SEOの効果測定とは?チェックすべき指標や分析の方法まで網羅的に解説


「SEOの効果測定とは、具体的に何をどうしたらいいかわからない」
「SEOに関連する指標データを集めてはいるが、ただ集めているだけ」
SEOの成果を最大化するためには、効果測定が不可欠です。
しかし、多くの企業が「何を測定すべきか分からない」、「データは取得しているが活用できていない」といった課題を抱えています。
本記事では、SEO効果測定の基礎知識から具体的な実践方法まで体系的に解説していきます。
正しい効果測定を行うことで施策の改善点が明確になり、継続的なSEO成果の向上を実現できるでしょう。
なお、SEOに関する概要や施策に取り組むメリットなどについては、以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
1.SEOの効果測定の意義
SEOの効果測定とは、実施した施策がSEOに対してどのような効果を与えたかを数値やデータで分析・推測することを指します。
単なるデータ収集ではなく施策の成否を客観的に判断し、次のアクションに活かすための重要なプロセスです。
具体的には、以下の点において意義があります。
- 施策の効果を数値・データで客観的に分析する
- SEO成果の要因を特定し、改善に活かす
- 継続的な最適化サイクルの基盤となる
順にご説明します。
(1)施策の効果を数値・データで客観的に分析する
SEO効果測定のいちばんの目的は、実施した施策の効果を数値やデータで客観的に分析することです。
数値やデータでの分析は主観を伴わないため、その施策の効果があったかどうかを客観的に判断することができます。
例えば、SEOの効果測定では検索順位やオーガニック流入数などの具体的な指標を用いて評価を行います。
これにより、施策の成功・失敗を明確に判断でき、次の戦略立案に活かすことが可能です。
(2)SEO成果の要因を特定し、改善に活かす
SEOの効果測定により、施策ごとの効果がどの程度だったかを推測できます。
例えば、タイトルタグの最適化により検索順位が5位から2位に向上したと特定できれば、その手法を他のページにも適用することが可能です。
また、反対に効果がない施策を特定して、その原因を探ることもできます。
逆に効果が見られなかった施策については、原因を分析し改善策の検討もできるでしょう。
具体的なSEO対策の方法や実施する際のポイントについては、以下の記事も参考になります。
(3)継続的な最適化サイクルの基盤となる
SEO効果測定は一度きりではなく、継続的に実施することが重要です。
定期的な測定や分析を通じて継続的な改善サイクルを構築することができ、その結果長期間にわたって最適なSEO対策を実施できる基盤を作ることができます。
単発での測定しかしていなければ、検索エンジンのアルゴリズムアップデートなどのスピードについていけなくなる可能性があるのです。
安定したSEO対策の基盤を作ることで、継続的に検索順位を意識したコンテンツの制作と改善を実施することができるでしょう。
2.SEOの効果測定を行うメリット
上記のように、SEOの効果測定を行うことは、実施した施策を適切に評価するためにも必須であるということがいえます。
また、SEOの効果測定に取り組むことで、以下のようなメリットがあることも押さえておきましょう。
- 施策の改善点が明確になる
- 効果の出た施策を再現できる
- 感覚ではなく客観的データで評価できる
- 社内外への説明・レポーティングに使える
- 中長期的なSEO戦略の設計ができる
順に解説します。
(1)施策の改善点が明確になる
SEO効果測定により、実施した施策の問題点や改善すべき箇所が具体的に見えてきます。
例えば、コンテンツをリライトしたにも関わらず滞在時間が改善されない場合、内容の質や構成に課題があることが推測できるはずです。
このように数値データを基にした分析により、感覚的な推測ではなく事実に基づいた改善策を立案できるようになります。
また、複数の施策を同時に実施した場合でも、それぞれの効果を分離して評価することで、より精密な改善点の特定が可能です。
(2)効果の出た施策を再現できる
