BtoBリード獲得の方法11選と必要リード数の逆算式
BtoBのリード獲得は、施策の数を増やすより先に「目標の受注数から逆算して、必要なリード数を決める」ことから始めます。必要なリード数は「目標受注数÷受注率(商談のうち受注した割合)÷商談化率(リードのうち商談に進んだ割合)」で出せます。
そのうえで、見込み客の検討段階(情報収集中/比較検討中/導入直前)に合わせて施策を選び、獲得したリードを商談まで育てる流れを作ります。代表的な施策は、SEO記事・ホワイトペーパー・ウェビナー・リスティング広告などのオンライン施策と、展示会・セミナー・テレアポ・DMなどのオフライン施策です。
この記事では、BtoB企業でリード獲得を担当する方や経営者の方に向けて、必要リード数の計算方法、11の施策と検討段階別の選び方、獲得後のナーチャリング(商談につなげる育成)を整理します。
TMS Partnersは、京都市のWebコンサルティング会社です。Web広告、LP(ランディングページ)制作、SEOを組み合わせたリード獲得の設計から運用までを支援しており、「どの施策から手をつけるべきか」といった段階のご相談も無料でお受けしています。
BtoBリード獲得は必要なリード数の逆算から始める
リードとは、自社の商品やサービスに関心を示した見込み客の情報(社名・氏名・連絡先など)のことです。BtoBでは、問い合わせ、資料ダウンロード、ウェビナーの申し込み、展示会での名刺交換などで得られます。
BtoBのリード獲得でつまずきやすいのは、「リードは集まったのに受注が増えない」状態です。BtoBの商材は検討期間が長く、社内の複数の人が判断に関わります。1件のリードがそのまま受注になることは少なく、リードから商談、商談から受注へと段階ごとに数が減っていきます。
そのため、最初に決めるべきは「何件のリードを、いくらで集めればよいか」です。これが決まらないまま施策を選ぶと、件数は多いが商談にならない施策に予算を使い続けることになります。
必要なリード数を出す計算式
必要なリード数は、次の式で求めます。
- 必要な商談数=目標受注数÷受注率
- 必要なリード数=必要な商談数÷商談化率
- まとめると、必要なリード数=目標受注数÷受注率÷商談化率
商談化率と受注率は業種や商材で大きく変わるため、他社の数字ではなく自社の過去の実績から出してください。
仮に、月2件の受注が目標で、受注率が20%、商談化率が10%だとします。必要な商談数は2÷0.2=10件、必要なリード数は10÷0.1=100件です。月100件のリードが必要という目標になります。
実績のデータがない場合は、直近3〜6か月の問い合わせ・商談・受注の件数を数えるところから始めます。数字がまったく取れないときは仮の値で計算し、施策を始めてから実績で置き換えてください。
1件あたりにかけられる費用を出す
件数と同時に、リード1件あたりにかけられる費用の上限も決めておきます。次の式で計算できます。
- リード1件あたりの上限費用=受注1件あたりの粗利×受注率×商談化率
仮に受注1件の粗利が100万円、受注率20%、商談化率10%なら、100万円×0.2×0.1=2万円です。リード1件の獲得単価(CPL:Cost Per Lead、リード1件を得るのにかかった費用)がこれを超える施策は、続けるほど赤字に近づきます。
この上限に必要なリード数を掛けると、月の予算の目安になります。先の例なら2万円×100件=200万円です。この金額は粗利を使い切る上限なので、実際の予算は利益を残せる水準まで下げ、そのぶん商談化率や受注率を上げる手を考えます。予算を決める具体的な手順は、広告予算の決め方で解説しています。
施策ごとに商談化率を分けて見る
計算に使う商談化率は、施策ごとに分けて記録します。同じ「リード1件」でも、料金ページからの問い合わせと、ノウハウ資料のダウンロードでは、商談につながる割合が違います。
全体の平均だけを見ると、獲得単価は安いが商談にならない施策を「効率がよい」と誤って評価してしまいます。比べるべきは、リード1件の単価ではなく商談1件あたりの費用です。施策ごとに「費用÷商談数」を出し、予算の配分を決めてください。
BtoBリード獲得のオンライン施策7選
オンラインの施策は、少額から始められ、件数や費用を計測しやすいのが特徴です。
1. SEO記事(コンテンツマーケティング)
見込み客が課題を調べるときに検索する言葉に合わせて記事を書き、検索結果からの訪問を集める施策です。広告費はかかりませんが、検索結果の上位に表示されるまでに時間がかかり、記事の制作と更新に継続した手間が必要です。
