canonicalタグの正しい設定方法|URL正規化でSEO効果を最大化する方法


「canonicalタグって何?どうやって設定すればいいの?」
「サイト内に似たようなページがあるけど、これってSEOに悪影響があるの?」
このような疑問を抱いているWebサイト運営者も多いのではないでしょうか。
実は、canonicalタグは重複コンテンツによるSEOの悪影響を防ぎ、検索エンジンに正しいページを評価してもらうための重要なHTMLタグです。
本記事では、canonicalタグの基本概念から具体的な設定方法、よくある間違いとその対処法まで、SEO担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
正しいcanonicalタグの設定により、重複コンテンツの問題を解決し、サイト全体のSEO効果を向上させることができるでしょう。
1.canonicalタグとは?URL正規化の基本概念
canonicalタグは、HTMLタグの1つです。
その基本概念を理解してから、正しくcanonicalタグを使いましょう。
- 重複コンテンツ対策のHTMLタグ
- 検索エンジンへの正規URL指定機能
- 主要検索エンジンでの対応状況
順にご説明します。
(1)重複コンテンツ対策のHTMLタグ
canonicalタグは、Webサイト内に存在する重複・類似コンテンツがSEOに悪影響を与えることを防ぐために開発されたHTMLタグです。
例えば、商品ページで色違いやサイズ違いの複数URLが存在する場合、内容がほぼ同じページが複数生成されてしまいます。
このような状況で検索エンジンがどのページを評価すべきか判断に迷うと、本来得られるはずのSEO効果が分散してしまうリスクがあります。
それだけでなく、重複コンテンツや品質の低いコンテンツと評価され、検索順位に悪い影響を与える可能性もあります。
そこでcanonicalタグを適切に設定することで、重複する複数のページの中から「正規のページ」を明確に指定し、そのページに評価を集約させることができるのです。
(2)検索エンジンへの正規URL指定機能
canonicalタグの基本的な記述方法は、headタグ内に以下のように記載します。
<head>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/正規ページのURL”>
</head>
このタグにより、検索エンジンに対して「複数の類似ページがある中で、hrefで指定したURLが正式なページです」と伝えることができます。
検索エンジンはこの指示に従って、指定されたURLを優先的に評価し、検索結果にも正規URLを表示するようになります。
なお、canonicalタグはURLを強制的に指定するものではなく、検索エンジンに正規URLを提案するようなイメージです。
そのため、必ず検索エンジンがその指示に従うとは限りませんが、適切に設定しておけば検索エンジンは高確率で指定したURLを正規URLとして認識できます。
(3)主要検索エンジンでの対応状況
canonicalタグは、Google、Bing、Yahoo!などの主要検索エンジンすべてで対応されている標準的なHTMLタグです。
Googleでは2009年から正式にサポートを開始し、現在では重要なSEO要素の1つとして認識されています。
Bingも同様にcanonicalタグをサポートしており、マイクロソフトの公式ドキュメントでもその重要性についての言及がありました。
Limit the number of web pages: Limit the number of pages on your website to a reasonable number. Avoid duplicative content within your site; help us dedupe duplicate content by:
Avoid outputting different URLs with the same content by using the Canonical Tag.
