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SEMとSEO対策完全ガイド|違いと組み合わせ方をプロが解説

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TMS編集部

「SEMとSEOの違いって何?効果的な活用方法が知りたい」
「両方やった方がいいの?予算や時間の使い方で迷っています」

SEMとSEOは、検索エンジンを活用したWebマーケティングの代表的な手法です。

SEMは検索エンジンを通じたマーケティング全般を指し、その中にSEOやリスティング広告などが含まれています。

しかし、それぞれの特徴や使い分け方が分からず、どちらを優先すべきか悩む方も多いでしょう。

この記事では、SEMとSEOの違いや特徴、それぞれの活用方法、そして効果的な組み合わせ方について詳しく解説します。

最後まで読めば、自社のビジネスに適したSEMとSEOの実践方法が分かり、より効果的な集客施策を展開できるようになります。

1.SEMとSEOとは?

Webマーケティングにおいて重要な施策であるSEMとSEOについて、基本的な概念から解説していきます。

それぞれの特徴を理解することで、効果的な活用方法が見えてくるはずです。

SEMとSEOの基本

  1. SEMとは検索エンジンを通じたマーケティング
  2. SEOとは検索エンジンの表示順位改善施策

(1)SEMとは検索エンジンを通じたマーケティング

SEMは「Search Engine Marketing(検索エンジンマーケティング)」の略称で、検索エンジンを活用したマーケティング施策の総称です。

具体的には、検索エンジン経由でWebサイトへの集客を行うためのあらゆる施策が含まれます。

例えばSEOをはじめ、リスティング広告やディスプレイ広告など、様々な手法を包括したものがSEMです。

以下の記事では、SEMについて網羅的に解説していますので、あわせてご覧ください。

2025.02.28

SEMとは?SEOとの関係性や成果を上げるコツを解説

(2)SEOとは検索エンジンの表示順位改善施策

SEOは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称で、検索エンジンの検索結果においてWebサイトの表示順位を上位に表示させるための施策です。

ユーザーが検索するであろうキーワードを分析し、そのキーワードに最適化したコンテンツを作成することで、自然検索での上位表示を目指します。

SEOの詳細については、こちらの記事を確認してください。

2019.11.08

SEOとは?検索順位が確定する仕組みや具体的な対策方法を紹介

2. SEMとSEOの違い

検索エンジンを活用したマーケティング手法であるSEMとSEOですが、それぞれに特徴的な違いがあります。

実務での活用方法を検討する際に、これらの違いを理解しておくことが重要です。

SEMとSEOの主な違い

  1. SEOはSEMの取り組みの1つ
  2. 費用面での違い
  3. 実施期間と効果が出る期間の違い
  4. 効果の持続性での違い
  5. クリック率の違い

(1)SEOはSEMの取り組みの1つ

SEMは検索エンジンを活用したマーケティング全般を指す概念であり、その中にSEOが含まれる関係性になっています。

例えば、飲食店の集客を例に考えてみましょう。

SEMでは「新宿 ラーメン」という検索キーワードに対して、リスティング広告でのPR、実店舗情報の最適化、ブログでのレシピ発信など、複数の手法を組み合わせて集客を行うのがSEMです。

