直帰率を改善する6つの方法とGA4での確認手順
直帰率を改善するには、数値の高さだけで判断せず、「どのページの、どの流入元の直帰が多いか」を切り分けてから手を打つのが近道です。GA4(Googleアナリティクス4)の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」で、以前のGoogleアナリティクスとは定義が違います。平均や目安の数値を探すより、ページの役割と自社の過去の数値で判断するほうが、改善の優先順位を誤りません。
この記事では、自社サイトの直帰率が気になっているWeb担当者や経営者の方に向けて、GA4での定義と確認手順、平均・目安の考え方、原因の切り分け方、直帰率を下げる6つの方法を順に説明します。
TMS Partnersは、京都市のWebコンサルティング会社です。直帰率の高いページをどこから直すかの整理から、無料でご相談いただけます。
直帰率とは:GA4の定義と確認方法
直帰率とは、サイトを訪れた人が、ほとんど何もせずに帰ってしまった訪問の割合です。ただし、何をもって「直帰」と数えるかは、計測ツールの定義で決まります。
GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」
Googleアナリティクスの公式ヘルプでは、直帰率を「エンゲージメントが発生しなかったセッションの割合」と説明しています(アナリティクス ヘルプ「エンゲージメント率と直帰率」)。セッションとは、1回の訪問のまとまりのことです。
エンゲージメントのあったセッション(エンゲージメント セッション)とは、次のいずれかに当てはまるセッションです。
- 10秒以上継続する
- キーイベント(問い合わせ完了や購入など、成果として設定した行動)が発生する
- ページビューまたはスクリーンビューが2回以上発生する
3つのどれにも当てはまらなかった訪問が「直帰」です。公式ヘルプは、サイトにアクセスしてコンテンツを10秒未満閲覧し、そのまま離れた場合を例に挙げています。
計算式は次のとおりです(アナリティクス ヘルプ「アナリティクスのディメンションと指標」)。
直帰率 = エンゲージメントのなかったセッション数 ÷ セッション数 × 100
仮に、1,000セッションのうち350セッションでエンゲージメントがなかった場合、直帰率は35%です。
エンゲージメント率(エンゲージメント セッションの割合)と直帰率は裏返しの関係にあるため、次の式も成り立ちます。
直帰率 = 100% − エンゲージメント率
エンゲージメント率が65%なら、直帰率は35%です。どちらか一方を見れば足ります。
以前のGoogleアナリティクス(UA)とは数値を比べられない
旧版のユニバーサル アナリティクス(UA)は、標準プロパティでのデータ処理が2023年7月1日以降、停止されました(アナリティクス ヘルプ「ユニバーサル アナリティクスは Google アナリティクス 4 に置き換わりました」)。UAでは、直帰は「サイト内の1ページしか閲覧されなかったセッション」でした(アナリティクス ヘルプ「直帰率」)。記事を最後までじっくり読んだ人も、次のページへ進まず、ほかの計測(イベントなど)も発生しなければ直帰に数えられていました。
GA4では、1ページしか見ていなくても、10秒以上滞在すれば直帰になりません。定義が違うので、UA時代の数値とGA4の数値を並べて「下がった」「上がった」と判断することはできません。UA時代の数値を前提にした目安も、GA4の数値にはそのまま当てはまりません。
なお、エンゲージメント セッションとみなす時間のしきい値は初期設定で10秒ですが、Googleタグの設定で調整できます(アナリティクス ヘルプ「Google タグ設定を指定する」)。
直帰率と離脱率の違い
離脱率は、あるページがその訪問の最後のページになった割合を見る指標です。直帰率は「訪問全体でほとんど何も起きなかったか」を見るのに対し、離脱率は「どのページで訪問が終わったか」を見ます。
たとえば「トップページ→サービス紹介→料金ページ」と3ページ見て帰った訪問は、直帰ではありません。離脱したのは料金ページです。入口になっているページの問題を探すなら直帰率、サイト内を回った人がどこで止まるかを探すなら離脱率、と使い分けます。
GA4で直帰率を確認する手順
公式ヘルプによると、GA4のほとんどのレポートには、エンゲージメント率と直帰率が初期状態では含まれていません。次の手順で列を追加します。編集者または管理者の権限が必要です。指標を追加できるのは「ページとスクリーン」などの詳細レポートだけです。
- GA4の左メニューで「レポート」を開く