成功した施策の要因を数値で把握できれば、それを効果のある施策として他のページにも適用できます。
例えば、特定のキーワードで検索の上位表示を獲得できた記事の構成や内部リンク設計を分析し、他のコンテンツにも応用することで効率的な成果向上が期待できるでしょう。
成功パターンの体系化により、個人の経験や勘に依存しない、再現性の高いSEO施策の実現が可能になります。
(3)感覚ではなく客観的データで評価できる
SEO効果測定により、主観的な判断ではなく客観的なデータに基づいた評価が可能になります。
「なんとなく効果が出ているような気がする」といった曖昧な評価から脱却し、具体的な数値で施策の成否を判断できるでしょう。
この客観性により、チーム内での意見の食い違いを防ぎ、統一された判断基準によって施策を評価することが可能です。
(4)社内外への説明・レポーティングに使える
効果測定で得られたデータは、上司やクライアントへの報告資料として活用できます。
また、予算獲得や人員配置の根拠としても、データに基づいた説得力のある提案を行えるようになります。
例えば、SEO対策でコラム記事からの集客が好調であれば、ライターを増員したり、ディレクション業務に人員を割くなどの対策が可能です。
具体的な数値とグラフを用いることで、SEO施策の成果を分かりやすく伝えることが可能になるでしょう。
(5)中長期的なSEO戦略の設計ができる
継続的な効果測定によって蓄積されたデータは、中長期的なSEO戦略の設計に活用できます。
過去のトレンドや季節変動、競合の動向などを分析することで、将来の戦略立案に役立つ知見を得られるでしょう。
例えば、春に「花見」のKWでアクセスを集めている記事があるなら、関連KWのコンテンツを増やして内部リンク施策を実施するなどの対策が立てられます。
一時的なSEO効果を見るのではなく、蓄積したデータの分析ができることが効果測定を実施する大きなメリットと言えるでしょう。
3.SEOの効果測定でチェックすべき指標
SEO効果測定では、目的に応じて適切な指標を選択することが重要です。
ここでは、SEOの効果測定で特に重要な6つの指標について詳しく解説していきます。
- 検索順位
- オーガニック流入数
- クリック率
- 滞在時間・直帰率
- コンバージョン率
- 被リンク数
施策の目的によっては、これらの指標のうち、複数のものを参照して評価を行うものもあります。
それぞれの特徴や変動要素についても、合わせて押さえておきましょう。
(1)検索順位
検索順位は、SEO効果測定における最も基本的かつ重要な指標です。
特定のキーワードでの順位変動により、施策の直接的な効果を把握できます。
ただし、順位だけでなく検索ボリュームやキーワードジャンルも考慮して評価することが重要です。
また、モバイルとデスクトップで順位が異なる場合があるため、両方の環境での順位チェックを行いましょう。
なお、検索順位は検索エンジンがコンテンツを評価することによって決定されます。
検索エンジンの仕組みや順位に影響を及ぼす要因などについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
(2)オーガニック流入数
オーガニック流入数は、SEO施策の最終的な成果を示す重要な指標です。
検索順位が向上しても実際の流入数が増加しなければ、ビジネス成果に繋がりません。
流入数の増減要因を分析する際は、季節変動や競合の動向、Googleアップデートの影響なども考慮しなければならない点に注意が必要です。
また、新規ユーザーとリピーターの比率、流入キーワードの多様性なども併せて分析すれば、さらに深い洞察を得ることができます。
(3)クリック率
SEO効果測定ではクリック率のチェックも欠かさず実施しましょう。
クリック率(CTR)は、検索結果での表示に対するクリック数の割合を示します。
この指標のチェックにより、タイトルやメタディスクリプションでユーザーの関心を引くことができているかを把握することが可能です。
なお、平均的なCTRは順位により大きく異なり、1位で約30%、5位で約5%程度が目安とされています。
CTR改善のためには、魅力的なタイトル作成、適切なメタディスクリプション設定、構造化データの活用などが効果的です。