一方、SEOではWebサイトの最適化や、人気メニューの詳細な紹介記事の作成など、自然検索での上位表示を目指した施策に特化した施策を意味します。

(2)費用面での違い

SEMとSEOでは、必要となる費用の面でも違いがあります。

SEMでは、リスティング広告の運用費用の支払いが必要です。

例えば、人気キーワードである「新宿 ラーメン」では1クリックあたり200円以上の費用が必要になることもあります。

一方、SEOは基本的に自社での作業で実施可能であり、自社で対策を実施すると仮定すると直接的な費用は発生しません。

ただし、質の高いコンテンツ制作のための人件費や、必要に応じて外部のSEO対策会社への委託費用などが間接的に発生する可能性があります。

例えば、月間100記事の記事作成を行う場合、ライター費用として30万円程度の費用が必要になることもあります。

(3)実施期間と効果が出る期間の違い

SEMは広告出稿後、即座に効果測定が可能な手法です。

例えば、新商品のランチメニューを告知する場合、リスティング広告を開始した当日から検索結果に表示され、クリック数やコンバージョン数を確認することができます。

対してSEOは、効果が表れるまでに一定の期間を要します。

新規サイトの場合、Googleに認識されて検索結果に表示され始めるまでに1〜2ヶ月、上位表示を実現するまでに3〜6ヶ月程度の期間が必要とされています。

そのため、即効性を求める場合はSEM、長期的な施策を実施する場合はSEOと使い分けが必要です。

(4)効果の持続性での違い

SEMとSEOでは、施策を実施してから効果が持続する期間に大きな違いがあります。

SEMの場合、広告費用を投下している期間のみ効果が継続します。

例えば、月間10万円の予算でリスティング広告を運用していた場合、予算の執行を停止すると翌月からは広告が表示されなくなり、クリック数も0になってしまいます。

一方、SEOは1度上位表示を獲得すると、特別な変更がない限りその効果が継続します。

例えば、「ラーメン店 開業方法」というキーワードで上位表示を獲得した記事は、内容が古くならない限り、追加の投資なしで月間数千PVの安定的なアクセスを獲得し続けることも可能です。

(5)クリック率の違い

検索結果におけるユーザーの反応は、SEMとSEOで大きく異なります。

一般的に、自然検索の結果の方が広告よりもクリック率が高くなる傾向にあります。

具体的な数値で見ると、以下のような違いがあります。

クリック率の違い

  • 自然検索1位のクリック率:約20〜30%
  • リスティング広告のクリック率:約5〜10%
  • 自然検索10位のクリック率:約2〜3%

これは、ユーザーが広告は「どうせ宣伝でしょ」というある種の先入観を持ち、自然検索を信用する傾向にあるためです。

ただし、「中古車 販売」や「引越し 見積もり」といった明確な購買意図を持つキーワードでは、リスティング広告のクリック率が自然検索と同等、もしくは上回るケースもあります。

3.SEM広告の種類と特徴

SEMで活用される広告には、目的や表示形式によってさまざまな種類があります。

それぞれの特徴を理解し、商材や予算に応じて適切な広告を選択することが重要です。

SEM広告の主な種類

  1. リスティング広告
  2. ディスプレイ広告
  3. SNS広告

(1)リスティング広告

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告形式です。

この広告の最大の特徴は、「すでに購買意欲の高いユーザー」にアプローチできる点です。

例えば、「エアコン 取り付け 業者」と検索するユーザーは、すでにエアコンの設置を検討している可能性が高く、そのタイミングで広告を表示できることで高いコンバージョン率が期待できます。

具体的にリスティング広告には以下のようなメリットがあります。

リスティング広告のメリット

  • 検索キーワードに合わせた配信ができるため、的確なターゲティングが可能
  • クリック課金制のため、実際のアクションがあった分だけ費用が発生
  • 広告文やキーワードの調整により、すぐに効果改善が可能

ただし、人気キーワードでは競争が激しく、「引越し 見積もり」などのキーワードでは1クリックあたり1,000円以上の費用が必要になるケースもあります。

(2)ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ニュースサイトやブログなど、さまざまなWebサイト上に画像やバナーとして表示される広告です。