(同じ内容の重複したURLの生成を阻止するために、canonicalタグを使用しましょう)
また、Yahoo!検索もGoogleの検索エンジンを使用しているため、canonicalタグの効果は同様に期待できます。
これらの主要検索エンジンがcanonicalタグに対応していることから、国際的なWebサイトにおいても安心して使用できる確立されたSEO手法といえるでしょう。
2.canonicalタグでURLを正規化する意味とメリット
canonicalタグによるURL正規化は、SEOにおいてさまざまなメリットがあります。
代表的なものとして、以下のものが挙げられます。
- 重複コンテンツや類似ページによる悪影響を防ぐ
- URLの記述形式を整える
- 被リンクの評価分散を防ぐ
- 意図しないURLがインデックスされることを防ぐ
- クローラーの無駄な巡回を減らして重要ページの評価を守る
- URLが分散して効果測定しにくくなることを防ぐ
順に見ていきましょう。
(1)重複コンテンツや類似ページによる悪影響を防ぐ
canonicalタグの使用により、重複コンテンツや類似ページによるSEO的な悪影響を阻止できます。
重複コンテンツは検索エンジンにとって価値の低いコンテンツとみなされるリスクがあり、それによりサイト全体の評価に悪影響を与えるリスクがあります。
特にECサイトなどでは商品の色違い、サイズ違いなどバリエーションごとに個別のURLが生成されることがあり、意図せず類似ページが作成されてしまうこともあるのです。
そのような場合にcanonicalタグを使えば類似ページを1つの正規URLに統合して、検索エンジンからスパムであるという評価を受けるリスクを下げられます。
また、コンテンツの価値も分散しなくなるため、そのページの検索順位の改善にも役立つでしょう。
(2)URLの記述形式を整える
canonicalタグを使えば、URLの記述形式を整えることができます。
具体的には同じコンテンツにアクセスできるURLのパターンが複数存在するような場合に、このURLを統合できるということです。
例えば、「www」の有無や「https,http」の違いなどで、異なるURLが生成されるのを回避できます。
https://www.example.com/page/
https://example.com/page/
https://www.example.com/page
https://example.com/page
これらすべてが同じコンテンツを表示する場合、canonicalタグで1つの正規URLを指定することで、検索エンジンの混乱を防ぎ、統一された評価を得ることができます。
なおURL形式の統一は、ブランディングの観点からも重要です。
URLが統合されることでユーザーが覚えやすく信頼できるURLのパターンを確立することができます。
(3)被リンクの評価分散を防ぐ
canonicalタグを適切に使用すれば、被リンクの評価が分散するのを防ぐことができます。
外部サイトからのリンク(被リンク)が複数の類似URLに分散してしまうと、それぞれのページの被リンク評価が弱くなってしまいます。
canonicalタグを設定することで、異なるURLに向けられた被リンクの評価を正規URLに統合し、より強力なSEO効果を得ることが可能です。
例えば、10本の被リンクが5つの類似URLに分散している場合よりも、10本すべてが1つの正規URLに集約されている方が、そのページの検索順位向上により大きく寄与します。
特に競争の激しいキーワードでは、被リンクの評価集約による効果は非常に大きいので、上位表示を狙ううえでは大切な対策です。
なお、被リンクがSEO上で持つ重要性や具体的な対策方法などについては、以下の記事も合わせてご覧ください。
(4)意図しないURLがインデックスされることを防ぐ
canonicalタグにより、WebサイトのCMSやシステムが自動生成する意図しないURLが検索結果に表示されることを防ぐことが可能です。
例えば、ソート機能付きの商品一覧ページで「?sort=price」などのパラメータが付いたURLが生成される場合、これらのURLが個別にインデックスされてしまう可能性があります。
canonicalタグを使用することで、パラメータなしの基本URLを正規URLとして指定し、ソート機能付きのURLは検索結果に表示されないようにできます。
これにより、ユーザーが検索結果から適切なページにアクセスでき、サイトの使いやすさが向上します。
なお、インデックスの仕組みやSEOに与える影響などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
(5)クローラーの無駄な巡回を減らして重要ページの評価を守る
canonicalタグを使用すれば、クロールバジェットを減らすことができます。
検索エンジンのクローラーには活動量の限界があり、これをクロールバジェットといいます。
そのため、同じようなページWebサイト内に複数存在する場合、クローラーが何度も巡回することでクロールバジェットが無駄に消費されてしまうことになるのです。
canonicalタグによって重複ページを統合することで、クローラーが重要なページにより多くの時間を費やせるようになります。
特に大規模なWebサイトでは、、canonicalタグの適切な設定により、新しいコンテンツの発見やインデックス速度の向上が期待できます。
また、重要なページにクローラーのリソースが集中することで、それらのページの評価が向上し、検索順位の改善にもつながるでしょう。
クロールバジェットの概要や消費を減らすためのポイントについては、以下の記事も合わせてご覧ください。
(6)URLが分散して効果測定しにくくなることを防ぐ
canonicalタグを使えばアクセス解析などを効率化させることも可能です。
