LPのコンバージョン率(CVR)を改善する方法と平均の見方
LP(広告などの受け皿になる1枚のページ)のコンバージョン率(CVR)は、「コンバージョン数÷訪問数×100」で計算します。改善するときは、CVRを「フォーム到達率」と「フォーム完了率」に分け、伸びしろが大きいほうから直すのが近道です。
平均値は、業種、流入元、何を成果と数えるかで大きく変わります。公開調査の一例では全業種の中央値が6.6%(Unbounce、2024年第4四半期)ですが、対象や成果の定義が自社と違うため参考にとどめ、自社の過去の数字と、採算から逆算した「必要なCVR」を基準にしてください。
この記事では、LPのコンバージョンが少ない、CVRが上がらないと感じている事業者の方に向けて、計算式、平均の見方、原因の切り分け方、そして①ファーストビュー、②訴求内容とCTA・導線、③フォーム、④表示速度の4要素の見直し手順をまとめます。
TMS Partnersは、京都市のWebコンサルティング会社です。LP制作とWeb広告運用を戦略立案から一気通貫で支援しており、「自社のLPはどこから直すべきか」といったご相談を無料でお受けしています。
LPのコンバージョン率(CVR)の計算式と数え方
コンバージョン(CV)は、LPを訪れた人が、問い合わせ、資料請求、購入、予約など、こちらが目標にした行動を完了することです。コンバージョン率(CVR)は、訪問のうち何%がそこまで進んだかを表します。
- CVR(%)=コンバージョン数÷訪問数×100
仮に月2,000回の訪問があり、問い合わせが30件なら、30÷2,000×100=1.5%です。
分母と「成果の定義」をそろえる
同じLPでも、数え方が違うとCVRは別の数字になります。先月と今月、A案とB案を比べるときは、次の2点を固定してください。
1つ目は分母です。Googleアナリティクス4(GA4)には、「セッションのキーイベント率」と「ユーザー キーイベント率」という2つの率があります。キーイベントは、成果として数えると自分で設定した行動のことです。GA4の公式ヘルプでは、前者は「キーイベントが発生したセッションの数÷セッションの総数」、後者はキーイベントを行ったユーザーの数をユーザーの合計数で割ったものと説明されています。セッション(訪問の回数)で割るか、ユーザー(人数)で割るかで値が変わるため、どちらで見るかを決めておきます。
2つ目は成果の定義です。フォームの送信完了だけを数えるのか、電話番号のタップやLINEの友だち追加も含めるのか。資料請求のような手前の成果と、見積もり依頼のような売上に近い成果を合算すると、率は上がっても中身が分からなくなります。成果は種類ごとに分けて数えるのが基本です。
なお、広告の管理画面とアクセス解析では、分母や数え方が違うため数字が一致しないことがあります。比較は同じツールの数字どうしで行います。
LPのコンバージョン率の平均は何%か
「LPのコンバージョン率の平均」を調べると、さまざまな数字が出てきます。ただ、調査の対象と成果の定義が明記されていない数字は、自社の良し悪しの判断には使えません。
対象が明記されている公開調査の例として、LP作成ツールを提供するUnbounceの調査ページがあります。約41,000のLP、約4億6,400万の訪問を分析した結果、2024年第4四半期時点の全業種の中央値は6.6%とされています。
この数字をそのまま目標にするのはおすすめしません。海外のLP作成ツール提供会社が集計したデータであり、同じページに「コンバージョンの定義はLPごとに大きく異なる」と書かれているためです。メールアドレスの登録と、高額な商材の見積もり依頼では、同じ1件でも重さが違います。
平均より「自社の過去の数字」と「必要なCVR」で判断する
実務で使える基準は2つあります。
1つは自社の過去の数字です。同じLP、同じ流入元、同じ成果の定義で、先月や前年同月と比べます。検索広告とSNS広告、スマートフォンとパソコンでも率は変わるため、全体を混ぜた1つの数字ではなく、流入元別・デバイス別に分けて見てください。
もう1つは、採算から逆算した必要なCVRです。広告経由のLPなら、次の式で出せます。
- 必要なCVR(%)=クリック単価÷許容できるCPA×100
