Vtiger CRMは使いやすい?導入メリットとデメリットの比較・料金プランも解説
「Vtiger CRMの機能や料金について、詳しく知りたい」
「知り合いがVtiger CRMを使っていると聞いたが、自社でも導入できそうか判断したい」
Vtiger CRMは世界では30万社以上で利用されているCRMで、オープソース型で拡張性が高いことが特徴です。
しかし日本ではSalesforceやHubSpotよりは知名度が低いため情報が少なく、導入を迷っている方もいるでしょう。
この記事では、Vtiger CRMの概要と機能一覧、導入時に得られるメリットとデメリット、Vtiger CRMがおすすめな企業の特徴を紹介しています。
最後まで読めばVtiger CRMを自社で活用できるかどうか判断できます。
1.Vtiger CRMとは
Vtiger CRMとは世界で30万社以上で利用されているCRMです。
閲覧しやすい顧客リストに業務の自動化機能とAIのアシストが搭載されており、営業活動における定型業務を自動化できます。
さらに、顧客との接点が持てるチャネルを統合管理する機能がついており、素早く顧客の問い合わせへ対応できるのも特徴です。
モバイルアプリに対応しているため、営業が外出中でも顧客に関する情報を確認、編集できます。
そのため、営業部門の業務効率化を図りたい場合にも導入がおすすめです。
(1)Vtiger CRMの料金プラン
Vtiger CRMには5つのプランがあります。
無料でも10ユーザーで共同作業ができるので、まずは限定した部門でCRMテストを実施しましょう。
また、各プランで15日間のトライアルが利用できます。
プラン | 月額料金 標準ライセンスで表記 |
内容 |
---|---|---|
ONE PILOT | 無料 | 10ユーザー 連絡先管理 MTGアシスタント マーケティング機能 プロジェクト管理 ヘルプデスクの利用 |
ONE GROWTH | $12(1,916円※2024年6月25日時点) | 15ユーザー リード管理 顧客管理 連絡先管理 MTGアシスタント マーケティング機能 プロジェクト管理 ヘルプデスクの利用 メールの追跡 満足度調査 請求書発行 |
ONE PROFESSIONAL | $30(4,791円※2024年6月25日時点) | リード管理 顧客管理 連絡先管理 MTGアシスタント マーケティング機能 プロジェクト管理 ヘルプデスクの利用 メールの追跡 満足度調査 請求書発行 リードスコアリング ライブWebチャットの利用 セールスインサイト カスタマーインサイト ダッシュボード |
ONE ENTERPRISE | $42(6,708円※2024年6月25日時点) | リード管理 顧客管理 連絡先管理 MTGアシスタント マーケティング機能 プロジェクト管理 ヘルプデスクの利用 メールの追跡 満足度調査 請求書発行 リードスコアリング ライブWebチャットの利用 セールスインサイト カスタマーインサイト ダッシュボード 連絡タイミングの通知 複数通貨への対応 |
ONE AI | $50(7,985円※※2024年6月25日時点) | リード管理 顧客管理 連絡先管理 MTGアシスタント マーケティング機能 プロジェクト管理 ヘルプデスクの利用 メールの追跡 満足度調査 請求書発行 リードスコアリング ライブWebチャットの利用 セールスインサイト カスタマーインサイト ダッシュボード 連絡タイミングの通知 複数通貨への対応 予測AIの利用 音声アシスタント |
2.Vtiger CRMの特徴
Vtiger CRMの特徴は3つあります。
- 直感的な操作
- モバイルアプリに対応
- 日本語版ファイルあり
Vtiger CRMは操作性がよく、なおかつ現代のワークスタイルに適応したCRMです。
1つずつ特徴を紹介します。
(1)直感的な操作
Vtiger CRMは直感的に操作できるデザインで作られています。
ボタンはアイコンで構成されており、イラストを見れば誰でも使いたい機能を選びやすいです。
そのため、ITツールに不慣れな人であっても、大きな負担なく利用できることが大きな特徴と言えるでしょう。