Googleアナリティクスやサーチコンソールなどの分析ツールで、類似URLのデータが分散してしまうと正確な効果測定が困難となります。
canonicalタグによってURLを正規化することで、アクセス解析データが1つのURLに統合されると、正確なパフォーマンス測定が可能になります。
例えば、同じコンテンツへのアクセスが5つの異なるURLに分散している場合、それぞれのURLの個別データを見ても全体像を把握することができません。
URLの正規化により、統合されたデータで正確なコンバージョン率やアクセス数を把握でき、効果的なマーケティング戦略を立てることができるでしょう。
3.canonicalタグが必要なケース
canonicalタグは、重複コンテンツなどがない場合には、原則として設定する必要はありません。
もっとも、以下のような場合には、重複コンテンツが存在する場合に準ずるものとして、canonicalタグの設定が必要となります。
- URLの一部のみが異なるページが複数存在する
- モバイルとPCで異なるURLを設定している
- AMPページを使用している
- A/Bテスト中のバリエーションページがある
- 広告LPと本体サイトが重複する
それぞれについて見ていきましょう。
(1)URLの一部のみが異なるページが複数存在する
ECサイトの商品ページで色違いやサイズ違いの個別URLが存在する場合、canonicalタグの設定が必要になります。
例えば、以下のようなURLパターンが考えられます。
https://example.com/products/shirt?color=red
https://example.com/products/shirt?color=blue
https://example.com/products/shirt?color=white
これらのページは商品の基本情報は同じで、色の部分だけが異なるため、検索エンジンから重複コンテンツと判断される可能性があります。
この場合、代表的な商品ページ(例:https://example.com/products/shirt)をcanonicalタグで指定することで、評価の分散を防げます。
(2)モバイルとPCで異なるURLを設定している
レスポンシブデザインが主流となった現在でも、一部のサイトではモバイル専用とPC専用で異なるURLを使用している場合があります。
PC版:https://example.com/page/
モバイル版:https://m.example.com/page/
この場合、両方のページが同じコンテンツを提供しているため、canonicalタグでどちらを正規URLとするかを明確に指定する必要があります。
一般的には、PC版のURLを正規URLとして設定し、モバイル版からPC版にcanonicalタグを向けることが推奨されています。
ただし、モバイルファーストインデックスの観点から、モバイル版を正規URLとする場合もあり、サイトの特性に応じて適切に判断することが重要です。
(3)AMPページを使用している
AMP(Accelerated Mobile Pages)を導入している場合、通常のページとAMPページで同じコンテンツが存在することになります。
通常ページ:https://example.com/article/
AMPページ:https://example.com/article/amp/
AMPページから通常ページへcanonicalタグを設定することで、検索エンジンに対して通常ページが正規のバージョンであることを示すことが可能です。
これにより、検索エンジンはコンテンツの関係性を正しく理解し、適切な検索結果表示が可能になります。
(4)A/Bテスト中のバリエーションページがある
Webサイトの改善を目的としたA/Bテストを実施している場合、同じコンテンツの異なるバージョンが複数存在することになります。
元のページ:https://example.com/landing/
テストページ:https://example.com/landing/variant-b/
テスト期間中は両方のページが公開状態になるため、検索エンジンが混乱しないよう、元のページをcanonicalタグで正規URLとして指定することが重要です。
これにより、テストによるSEOへの悪影響を最小限に抑えつつ、効果的な改善施策を実行できます。
テスト終了後は結果の良かったバージョンを正規URLとして残し、その他のバリエーションは適切に処理することが必要です。
(5)広告LPと本体サイトが重複する
リスティング広告やディスプレイ広告用のランディングページが、本体サイトのコンテンツと重複している場合があります。
広告の効果測定やコンバージョントラッキングのために専用URLが作成されることが多く、結果として同じコンテンツが複数のURLで公開される状況が生まれます。
本体サイト:https://example.com/service/
広告LP:https://example.com/ad/service-lp/
このような場合、通常は本体サイトのページを正規URLとして設定し、広告LP側にcanonicalタグを設置することで重複コンテンツ問題を回避できます。
ただし、広告LPが本体サイトよりも優秀なコンバージョン率を示している場合は、LPを正規URLとして採用することも検討すべきでしょう。
なお、ランディングページの概要や特徴については、以下の記事も参考になります。
4.canonicalタグの書き方で押さえるポイント|正しい記述方法
canonicalタグの記述には、一定の規則があります。
具体的には、以下のポイントを押さえることが大切です。
- canonicalタグの基本的な書き方
- canonicalタグは<head>内に記述する