情報収集中の見込み客に届きやすい一方で、記事を読んだ人がすぐに問い合わせるとは限りません。記事の中に資料ダウンロードなどの受け皿を用意しておくと、リードとして接点を残せます。
2. ホワイトペーパー(資料ダウンロード)
ホワイトペーパーとは、ノウハウやチェックリスト、調査結果などをまとめたダウンロード資料です。入力フォームで社名や連絡先を受け取る代わりに資料を渡します。資料とは別に、配布の入口になる広告やSEO記事が必要です。
情報収集中の層からリードを得やすい反面、「資料だけ欲しかった」という人も多く含まれます。すぐに営業電話をかけるより、後述のナーチャリングで関心が高まった人から順に接触するほうが、商談につながりやすくなります。
3. ウェビナー(オンラインセミナー)
自社の専門分野をテーマにしたオンラインセミナーを開き、申し込み時にリード情報を受け取る施策です。テーマに関心を持って自分から申し込んだ人が集まるため、資料ダウンロードよりも関心の度合いが高いことがあります。
当日の参加の有無、質問の内容、終了後のアンケートの回答は、商談化の判断材料になります。開催して終わりにせず、終了後に誰へ、いつ、どう連絡するかを事前に決めておきます。
4. リスティング広告(検索連動型広告)
GoogleやYahoo!の検索結果に表示される広告です。「〇〇 導入」「〇〇 比較」「〇〇 費用」のように、すでに導入を考えている人が使う言葉に絞って出稿できるため、比較検討中〜導入直前の層に届きやすい施策です。
広告の審査が済めば配信を始めた時点から表示されるので、SEOに比べて短期間で件数を増やしたいときに向いています。一方で、広告を止めれば流入も止まります。また、クリックされても受け皿のページ(LP)で問い合わせにつながらなければ費用だけがかかります。
5. SNS(広告と発信)
SNSは、検索する前の段階の人にも接点を持てる施策です。会社やサービスのアカウントで情報を発信する方法と、SNS広告で配信先を絞る方法があり、BtoBでは業種や役職、企業規模などの条件で絞れるかが使い分けの目安になります(絞り込める条件は媒体ごとに異なります)。
SNS経由ですぐに問い合わせが来ることは多くありません。ホワイトペーパーやウェビナーの告知と組み合わせ、まずは連絡先を得る入口として使うと、成果を測りやすくなります。
6. メールマガジン(既存リストへの配信)
名刺交換や資料ダウンロードで得たリードに、定期的にメールを送る施策です。新しいリードを増やすというより、すでに持っているリードの中から、検討が進んだ人を見つけるために使います。
開封やリンクのクリックが続いている人、料金や導入事例のページを見ている人は、商談の候補になります。休眠していた名刺やリストを掘り起こすときにも使えます。
7. 比較サイト・資料請求サイト
同じ分野のサービスを並べて紹介するサイトに掲載し、資料請求や問い合わせを受け取る施策です。比較検討の段階にいる人が集まる場なので、導入を具体的に考えているリードに出会える可能性があります。
複数社に同時に資料請求されることが多く、他社と比べられる前提で、連絡の早さと提案の中身で差をつける必要があります。
BtoBリード獲得のオフライン施策4選
オフラインの施策は、直接会って話せるぶん、関係を深めやすいのが特徴です。
1. 展示会・業界イベント
出展して来場者と名刺を交換し、リードを得る施策です。短期間に多くの名刺が集まる一方で、関心の度合いはばらつきます。会期後のフォローまで含めて費用対効果を判断します。
名刺を集めた担当者が、その場で「すぐ検討したい」「情報だけ欲しい」などの温度感をメモしておくと、会期後に連絡する順番を決めやすくなります。
2. 自社セミナー・勉強会
自社の会場や貸し会議室で開くセミナーです。参加の手間がかかるぶん、来場する人は関心が高いことが多く、個別の相談にもつなげやすい施策です。地域に根ざした商材や、対面での説明が欠かせない商材で使われます。
3. テレアポ(電話による新規開拓)
自社でターゲット企業のリストを作り、電話で接点を作る施策です。相手の課題が顕在化していない段階でも、こちらから働きかけられます。誰に電話するかを決めるリストの質と、最初の数十秒で用件を伝えるトークの準備で結果が変わります。資料ダウンロードの名簿に電話する場合と、まったく接点のないリストに電話する場合とでは、つながる割合や話の始め方が変わります。
4. DM(ダイレクトメール)・手紙