ユーザーの興味・関心に基づいて表示されるため、潜在的な顧客への認知度向上に効果的です。

例えば料理レシピサイトに調理器具の広告を表示させたり、育児関連ブログに子供服の広告を表示させるような施策が可能です。

このように、コンテンツに関連性の高い広告を表示することで、自然な形での商品・サービスの認知が望めます。

(3)SNS広告

SNS広告は、Facebook、Instagram、XなどのSNSプラットフォーム上に表示される広告形式です。

ユーザーの詳細な属性データを活用できることが、SNS広告の最大の特徴です。

通常の広告と異なり、「25〜34歳の女性」「東京都在住」「美容に関心がある」といった複数の条件を組み合わせた配信が可能です。

SNSによってターゲティング設定は異なりますが、特定のユーザーに対してのみ広告を発信できるので、適切なユーザーに広告がリーチしやすいのがメリットといえます。

例えば、20代向けの洋服を販売しているアパレルブランドが、年齢と興味関心がファッションであるユーザーに対して、広告を発信するような設定が可能です。

4.SEOとSEMどちらを優先すべき?状況別の選び方

ビジネスの状況や目的によって、SEOとSEMの優先順位は変わってきます。

それぞれの特性を理解し、自社の状況に合わせて最適な選択をすることが重要です。

状況別の優先施策

  1. 新規サイトや商品をリリースした場合
  2. 既存サイトを成長させたい場合
  3. BtoBビジネスの場合
  4. BtoCビジネスの場合
  5. 予算をあまりかけられない場合

(1)新規サイトや商品をリリースした場合

新規サイトや新商品の場合、まずは認知度の向上が重要となるため、SEMを優先することをおすすめします。

新規サイトの場合、すぐにはGoogle検索結果に表示されにくいという特徴があるからです。

そのため、リスティング広告を活用することで、立ち上げ直後から検索結果に表示させることできます。

また、広告運用を通じて競合サイトとの差別化ポイントを早期に見出せることも大きなメリットです。

例えば、新規のオンライン英会話サービスを開始する場合、最初の1ヶ月はリスティング広告で「オンライン英会話 初心者」などのキーワードで出稿を行います。

続く2ヶ月目には、広告運用で反応の良かったキーワードや訴求ポイントをSEO施策に活用し、3ヶ月目以降は広告とSEOを並行して実施していくという流れでより効果を高められます。

(2)既存サイトを成長させたい場合

既存サイトの成長戦略は、現在の検索順位や事業目標によって検討する必要があります。

SEMとSEOはそれぞれに特性があり、どちらも重要な役割を果たします。

SEOは中長期的な視点での取り組みが必要で、コンテンツの質や技術的な最適化が重要になります。

一方SEMは、リスティング広告を活用することで即座に検索結果への表示が可能です。

検索順位に関わらず、予算や業界の特性、社内の方針などを総合的に判断し、両者の特性を活かした施策を検討することが重要です。

(3)BtoBビジネスの場合

BtoBビジネスでは、商品やサービスの検討期間が長く、情報収集に時間をかけるユーザーが多いという特徴があります。

そのため、長期的な視点でのSEO対策が特に効果を発揮します。

例えば、業務用清掃機器のメーカーでは、「業務用掃除機 選び方」「清掃業者 機材 コスト」といった情報収集段階のキーワードで上位表示を獲得することで、見積もり依頼の獲得につながるでしょう。

また、専門性の高い情報を発信し続けることで、業界内での信頼性を高めることもできます。

(4)BtoCビジネスの場合

BtoCビジネスでは、多くの場合、競合他社との競争が激しい状況にあります。

そのため、露出を速やかに高められるSEMの活用が効果的です。

特に季節商品や流行商品を扱う場合は、タイミングを逃さない施策が重要になります。

例えば、アイスクリームショップでは、夏季の暑い時期に「かき氷 専門店」というキーワードでリスティング広告を出稿することで、即座に集客を図ることができます。

また、InstagramやFacebookでの広告配信により、商品の魅力を視覚的に訴求することも可能です。

(5)予算をあまりかけられない場合

予算が限られている場合は、初期費用を抑えられるSEOからスタートすることをおすすめします。

SEOは時間はかかりますが、一度上位表示を獲得できれば、継続的な効果が期待できます。

例えばローカルの美容院の場合は、「渋谷 美容院 口コミ」といったキーワードで上位表示を獲得することで、広告費をかけることなく毎月安定した予約を獲得できるようになります。