- 自己参照canonicalの書き方
canonicalタグの効果を最大化するために、正しい記述方法を学んでおきましょう。
(1)canonicalタグの基本的な書き方
canonicalタグの基本的な記述方法は、link要素のrel属性に「canonical」を指定し、href属性に正規URLを記載します。
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page/” />
この記述により、検索エンジンに対して正規URLはどれかを伝えることができます。
なお、href属性には絶対URL(https://から始まる完全なURL)を記述することが推奨されており、相対URLの使用は避けるようにしてください。
また、URLの最後にスラッシュ(/)を付けるかどうかは、サイト全体で統一することが重要なので、正規URLとして設定したい形式に合わせて記述しましょう。
(2)canonicalタグは<head>内に記述する
canonicalタグは必ずHTMLの<head>セクション内に記述する必要があります。
<html>
<head>
<title>ページタイトル</title>
<meta name=”description” content=”ページの説明”>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page/” />
</head>
<body>
<!– ページコンテンツ –>
</body>
</html>
HTMLの構造として、metaタグやlinkタグなどのメタ情報は<head>内に記述するのが正しい方法であり、canonicalタグも例外ではありません。
CMSを使用している場合は、テーマファイルのheader.phpやhead.htmlなどの<head>セクションにcanonicalタグが出力されるよう設定しましょう。
(3)自己参照canonicalの書き方
自己参照canonicalとは、表示しているページ自身を正規のURLとして指定するcanonicalタグの書き方です。
例えば、URLが「https://example.com/sample-page」のページでは、以下のように記述します。
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/sample-page” />
自分自身のURLをhref属性に指定することで、URLの表記揺れ(末尾のスラッシュの有無、パラメータの違いなど)によるSEO的な悪影響を回避できます。
特にユーザーがURLを手動で入力したり、外部サイトからリンクされたりする際に、微細な表記の違いが生じるため、自己参照canonicalを利用して評価のブレをなくしましょう。
5.【CMS・手動別】canonicalタグの設定方法
canonicalタグの設定方法は、使用しているCMSや開発環境によって異なります。
ここでは最も一般的なWordPressでの設定方法と、手動でHTMLを編集する場合の方法について詳しく解説します。
- WordPressを使用する場合
- 手動で設定する場合
(1)WordPressを使用する場合
WordPressでは、バージョン4.6以降で自己参照canonicalタグが自動的に出力される機能が標準搭載されています。
この機能により、各ページで適切なcanonicalタグが自動生成されるため、基本的に追加設定は不要です。
また、プラグインを使用して設定を行うことも可能であり、プラグインごとの設定方法は以下の通りです。
- Yoast SEO: 各投稿・ページの編集画面で個別にcanonical URLを設定可能
- All in One SEO: 詳細なcanonical設定オプションを提供
- RankMath: 自動canonicalと手動canonicalの切り替えが可能
なお、特定の条件下でcanonicalタグをカスタマイズしたい場合は、functions.phpに以下のようなコードを追加することができます。
function custom_canonical_url() {
if (is_single()) {
global $post;
$canonical_url = get_permalink($post->ID);
echo ‘<link rel=”canonical” href=”‘ . $canonical_url . ‘” />’;
}
}
add_action(‘wp_head’, ‘custom_canonical_url’);
このコードにより、投稿ページで独自のcanonical設定を実装できますが、WordPressの標準機能と重複しないように注意が必要です。
(2)手動で設定する場合
HTMLを直接編集してcanonicalタグを設定する場合は、各ページのheadセクションに適切なタグを追加します。
<!DOCTYPE html>
<html lang=”ja”>
<head>
<meta charset=”UTF-8″>
<title>ページタイトル</title>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page/” />
</head>
<body>
<!– ページコンテンツ –>
</body>
</html>
動的サイトでの設定例(PHP)
<?php
$canonical_url = “https://example.com” . $_SERVER[‘REQUEST_URI’];
?>
<head>
<title>ページタイトル</title>
<link rel=”canonical” href=”<?php echo $canonical_url; ?>” />
</head>