クリック単価は広告が1回クリックされるごとにかかる費用、CPAは成果1件あたりの広告費です。仮にクリック単価が200円、1件の問い合わせに払える広告費が8,000円なら、200÷8,000×100=2.5%が必要なCVRです。現状が1.5%なら、CPAは200÷0.015=約13,333円で、採算に届いていません。
世の中の平均より高いかどうかではなく、自社の採算が合うCVRに届いているかで判断すると、改善の目標値がはっきりします。CVRを上げきれないときは、クリック単価を下げる方向も選択肢です。広告側の見直しはCPAが高い原因と下げ方で解説しています。
LPのコンバージョン率が低い原因を切り分ける手順
CVRが低いとき、いきなりデザインを変えるのは遠回りです。先に、訪問者がどこで離れているかを数字で確かめます。
CVRを2つの率に分解する
CVRは、次の2つの掛け算に分けられます。
- フォーム到達率=フォームに到達した訪問数÷LPの訪問数
- フォーム完了率=送信完了数÷フォームに到達した訪問数
- CVR=フォーム到達率×フォーム完了率
仮に、訪問2,000、フォーム到達120、送信完了30とします。フォーム到達率は6%、フォーム完了率は25%、CVRは6%×25%=1.5%です。
フォーム到達は、GA4のイベント(ページ表示やクリックなど、計測する1つ1つの行動)として計測します。フォームがLP内にある場合は、フォームの表示やCTA(行動喚起:「無料で相談する」などのボタン)のクリックを数えます。別ページにある場合は、そのページの表示を数えます。送信完了は、完了ページの表示で数えるのが確実です。
どちらに伸びしろがあるかで直す場所が決まる
2つの率は水準が違うため、数字の大小では比べません。それぞれを自社の先月の値や、流入元別・デバイス別の値と比べ、落ち込んでいるほうを探します。比べる過去の数字がなければ、後述の件数の試算で決めます。
フォーム到達率が落ちている場合、訪問者はフォームを見る前に離れています。原因はフォームより上にあります。広告とLPの内容のずれ、ファーストビュー、訴求の順番、CTAの位置や文言です。
フォーム完了率が落ちている場合、申し込む気になった人をフォームで取りこぼしています。項目数、入力のしにくさ、エラーの出方を見直します。
どちらを先に直すか迷うときは、改善したときの件数を試算して比べます。先ほどの例で、仮にフォーム完了率が25%から30%になれば成果は36件、フォーム到達率が6%から8%になれば成果は40件です。上げ幅は説明のための仮の数字です。自社で現実的に届きそうな幅に置き換えて計算し、伸びしろが大きく、手間の少ないほうから着手してください。
流入元別に分解すると、特定の広告やキーワードだけ到達率が極端に低いこともあります。その場合はLPではなく、集客している相手がずれています。
LPのCVRを改善する要素別の見直し手順
切り分けができたら、該当する要素を直します。見直す要素は、①ファーストビュー、②訴求内容とCTA・導線、③フォーム、④表示速度の4つです。上から順にではなく、下の表で自社の数字に当てはまる要素から着手します。
| 要素 | こんな数字のときに疑う | 最初に確認すること |
|---|---|---|
| ファーストビュー | フォーム到達率が過去や他の流入元より低く、ほとんどスクロールされていない | 広告文や検索語と、最初の見出しが同じ内容を言っているか |
| 訴求内容とCTA・導線 | 読まれているのにCTAがクリックされない | 料金・申し込み後の流れなど判断材料がCTAの前にあるか。ボタンの文言で押した後が分かるか |
| フォーム | フォーム完了率が過去や他の流入元・デバイスより低い | 初回の連絡に不要な項目が必須になっていないか |
| 表示速度 | スマートフォンの到達率が、パソコンに比べて目立って低い | 最初の画像や動画が重くないか |
どこまで読まれ、どこが押されたかは、ヒートマップツール(ページ上の閲覧範囲やクリック位置を色の濃淡で示すツール)で確かめます。CTAのクリック数は、GA4でボタンのクリックをイベントとして計測すると分かります。
ファーストビュー:広告と同じ言葉で始める