- 「エンゲージメント」の中の「ページとスクリーン」など、直帰率を見たいレポートを開く
- 右上の「レポートをカスタマイズ」をクリックする
- 「レポートデータ」の「指標」を選び、「指標を追加」で「直帰率」を検索して選ぶ
- 「適用」をクリックし、レポートへの変更を保存する
手順4で「指標」が出ず「カードを追加」だけが表示される場合、開いているのは概要レポートです。
入口ページごとの直帰率を見たいときは、「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディング ページ」で開く詳細レポートに、同じ手順で追加します(アナリティクス ヘルプ「ランディング ページ レポート」)。GA4のレポート名の「ランディング ページ」は、訪問の最初に見られたページという意味で、広告用のLPに限りません。
直帰率の平均・目安は何%か
「直帰率の平均は何%か」「何%なら高いのか」に、どのサイトにも当てはまる答えはありません。直帰率の目安は、他社の平均ではなく「ページの役割」と「自社の過去の数値」で決めます。
インターネット上には業種別やサイト種類別の平均値が出回っていますが、調査元や計測条件が書かれていないものや、UAの定義で集計されたものが混ざっています。GA4の数値と並べても、高いか低いかは判断できません。
ページの役割ごとに直帰率の見方は変わる
直帰率が高いことが問題になるかどうかは、そのページで訪問者に何をしてほしいかで決まります。
| ページの役割 | 直帰率の見方 | あわせて見る指標 |
|---|---|---|
| トップページ・サービス紹介 | 次のページへ進んでもらうのが役割。直帰が多ければ、内容か導線に問題がある可能性が高い | 次に見られたページ、問い合わせ数 |
| LP(ランディングページ。ここでは広告の受け皿となる1枚のページ) | 1ページで完結するため、直帰率だけでは良し悪しが分からない | コンバージョン率(訪問のうち問い合わせや購入に至った割合)、スクロールの深さ |
| コラム・ブログ記事 | 疑問が解決して帰る人もいる。読まれているなら、直帰が多くても失敗とは限らない | 平均エンゲージメント時間、関連ページへの移動 |
| 店舗情報・アクセス・電話番号のページ | 必要な情報を見てすぐ離れるのが自然。短時間の訪問が多くても目的は果たしている | 電話タップ、地図のクリック |
このうち電話タップや途中までのスクロールなどは、GA4の初期設定のままでは数値を確認できない場合があります。たとえば、自動で検出されるスクロールは、ページの一番下まで到達したときだけです(アナリティクス ヘルプ「Google タグ設定を指定する」)。計測できているかを先に確認してください。
離脱率の目安も考え方は同じです。問い合わせ完了ページのように訪問が終わるのが自然なページは高くて当然なので、入力フォームや料金ページなど、途中で止まってほしくないページの離脱率を自社の過去の数値と比べます。
LP(ランディングページ)の直帰率はコンバージョン率とあわせて見る
LPは1ページで完結するので、GA4での直帰は、初期設定なら10秒たたずに閉じられ、問い合わせなどのキーイベントにも至らなかった訪問を指します。直帰率が高くてもコンバージョン率が落ちていなければ、急いで直す必要はありません。直帰率が高く、コンバージョン率も低いときは、広告文とページ冒頭の内容が合っているか(後述の方法1)、最初の画面で何のページかが伝わるか(方法2)から確認します。良し悪しを判断する軸はコンバージョン率です。考え方はLPのコンバージョン率を上げる方法で説明しています。
自社の過去の数値と比べる手順
目安として使えるのは、自社サイトの過去の数値です。次の条件をそろえて比べます。
- 同じページ(または同じ種類のページ)どうしで比べる
- 同じ流入元(自然検索、広告、SNSなど)どうしで比べる
- パソコンとスマートフォンを分けて比べる
- 期間の長さをそろえ、季節で変動する商材は前年の同じ月とも比べる
サイト全体の直帰率を1つの数字で追うと、流入元の構成が変わっただけで数値が動きます。たとえば広告を増やした月は、初めて訪れる人が増えるので、ページを何も変えていなくても全体の直帰率が上がることがあります。「直帰率が増加した」と感じたら、まず流入元別に分けて、どこが動いたのかを確かめてください。
直帰率が高い4つの原因と切り分け方
直帰率が高い原因は、大きく4つに分けられます。
- 流入時の期待とページ内容のずれ
- 表示の遅さ
- 冒頭の分かりにくさ
- 次の行動への導線がない
直す前に、どのページから着手するかを決め、流入元とデバイスで分けて原因を絞り込みます。