手動設定の場合は、サイト全体で一貫したURL形式を維持し、絶対URLでの記述が必要な点に注意しましょう。
6.canonicalタグが正しく設定されているか確認する方法
canonicalタグを設定した後は、それが正しく機能しているかを定期的に確認することが重要です。
具体的には、以下の2つの方法があります。
- Chromeブラウザの検証機能を使用する
- Googleサーチコンソールを使用する
順にご説明します。
(1)Chromeブラウザの検証機能を使用する
Google Chromeの開発者ツールを使用することで、canonicalタグの設定状況を詳細に確認することができます。
具体的な、手順は以下の通りです。
- 確認したいページでF12キーを押して開発者ツールを開く
- 「Elements」タブでHTMLソースを表示
- Ctrl+F(Mac:Cmd+F)で「canonical」を検索
- canonicalタグの記述内容と設置場所を確認
上記の手順でソースを閲覧すると、以下のように「canonical」が記述されている場所がわかるはずです。
まず確認すべきはcanonicalタグが<head>内に正しく設置されているかどうかです。
位置を間違えていると、正しく検索エンジンに指示が出せません。
また、URLの記述が正確かどうか、複数のcanonicalタグを用いていないかどうかもチェックしましょう。
(2)Googleサーチコンソールを使用する
Googleサーチコンソールでも、canonicalタグの設定を確認できます。
具体的には、「URL検査ツール」を使用します。
- サーチコンソールにログイン
- 「URL検査」ツールを選択
- 確認したいURLを入力
- ページのインデックス登録>ユーザーが指定した正規URLの項目を確認
この機能により、設定したcanonicalタグをGoogleが正しく認識しているかを直接確認することが可能です。
また、ページのインデックス登録メニューからも、、サイト全体のcanonical設定に関する問題を確認できます。
上記のように問題が表示されているので、以下の問題点があるページがあれば、チェックしてcanonical設定をするなどして対処しましょう。
- 「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」
- 「重複しています。Googleにより、正規ページとして選択されていません」
7.canonicalタグでよくある設定ミスとその対処法
canonicalタグの設定では、初心者から上級者まで陥りやすい典型的なミスがいくつか存在します。
よくあるミスと対処法を覚えておきましょう。
- 指定するURLが間違っている
- canonicalタグが複数存在する
- リダイレクトと食い違ってしまう
- 相対URLで記述している
- body内にcanonicalタグを入れている
- canonicalタグが二重に出力されている
(1)指定するURLが間違っている
最も頻繁に発生するミスの1つが、canonicalタグで指定するURLが実際の正規URLと異なっているケースです。
<!– 商品詳細ページなのにカテゴリページを指定 –>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/category/shirts/” />
<!– 存在しないURLを指定 –>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/non-existent-page/” />
<!– 古いURLを指定 –>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/old-page/” />
この場合には、canonicalタグを設定する前に、指定する予定のURLが実際にアクセス可能かを確認することで回避することができます。
また、定期的にGoogleサーチコンソール等でcanonicalのエラーが出ていないかチェックして、正しい正規URLを設定できているかチェックすることも大切です。
(2)canonicalタグが複数存在する
1つのページに複数のcanonicalタグが存在すると、検索エンジンが正常にタグを読み取って動作しないことがあります。
原因として考えられるのは以下の3つです。
- CMSの自動出力機能とプラグインの手動設定が重複
- テンプレートファイルの複数箇所にcanonicalタグを記述
- 開発者の引き継ぎ時の確認不足
この場合はGoogle Chromeの検証ツールなどを使い、以下のようにcanonicalタグが重複していないかチェックしましょう。
悪い例:複数のcanonicalタグ
<head>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page-a/” />
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page-b/” />
</head>
良い例:単一のcanonicalタグ
<head>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page-a/” />
</head>
もしも重複が見つかったら、良い例のように単一に統一することで、正しく検索エンジンに正規のURL情報を伝えることができます。
(3)リダイレクトと食い違ってしまう
301リダイレクトとcanonicalタグの設定に矛盾がある場合、検索エンジンが正規URLがどれかわからなくなってしまいます。
- https://example.com/page-a にアクセス
- 301リダイレクトで https://example.com/page-b に転送