なお、SEOにおけるタイトルやメタディスクリプションの重要性や具体的な着目ポイントについては、以下の記事も参考になります。
また、構造化データの意義や具体例については、以下の記事も合わせてご参照ください。
(4)滞在時間・直帰率
滞在時間と直帰率は、コンテンツの質とユーザー満足度を測る重要な指標です。
滞在時間が長く直帰率が低いページは、ユーザーにとって価値の高いコンテンツであることを示しています。
これらの指標が良好なページは、Googleからも高く評価される傾向があるため、SEO効果の向上が期待できるでしょう。
ただし、ページの目的によって適切な数値は異なるため、同種のページと比較して評価することが重要です。
(5)コンバージョン率
コンバージョン率は、SEOがビジネス成果に与える直接的な影響を測定する指標です。
施策の目的などによって具体的なコンバージョン設定は異なり、問い合わせ件数や売上高など、さまざまな設定が行われます。
流入数が増加してもコンバージョンに繋がらなければ、ビジネス的な価値は限定的です。
例えば、会社の問い合わせ増加を目指したコンテンツ施策を実施している場合は、流入した人数のうち何人が問い合わせを実施したかを計測して割り出します。
SEO経由の訪問者のコンバージョン率を他のチャネルと比較することで、SEOの質的な効果を評価できるでしょう。
(6)被リンク数
被リンク数は、サイトの権威性と信頼性を示す重要な指標です。
質の高い被リンクの獲得により、検索順位の向上とオーガニック流入の増加が期待できます。
ただし、単純な被リンク数だけでなく、リンク元サイトの権威性やリンクの文脈も重要です。
スパム的なサイトから大量のリンクを獲得しても、SEO評価には繋がらず、かえって悪影響を及ぼす可能性もあります。
定期的な被リンク分析により、競合との差異や自社の強み・弱みを把握することが可能です。
SEOにおける被リンクの意義とメリット、良質な被リンクを獲得するためのポイントなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。
4.SEOの効果測定を実施する期間
SEOの効果を正しく測定するためには、適切な期間設定が極めて重要です。
ページの種類や施策内容に応じて、最適な測定期間を設定しましょう。
具体的には、以下のような期間が目安となります。
- 新規ページ:1〜3か月程度
- リライトページ:半年〜1年程度
- サイト全体の定点観測:月次・四半期単位で継続
順に見ていきましょう。
(1)新規ページ:1〜3か月程度
新規ページの効果測定を実施する期間は、1〜3か月程度みると良いでしょう。
新しいページが検索エンジンにインデックス登録されて、適切な順位で表示されるまでには1〜3か月程度待つ必要があるとされているからです。
なお、競合の少ないロングテールキーワードであれば1か月程度で効果が現れることもありますが、競争の激しいキーワードでは3か月以上かかる場合もあります。
また、コンテンツのジャンルやサイトの権威性により期間は変動しますが、まずは3か月程度を目安にするのがおすすめです。
検索エンジンがページの情報を収集し、インデックスと呼ばれる処理を行うまでの流れについては、以下の記事が参考になります。
また、インデックス登録の持つ重要性やインデックスを促すための対策については、以下の記事も合わせてご覧ください。
(2)リライトページ:半年〜1年程度
既存ページのリライト効果を測定する場合は、半年から1年程度の期間を設けるのが良いでしょう。
リライトによる効果は段階的に現れることが多く、短期間での判断だと正しく効果測定できない可能性があります。
特に大幅なコンテンツ変更を行った場合、Googleが新しい内容を適切に評価するまでに時間を要するため、評価が完了したタイミングで効果測定を行う必要があるでしょう。
また、リライト後の順位変動には一時的な下落も含まれるため、長期的な視点で評価を行うことが求められます。
(3)サイト全体の定点観測:月次・四半期単位で継続
サイト全体のSEO効果測定は、月次または四半期単位での継続的な観測が重要です。
定期的な測定により、トレンドの変化や季節変動、競合の動向などを把握できます。