ファーストビューは、ページを開いてスクロールせずに見える範囲です。ここで「探していたものと違う」と思われると、下の内容は読まれません。
確認するのは3点です。広告文や検索語で約束した内容が、最初の見出しにそのまま出ているか。誰の、どんな悩みに、何を提供するページかが一文で分かるか。スマートフォンで開いたとき、見出しとCTAが最初の画面に収まっているか。
広告で「初期費用なし」と訴求しているのに、LPの冒頭が会社の理念で始まっていれば、訪問者は別のページに来たと感じます。広告ごとに訴求が違うなら、ファーストビューだけを訴求に合わせて出し分ける方法が有効です。
訴求内容とCTA・導線:判断材料をそろえ、押した後を具体的に書く
読まれているのにCTAが押されないときは、ボタンより先に、申し込みを決める材料が足りているかを見ます。料金または料金の決まり方、申し込み後の流れ、対応範囲、よくある不安への回答が、CTAより前にあるかを確認してください。利用者の声や実績は、掲載の許可を得た事実だけを載せます。
CTAの文言は、「送信」「お問い合わせ」より、「無料で見積もりを依頼する」「資料をダウンロードする」のように、押すと何が手に入るかを書いたほうが迷わせません。ボタンの近くに、所要時間、費用がかからないこと、しつこい営業をしないことなど、不安を減らす一文を添えます。
導線(訪問者がCTAまで進む道筋)では、置く位置を見ます。ファーストビュー、強みや料金の説明の直後、ページの最後。読んで納得した直後にボタンがある状態を作ります。スマートフォンでは、画面下に固定のボタンを置く方法もあります。
出口を増やしすぎないことも導線の一部です。会社サイトのメニューや他ページへのリンクが多いと、訪問者は申し込む前に別のページへ移ります。LP内のリンクは、成果に必要なものに絞ります。
問い合わせへの到達が少ない商材では、資料請求や料金表のダウンロードなど、手前の成果(マイクロコンバージョン)を別に用意すると、今すぐではない訪問者との接点を残せます。
フォーム(EFO):項目を減らし、エラーをその場で出す
EFOは入力フォーム最適化の略で、フォームでの離脱を減らす取り組みです。最初に見直すのは項目です。営業が初回の連絡に使わない項目は、削るか任意にします。部署名、住所、予算などは、やり取りが始まってから聞けることが多い情報です。
次に入力のしやすさです。次の4点を、自分のスマートフォンで実際に入力して確かめてください。
- 電話番号やメールアドレスの欄で、数字や英字のキーボードが自動で出るか
- 郵便番号から住所が自動で入るか
- 入力ミスが、送信ボタンを押す前にその欄の近くで表示されるか
- エラーが出たとき、入力済みの内容が消えないか
確認画面を挟む必要があるかも検討します。送信完了のあとは、専用の完了ページを表示してください。成果の計測が正確になり、次に何が起きるか(いつ、誰から連絡が来るか)も伝えられます。
表示速度:スマートフォンの結果で確かめる
LPは画像や動画が多く、重くなりがちです。表示に時間がかかると、内容を見る前に離脱されます。
Googleは、ページの主要な内容が表示されるまでの時間を示すLCP(最大コンテンツの描画)について、読み込み開始から2.5秒以内を良好な体験の目安として示しています。自社のLPの値は、Googleが提供するPageSpeed InsightsにURLを入れ、「モバイル」の結果で確認できます。訪問が少ないLPでは実際の利用者のデータが表示されず、シミュレーションの値だけになることがあります。
対処は、ファーストビューの画像の容量を下げる、使っていない計測タグ(アクセス解析や広告の計測のためにページに入れるコード)や外部の読み込みを外す、動画の自動再生をやめる、といった順で進めます。パソコンでは問題がなくても、スマートフォンの回線では遅いことがあるため、スマートフォンの結果を優先して見ます。
A/Bテストで改善を確かめるときの注意点
直した結果は、A/Bテスト(2つの案を同じ期間に出し分けて成果を比べる方法)で確かめます。変更前と変更後を別の月で比べると、季節や広告の配信状況の違いが混ざり、LPの効果かどうかが分かりません。出し分けには、LP作成ツールやA/Bテストツールの機能を使うか、同じ広告から2つのLPへ均等に訪問を振り分けます。
