に同じ質問で聞く
  3. 提案と見積もりを比べて、依頼先を決める
  4. 目標、成果の定義、計測の方法を合意して配信を始める
  5. 評価する期間を先に決め、その期間の数字をもとに改善する

広告代理店で成果が出ない・不満があるときの原因の切り分け

いまの代理店に不満があるときは、不満の種類ごとに、先に確かめることがあります。

不満 先に確かめること 代理店側の問題と言える状態
問い合わせは来るが成約率が低い どの検索語や広告から来た問い合わせが成約したかを、代理店に伝えているか 成約の情報を渡しても、配信の対象や広告文が変わらない
件数が増えない、獲得単価が高い 計測は正しいか。目標の件数と単価を合意しているか。LPは改善されているか 原因の説明がなく、予算の増額だけを提案される
目新しい提案がない 新商品、繁忙期、営業現場の声を共有しているか 情報を渡しても、レポートの文面が毎月ほぼ同じ
対応が遅い 連絡手段と返答の目安を取り決めているか 取り決めた目安が守られない状態が続く
担当者の変更後に質が落ちた 引き継ぎの内容を書面で受け取ったか 目標や過去の経緯を、新しい担当者が把握していない

成約率への不満は、広告の外側も確かめる

成約率(問い合わせが契約に至る割合)には、広告だけでなく、問い合わせ後の対応の速さや営業の進め方も影響します。代理店が見ているのは、通常は問い合わせの件数までです。その先の成約の情報は、発注側が渡さなければ伝わりません。

成約した問い合わせと、しなかった問い合わせの違いを月1回でも共有すると、代理店は成約につながりやすい検索語や訴求に予算を寄せられます。共有を続けても配信内容が変わらないなら、代理店側の問題と判断できます。

変更履歴で、実際の作業量を確かめる

運用が放置されていないかは、管理画面で確かめられます。Google広告には、アカウント、キャンペーン、広告グループ(キャンペーンの中でキーワードと広告をまとめる単位)に対して行った過去2年間の変更を一覧で見られる「変更履歴」があり、キーワードを追加した担当者名や以前の予算額なども確認できます(Google 広告ヘルプ「変更履歴について」)。

管理画面を見られない場合は、直近3か月の変更内容の一覧を代理店に依頼してください。変更がほとんどない月が続いているのに、レポートに「改善中」と書かれているなら、説明を求める根拠になります。検索広告で成果が出ない原因の調べ方は、リスティング広告の運用代行で成果が出ない原因で詳しく扱っています。

発注側に原因があるケース

次の3つに当てはまる場合は、代理店を変えても同じ結果になりやすいと言えます。

  • 目標の件数と単価を、代理店と数字で合意していない
  • 商材の利益、売れ筋、繁忙期、成約の情報を渡していない
  • 配信開始や大きな変更の直後の、データが少ない時期の数字だけで評価している

広告代理店を乗り換える判断基準とタイミング

対応が遅い・提案がないときは、期限を決めて改善を求める

不満を口頭で伝えるだけでは、状況は変わりにくいものです。「何を」「いつまでに」「どの状態にしてほしいか」を書面にして渡します。たとえば「月次レポートに変更内容と次月の施策を毎回記載する」「連絡への一次回答は取り決めた目安の範囲内で行う」といった形です。

不満の原因が担当者個人にあると感じる場合は、担当者の変更を依頼する方法もあります。会社を変えるより負担が小さく、アカウントや過去の経緯もそのまま使えます。

乗り換えを決める3つの判断基準

  1. 期限つきで求めた改善が、期限を過ぎても実行されない
  2. 広告費と手数料の内訳、管理画面の閲覧、変更内容の開示に応じない
  3. 自社に必要な範囲と、代理店の対応範囲が合わなくなった(媒体を増やしたい、LPや動画の制作まで一体で頼みたい、など)

1つ目と2つ目は、どちらか1つでも当てはまれば乗り換えを検討する理由になります。3つ目は代理店の落ち度ではありませんが、複数の会社に分けて発注する管理の手間と比べて判断します。

乗り換えのタイミング

時期は、契約書の更新日と解約を申し出る期限から逆算します。期限を過ぎると、契約がもう1期間続くことがあるためです。解約の通知は、新しい代理店が決まり、アカウントやデータを引き継げる見通しが立ってから出します。自社の繁忙期の直前は避けてください。切り替えの直後は数字が安定しにくく、書き入れ時の機会を逃すおそれがあります。