改善するページの優先順位を計算する
直帰率がもっとも高いページから直すのは、効率がよくありません。訪問が少ないページの直帰率を下げても、全体への影響は小さいからです。次の式で、失っている訪問の数を出します。
直帰したセッション数 = セッション数 × 直帰率
仮に、ページAが月2,000セッションで直帰率60%、ページBが月200セッションで直帰率90%だとします。直帰したセッション数は、ページAが1,200、ページBが180です。直帰率はページBのほうが高くても、先に直す価値があるのはページAです。
GA4の「ランディング ページ」レポートに直帰率を追加し、ページごとのセッション数と直帰率を表計算ソフトに写します。この式で直帰したセッション数を出し、多い順に並べます。上位の数ページのうち、問い合わせや購入につなげたいページが、最初に手をつける候補です。
流入元とデバイスで分けて原因を絞る
候補のページが決まったら、流入元(参照元/メディア)とデバイスで分けて直帰率を見ます。流入元別に見るには、「ランディング ページ」レポートにセカンダリ ディメンション(表に追加する2つ目の分類軸)として「セッションの参照元 / メディア」を追加します。デバイス別は、同じ要領で「デバイス カテゴリ」を選びます。どこに偏りがあるかで、疑う原因が変わります。
| 数値の出方 | 疑う原因 | 最初に確認すること | 対応する方法 |
|---|---|---|---|
| 広告からの流入だけ高い | 流入時の期待とページ内容のずれ(広告文やターゲティングと合っていない) | 広告の訴求と、ページ冒頭の見出しが一致しているか | 方法1 |
| 自然検索からの流入だけ高い | 流入時の期待とページ内容のずれ、冒頭の分かりにくさ | Search Console(Google検索での表示状況を確認できるGoogleのツール)で流入している検索語と、ページの内容 | 方法1・2 |
| スマートフォンだけ高い | 表示の遅さ、スマートフォンでの冒頭の分かりにくさ(文字やボタンの小ささ、画面を覆う表示) | 実機で開き、最初の画面に何が見えるか | 方法3・4 |
| どの流入元・デバイスでも高い | 冒頭の分かりにくさ、次の行動への導線がない | ページを読み終えた人が次に押せるリンクやボタンがあるか | 方法2・5・6 |
広告からの流入だけ直帰が多い場合、ページではなく広告の配信設定の側に原因があることもあります。広告側の見直しはネット広告が効果ない原因の記事で扱っています。
直帰率を下げる6つの改善方法
直帰率を下げる方法を6つ挙げます。前の表で絞り込んだ原因に対応するものから着手してください。
1. 流入の入口とページ冒頭の内容をそろえる
検索結果のタイトルや広告文で約束したことが、ページを開いた最初の画面に書かれているかを確認します。「料金」で検索して来た人に会社の沿革から見せていれば、10秒たたずに閉じられます。検索語や広告文に含まれる言葉を、ページ冒頭の見出しにもそのまま使うのが基本です。
2. 最初の画面で「誰の、何のページか」を伝える
スマートフォンで開いたとき、スクロールせずに見える範囲(ファーストビュー)に、対象となる人、提供しているもの、次にできる行動の3つが入っているかを見ます。大きな写真と抽象的なキャッチコピーだけで画面が埋まっているページは、何の会社か分かる前に離脱されやすくなります。
3. 表示速度を上げる
表示が遅いページは、内容を読まれる前に閉じられます。GoogleのPageSpeed InsightsにURLを入れると、モバイルとパソコンそれぞれについて、ページの表示に関するレポートと改善案が表示されます。表示が遅くなる原因の一つに、撮影したままの大きな画像をそのまま載せていることがあります。画像の圧縮と、使っていないプラグインや計測タグの整理は、制作会社に頼まなくても着手しやすい作業です。
4. スマートフォンでの読みやすさを直す
パソコンの画面で確認して公開したページは、スマートフォンで見ると文字が小さい、ボタンが押しにくい、表が画面からはみ出す、といった問題が残りがちです。開いた直後に画面全体を覆うポップアップも、閉じ方が分からずそのまま離脱される原因になります。担当者自身のスマートフォンで、流入の多いページを実際に開いて確かめてください。
5. 次の行動への導線を置く
読み終えた人が次に進む先がなければ、満足していても訪問はそこで終わります。コラム記事なら、本文の流れの中で関連するサービスページや詳しい記事へ案内します。サービス紹介のページなら、料金や事例、問い合わせへのリンクを、ページの途中と末尾の両方に置きます。リンクの文言は「こちら」ではなく、移動先に何があるかが分かる言葉にします。