また、Googleアルゴリズムの更新やコアアップデートの影響も、継続的な観測により適切に把握できるようになります。
月次レポートでは短期的な変化を捉え、四半期レポートでは中期的な戦略の効果を評価するなど、適宜使い分けをすると良いでしょう。
5.SEO効果測定の具体的な手順
SEO効果測定を成功させるためには、体系的なアプローチが必要不可欠です。
ここでは、効果測定の実践的な6つのステップについて詳しく解説していきます。
具体的には、以下のステップで進めましょう。
- 測定目的・KPIを設定する
- 効果測定ツールを導入・連携する
- データの取得と整理
- 分析と仮説立て
- 改善施策の実行
- 再測定
これから効果測定を行われる場合には、ぜひ参考にしてみてください。
(1)測定目的・KPIを設定する
SEOの効果測定をするにはまず、効果測定の目的・KPIを正しく設定する必要があります。
コンバージョン獲得、ブランド露出の拡大、CTR向上など、何をゴールとするかを具体的に定義するようにしましょう。
目的が曖昧なまま測定を開始すると、データは収集できても適切な評価や改善策の立案ができません。
例えば、ECサイトであれば売上向上、メディアサイトであればPV数増加といったように、ビジネスモデルに応じた目標設定が重要です。
また、KPIは具体的な数値を設定すると同時に、測定可能な指標を選択するようにしましょう。
これに加えて、達成時期も明確に設定することが欠かせません。
もっとも、KPIおよび達成時期の設定については、短期的な目標によっては効果を測定することができず、長期になると影響を及ぼす要素の増加に伴い、適切な評価を行えなくなる可能性が高いです。
そのため、施策の目的や内容に照らし、適切な指標を設定するようにしましょう。
(2)効果測定ツールを導入・連携する
SEOの効果測定には適切なツールの選択と設定が重要です。
GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソール、順位チェックツールなど、目的に応じて必要なツールを導入しましょう。
また、これらのツールは単独で使用するのではなく連携させることで、より深い分析が可能になります。
(3)データの取得と整理
SEOの効果測定で収集したデータは、分析しやすい形式で整理することが重要です。
例えば、URL別、キーワード別、時系列での管理体制を構築し、必要な時に迅速にデータを参照できるようにしましょう。
管理にはスプレッドシートやBIツールなどを活用し、定期的なデータ更新と可視化を行うと便利です。
また、データの品質管理として、異常値の確認や重複データの除去なども実施して常に見やすいデータ管理を心がけましょう。
(4)分析と仮説立て
データの収集が完了したら、次はSEO効果測定の結果をもとにした分析と仮説立てを実施します。
簡単にいえば、施策を実施する前と後の比較をおこない、さらに競合との比較などを加えて『なぜその施策が効果を出したか』を特定していきます。
例えば、クリック率向上を目的としてタイトルとメタディスクリプションの最適化を実施したような場合を考えてみましょう。
単に「タイトルとメタディスクリプションを変えたからクリック率が上がった」と判断するのではなく、KWをどこへ配置したのか、クリック率を高めるためにした工夫は何かまで特定することが重要です。
(5)改善施策の実行
SEO効果測定の分析結果に基づいて、具体的な改善施策を実行します。
タイトルタグの最適化、内部リンクの強化、コンテンツのリライトなど、仮説に応じた適切な施策を選択しましょう。
例えば、タイトルに含めるKWの位置を左端に寄せたのが効果的だと判断したのなら、その仮説に応じて他のページタイトルも同じようにリライトしてみます。
施策実行時は、変更内容と実施日時を詳細に記録し、後の効果測定で正確な因果関係を把握できるようにすることが重要です。
また、一度に多くの変更を行うのではなく、段階的に実施することで各施策の効果を個別に評価できるようにしておきましょう。
(6)再測定
SEO施策の実施後は、設定した期間を経過した時点で再度測定を行います。
効果が確認できた場合は成功要因を分析し、他のページへと施策を広げていくことを検討します。