広告代理店を変更する手順と引き継ぎの注意点

変更は次の順で進めます。初めて依頼する場合の流れは、5つの確認点の節の末尾にまとめています。

  1. 契約の確認:最低契約期間、自動更新の有無と更新日、解約を申し出る期限、中途解約時の費用を契約書で確かめます。いまの配信を止められる最短の日も、ここで確かめます。
  2. 引き継ぐものの確認:広告アカウントの名義と権限、計測タグ(成果を数えるためにサイトに設置するコード)の管理者、アクセス解析ツールの権限、バナーや動画の元データ、LPの管理場所、支払い方法の名義を一覧にします。アカウントを自社に移管できるか、できない場合に構成や過去の数値の出力データを受け取れるかを、この段階でいまの代理店に確認します。
  3. 候補への相談と提案:候補の代理店に現状を伝えます。管理画面の閲覧権限を渡せるなら、渡したうえで提案を受けます。5つの確認点はこの段階で質問します。
  4. 設計と移管:新しい代理店が決まり、引き継ぎの見通しが立ったら、いまの代理店の配信停止日と、新しい配信の開始日を決めます。配信が止まる空白の期間や、同じ広告が二重に出る期間を作らないためです。そのうえで、解約を申し出る期限までに、いまの代理店へ書面で解約を通知し、停止日を両社に伝えます。新しい代理店とは、目標、成果の定義、媒体の構成を合意し、アカウントの権限を移します。計測が正しく動いているかは、切り替えの前後で確認します。
  5. 開始と評価:配信を引き継ぎ、評価する期間と指標を先に決めます。

引き継ぎで失いやすいもの

アカウントが代理店の名義で、移管に応じてもらえない場合は、新しいアカウントで作り直すことになります。その場合、それまでの配信の履歴は引き継げません。Googleは、広告主ごとに個別のアカウントを使うよう求める理由として、アカウントの履歴データが品質スコア(広告やキーワードの品質を示すGoogle広告の指標)の重要な要素であることを挙げています(Google サードパーティ ポリシー)。新しいアカウントは、この履歴がない状態から始まります。移管できるかどうかは、解約を伝える前に確認してください。

移管できない場合でも、キャンペーンの構成、キーワード、広告文、過去の数値の出力データを受け取れるかを交渉します。新しい代理店は、それをもとに作り直せます。

同じ不満を繰り返さないために

代理店を変えても、目標の合意と情報共有の仕方が以前のままなら、同じ不満が起きます。新しい契約では、目標の件数と単価、レポートに載せる項目、連絡の返答の目安、アカウントの名義を書面に残してください。

TMS Partnersに相談できること

TMS Partners株式会社は、2019年設立の京都市下京区(烏丸五条)にあるWebコンサルティング会社で、Google Partner認定を取得しています。Web広告運用では、目標数値(KPI)の設計を含む戦略立案から、ターゲティング(配信する相手の絞り込み)、クリエイティブ(バナーや動画などの広告素材)の制作、費用対効果の改善、A/Bテスト(2つの案を出し分けて成果を比べる検証)までを一気通貫で支援しています。Webデザインから動画制作まで社内で対応できるため、広告の運用とLPや素材の制作を一体で進められます。

費用は内容に応じたお見積もりです。「いまの代理店の運用内容が妥当か確かめたい」「乗り換えるべきか判断がつかない」という段階のご相談も、無料でお受けしています。この記事の5つの確認点は、相談の場でそのまま当社にお尋ねください。

まとめ

広告代理店は、アカウントの名義、計測と目標の設計、担当者の体制、報告と提案の中身、契約と費用の内訳という5つの確認点を、同じ質問で比べて選びます。成果が出ないときは、不満の種類ごとに原因が代理店側か自社側かを切り分け、期限を決めて改善を求めます。改善が実行されない、情報の開示に応じない、対応範囲が合わなくなった、という3つの判断基準に当てはまれば、乗り換えを検討します。解約を伝える前に、アカウントとデータを引き継げるかを必ず確認してください。

よくある質問

Q. 広告代理店のランキングで選んでもよいですか?

候補を探す入口としては使えますが、順位だけで決めるのはおすすめしません。売上高などの規模で並べたランキングは、自社の予算や商材に合うかどうかを示すものではないためです。候補を2〜3社に絞ったら、この記事の5つの確認点を同じ質問で聞き、答えを比べてください。

Q. 広告代理店の担当者だけを変更してもらうことはできますか?

依頼できます。応じるかどうかは代理店の体制によりますが、会社を変えるより先に試す価値があります。依頼するときは、不満の内容を具体的に伝え、新しい担当者への引き継ぎ内容を書面で受け取ってください。

Q. 広告代理店を乗り換えると、成果は一時的に落ちますか?

落ちるとは限りませんが、切り替えの直後は数字が安定しにくくなります。アカウントを作り直す場合は、過去の配信の履歴を使えないためです。既存のアカウントをそのまま引き継げれば、影響は小さくできます。評価する期間を新しい代理店と先に決めておくと、短期の数字に振り回されません。

Q. いまの契約が残っていても、ほかの代理店に相談できますか?

相談できます。現状の数値やレポートを見てもらい、第三者の意見を聞くことは、いまの代理店に改善を求める材料にもなります。管理画面の閲覧権限を外部に渡すことが契約上問題ないかは、先に契約書で確認してください。

この記事の投稿者
TMS編集部
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京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。