ただし、完全に無料というわけではなく、質の高いコンテンツを作成するための時間や労力は必要です。

自社での対応が難しい場合はSEOコンサルを依頼したり、外注のライターの確保のための予算を用意しなければなりません。

コンテンツSEOについては、以下の記事で詳しく説明しています。

2022.09.23

アクセスを倍増させるコンテンツSEOとは?実践メリット・方法を紹介

6.実践|SEM対策の進め方

SEMを効果的に実施するためには、計画的なアプローチが必要です。

ここでは、具体的な手順と各ステップでの重要なポイントを解説していきます。

SEM対策の重要ステップ

  1. キーワードを選ぶ
  2. 入札戦略の決定
  3. 品質スコアの改善
  4. 広告を最適化する
  5. テキストの配置・組み合わせのテスト

(1)キーワードを選ぶ

SEMの成功は、適切なキーワード選定から始まります。

キーワードの選定では、検索ボリュームと競合状況のバランス、そしてユーザーの検索意図を慎重に見極めることが重要です。

例えば、「転職 求人」というキーワードは検索ボリュームが大きいものの、競争が激しく費用対効果が低くなる可能性があります。

一方で「40代 未経験 転職 求人」といった具体的なキーワードは、検索数は少なくても、より明確な意図を持ったユーザーにリーチでき、コンバージョン率が高くなる傾向にあります。

Googleキーワードプランナーなどのツールを活用することで、キーワードの検索ボリュームや競合状況、さらには季節的な変動も把握することが可能です。

これらのデータを基に、短期的な成果と長期的な成長のバランスを考慮したキーワード戦略を構築していきましょう。

#1:キーワード選定の手順

それでは具体的にキーワードを選ぶ手順について説明するので、実践してみてください。

KW選定の手順

  1. Googleキーワードプランナーで関連キーワードを洗い出す
  2. 競合分析でキーワードを収集する
  3. ユーザー視点でキーワードを確認する

まずはGoogleキーワードプランナーで、自社サービスに関する基本的なキーワードを入力し、関連キーワードのリストを取得しましょう。

例として「ダイエット」と入力すると、以下のように関連するキーワードの一覧と検索ボリューム、入札単価が表示されます。

この中からダイエットを検討しているユーザーが何に興味があるかを引き出し、キーワードに設定する候補を作ります。

次に、競合を分析してキーワードを集めていきます。

競合サイトのメタタグやページタイトルを確認して、キーワードを収集しましょう。

また、SEMrushAhrefsなどの競合分析ツールを使用すれば、競合が出稿している広告キーワードを取得することも可能です。

最後に、ユーザー視点でのキーワード分析も忘れないようにしましょう。

既存の顧客がメールや電話で問い合わせをした内容から、実際にユーザーが使用する言葉を抽出します。

最近は音声検索等の進化により、実際に使う口語を使って検索するユーザーが増えているからです。

また、自社サイトへの検索クエリを分析して、自社のユーザーが何に興味を持っているかの分析も欠かさないようにしましょう。

これらのプロセスで収集したキーワードは、Excelなどで一覧化し、以下の項目でスコアリングすることで優先順位をつけておきます。

優先順位の付け方

  • 検索ボリューム(月間)
  • 想定クリック単価
  • 競争率
  • 商品・サービスとの関連性
  • 購買意図の強さ

競合分析ツールの候補をもっとみたい方は、こちらの記事をご覧ください。

(2)入札戦略の決定

入札戦略は、予算と目標KPIを考慮して慎重に決定する必要があります。

特に重要なのは、初期段階での適切な予算配分とデータ収集です。

新規サイトの場合まずは中程度の入札価格でスタートし、実績データを収集してどの程度の予算感で効果を得られるかを分析しましょう。

具体的には、1日の予算上限を設定し、その範囲内で最大クリック単価を調整する方法がおすすめです。

この際、時間帯や曜日、デバイス別の入札調整をかけることで、予算を抑えつつ広告の効果を高められます。

初期データの収集後は、パフォーマンスの高いキーワードに予算を重点配分し、効率的な運用を目指しましょう。

入札額は競合状況や市場の変化に応じて柔軟に調整し、常に最適な投資対効果を追求することが大切です。

(3)品質スコアの改善

品質スコアは、広告の効果と費用に大きく影響を与える重要な指標です。

品質スコアを改善するためには、広告文とランディングページの関連性を高めることが重要です。

例えば、「中古マンション 査定」という広告では、ランディングページにも「中古マンション査定」という文言を適切に配置し、実際の査定フォームを分かりやすく設置することが効果的です。