効果が見られなかった場合は原因を再分析し、新たな仮説に基づいた次の施策を立案、実行しなければなりません。
例えば、自社コラムの記事で内部リンクの最適化により検索順位が向上した場合、「内部リンクの改善が効果的」という仮説を立てて、他のコンテンツにも同様に内部リンクの最適化を実施したとします。
しかし、同じ施策をしたとしても全ての記事の順位が改善するわけではなく、伸びない記事もあるはずです。
その場合は順位が改善しない記事について再度分析し、競合の記事や伸びた記事と比べてSEO的に弱い部分を見つけ、その部分を補強しなければなりません。
このように、SEO施策の実施⇨効果要因の特定と横展開⇨失敗した場合はさらに改善というサイクルを続けていくことで、安定したSEO効果が得られます。
6.SEOの効果測定におすすめのツール
効果測定の成功には、適切なツールの選択と活用が不可欠です。
具体的には、SEOの効果測定で特に有用なツールには、以下のようなものがあります。
- 基本の効果測定ツール
- 検索順位チェックツール
- その他の補助ツール
順に見ていきましょう。
なお、SEO施策全般で活用することができるツールの詳細については、以下の記事をご覧ください。
(1)基本の効果測定ツール
まずSEOの効果測定に基本的なツールを紹介します。
具体的には、以下のものが挙げられます。
- Googleサーチコンソール
- Google Analytics
それぞれの特徴や機能についてご説明します。
#1:Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、SEO効果測定において最も重要な無料ツールです。
検索パフォーマンス、インデックス状況、サイトの問題点などを包括的に確認することができます。
特に、実際の検索クエリ、表示回数、クリック数、平均掲載順位などのデータは、他のツールでは取得困難な貴重な情報です。
また、手動対策やセキュリティの問題なども通知されるため、サイト運営においては欠かせないツールです。
Googleサーチコンソールの基本機能や使い方については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
#2:Google Analytics
Googleアナリティクスは、ウェブサイトのトラフィック分析ができるツールです。
オーガニック流入数、滞在時間、直帰率、コンバージョン率などの重要な指標を詳細に分析できます。
GA4ではイベントベースの測定により、より柔軟で詳細なユーザー行動の把握が可能になりました。
セグメント機能やカスタムレポート機能を活用することで、SEO効果の詳細な分析が実現できるでしょう。
Google Analyticsの基本機能や導入手順、活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
(2)検索順位チェックツール
次は検索順位をチェックできるツールを紹介します。
主なツールとしては、以下のものが挙げられます。
- GMO順位チェッカー
- GRC
- Rank Tracker
それぞれの特徴を把握し、自社に最適なツールを選ぶようにしましょう。
#1:GMO順位チェッカー
GMO順位チェッカーは、手軽に検索順位をチェックできる無料ツールです。
登録不要で即座に順位確認ができるため、簡単な順位チェックには非常に便利です。
ただし、大量のキーワードの継続的な監視には適していないため、本格的な効果測定には他のツールとの併用がおすすめです。
#2:GRC
GRCは、国内で広く利用されている検索順位チェックツールです。
Google、Yahoo、Bingの検索順位を自動で取得し、履歴管理や推移グラフとして可視化することができます。
GRCは比較的安価な価格設定で高機能を提供しており、中小企業でも導入しやすいツールでしょう。
ただし、Windows専用ソフトウェアなので、Macユーザーの方は利用することができない点に注意が必要です。
#3:Rank Tracker
Rank Trackerは、SEO PowerSuiteシリーズの検索順位チェックツールです。
世界中の検索エンジンに対応し、競合分析や詳細なレポート機能を提供しています。