モバイルアプリに対応しており、スマートフォンなどでも快適に情報を閲覧できます。
CRMの操作性の良さは、システム導入時の社員の生産性の向上や定着率の高さにつながる重要な指標です。
Vtiger CRMは操作性が良いため、社員にも受け入れられやすく、システム導入後に混乱を招くリスクが低いといえます。
(2)モバイルアプリに対応
Vtiger CRMはモバイルアプリに対応しています。
営業が外出中に商談状況を更新したり、社内からの連絡事項を確認するのにも便利です。
モバイルアプリに対応していることで情報共有が遮断されず、また営業が情報を確認するために会社へ戻る移動時間も削減できます。
場所を選ばず仕事ができるモバイルアプリに対応している点もVtiger CRMの特徴です。
(3)日本語版ファイルあり
Vtiger CRMは海外産のCRMですが、日本語ファイルを公開しています。
そのため、システムで使われている言語が英語であることを理由に導入できないといった問題が起こりません。
海外産のCRMであっても日本語対応ができているため、導入ハードルは低いでしょう。
3.Vtiger CRMの顧客管理機能
Vtiger CRMの顧客管理機能を紹介します。
- 顧客連絡先管理
- 商談管理
- ヘルプデスク管理
- 在庫管理
- マルチチャネルの統合管理
- レポート作成
自社が求める機能を備えたCRMかどうか、機能一覧から確認してください。
1つずつ内容を説明します。
(1)顧客連絡先管理
Vtiger CRMは顧客連絡先管理機能を搭載しています。
氏名と連絡先、その他の情報を紐づけてリストとして管理できます。
顧客の連絡先をメールマーケティングやテレマーケティングに活用する際は、Vtiger CRMの検索機能から顧客名などを絞り込んで抽出が可能です。
また、必要に応じて顧客情報の追加や修正もできます。
最新の情報を保つことは、効果的なマーケティング施策を進める上でも重要と言えます。
CRMツールを用いたマーケティング施策の必要性や具体例については、以下の記事が参考になります。
(2)商談管理
Vtiger CRMでは、営業の商談管理も可能です。
誰が何件の商談を抱えているのかだけでなく、商談の相手先や取引状況などを全て記録できます。
営業が個々で商談管理をしていると、営業の全体像が見えにくく、リーダーが適切な指導ができない場合があります。
しかし、Vtiger CRMの商談管理機能を使えば、常にリーダーがチーム全員の商談進捗を把握でき、必要であればアドバイスを送れます。
また、商談における提案内容やコミュニケーションを記録することで、ベテラン社員のノウハウを共有することができます。
これにより、営業社員全体の営業力の向上を期待することが可能です。
商談内容や履歴から顧客の潜在ニーズなどを分析・把握することで、商品・サービスの改善や開発に活用することもできるでしょう。
(3)ヘルプデスク管理
Vtiger CRMにはヘルプデスク管理機能が搭載されています。
顧客の問い合わせ内容の優先順位をつけ、緊急対応が必要な顧客にラベルを付与して対応を促すなど、細かな設定が可能です。
さらに、ユーザーが自分で問題を解決するためのQ&Aを作成することもできます。
Q&Aを作成・共有することで、社内の誰もが内容を把握して解決を図ることができ、業務の効率化を促すことができます。
また、顧客対応の質を向上させることにもつながり、適切なタイミングで対応を行うことで顧客満足度の向上も期待できます。
(4)在庫管理
Vtiger CRMは在庫管理機能も有しています。
ECサイトを運営している場合などに、在庫が不足したらアラートを発して補充を促すなど、便利な機能です。
もちろんオフラインビジネスの会社でも、契約書の在庫管理などにこの機能が利用できます。
顧客のニーズや行動特性を分析・把握することで、適切な受注管理に活用することも可能です。
業務を効率化させながら、受注管理を最適化することが目指せるため、社内リソースの再配分やコスト削減の効果が期待できるでしょう。
(5)マルチチャネルの統合管理
Vtiger CRMでは複数チャネルから入ってくる顧客の問い合わせを統合管理できます。