また、ユーザーが求める情報にすぐにアクセスできるよう、ページの構成を工夫することも重要になります。

仮に広告がクリックされても、ランディングページがわかりにくかったり、魅力的でないとユーザーの申し込みを促せません。

品質スコアを改善するためにも、ランディングページ自体の質も高めていきましょう。

(4)広告を最適化する

広告の最適化は、詳細なデータ分析に基づいて継続的に実施することが重要です。

まずは、広告グループごとの成果を分析し、効果の高い組み合わせを特定します。

不動産広告では「駅名 + 物件種別」の組み合わせが効果的なケースが多く、「新宿 賃貸」「渋谷 中古マンション」といった形式で広告を出稿します。

さらに、ユーザーの行動パターンを考慮した時間帯設定も重要です。

特に、モバイルとPCでは検索傾向が異なるため、デバイス別の入札調整や広告文の最適化も必要です。

定期的なA/Bテストを通じて、より効果的な広告表現を見出していきます。

広告が1つ目から成功することはないので、何度も試行錯誤を繰り返して適切な文言などを探っていきましょう。

(5)テキストの配置・組み合わせのテスト

広告文は、ユーザー心理を理解した上で、効果的な表現を継続的にテストする必要があります。

価格訴求(「初回限定30%OFF」)と信頼性訴求(「24時間サポート対応」)など、異なる訴求ポイントの効果を比較検証します。

テストを実施する際は、単一の要素のみを変更する統制実験を行い、正確な効果測定を心がけましょう。

また、十分なサンプル数を確保するため、テスト期間は最低でも2週間以上設定することをおすすめします。

広告文のテストでは、数値による訴求だけでなく、ユーザーの不安や課題を解決する表現も重要です。

例えば、「まずは無料カウンセリング」という表現は、初期費用の不安を払拭しながら、専門家による個別対応という価値を提示できる文言です。

いきなり商品を売ろうとするのではなく、段階的にユーザーの不安を払拭してコンバージョンに繋げるような導線を考えましょう。

6.SEMとSEOは組み合わせて実施するのがおすすめ

SEMとSEOは、それぞれの特性を活かして組み合わせることで、より効果的なマーケティング施策となります。

以下では、両者を組み合わせるメリットと具体的な実施方法について解説していきます。

SEMとSEOの組み合わせポイント

  1. SEMとSEOの同時実施で効果を相乗的に高められる
  2. 予算を抑えつつ販売のチャンスを増やせる
  3. リソースが不足しているなら外注を検討する

(1)SEMとSEOの同時実施で効果を相乗的に高められる

効果的なマーケティングを実現するには、SEMとSEOを並行して実施することが重要です。

両者のデータを活用することで、より効果的な戦略を立てることができます。

例えば、リスティング広告で反応の良かったキーワードを、SEOでのコンテンツ制作に活用するのがおすすめです。

通販サイトではリスティング広告の分析から「防水 スニーカー 人気」というキーワードの反応が良いことを発見したとしましょう。

さらに、SEO対策としてそのテーマで詳細な商品比較記事を作成しました。

その結果、広告経由の購入と自然検索からの購入の両方が増加して売上が上がる可能性は大いにあります。

このように、SEMで収集したデータをSEO対策にも取り入れるなど、双方を連携させていきましょう。

(2)予算を抑えつつ販売のチャンスを増やせる

SEMとSEOを組み合わせることで、コストパフォーマンスの高いマーケティングが実現できます。

SEOで上位表示を獲得している商品については広告費を抑え、新商品やセール情報にリスティング広告の予算を重点配分するような戦略が効果的です。

例えば、アパレル業界では、Tシャツやデニムといった基本的な商品カテゴリーについてはSEO対策に注力し、セール情報や新作コレクションの告知についてはリスティング広告を活用すると良いでしょう。