ターゲット企業の決裁者に、郵送で手紙や資料を送る施策です。メールより開封されやすい場面もあり、電話やWebの施策と組み合わせて「手紙を送った相手に後日電話する」といった使い方をします。
検討段階別のBtoBリード獲得施策の選び方
11の施策は、見込み客の検討段階によって向き不向きがあります。自社に足りないのがどの段階のリードかを見極めて、施策を選びます。
| 検討段階 | 見込み客の状態 | 合う施策 | 獲得後の動き方 |
|---|---|---|---|
| 情報収集中 | 課題を感じ始め、解決の方法を調べている | SEO記事、ホワイトペーパー、SNS、展示会 | すぐに営業せず、メールや資料で関係を続ける |
| 比較検討中 | 解決の方法を決め、依頼先や製品を比べている | ウェビナー、比較サイト、自社セミナー、リスティング広告(比較・費用の検索語) | 事例や料金の考え方を伝え、個別相談に誘う |
| 導入直前 | 依頼先をほぼ決め、問い合わせや見積もりを求めている | リスティング広告(導入・サービス名の検索語)、問い合わせフォーム・LP | 当日〜翌営業日に連絡し、商談を設定する |
テレアポ・DMは、相手の段階にかかわらずこちらから接点を作る施策です。メールマガジンは、手元のリストに使います。
11施策の速さ・費用・止めたあとの効果の比較
速さは相対的な目安です。
| 施策 | 成果が出るまでの速さ | 主な費用 | 止めたあとに残るか |
|---|---|---|---|
| SEO記事 | 遅い | 記事の制作費・社内工数 | 残る(記事は公開し続けられる) |
| ホワイトペーパー | 中 | 資料の制作費+配布の広告費など | 資料は残るが、入口を止めると減る |
| ウェビナー | 中 | 企画・登壇準備の社内工数、告知費 | 開催をやめると新規は止まる |
| リスティング広告 | 早い | 広告費(クリック課金) | 止まる |
| SNS | 広告は中、発信は遅い | 広告費、投稿を作る工数 | 発信は残る、広告は止まる |
| メールマガジン | 早い(リストがある場合) | 配信ツール費、原稿の工数 | 配信をやめると止まる(リストは残る) |
| 比較サイト | 中 | 掲載料や資料請求ごとの課金 | 掲載をやめると止まる |
| 展示会・業界イベント | 中 | 出展費、準備と当日の人件費 | 名刺は残るが、新規は出展ごと |
| 自社セミナー | 中 | 会場費、集客・準備の工数 | 開催をやめると新規は止まる |
| テレアポ | 早い | リスト作成と架電の人件費 | 止まる(リストと記録は残る) |
| DM・手紙 | 中 | リスト作成、印刷・郵送の実費 | 止まる(リストは残る) |
短期で商談がほしいなら導入直前の層から
今期の受注が足りない場合は、導入直前の層を狙う施策から始めます。リスティング広告で導入意欲の高い検索語に絞り、受け皿となるLPの問い合わせ率を上げるのが近道です。LPのCVR(訪問者のうち問い合わせなどに至った割合)を上げる方法は、LPのCVRを上げる方法で解説しています。問い合わせフォームは、入力項目を増やすほど商談前に分かる情報は増えますが、途中で送信をやめる人も増えます。導入直前の層向けのフォームは連絡と商談の準備に必要な項目に絞り、資料ダウンロードのフォームでは役職や検討時期などを尋ねて商談に回す判断材料にします。
ただし、導入直前の層は数が限られ、競合も同じ層を狙っています。この層だけに頼ると、獲得単価が上がり続けることがあります。
中長期で母数を増やすなら情報収集中の層も
SEO記事やホワイトペーパーは、成果が出るまでに時間がかかりますが、広告を止めても接点が残ります。今は検討していない企業とも関係を作っておけば、検討が始まったときに最初に思い出してもらえます。
短期の施策で目の前の商談を確保しながら、中長期の施策を並行して育てる配分にすると、広告費だけに頼らない状態に近づけます。人手が限られるなら、最初は短期の施策1つと中長期の施策1つに絞り、計測が回ってから増やしてください。
獲得したリードを商談につなげるナーチャリング
ナーチャリングとは、獲得したリードに継続して情報を届け、検討が進んだ段階で商談につなげる取り組みです。情報収集中のリードが多い施策ほど、ナーチャリングの有無で商談化率が変わります。全体は、獲得(リードジェネレーション)→育成(ナーチャリング)→選別(クオリフィケーション)の順に進み、どこで選別するかの基準は最初に決めておきます。
商談に回す基準(MQL・SQL)を営業と決める