守りたい点は3つです。
1つ目は、一度に変える要素を1つに絞ることです。見出しとボタンとフォームを同時に変えると、何が効いたのか分かりません。
2つ目は、数件の差で勝ち負けを決めないことです。成果が数件から十数件の段階では、偶然で順位が入れ替わります。開始前に終了の条件(期間や成果件数)を決め、途中の数字で打ち切らないようにします。曜日による偏りを避けるため、週単位で区切るのが無難です。
3つ目は、訪問が少ないLPでは小さな変更をテストしないことです。ボタンの色のような細部は差が出にくく、結論が出るまでに時間がかかります。訴求の切り口、ファーストビューの構成、フォームの項目数など、差が出やすい大きな変更から試します。
仮説の立て方からテスト、検証までの一連の進め方は、LP改善(LPO)の進め方で解説しています。
TMS Partnersに相談できること
TMS Partnersは、2019年設立、京都市下京区のWebコンサルティング会社です。Google Partner認定を取得しており、LPの制作とWeb広告の運用を、戦略立案(KPI設計)から一気通貫で支援しています。
LPのCVRは、LPだけを見ても上がらないことがあります。集客している相手、広告の訴求、LPの冒頭がかみ合って初めて数字が動きます。TMS Partnersでは、Webデザインから動画制作まで社内で対応できるため、広告とLPのクリエイティブ制作と運用を一体で進められます。フリースクールLead様や株式会社Dir Consulting様では、LP制作とWeb広告運用をあわせて担当しました。
「CVRが低い原因がLPなのか広告なのか分からない」「作り直すべきか、いまのLPの改善で足りるかを判断したい」といった段階でもご相談いただけます。LPの訪問数、フォーム到達数、送信完了数、クリック単価が分かると話が早く進みますが、そろっていなくても構いません。費用は内容に応じてお見積もりします。制作内容はWebサイト制作のページでもご覧いただけます。
まとめ
LPのコンバージョン率は「コンバージョン数÷訪問数×100」で計算し、分母と成果の定義をそろえて比べます。平均値は業種・流入元・成果の定義で変わるため、自社の過去の数字と、「クリック単価÷許容できるCPA」で出す必要なCVRを基準にしてください。改善は、CVRをフォーム到達率とフォーム完了率に分け、伸びしろが大きいほうに対応する要素から直します。見直す要素は、①ファーストビュー、②訴求内容とCTA・導線、③フォーム、④表示速度の4つです。直した結果は、要素を1つに絞ったA/Bテストで確かめます。
よくある質問
Q. LPのコンバージョン率は何%あれば良いですか?
一律の合格ラインはありません。業種、流入元、成果の定義で数字が大きく変わるためです。「クリック単価÷許容できるCPA×100」で必要なCVRを出し、それを上回っているかで判断してください。あわせて、同じ条件での自社の過去の数字と比べます。
Q. 化粧品のLPのコンバージョン率はどのくらいですか?
調査の対象と成果の定義が明記された、化粧品LPの平均値は確認できていません。初回のお試し購入か定期購入か、割引の有無などで率が大きく変わるため、同じオファー(提示する価格や特典の条件)での自社の過去の数字と比べてください。化粧品の効能・効果の広告は、医薬品医療機器等法で虚偽・誇大な表現が禁じられています(厚生労働省:医薬品等の広告規制について)。表現を強めて率を上げる方法は取れません。
Q. LPのCVRが上がらないときは何から見直しますか?
まず、成果が正しく計測されているかを確認します。次に、CVRをフォーム到達率とフォーム完了率に分け、流入元別・デバイス別に見ます。到達率が落ちていれば広告とファーストビューの一致を、完了率が落ちていればフォームの項目を見直します。
Q. LPを作り直すべきか、改善で足りるかはどう判断しますか?
ターゲットや訴求そのものがずれている場合は、部分的な修正では届かないため、構成から作り直すほうが早いことがあります。訴求は合っていて、CTAやフォームで離脱している場合は、いまのLPの改善で対応できます。作り直す場合の費用の考え方は、LP制作の費用相場で解説しています。