メールやお問い合わせフォーム、SNSなどさまざまな連絡手段を統合し、Vtiger CRM上で管理、返信が可能です。
顧客の問い合わせをそれぞれのツールを開いて確認、返信する必要がないため、問い合わせ業務も効率化するでしょう。
また、各チャネルの顧客動向を分析・把握することで、チャネル別のコミュニケーション方法の策定や実施に活用することもできます。
たとえば、年齢層によってどのチャネルでアプローチを行うかをセグメント化するほか、商品・サービスの特徴などによっても分けることができます。
具体的には、導入や使用に専門知識を有するような商品・サービスのユーザーに対しては、メールや電話を用いたアプローチを図るなどの対応が考えられるでしょう。
顧客の状況やニーズに合わせた柔軟な対応を行うことで、顧客との適切な関係性を構築することにつながります。
(6)レポート作成
Vtiger CRMは蓄積したデータを元にした分析とレポート抽出が可能です。
リアルタイムデータから販売目標に対しての進捗やチームのパフォーマンスを数値化したグラフなどを閲覧できます。
さらに、顧客のインサイトを分析してスコアリングをし、営業がアプローチすべき対象を選別するなど、詳細な分析が可能です。
分析結果を視覚的に把握できるグラフや表を活用することで、膨大な情報やデータを容易に把握することができ、マーケティングや営業活動を効率的に進めることができます。
また、部署や部門を横断したデータ分析を行うことで、マーケティングや営業、販促に至るまでの部門を越えた連携を図ることが期待できます。
4.Vtiger CRMを利用するメリット
Vtiger CRMを利用するメリットは4つあります。
- AI搭載で業務を自動化
- 外出先でもCRMを操作可能
- 充実したサポート体制
- 拡張性の高さ
日本ではVtiger CRMの知名度はさほど高くなく、名前を聞いたことがない方もいるでしょう。
Vtiger CRMの導入メリットを解説するので、自社にあったツールか見極める参考にしてください。
(1)AI搭載で業務を自動化
Vtiger CRMはAIを搭載しており、業務を自動化するサポートをしてくれます。
営業が日報を作成、上長に提出、承認というような簡単な流れが決まっているような業務は、全て自動化可能です。
事務作業の負担を軽減することで、チームメンバーそれぞれが行うべき業務に注力できます。
例えば、日報提出のために会社へ戻る移動時間を減らし、その分営業先への挨拶をすれば商談成功につながるかもしれません。
上記のようにVtiger CRMの自動化機能を活用すれば、社員がすべきことに集中する環境を作ることができます。
(2)外出先でもCRMを操作可能
Vtiger CRMはモバイルアプリに対応しているので、外出先でもCRMを操作できます。
顧客情報や商談進捗の更新はもちろん、タスク管理や顧客への問い合わせ対応もアプリ上で操作できます。
マップ機能で近くにある取引先を表示させることができ、外回りの際の効率的なルートを作成することも可能です。
さらに受け取った名刺をその場でスキャンして取り込めるので、社内のチームメンバーにも素早く情報を共有できます。
(3)充実したサポート体制
Vtiger CRMは、充実したサポート体制で導入前から導入後まで安心して利用できます。
担当者が自社の業態や顧客数、目標をヒアリングして、アクションプランを提案するなど導入時のサポートも充実しています。
有料プランに加入している場合はメール、チャット、電話によるサポートを利用可能です。
新しいツールの導入後は操作方法や運用方法について、何かと疑問が出るものです。
Vtiger CRMのようにサポートが充実していれば、初めてのCRMの運用でも導入しやすいです。
(4)拡張性の高さ
Vtiger CRMは無料・有料版の拡張機能が用意されており、必要な機能を追加できます。
カスタマイズ不要で拡張が可能なので、拡張機能利用時にシステムが長期間停止することもありません。
一般的なCRMの拡張やカスタマイズよりも安価に利用でき、運用コストも抑えられます。
5.Vtiger CRMのデメリット
Vtiger CRMは拡張性が高く、営業活動を効率化する機能が充実したCRMです。
一方でVtiger CRMには以下のようなデメリットがあります。