6. 入力フォームと問い合わせ手段を見直す
問い合わせを目的とするページでは、フォームの項目が多い、電話番号がタップできない、といった点が離脱につながります。入力項目を必要なものに絞り、スマートフォンでは電話番号をタップで発信できるようにします。ページ全体を仮説と検証で直していく進め方は、LP改善(LPO)の進め方にまとめています。
直帰率の改善で気をつけること
直帰率の改善では、次の3点に注意してください。
1つ目は、直帰率を下げること自体を目標にしないことです。ページを細かく分割して「次へ」を何度も押させれば、ページビューが2回以上になるので直帰率は下がります。しかし、訪問者にとっては不便になっただけで、問い合わせは増えません。目標に置くのは、問い合わせ数や購入数などの成果です。直帰率は、成果が出ない原因を探すための手がかりとして使います。
2つ目は、計測設定の変更で数値が動くことです。エンゲージメント セッションとみなす秒数を変えた、キーイベントを追加した、といった設定変更があると、ページを何も直していなくても直帰率は変わります。改善の前後で比べるときは、その期間に計測設定を変えていないかを先に確認します。
3つ目は、一度に複数の箇所を変えないことです。見出し、画像、ボタンを同時に変えると、どの変更が効いたのかが分かりません。変更は1か所ずつ行い、変更前後で同じ長さの期間を取り、同じ流入元どうしで比べます。訪問数が少ないページでは数値のぶれが大きくなるため、数日で結論を出さず、判断できるだけの訪問がたまるまで待ちます。
TMS Partnersに相談できること
TMS Partnersは、2019年設立の京都市下京区にあるWebコンサルティング会社で、Google Partner認定を取得しています。目標数値(KPI)の設計を含む戦略立案から、Webサイト制作、SEO対策、Web広告運用までを一気通貫で支援しています。Webデザインから動画制作まで社内で対応できるため、ページの改修と広告のクリエイティブ制作を一体で進められます。
直帰率の高さは、ページの問題であることも、集客の問題であることもあります。「GA4のどこを見ればよいか分からない」「広告からの直帰が多いが、広告とページのどちらを直すべきか判断できない」といった段階のご相談も、無料でお受けしています。費用は内容に応じたお見積もりです。
まとめ
GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」で、UA時代の数値や、定義の分からない平均値とは比べられません。目安は、ページの役割と自社の過去の数値で決めます。改善は「セッション数×直帰率」で失っている訪問の多いページを選び、流入元とデバイスで原因を絞ってから、6つの方法のうち当てはまるものを1か所ずつ試してください。最後に見るのは直帰率ではなく、問い合わせや購入などの成果です。
よくある質問
Q. 直帰率の平均は何%ですか?
どのサイトにも当てはまる平均値はありません。ページの役割や流入元で大きく変わり、GA4とUAでは定義も違うためです。他社の平均と比べるより、自社の同じページ・同じ流入元の過去の数値と比べて、上がったか下がったかを見てください。
Q. GA4に直帰率が表示されないのはなぜですか?
GA4のほとんどのレポートには、直帰率が初期状態では含まれていないためです。「ページとスクリーン」などの詳細レポートを開き、「レポートをカスタマイズ」から指標に「直帰率」を追加すると表示されます。概要レポートには指標を追加できません。追加には編集者または管理者の権限が必要です。
Q. 直帰率が高いとSEOに悪い影響がありますか?
GA4の直帰率を下げれば検索順位が上がる、という関係を示す公式情報は、当社では確認できていません。ただし、検索して来た人がすぐ帰っているなら、ページがその検索語の疑問に答えられていない可能性があります。直帰率は順位を上げるための数値ではなく、内容を見直すきっかけとして使ってください。
Q. 直帰率が急に増えた・減ったときは何を確認すればよいですか?
まず、流入元別に分けて、どの流入元で増加したのかを確かめます。広告の配信を増やした、SNSで拡散された、といった流入の変化だけで全体の直帰率は上がります。次に、計測タグやキーイベントの設定を変えていないか、ページの表示に不具合が出ていないかを確認してください。反対に急に下がった場合は、キーイベントを追加していないか、計測タグが二重に入ってページビューが2回数えられていないかを確認します。ページを直していないのに下がったなら、改善ではなく計測の変化を疑ってください。