マーケティング側が「営業に渡してよい」と判断したリードをMQL(Marketing Qualified Lead)、営業が確認して商談として追うと決めたリードをSQL(Sales Qualified Lead)と呼びます。最初に、「どの状態になったら営業が連絡するか」をマーケティング担当と営業で決めておきます。たとえば、問い合わせや見積もり依頼はすぐに営業へ、資料ダウンロードのみは料金ページの閲覧やセミナー参加があってから営業へ、といった基準で、これがMQLの判定条件になります。
基準がないと、営業は関心の低いリードへの連絡に時間を取られ、「マーケティングのリードは質が悪い」という不満につながります。逆に、基準を満たしたリードには早く連絡してください。比較検討中の相手は、ほかの会社にも同時に問い合わせていることがあります。
段階ごとに届ける情報を変える
情報収集中のリードには、課題の整理や進め方が分かる情報を届けます。比較検討中のリードには、導入事例、料金の考え方、他の方法との違いを届けます。どの段階のリードにも同じ売り込みのメールを送ると、配信停止が増えるだけです。
メール配信や、閲覧ページに応じた点数づけを自動で行う仕組みとして、MA(マーケティングオートメーション:見込み客の管理とメール配信などを自動化するツール)があります。リードが少ないうちは、表計算ソフトで管理し、手作業で送り分けても十分に回ります。
商談にならなかった理由を記録する
営業が連絡したのに商談にならなかったリードは、理由を記録します。「予算がない」「時期が先」「担当者に決裁権がない」「そもそも対象外」などに分けて数えると、施策の改善点が見えます。
対象外が多いなら、広告の配信先や検索語、LPの書き方を見直します。時期が先のリードは、ナーチャリングに戻して、半年後などに改めて連絡します。この記録が、最初に計算した商談化率を上げる材料になります。
TMS Partnersに相談できること
TMS Partnersは、2019年設立の京都市下京区にあるWebコンサルティング会社で、Google Partner認定を取得しています。目標数値(KPI)の設計を含む戦略立案から、Web広告運用、LP制作、SEOのコンテンツ制作まで一気通貫で支援しています。Webデザインから動画制作まで社内で対応できるため、広告のクリエイティブ(広告に使う画像や動画、文章)と受け皿のページを一体で改善できます。
費用は内容に応じてお見積もりします。「必要なリード数の計算はできたが、どの施策に予算を割り振るべきか分からない」「広告で問い合わせは来るが商談にならない」といった段階のご相談も、無料でお受けしています。Web集客を外部に頼む場合の依頼先の選び方は、Web集客の外注先(コンサル・代行)の選び方も参考にしてください。
まとめ
BtoBのリード獲得は、「目標受注数÷受注率÷商談化率」で必要なリード数を出し、粗利から1件あたりにかけられる費用を決めるところから始めます。施策はオンライン7つ・オフライン4つの計11から、自社に足りない検討段階に合うものを選びます。評価はリード1件の単価ではなく、施策ごとの商談1件あたりの費用で行います。獲得したリードは、営業と決めた基準でナーチャリングから商談へつなげ、商談にならなかった理由を次の改善に使ってください。
よくある質問
Q. BtoBのリード獲得で、最初に取り組むべき施策はどれですか?
今期の受注を増やしたいなら、導入直前の層に届くリスティング広告と、受け皿になるLP・問い合わせフォームの改善から始めると、商談までの距離が短く効果も確かめやすくなります。時間をかけて母数を増やしたいなら、SEO記事やホワイトペーパーを並行して進めます。どちらを優先するかは、必要なリード数と使える人手で決めてください。
Q. リードの獲得単価(CPL)の相場はどのくらいですか?
業種、商材の単価、施策によって大きく異なるため、他社の相場はあまり参考になりません。「受注1件あたりの粗利×受注率×商談化率」で、自社が許容できる上限を計算して判断することをおすすめします。
Q. 小規模な会社でもリード獲得に取り組めますか?
取り組めます。施策を一度に増やさず、短期の施策と中長期の施策を1つずつに絞って始めると、人手が少なくても計測と改善を回せます。
Q. リード獲得の目標はどう立てればよいですか?
目標受注数から、受注率と商談化率を使って必要な商談数とリード数を逆算します。受注率や商談化率は自社の過去の実績から出し、施策を始めたあとも毎月の実績で更新してください。目標は件数だけでなく、商談数と商談1件あたりの費用もあわせて置きます。