さらにトレンドキーワードについては、状況に応じて両方を組み合わせれば効果的に運用して言うことができます。

また、家電業界においても、製品の基本情報や仕様説明はSEOでの対策を重視する一方、新製品発売時や価格キャンペーンではリスティング広告を活用するなどの施策が有効です。

特に季節商品については、時期に応じて両方を使い分けることで、効率的な集客を実現できます。

このように、業界特性や商品の性質に応じて、SEMとSEOを適切に組み合わせることで、効率的なマーケティング活動が可能になります。

(3)リソースが不足しているなら外注を検討する

SEMとSEOの両方を社内で実施するには、相応の人員とスキルが必要になります。

人材やノウハウが不足している場合は、外部委託やSEMの代行会社やWebコンサルタントの利用を検討しましょう。

例えば、SEOについては記事作成を外部ライターに依頼し、リスティング広告は専門代理店に運用を委託するといった方法があります。

また、Webコンサルティング会社やSEO対策代行会社に依頼すれば、SEO対策とSEMを一挙に任せることも可能です。

その場合はライターの発注なども含めて代行会社が対応してくれるため、自社のリソースや業務の手間がほぼかかりません。

おすすめのWebコンサルティング会社については、こちらの記事で紹介しています。

8.SEMとSEOについてよくある疑問と解決方法

実際の運用では、様々な課題や疑問点が発生するものです。

ここでは、現場でよく聞かれる質問とその解決方法について解説していきます。

よくある疑問と解決策

  1. SEMとSEOどちらを先に始めるべき?
  2. SEMとSEOの効果が出ない場合の対処法

(1)SEMとSEOどちらを先に始めるべき?

SEMとSEOどちらを先に進めるべきかの答えは、ビジネスの状況によって変わります。

新規サイトの場合、まずSEMから始めることで、マーケットでの自社商品やサービスのニーズを確認できます。

ただし、広告費用の確保が難しい場合は、SEOから着手すると良いでしょう。

実際のケースでは、月間予算10万円でリスティング広告をスタートし、広告経由でのアクセス解析データを基にSEO戦略を組み立てていくという段階的なアプローチを取ることが多いです。

どちらの方法でも継続は重要なので、短期間だけ施策を実施して諦めることのないようにしましょう。

(2)SEMとSEOの効果が出ない場合の対処法

SEMやSEOの効果が見られない場合は、原因の特定と改善が最も重要です。

まず、広告やコンテンツにおいて適切なキーワードを使用しているかを確認します。

「東京 美容院」のような競争の激しいキーワードではなく、「表参道 ヘアカラー 明るめ」といった具体的なキーワードにシフトすることで、効果が改善するケースがあります。

次に、ランディングページの内容を見直します。

仮に広告の効果が出ていても、ランディングページの内容が薄かったり、ユーザーに好感を与えられないとコンバージョンにつながりません。

最後に、PDCAサイクルを確立することが重要です。

週次でデータを確認し、キーワードや広告文、コンテンツの改善を継続的に行うことで、徐々に成果を上げることができるでしょう。

まとめ

SEMとSEOは、どちらも重要なWebマーケティング施策です。

SEMとSEOは、効果的なWebマーケティングに欠かせない重要な施策です。

それぞれの特徴を理解し、ビジネスの状況に応じて適切に組み合わせることが成功への鍵となります。

初期段階ではリスティング広告で即効性のある集客を行いながら、並行してSEO対策を進めていくことをおすすめします。

予算や体制に応じて、できるところから着実に取り組んでいくことが、長期的な成功につながります。

まずは自社の状況を把握し、優先順位をつけながら、計画的にSEMとSEO施策を展開していきましょう。

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この記事の投稿者
TMS編集部
TMS編集部
京都のWebコンサルティング・制作会社TMS Partners株式会社のコラム編集部です。中小企業/個人事業主が取り組みやすいWebマーケティングや、SEO、Web広告、マーケティングオートメーションのknow-howをお届けします。