- オープンソースがゆえのセキュリティへの懸念
- 社内に専門のエンジニアが必要
- 維持管理に費用がかかる可能性
メリットとデメリットを比較し、Vtiger CRMを不安なく導入できるか検討しましょう。
(1)オープンソースがゆえのセキュリティへの懸念
Vtiger CRMはオープンソース型のソフトウェアであるため、セキュリティ面での懸念があります。
オープンソースとは、ソースコード(プログラムの内容を記述したもの)を無償で公開しているソフトウェアです。
ソースコードがオープンになっているので、誰でもカスタマイズや拡張をしやすいです。
一方、誰でもソースコードを閲覧できるため、システムの脆弱性をついて不正アクセスができる可能性があります。
また、無償のオープンソース型ソフトウェアは、開発元のサポートがない場合が一般的です。
そのため、不正アクセスを防ぐには、自社で独自のセキュリティ体制を敷き、安全性に配慮する必要があります。
特にCRMツールでは顧客情報から自社の商品・サービスに関するデータまで、機密性の高い情報が一元管理されています。
情報漏洩などが発生すれば、企業に対する信頼度の低下などの甚大なリスクが生じかねません。
オープンソース型のツール・システムを導入する際には、セキュリティの脆弱性に起因するリスクが内在することを押さえておきましょう。
(2)社内に専門のエンジニアが必要
Vtiger CRMはカスタマイズや拡張が自由にできますが、IT知識に長けた人員の配置が必須です。
誰でも簡単にカスタマイズできるわけではないため、導入のハードルはやや高いでしょう。
自社でITチームを用意している場合は問題ありませんが、ITスキルの高い人員がいない場合は、専門の業者に外注するなどの対応が必要です。
もっとも、自社内に人員を確保できる場合と比べると、作業のスピードや要件に見合う機能の拡張・追加がすぐに行われるとは限りません。
そのため、機能の拡張・追加から運用開始までの期間を最短にしたい場合には、その他のCRMを選んだ方が良い場合もあるでしょう。
なお、その他のCRMツールについては、以下の記事でも解説していますので、合わせてご覧ください。
(3)維持管理に費用がかかる可能性
Vtiger CRMの導入後は、維持管理コストがかかる可能性があります。
セキュリティのアップデートやカスタマイズを自社で実施できない場合は、維持管理を外注する必要があるためです。
ベンダーを通して改修やメンテナンスを実施する場合は、月額または年額で保守管理費用を支払わなければなりません。
Vtiger CRMの運用には、ライセンス費用以外の料金が必要になる可能性があるため、コスト面もよく検討して導入を決定しましょう。
6.Vtiger CRMに向いている企業の特徴
Vtiger CRMの導入がおすすめな企業の特徴を3つ紹介します。
- まずは安価にCRMを使ってみたい
- 自社に選任ITチームがある
- AIを活用したCRMを使いたい
Vtiger CRMは無料で利用できるCRMなので、まずは安価にCRMというものがどういうものかを試したい企業におすすめです。
また、本格的に導入する際は維持管理や改修のために、専任のITチームが用意できる会社に向いています。
Vtiger CRMにはAIによるサポート機能も実装しているので、最先端技術を活用して自社の利益拡大や顧客コミュニケーションを活性化したい方にもおすすめです。
なお、オープンソース型のCRMツールには、Vtiger CRMの他にも、Sugar CRMなどがあります。
Sugar CRMの特徴や機能については、以下の記事で詳しく取り上げていますので、ぜひご参照ください。
まとめ
Vtiger CRMはオープンソースで拡張性が高く、操作性も良いCRMです。
オープンソース特有の脆弱性への対応は必要ですが、自社でIT人材を用意できる会社にとってはオリジナルに近いCRMとして導入できるでしょう。
無料プランでも機能が充実しており、10ユーザーまで利用できるので、CRMツールを試してみたい企業にもおすすめです。
記事で紹介したVtiger CRMのメリットとデメリットをよく比較して、自社で活用できるか検討してみてください。