無料版でも基本的な順位チェックが可能ですが、データの保存やスケジュール実行には有料版がおすすめです。
海外ツールのため英語インターフェースですが、機能の豊富さと精度の高さは優秀なので導入を検討してみてください。
(3)その他の補助ツール
SEO効果測定に使えるその他の補助ツールを紹介します。
具体的には、以下のものがあります。
- PageSpeed Insights
- Looker Studio
順に見ていきましょう。
#1:PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、ページの表示速度とユーザーエクスペリエンス(UX)を評価するGoogleの無料ツールです。
Core Web Vitalsの指標を含む詳細なパフォーマンス分析と、具体的な改善提案を閲覧することができます。
モバイルとデスクトップの両方で評価が可能で、実際のユーザーデータに基づいた分析結果を得られます。
ページ速度はSEOの重要な要因の一つであるため、定期的な測定と改善のためにもぜひ定期的に表示速度をチェックしておきましょう。
SEOにおけるページの表示速度については、こちらの記事でも紹介しています。
また、ユーザーエクスペリエンス(UX)の概要やページの表示速度との関係性については、以下の記事も参考になります。
#2:Looker Studio
Looker Studio(旧Google Data Studio)は、各種データソースを統合してダッシュボードを作成できる無料ツールです。
Google Analytics、Googleサーチコンソール、広告データなどを一元化し、視覚的に分かりやすいレポートを作成できます。
定期的な自動更新により、リアルタイムでのデータ監視が可能になるため非常に便利です。
チーム内での情報共有や、クライアントへの定期レポートとしても活用できるのでぜひ導入しておきましょう。
7.SEOの効果測定を成功させるためのポイント
SEO効果測定の成功には、適切な測定方法と分析視点が不可欠です。
ここでは、効果測定を成功に導くための4つの重要なポイントについて解説していきます。
具体的には、以下の通りです。
- 短期で判断しすぎない
- KPIとKGIを明確に切り分ける
- ページ種別に応じた指標を使い分ける
- 競合サイトとの比較も行う
順に見ていきましょう。
(1)短期で判断しすぎない
SEO効果測定において最も重要なポイントは、短期間での判断を避けることです。
SEOには必ず時間差が存在し、施策の効果が現れるまでには一定の期間を要します。
例えば、コンテンツの大幅なリライトを行った場合、Googleが新しい内容を適切に評価し、検索結果に反映するまでには数か月かかることも珍しくありません。
また、一時的な順位下落は改善プロセスの一部として起こることもあるため、長期的な視点での評価が必要です。
そのため、あまりに早すぎる判断は効果のある施策を打ち切ってしまうような逆効果につながるリスクがあるので注意しましょう。
(2)KPIとKGIを明確に切り分ける
効果測定の精度を高めるためには、KPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)を明確に区別することを意識しましょう。
まずKPIは中間指標という意味合いであり、SEOにおいてはCTRや滞在時間、検索順位などを指すことが多いです。
一方でKGIは売上や会員獲得など、最終的なビジネス的成果を意味します。
この区別を曖昧にすると、施策の真の効果を正しく評価できなくなってしまうので、まずは意味合いを理解しておくのが重要です。
例えば、検索順位が向上した(KPI改善)が売上に繋がらない(KGI未達成)場合、ターゲットキーワードの見直しやランディングページの最適化が必要である可能性があります。
(3)ページ種別に応じた指標を使い分ける
SEOの効果測定ではページの目的や種別に応じて、重視すべき指標を適切に使い分けることが重要です。
例えば、商品ページやサービスページなど、コンバージョンを目的としたページではCV率や売上を重視すべきでしょう。
一方で、ブログ記事やコラムなどの情報提供ページでは、流入数や読了率、滞在時間などのエンゲージメント指標が重要になります。