- しかし page-a には <link rel=”canonical” href=”https://example.com/page-a” />
この設定では、リダイレクトで「https://example.com/page-aはもう使わない」と言いながら、canonicalタグで「正規URL」と主張するという矛盾が生まれていることになります。
対処法としては、301リダイレクトを使用した場合はそのページから確実にcanonicalタグを削除することが重要です。
もしも併用したい場合は、リダイレクト先にcanonical先を同じURLを設定しましょう。
301リダイレクトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
(4)相対URLで記述している
canonicalタグでは、絶対URL(https://から始まる完全なURL)での記述が推奨されていますが、誤って相対URLを使ってしまうことがあります。
相対URLでの記述とは
<link rel=”canonical” href=”/page/” />
<link rel=”canonical” href=”../page/” />
<link rel=”canonical” href=”page/” />
正しい記述例
<!– 絶対URLでの記述(推奨) –>
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page/” />
相対URLでは、検索エンジンが正確なURLを認識できない場合があるので、絶対URLを用いましょう。
(5)body内にcanonicalタグを入れている
canonicalタグをbodyタグに入れているのもよくあるミスです。
HTMLの構造として、canonicalタグは必ず<head>内に記述する必要があります。
<body>内にcanonicalタグを記述した場合、検索エンジンはそのタグを完全に無視するため、SEO効果は全く得られません。
CMS のテンプレート編集時は、必ず<head>セクションにcanonicalタグが出力されるよう設定しましょう。
(6)canonicalタグが二重に出力されている
CMSの自動機能とプラグインや手動設定が重複することで、同じcanonicalタグが複数回出力される場合があります。
canonicalタグの重複がないかチェックするには、ブラウザの開発ツールでHTMLソースをチェックし、同一のcanonicalタグが複数行ないかチェックしましょう。
さらに、CMS設定とプラグインの設定での設定が重複していないか確認し、どちらか不要な方を無効化しておきます。
二重出力の場合、検索エンジンが処理に迷う可能性があるため、必ず単一のcanonicalタグのみが出力されるよう調整しましょう。
8.canonicalタグについてよくある質問
canonicalタグについてよくある質問と回答をまとめました。
- リダイレクトとの違いを教えてください
- 代替ページ(適切なcanonicalタグあり)とはなんですか?
- canonicalタグを間違えて設定した場合にどんなリスクがありますか?
(1)リダイレクトとの違いを教えてください
リダイレクトはURLの移転を示すタグで、リダイレクトによって新しいURLをインデックス登録させ、転送元の評価を転送先に渡す役割があります。
リダイレクトがかかっていれば自動的にユーザーは指定のURLへ転送されます。
一方でcanonicalタグは重複するURLの中で、どのURLが正規のものかを検索エンジンに示し、評価を正規URLへ集中させるためのタグです。
リダイレクトのように転送はなく、ユーザーにとって挙動の変化はありません。
リダイレクトは主にページの移転のために使われますが、canonialタグは重複したページやURLの統合のために使用します。
(2)代替ページ(適切なcanonicalタグあり)とはなんですか?
Googleサーチコンソールの「代替ページ(適切なcanonicalタグあり)」は、canonicalタグが正しく設定され、検索エンジンがそれを理解している状態を示します。
つまり検索エンジンが正規URLを認識しており、SEO的に適切に処理されているという意味です。
この状態はcanonicalタグが正しく設定されているということなので、修正の必要はありません。
ただし、指定した正規URLが誤っているなどのミスがないかどうか念の為チェックはしておきましょう。
(3)canonicalタグを間違えて設定した場合にどんなリスクがありますか?
canonicalタグを間違えて設定すると、検索順位が大幅に落ちてしまうリスクがあります。
重要なページが「代替ページ」として処理され、検索結果から除外される可能性があるためです。
また、間違った設定で意図しないページがインデックスから削除されてしまうこともあり得るでしょう。
さらに、評価が分割されてしまうため、重複コンテンツの問題が解決せずに、正規URLに検索エンジンに評価が集まらず順位が改善しない可能性があります。
まとめ
canonicalタグは、重複コンテンツによるSEOの悪影響を防ぎ、検索エンジンに正しいページを評価してもらうための重要なHTMLタグです。
URL正規化により、被リンクの評価分散防止、クローラーの効率化、正確な効果測定が可能になり、サイト全体のSEO効果を向上させることができます。
設定が必要なケースとして、URLパラメータ違いのページ、モバイル・PC別URL、AMPページ、A/Bテストページ、広告LPなどがあり、それぞれの状況に応じた適切な設定が求められます。
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