また、カテゴリページやナビゲーション的なページでは、内部回遊率や離脱率などの指標が有効な評価基準となります。
このように、コンテンツやページの目的に応じて重視すべき指標が違うということも理解しておきましょう。
(4)競合サイトとの比較も行う
SEO効果測定において自社データのみの評価では、客観的な判断ができない場合があります。
例えば、自社サイトの順位が5位から7位に下がったとしても、業界全体の順位変動(Googleアップデートなど)で競合も一斉に順位を落としている場合は、必ずしも施策の失敗とは言えません。
このことを「順位の相対性」と言い、キーワードに対する順位の相対性を把握するためには競合サイトとの比較が重要になります。
SEMrushやAhrefsなどのツールを使えば、競合の順位動向、流入キーワード、被リンク獲得状況などを定期的に調査できます。
これにより、自社順位の変動理由を正しく判断し、次の施策(コンテンツ強化・被リンク対策など)に反映することが可能です。
8.SEOの効果測定の注意点
SEO効果測定を行う際は、データの解釈や分析において注意すべき点があります。
特に注意すべき3つのポイントは、以下の通りです。
- 短期データで判断すると誤った結論を導きやすい
- 一部の数値だけで全体を判断する
- 複数の要因が絡むため、因果関係の断定は難しい
順にご説明します。
(1)短期データで判断すると誤った結論を導きやすい
短期間のデータだけで判断するのは、SEO効果測定における典型的な落とし穴です。
SEO施策の成果は段階的に現れることが多く、一時的な変動を失敗と誤解してしまうリスクがあります。
例えば、リライト直後に順位が10位から20位へ一時的に下がったケースでは「やっぱりリライトしない方がよかった」と判断して施策を止めたところ、数週間後に順位が5位まで上がり、結果的にアクセス数が2倍になったということも珍しくありません。
また、季節要因やトレンド記事による一時的な流入増減を施策の成果と勘違いしてしまうリスクもあります。
最低でも3か月以上のデータを蓄積して、トレンドとして判断しましょう。
(2)一部の数値だけで全体を判断する
一つの数値だけに注目すると、SEOの全体像を見誤ることがあります。
例えば、検索順位は上がったのにCTR(クリック率)が下がり、アクセス数はむしろ減るというケースもあります。
逆に、アクセス数が増えても滞在時間やCV(コンバージョン)が下がっていると、ユーザーの質や満足度に問題が生じている可能性があります。
そのため、順位だけでなくクリック率や滞在時間、コンバージョン率といった一連の指標を組み合わせて、全体像で評価するようにしましょう。
(3)複数の要因が絡むため、因果関係の断定は難しい
SEO施策の成果には、複数の要因が同時に作用しています。
例えば、記事をリライトしてすぐ順位が上がったとしても、そのタイミングでGoogleのコアアップデートがあり、競合が順位を落としていた可能性があります。
また、同時期に被リンクを獲得したりSNSで拡散されたり、ブランド検索が急増したなど、複数の要素が重なって順位が動くこともあります。
結論を急がず、複数ページでの検証やテストを繰り返すことで、より確実な効果判定につなげましょう。
まとめ
SEO効果測定は、継続的にSEO成果を向上させるための重要な取り組みです。
適切な指標設定、正しい測定期間、効果的なツール活用により、施策を客観的に判断し、次の改善アクションに活かすことができます。
短期的な判断を避け、複数の指標を組み合わせた多角的な分析を行うことで、より精度の高い効果測定が実現できるでしょう。
また、競合との比較や因果関係の慎重な検討により、誤った結論を避けることも重要なポイントです。
本記事で紹介した手法とツールを活用し、継続的な測定と改善のサイクルを構築することで、長期的なSEO施策の成功を実現しましょう。
SEOの効果測定の方法がわからない、データが取れても活用できないとお悩みなら、TMS Partners株式会社へご相談ください。
TMS Partners株式会社はSEO施策の立案から実施、効果測定まで包括的なサポートを提供しています。
